わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

伝染性軟属腫

只今水いぼ治療中です!

ということを周りの方にしっかりと知っていただくためにあらたにカードを作りました。

 

水いぼの治療中での問題の一つがプール問題。

治療の前には感染の問題のためにプールに入れてくれ無いというのはまだわかるんです。

でも、治療を行っているつまり水いぼのウイルスの量が減っているのにプールに入れてくれないのはいくらなんでも問題ありませんか?

というのは以前より考えていたのです。

 

そこで今年新しく水いぼの治療を行っている方にはカードをお渡しすることにしました。

題して「水いぼ治療中カード」です。そのままですね・・・

 

内容は至ってシンプルです。

治療しているから(学校・プール管理者は)配慮してね。

ということ。

つまり、その子の感染リスクを考えた上で個別に対処してね。

という問い掛けをするためのカードです。

 

なお、現在水いぼを治療中の方でこのカードがほしい方はスタッフに言っていただければ用意しますので、声をかけてください。

 

え、プール行きたくない?

そういう子はカードを学校に渡さないでプールはお休みしても良いのではないかとー

 

必要なのは選択肢を用意することであり、なにかを理由にして一律に行動を決めることではないと思うのですよ。というのが当院のコンセプトでもあります。

水いぼがかゆくなってきた時の対処法

今回も水いぼの話です。

さて、みずいぼを診察しているとときにはその部分がかゆくなってきたと言って

受診される方がいます。

そのような状況での対処法はどうしましょうか?というお話です。

 

こちらの対応ですが、それだけでは決まるものではなく、

より大きな「水いぼをどうするのか」という考え方から決めていく必要があります。

簡単にいえば、取るのか取らないのかですね。

 

水いぼを取るのであればある意味話は簡単です。

薬を塗ってかゆみを抑えながら一気に水いぼを取りにかかります。

かゆみを抑える薬はいわゆるステロイドの塗り薬になりますが、

長期であれば水いぼを増殖させる方向に向かいます。

しかし短期間であればその副作用はあまり問題にはなりません。

そして水いぼを取りきってしまえばおしまいですから比較的単純な話になります。

 

逆に水いぼを取らないのであれば話はより複雑になります。

選択肢は更に2つ。薬を塗るか塗らないかですね。薬は同じステロイドになります。

薬を塗ると決めた場合は水いぼが長期化する可能性は否定できません。

もちろん数も増えることになるでしょう。

逆に塗らない場合はかゆみを我慢するか、

飲み薬などでかゆみを抑えるか(あまり効果は高くはありません)

をしながら自然にかゆみと水いぼが引いてくるのを待つ必要があります。

時間はかかりますが手間も痛みも一番少ない方法ではあります。

 

ちなみに、水いぼが痒いときにはいくつかの可能性があります。

アトピーなどの別の湿疹がたまたま同じところに出た可能性。

もちろん汗疹もできやすかったりしますね。

水いぼのウイルスに対して免疫が形成され、水いぼが排除される過程である可能性。

(モルスクム反応と呼ばれます)

水いぼに細菌が感染し、いわゆる二次感染の状態になっている可能性。

などが考えられます。

まあ、最後のときは痛みや熱も出てくるので別の対応が必要になるのですが。

 

実は水いぼが痒いという状態は複雑な症状が入り混じっていることも多いので、

一度診察の上で方針を決めてしまったほうが良いかと思います。

 

水いぼをつまむときの優先順位の付け方

水いぼの季節がやってきました。

プール前に全部取っておきたい気持ちわかります。

なくしておきたいですよね。

ただ問題になってくるのは取る個数ですね。

多すぎると嫌になってしまうし、少ないと時間がかかってしまいます。

また、取るもの次第ではなかなか落ち着かないということにもなってしまいます。

今回は、水いぼを取る際の優先順位についてお話をしていきたいと思います。

 

当院独自の方法かもしれませんが、

水いぼを取る場合には1日あたり12個までと決めています。

これよりもおおいと取っている間に子供が嫌になってしまい、

結局来てくれないという事になってしまいます。

したがって優先順位を決めることはとても大事になります。

 

優先順位ですが、原則は

1)大きいものからちいさいもの

2)変化の無いものから変化のあるもの

となります。

 

大きいものを優先するのは人るは取りやすいからと言うのもあります。

もちろんちょっとでも盛り上がっているものはつまんで取れますけどね。

ただ大きいものはそれだけウイルスの量が多いということであり、

今後他の場所にもウイルスをばら撒いてしまう可能性も高いというものでもあります。

したがって感染拡大リスクの大きな、サイズの大きいものを優先したいところです。

 

次に変化の有無についてです。

水いぼ自体は皮膚の色は変わりません。ただ盛り上がっているだけです。

では色の変化はどのようなものがあるのか?

赤くなっているか否かを確認していきます。

赤くなる原因はいくつかあります。

まず、感染を起こしていること。細菌感染を起こしているわけですね。

こちら、取るときにはとても痛いです。

そして、取らなくても膿が出るかかさぶたになるかの変化を起こして

数日で消えていくことがあります。

もう一つは自分の免疫で認識され、炎症がおきていること。

この状態では自分の体が自分で水いぼを「敵」だと認識して攻撃を加えています。

そのために時間が経過すると水いぼを完全に駆除し、自然に赤みと盛り上がりはなくなります。

したがって慌てて対処する必要はありません。

最後に自分でいじってしまい赤いかさぶたを作っていること。

こちらも物理的に水いぼの中のウイルス量が激減しています。

またかさぶたになることで上記の炎症を引き起こします。

そのために消えてなくなっていくのです。

 

このように赤くなった水いぼは普通の皮膚色の水いぼに比べて何らかの変化がおきています。

多くはウイルスの量も減少傾向にあり、それに対してつまんで取ったときの痛みも強く出ます。

 

結論として、真っ先に取るべき水いぼは

1)皮膚の色をした大きな水いぼ

です。ついで

2)皮膚の色をした小さな水いぼ

3)赤くなっている大きな水いぼ

4)赤くなっている小さな水いぼ

の順となります。

 

水いぼのシールを貼る場所に悩んだときはこのような順番で貼っていけば良いのではないでしょうか?

あとは一気にとって一気に直してしまいましょう。

 

皮膚特殊外来の予約時間を拡大します

今回は外来予約枠についてのお知らせです。

 

ありがたいことに皮膚特殊外来の予約も徐々に増加してまいりました。

当初は幼稚園児から小学生のイボの治療を行うために外来枠を開設しましたが、

より小さな年齢の子や大人など、徐々に対象年齢が拡大を続けている状態です。

また、より小さな年齢の子が感染する水イボについても治療の対象を拡大いたしました。

そのため、今まで外来から診療時間枠の拡大を求める意見を頂いております。

 

皆様から様々なご意見をいただき、今後診療時間の拡大を図ることにいたしました。

今までの予約枠の時間帯は

平日 14時から17時半

土曜 9時から9時半

でしたが、今後は

平日 10時から12時(月水金) 13時から17時半 18時から19時(月金)

土曜 9時から9時半

とさせていただきます。

つまり、平日の時間枠を拡大いたしました。

 

注意事項ですが、

イボの治療において、最大4時間という貼付時間は変更ありません。

従って夜間診療の時間帯において処置を行うと貼付時間は午後11時までとなってしまいます。

生活習慣を検討の上、予約を行うようにお願いいたします。

成人の水いぼ発症についてのカルテ調査を行ってみた 2018年7月

というわけで、雨も続いているので、カルテをひっくり返してみました。

大人の水いぼの方はどれくらいいるのか?です。

 

まず基本情報から。

当院を一度以上受診された方は1万3千人ほどです。

その中での子供(18再以下)は概ね半分ですので、6千5百人。

では、子供の中で水いぼの病名が付いた子は約800人程度。

成人は24人でした。

なお、成人例は全部カルテをひっくり返して水いぼと診断されたことを確認済みです。

 

少し詳しく見ていきましょう。

水いぼの子の受診率は800/6500ですので、12.3%。

結構高いですが、これにはからくりがあります。

「一度でも水いぼと診断された」子なので、現在もうなくなっている子もたくさんいます。

現在水いぼがある子に限定するともう少し頻度は下がるでしょう。

水いぼ取りの処置を行った件数からすると、全患者数の4%。小児では7-8%くらいかと思います。

もちろん発生年齢もありますので、保育園児・幼稚園児では10%を大きく超えますが。

 

では成人はといえば24/6500ですので0.37%ですね。

小児に比べると結構低い数値です。

でも、300人に一人と考えると、結構な人数です。

月あたり1名ですので、極端に少ない人数ではありません。

 

0.37%ですかー。結構居ますね。

と思われるかもしれませんが、実はこれにはからくりがあります。

つまり、子供が多いクリニックなので、お母さんも多い。

で、そのお母さんに水いぼが出ていることを受診するというパターンが結構あるので、

多分その割合になっていると思われます。

一般の社会人を母集団とするとさらにその割合は下がるのでしょう。

といっても、0.1%くらい?

極めて稀というには少し多い印象受けますが。

 

あとは年齢です。

30代、40代でおおよそ8割以上を占めます。

逆に20代や50代以上はほとんどいません。

つまり年齢による偏りは多く存在しているのも一つの特徴になります。

もう一つの特徴は子供から感染される例が多いこと。

頻度の高い年齢の方はほとんど子供からの感染を起こしています。

 

では、実際に感染を起こされた割合を見ていきましょう。

先程の子供の水いぼの発生数は概ね800人位。

成人の水いぼの発生数は24人。

ということは感染確率は24/800で3%。

・・・思ったよりもあります。

3%であれば、無いとは言い切れません。

 

もう一つの違いは性別です。

24名中、男性は5名。女性は19名と明らかに女性に多く見られました。

ちなみに男性はほとんど30代です。

パパさんが最近子育てをしっかりと頑張っている様子が目に浮かびます。

昔は全く子育て男性の水いぼは見ませんでしたから・・・

 

細かく見てきましたが、つまりはこういうことです。

・多くは子供から親への感染が見られるが、稀ではない。(確率は3%程度)

・当然感染するのは母親が多い(30代、40代の感染が多い。男性よりも女性の患者が多い)

 

では、なぜ前回の様に、

「発生は稀である」「免疫抑制を考えるひつようがある」

となるかといえば、来院する患者層が異なることがあるでしょう。

 

子供が来る=お母さんも一緒に受診することが多いクリニックでは

子供の水いぼも多く、ひいては大人の水いぼも多く見られます。

逆に高齢者の多いクリニック、働き盛りの男性が多いようなクリニックでは

成人の水いぼはきっと珍しくなってくるでしょう。

 

結局は来院する患者さんの傾向により、珍しいか否かは決まってくるのでしょうね。

 

最後に言えること。

お母さんには無視できない確率で水イボが感染することがあります。

それは確率の問題であり、感染された人の免疫が問題なのではありません。

大人の水いぼもふつうに感染することのある、心配のいらない病気なんですよ。

ということでした。

 

水いぼは一つだけなの?

さて、前回のお話の続きです。

健康な成人は水いぼに感染することはないのか?

 

いえいえ。そんなことはございません。

その理由の一つには水いぼのウイルスそのものにあります。

 

水いぼの原因ウイルスは伝染性軟属腫ウイルスと呼ばれますが、

こちらのウイルスは1種類だけではなく、いくつかのサブタイプに細かく分けることができます。

なぜ分けるのか?それぞれ免疫のでき方が異なるからです。

 

したがって、一つのサブタイプに子供の頃に感染をして、治った後に免疫を得たとしても

大人になって子供が別のサブタイプの水いぼに感染をしたばあい、親に普通に感染を起こすということも

十分に可能性があるんですよね。

 

だから、「感染は稀である!」と言い切ってしまうのもいかがなものかと思うのです。

 

・・・データ出してみようかな。

水いぼは大人には伝染らないって本当ですか?

本日、専門職向けのクイズを見ていました。

雨降っていて、時間に余裕ありましたからねっ。

それに今回話題が水いぼだったのもありましたので、試しに行ってみました。

 

・・・あれ、外れた。

そんな。まさか。

と思って詳しく確認をしてみると・・・

「水いぼは大人には感染しない」

○か×か。

 

いやあ、そりゃああるでしょう。

○!

 

そしたら×ですって。

 

あれー。

と思いまして問題と解説を読んでみました。

問題

「免疫が成立している健康成人には通常感染しない」

解説

大抵すでにウイルスに対する免疫を持っているために感染することは稀です。

ただし、免疫不全状態にある成人に対しては感染することがあります。

ですって。

 

・・・この書き方では、水いぼをが出た大人の人は大問題ある人じゃあないですか。

そんなことないんですけどね。

 

普通に大人にも水いぼは感染します。

今日はそんなお話をしていきましょうか。

雨の日のお供に少しだけお付き合い下さいませ。

 

幼稚園/保育園に水いぼポリシーの確認はしていますか?

春です。入学の季節です。

保育園や幼稚園に新しく入る子も多いかと思います。

そんな子を持つお母さんのために、園に確認して欲しいことが皮膚科からあります。

 

それは水いぼポリシーです。

 

なにそれ?

と思われる方も多いでしょう。これは水いぼの子に対する園の考え方についてです。

 

水いぼはちょうどこのくらいの年齢の子の病気です。

実害はないのですが、感染することも有るのが悩みのたね。

社会的に問題になるんですね。

 

で、この水いぼの子を特にプールの時にどう扱うかは園によってものすごく異なります。

他の子と一切区別しない園から一切裸にさせない園まで非常に広い幅での対応となります。

ぜーんぜん違います。

 

これ、確認したほうがいいですよ。

というのも、治療すべきか否かが変わるからです。

そして、治療をするなら、もう始めないとプールに間に合わないからです。

水いぼの治療は数週間かかります。そして治療終了後数週間確認して、再発しないことを見て、

初めて治癒と証明されます。

なので、時間、かかりますよ。

だから、必要ならば今から水いぼの治療したほうが良いですよ。

 

だから、今から水いぼポリシーを、確認、しませんか?

 

水いぼ、取っています

注意してほしいのですが、取りたくない人の水いぼは取りませんよ。

 

水いぼの治療法は近年大きく変換してきました。

一言で言えば、とらなくなってきた。

その一言に付きます。

 

取ることは大変なんです。

取る側も血液付着からの感染症のリスクなどもありますし、

取られる側だってイヤですしね。

 

だから、取りません。

という施設が増えました。

 

でも、それで良いのかな?と疑問を持っています。

 

取りたい人、取りたくない人は当然居ますよね。

でも、底から忘れられた人たちがいます。

取らなければ行けない人。

です。

 

まだ、学校側の意識は古いままですので、

プールに入れないということはお話として有るのです。

取れば入れる。プールに入りたい。

だから取らなければいけない。

そういう人も一定の数いるんです。

 

なのに、取りません。

と言われてしまったら、その人は困ってしまいますよね。

 

現在の水いぼ治療はそうなりつつあります。

昔の用に、取りたくない人まで全部取っていた時代よりは人道的かもしれません。

でも、全員取らない方針。

だったら、困る人が出てくるのです。

 

なので、当院では水いぼ取っています。

と言わなければいけないのかな?と思っています。

 

水いぼ、取って欲しい人は来てもらえばとりますよー。

勿論、痛くないような手立ては講じますよ。

ご検討ください。

水いぼの有る子はそろそろ取ることを考えましょう

今回も新学期のお話です。

でも、少し先に目線がありますよ。

 

水いぼ。この病気は幼稚園児・保育園児にはポピュラーなものです。

統計によると、10人にひとりは有るようですね。

 

で、問題になるのはプール。

プールに入れないことがあります。

皮膚科・小児科医はいいとおもっているのですが、

運営者が首を縦に振らないのであれば仕方ありません。

取らざるを得ないことになります。

 

さて、では、いつ取りましょう。

逆算してみましょう。

 

6月下旬

早いところではプールが始まります。

この時に出ているとアウト。

ただ、水いぼは数週間待って、出ないことを確認しない限り

治癒とはいえません。

その4週間前には除去を済ませておきたいところです。

となると、タイムリミットは

5月下旬

になりますね。

それまで摘除を進めていきますが、本当は経過観察後の時間がこれくらい。

になっていたいところです。

この時に一度再発した水いぼを全部取って経過観察。

としていたいところです。

だと、更に4週間前に最初の全摘除を終わらせたいところです。

4月下旬

最初の全摘除の終了期間です。

さて、水いぼ取りですが、毎日の様に皮膚科受信できますか?

週1回+αといったところでしょうか?

そうすると、34回とるためには開始時期はどうなるか?というと、

4月上旬

になってしまうんです。

 

あらあら、時間ありませんね・・・

 

早めにとることにしましょうね。