昨日は満月でした。
中秋とは、秋の真ん中の日のことで旧暦の8月15日限定だそうです。
ちなみに、仲秋と書くと、秋の3ヶ月のうち、真ん中の1ヶ月になるので、期間はぐっと長くなります。
なぜ、中秋と仲秋を比べたかというと、
どうも今年は本物の中秋の名月にあたったようです。
なんでも次は8年後とか。
おお、オリンピックの後になってしまうんですね。
皆様は昨日のお月様、見ましたか?
月見団子がメインの人も多かったかとは思いますが・・・
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
さて、今回は粉瘤の治療についてのお話です。
前回の話からの流れでススメましょう。
1)通常時
2)炎症時
2)’破裂時
3)慢性化時
です。具体的な症状については前回を参照してくださいね。
まず、2)からお話しましょう。
2)炎症時
炎症が起きているときは、まず炎症を抑えることが大事です。
細菌による二次感染が合併している可能性があるので、抗生剤を飲んだほうが良いでしょう。
まず、炎症を抑えることが大事です。大事なことなので二回言いました。
その後、治療をゆっくりと考えましょう。
2)’破裂時
こちらはまず、内容物をすべて除去したほうが良いのです。
物理的に圧迫して、内容物を押し出しますが、時には穴を大きくして(円形の穴を開けて)中身を出すこともあります。
これは粉瘤の大きさや破裂状況、時間的な余裕(仕事している人は早くとった方が良いですよね)によって決まります。
そして、中の物を出したら後は2)に準じた治療を行います。
1)通常時
粉瘤の根本的な治療法は1)の通常時に行ったほうが良いと考えられます。
これは腫瘍の大きさは1)<<2)であることや、
炎症が起きている時に処置で手を加えると、更に病態が複雑になる可能性があるからです。
根本的な治療は粉瘤の袋そのものをとってしまうことです。
小さく取る(袋を内側から取る)か、大きく取るか(袋の外を大きく取る)かは状況次第です。
ただし、3)慢性化時にが大きく取らなければいけません。
周りの皮膚の中に断片が沢山残ってしまうからです。
袋を取る手術自体はそんなに難しいものではありません。痛み止めの注射をして、30分くらいで
完了することが多いです。(まあ、大きさにもよりますが)
ただし、3)慢性化時には再発する可能性は少し高いです。
粉瘤とは一般的な疾患ですが、治療の方針は少し複雑になります。
状態をみて、治療法を決める必用があるのです。
もしも粉瘤で心配な方が居りましたら一度受診してみてくださいね。
さて、今回は昨日から様々なメディアで話題になっている、京都大学皮膚科学教室による、アトピー性皮膚炎に対する内服薬(候補)
JTC801について、皮膚科医の立場から解説をしていこうと言う、(ある意味無謀な)試みです。
プレスリリースはこちら.
ニュースの記事だけでは非常にわかりにくいです。
多分、新聞記者の方もあまりよく理解していないのかもしれません。
そもそも・・・がわかっていないのではないでしょうか。
そもそも、皮膚の一番大事な役目は、皮膚の外と中を区分けすることです。
外界の成分が生体内に入ると、アレルギーの反応を起こします。
また、人間の構成成分が外に出ることも、問題となります。
特に問題になるのは水分です。
陸に上がった動物はいかに体内の水分を外に出さない様にするかが、きっと進化の大きな問題になったでしょう。
その大切な皮膚のバリア機能が破綻すると、湿疹が起こります。
特にアトピー性皮膚炎の病気の一部は皮膚のバリア機能の障害によるものということがわかってきました。
(もちろん、アレルギーも大きな原因になります。どちらが主で従かはまだわかっていないことも多いのですが。)
子どもにアトピー性皮膚炎が多いのも、皮膚のバリア機能が未熟だからと考えるとつじつまが合います。
しかし、その一部に、フィラグリンと呼ばれるタンパクの遺伝子異常を持っている人が入ることがわかってきました。
概ね、患者さんの1/3から1/2位の人がそうだと言われています。
なぜ、フィラグリンタンパクの異常がアトピー性皮膚炎を引き起こすのか?
これはフィラグリンが皮膚のバリア機能に重要な役目を持っているからです。
もともと、フィラグリンは皮膚の細胞の中で作られます。
細胞の中の骨の成分、ケラチンとともに皮膚のバリア機能を作り、
最終的には分解されて、天然保湿因子となります。これも皮膚のバリア機能の補助となるのです。
つまり、遺伝的な問題がありフィラグリンの作成量が減ると、皮膚のバリア機能が悪くなり、結果的に
アトピー性皮膚炎になりやすくなってしまいます。
・・・さて、ここまでの話で皮膚バリア機能障害の解決策は出てきたのではないでしょうか。
なんとかして、このフィラグリンのタンパクを増やしてあげれば、皮膚バリア機能の改善につながり、
ひいてはアトピー性皮膚炎の予防につながるということになるわけです。
今回の発表はある化学物質がこのフィラグリンの産生を進めるということなのです。
後日、論文を読んでみて、どのようにしてこの研究が進められたかを見ていきたいと思います。
参加者が規定の人数になりませんでしたので、
9月18日の勉強会は中止となりました。
今後も同テーマは継続して勉強会を行う予定です。
・・・残念です。
あまり診察で話題になることは少ないのですが、
[あざ]も専門分野だったりするのです。
レーザー治療も行っていたので、診断と治療について網羅的にお話はできるかと思ったのですが、
残念です。
いずれ、あざの話もブログでしていきたいですね。
勉強会のご案内
当クリニックでは毎週テーマをきめて勉強会を行なっております。
皆様の御参加をお待ちしております。
2013年9月25日
わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル AD-A-001
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断、治療について
当院で治療を希望される方は一度はお聞きください。
2013年10月2日
生後1ヶ月から3ヶ月までのスキンケア CS-A-001
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします。
時間
開場 10:15
講義 10:30-11:15
質問の時間 11:15-11:30
場所
わかばひふ科クリニック 待合室
180-0002
吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
0422-22-1232
定員
6名
費用
無料
講師
野崎誠
わかばひふ科クリニック院長
受講時の注意事項
赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
駐車場は1台分のみあります。予約は受け付けておりません。
駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。
予約時の注意事項
キャンセルは前日まで、メールでお願い致します。
当日のキャセルは申し訳ありませんが、お受け出来ません。
個人情報について
個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。
今日の晩ご飯をたべるときに、台所から悲鳴が上がりました。
何事かと思って聞いてみると、汁物の中に胡椒を入れようと思ったら
蓋がはずれ、中の胡椒がどばどばとお椀の中に・・・
そんな漫画みたいなコト、あるんですねえ。
さて、今回はおできの話をしようと思います。
おできと言っても沢山の病気があるのですが、その中でも最も一般的な病気である、
粉瘤についてお話をしていきたいと思います。
まあ、類皮嚢腫やら奇形腫やら、似たような皮膚の腫瘍がいくつもあるのですが、
一番多いのは粉瘤ですね。
なお、ピノコは出来ませんので、あしからず。
(↑ネタ古い?)
粉瘤というのは、皮膚の中に皮膚がめり込んでおきる病気です。
結構見られるもので、だれでも一つや2つありますね。
良くできるのは、耳、顔、首など。
もちろん全身にできますが、上半身に多いですね。
一般に大きさは普通は数ミリですが、大きいものでは10センチ以上のものもあります。
症状は以下のようになります。
1)一般の状態はおとなしいですね。
触ってみても、小さな丸いしこりを触れることもあるくらいです。
疲れた時や体調が悪い時にはしこりが少し大きくなり、痛みを生じることもあります。
2)しかし、時に腫れて、ばーんと大きくなることがあります。
大きさは数倍から十倍くらいになることもよくあります。
何もしなくても痛くなることもありますが、触るともっと痛くなります。
これは炎症で容量の増えた内容物が周囲の皮膚を圧迫し、神経を刺激するからと思われます。
多くの場合は1)、たまに2)の状態です。
2)の状態になっても、ふつうは1周間から2週間くらいで1)に戻ります。
ただし、何回も2)を繰り返すと、別の状態に移行することがあります。
(もちろんいきなり↓になることもありますが。)
2)’ たまに腫れが強くなると、「破裂」することがあります。
破裂するときは大きく腫れた時や、中心部に「へそ」(コメドといいます)がある時などです。
破裂すると、中から血と膿と脂と汗と垢の入り混じったくさーい内容物が溢れてきます。
内容物が出尽くしてしまうと、一般的には1)の状態に戻ります。
でも、一つ気をつけてほしいことがあるのですが、何度も破裂すると、そのうちに皮膚の下の内容物が
皮膚の下にバラバラに埋まってしまい、広い範囲に散らばってしまうのです。
最後に粉瘤についてよく質問されるのですが、悪性になる(癌になる)ことは普通はありません。
その部分が悪性になる可能性は皮膚から悪性の癌ができる可能性と同程度と考えられています。
まあ、100万分の1くらいでしょうか。
次は治療のお話です。
「人口負荷社会」
小峰隆夫:著
少子化および高齢化は待ったなしの状態です。
医師会界隈では2025年問題がしきりに言われています。
なんでも年間の死亡者が現在の1,5倍になってしまうそうな。
いや、でも、子どもが生まれないほうが問題でしょ。
と思って読み始めた本です。
人口負荷とは、最近巷で言われる「人口オーナス」と同じものです。
でも、人口オーナスと言われてもピンときません。
子どもが減り、社会が全体的に老齢化していく中で
どのように社会を組み立てるのかというのが今回の問題のキモになります。
経済は縮小する。当たり前でしょう。働く人がいなくなるんだもの。
そこをどうするのか?
うまく社会を回すにはいろいろな人に働いてもらうしかありません。
主婦の人、定年後の高齢者の方にももっと働いてもらわなければいけないでしょう。
でも、そのための社会ができているのか、非常に疑問です。
パパは外で働いて、ママは家にいるという考え方はもう古いと言いますが、
果たして子どもを保育園に預けるシステムができていますか?
子どもが熱を出した時にパパがお迎えに行けるシステムができていますか?
疑問に思えます。
結局、社会は子育てしやすいように、パパママが社会にしっかり出来ていけるようにはなっていません。
なぜか?政治はパパママを向いていないからなのです。
そのためには政治を変えるしか無いでしょう。
政治を変えるには選挙を変えるしかありません。
だって、政治家は高齢者しか見ていませんからね。人数も多いし、投票率も高いし。
そこに面白いアイデアが有りました。
「デーメニ投票」あるいは「ドメイン投票」と呼ばれるものです。
この投票方式は親権者に子どもの分の投票権を与えるものです。
本来投票できない参政権授与前の子どもに選挙権をあげるわけですね。
すると、どうなるか。
両親は子どものことも考えて投票します。
子どものための政策をしっかりと行っている政治家が当選しやすくなります。
結果的に子どものためになる政治がなされるわけですね。
最終的には今のような「政策先送り」をすることは、子どものためにならないので、
なかなか行えなくなるというわけです。
このシステムはしっかりと考えてみてもいいと思うんですよね。
一人のパパとして感じています。
現在のマスコミの論調はあくまでも表面的にしか人口問題を捉えていないことがわかりました。
経済学の原則から、これからの人口問題に対して何をすれば良いかを考えた本です。
将来、自分たちの子どもが大きくなった時に有るべき社会の形を考えてみてもいいのでしょうね。
ぼく じてんしゃに のれるんだ
わたなべしげお作 おおともやすお絵
誕生日に自転車を買ってもらったくまくん。
最初は補助輪をつけて練習しました。失敗もあるけど、最後には上手に乗れます。
でも、友達から言われました。まだ補助輪つけているの?
そこでくまくん、補助輪外しに挑戦です。
さあ、一人で転ばず、補助輪なしの自転車に乗れるでしょうか。
くまくんシリーズです。
子どもを自転車に乗れるようにするのはパパの役目と思っていましたが、
最近の公園では教えているのがママのことがおおく、びっくりしました。
多分パパとママによって、自転車の乗せ方は違うような気がします。
もちろんこの本でもパパとママが子どもの練習を見ている時の態度は大きく違います。
おおらかなパパと、心配症のママの対比が興味深いものがあります。
そして、自転車の練習に一番大切なものは本人のモチベーションです。
友達に補助輪をつけていることを言われてしまい、本人が補助輪外しに奮闘するのは
どこの子どもも一緒です。
「補助輪無しで自転車にのってやる」という気持ちがじつは最も早く上手に自転車に
乗る方法なのでしょう。
子どもの乗った自転車を後ろから支えるのがいいか、子どもをその気にさせて、
少し遠くから見る方がよいのか、考えました。
あなたが最初自転車に乗れるようになったのは、どんな時でしたか?
子どもにはその時のお話をしたことがありますか?
もしもまだのようでしたら一度、話をしてあげるといいかもしれませんね。
今日は武蔵野日赤で循環器の研修会がありました。
皮膚科医なのに、循環器の研修会に参加したのは今回のテーマが川崎病だったからです。
川崎病は、皮膚科の立場からすると診断の難しい病気です。
皮膚に出てくる症状は何でもありです。
紅斑、紫斑、水疱、膿疱などなどなど。
皮膚の症状をみて、川崎病か否か診断するのはまず無理なのです。
また、現在まで病因・病態が全くわからいのもより難しくしています。
現在の診断基準もあくまで症状を羅列したものですから、
そこに原因や理由があれば良いのですが、それすらもわからないことが多く、
本当に困ってしまいます。
しかし、現在は診断や治療については確固たるものが出てきました。
ガイドラインも出ていますので、治療法も決まってきたのでしょう。
(リンクを貼ろうとしたのですが、Google先生に怒られました。なんでも不正なページの可能性があるそうな。
検索は自己責任でお願いします。)
私が一番知りたかったのは原因についてです。
何らかの感染症が誘引と昔から言われてきましたが、現在その分野の研究がどこまで進んでいるのか知りたかったのです。
結論から言うと、原因となる細菌やウイルスの種類には確固たるものはないそうです。
むしろ、免疫反応の強さやクセがおもな原因と言われるようです。
(詳しくは、免疫反応の活性化に伴い高サイトカイン血症となり、全身のさまざまな症状が起きるのだが、
その反応の強さには遺伝子多型による差があり、ある幾つかの遺伝子型の保有により相対リスクが高くなる)
なので、ある種類の感染症が流行するとその地域から川崎病が出る可能性が高くなる。
しかし、別の種類の感染症ではそのようなことは起こらない。
また、双子でも同時に発症することはないが、時間差をおいて発症することがある。
などなど。
少しずつ頭の中もクリアになってくれるといいのですが、
まだ、難しいですね。
今後も勉強です。