わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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学童

イボの治療をする前に、運動会の日程を申告したほうがいい

春になって増えてくるもの、それは感染症。

今回はウイルス感染症であるイボの治療のお話です。

治療の前にまず話しておくべきことは何でしょうか?

 

それは運動会の日程。

早いところではそろそろ運動会の準備が始まります。

その準備とイボの治療は相性が悪いことが分かっています。

 

イボの治療は液体窒素で焼くこと。

それにより、痛みが出てきます。

また氷やけどになりますので、水ぶくれ・水疱になることが有るのですが、

そのリスクは運動量が多いほど高くなります。

なので、運動会の練習が始まると水疱になるリスクが高くなるということです。

 

また、その水疱は時間が立つと破れる可能性があるのですが、

そのリスクもまた、運動量に比例します。

なので、運動会の練習が始まると破れるリスクが高くなるということです。

 

更に、水疱が破れたあとは、一皮むけたビランになりますよね。

これも運動すればそれだけ痛いということ。

なので、運動会の練習が始まると痛みが強くなります。

 

特に裸足で運動会の練習をしている子の足の裏にイボが出来ると、

治療をしてしまうと逆に大変な事になってしまいます。

 

したがって、運動会前のイボの治療については

なにもしない時のイボの痛み。

それと、

治療を行った時の水疱・ビランのリスク。

を天秤にかけて治療を行う必要があり、結構難しい判断を迫られることが有るのです。

どこかで一時中断をする可能性があるのですが、

一時中断するとその中断期間にイボが再度拡大することも有るので、

中途半端に治療をするくらいなら、最初から運動会の後まで待ったほうが良い。

そんな事態も起こりうるのです。

 

なので、最初に言ってほしいんですね。運動会が5月に行われる学校に通っている人は申告をお願いします。

 

 

この冬最後の、「しもやけ雨」

いやあ、今朝は寒かったですね。

そういう日の雨は嬉しく有りません。

しもやけになるってば・・・

 

今までの診察経験から、気温5度以下の雨に降られた後には

しもやけの発生が増える印象があります。

 

あまり冷たくてもしもやけにはならないのですが、

概ねこれくらいの気温までですね。

それ以上は大丈夫です。

 

天気予報を見てみると、これから気温は徐々に上がっていくみたいですので、

今後しもやけの多発する雨にはならなさそうです。

 

つまり、今日はこの冬最後の”しもやけを作る雨”ということになりそうです。

でも、患者さんは少なさそうですね。

なぜなら、春休み。だからです。

雨降っても外出しなければいけない子どもたちは学期内に比べて少ないですからね。

 

さてさて、この冬最後のしもやけの患者さんは、やってくるのでしょうかねえ。

 

手の甲のカサカサは何故起こるか

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東京では毎日、雪が降るか降らないかのぎりぎりの天気が続いていますね。

最近、手足の冷えが気になるようになり、外出時には手袋が手放せません。

でも、子どもたちは手袋もせずに外を楽しそうに走り回っています。

でも、手袋をしないと湿疹ができますよ。

 

冬の寒さも身に応えるようになると、乾燥の子も増えてきます。

特に幼稚園児から小学生位の子で特徴的に目にするのは、両手の甲(手背と言ってもいいでしょう)に見られる

乾燥と湿疹です。

全体的に赤褐色になり、角度によってはひび割れたようにも見え、少し粉を吹く湿疹です。

皮膚表面がちりめん状に見えることもあります。

 

このような子には共通点が有ります。

それは、外出時に手袋をしていないこと。

また、自転車によく乗っていることもあげられるでしょう。

何しろ、自転車に乗って受診する子がほとんどですから・・・

 

この湿疹ですが、原因は風です。

風に吹かれることにより、手の甲の皮膚のみが強く乾燥します。

そのために乾燥を原因とする湿疹がその部分だけ極端に強くなってしまうのです。

 

ということは対処法は「風を防ぐこと」になります。

手袋をすることが予防になります。

当然、湿疹の薬や保湿剤も大事です。

ただ、出来てから治療を行うよりも出来る前にしっかりと予防することの方が簡単なのです。

しっかりと手袋をはめて予防していきたいものですね。

靴で始めるしもやけ対策 屋外編

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木枯らしも吹き、そろそろ街も冬支度を始めています。

吉祥寺駅前もイルミネーションが灯り、華やかになりました。

 

さて、しもやけ対策のお話、3回めは靴のお話屋外編です。

今の時期の子どもの靴を見ていますが、あまり夏と代わり映えしない印象があります。

特に男の子はまったく同じ靴で走り回っていますよね。

これでは足先が冷えてしまいます。

 

今回も山屋さんからご紹介しようかと思ったのですが、それではあまりにも芸がないので、

別のところから話を持ってきたいと思います。

また、登山靴などでは走り回るにはあまり向いていないですからね。

 

今回紹介するものは「スノトレ」です。

正式にはスノートレーナー。雪の降る環境の中でも使うことが出来るスニーカーです。

 

恥ずかしながら東京に引っ越しをして数年。スノトレの存在を忘れていました。

数年前に思い出し、お店で探したのですが、どこにもおいておらず、結局インターネット通販で購入しました。

毎年、お店に行っているんですが、毎年見つかりません・・・

 

でも、実際に履いてみると全然違います。

スニーカーの布張りとは違い、全体的に通気性のない素材で出来ていますので、

冷たい風は靴の中には入りません。

また、防水素材ですので、雨や雪の浸透も大分防ぐことが出来ます。

 

まあ、一番の問題は東京ではお店に置いていないことなんですけどね・・・

でも、足先の寒さは大分違います。オススメですよ。

NIKE(ナイキ) スノトレ スニーカー スノートレーナー 2 GS キッズ レディース 472624

2013年 あたまじらみ始まりました

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台風が近くなると風が強くなりますね。

道路の看板が倒れないか心配な日が続きます。

 

今週に入り、今年はじめてのあたまじらみの患者さんが受診されました。

まあ、夏休みにもらって、痒くなるのに数週間かかりますので、そろそろかとは思っていましたが。

 

皆様、アタマジラミについてのイメージはどのようにお持ちでしょうか。

私が最初に思い出すのは歴史の教科書です。

敗戦直後の写真だと思いますが、

子どもが頭からDDTの粉をふりかけられている写真が最初に浮かんできます。

また、実は、小学校の頃にシラミの精密検査を受けるように言われたことも有りました。

その時は実家にて、父親に(父親の皮膚科医なんですよ)、髪の毛を見てもらい、

しらみではないと言われた記憶がなんとなくあります。

 

さて、実はこのイメージは間違っています。

昔はたしかにしらみは栄養が悪い子や不潔な子に起きるとされていました。

どうしても貧困とイメージが結びついているのはそのためかと思います。

でも、現在は違います。

普通の子が普通にあたましらみにかかるのです。

一説にはヨーロッパでは全児童の数%にも及ぶとか・・・

また、月に1回は頭のシラミをチェックする日があるとか・・・

 

多分日本はそこまで多くは無いと思いますが、多分数百人に一人くらいの割合で

患者さんは発生していると思われます。

で、原因はむしろスポーツや合宿でしょうね。

水泳はハイリスクと考えられます。

 

要は頭をくっつけていれば、シラミの虫が「ぴょん」と飛び移る。

ということです。

 

だから、シラミは誰にでも起こりうるものです。

シラミを理由にしていじめるなんて、もってのほかですよ。

耳切れのなおしかた 小児編

次は小児編です。

 

耳切れは1歳、2歳児に見ることは少なく、逆に幼稚園から小学生に見ることが多くなります。

また、その時期の耳切れは男の子の方が明らかに多くなります。

 

これもまた、耳切れの出来る原因が密接に関係しています。

 

この時期の耳切れの原因はこすれと汚れです。

では耳はなぜ洋服とこすれるのか。

これは洋服を脱がせるときにこすれてしまうのです。

男の子の方が乱暴に洋服を脱いで/脱がせてしまう。

2枚、3枚同時に脱いで/脱がせてしまう。

そのために耳タブが引き伸ばされ、耳が切れてしまうのです。

また、女の子の方が前開きの洋服をボタンで着せていることが多いようです。

これがひとつ目の理由です。

 

では汚れはなぜか。

当然外で遊べば全身が汚れます。

男の子の方が汚れが強いのが一つ。

その汚れでかぶれてしまうのは前の記事と一緒です。

もう一つは入浴です。

大きくなって一人で入浴するようになる。

その時、女の子の方がしっかりと洗う。しっかりと石けんをつける。

そのため、汚れが落ちやすいのです。

これが2つ目の理由です。

また、男の子に症状が多い理由でもあります。

 

 

対策はどうするか。

これも毎日の生活、スキンケアの話が大事なります。

 

まず、しっかりと洗うこと、しっかりと流すこと。

これは前の記事と同じです。

もう一つ、洋服に気を配ること。

可能なら前開きの服にする。つまりトレーナーのような、頭からかぶる洋服を止め、

シャツのようにボタンで止めるようにすること。

また、2枚以上まとめて脱がすことをやめる。

 

これだけでみんな良くなることがあります。

もちろん、落ち着かないときにはステロイドも使いますけどね。

 

次は成人編です。

 

【論文】イボはどこからもらうのか?

たまには真面目に論文の話でもしましょうか。今回はイボのお話です。

タイトルは

Warts Transmitted in Families and Schools:A Prospective Cohort

です。雑誌は(小児科の専門雑誌ですよ)

PEDIATRICS2013;131;928

です。

 

ここで英語の時間です。

Wartは世間一般で使われる用語で「イボ」です。水いぼはWater Wartです。水の付き方は日本と一緒ですね。

Prospective Cohortとは研究の方法です。

ある集団をいちからずっと観察し続ける、非常に手間のかかる方法です。逆に信頼性は高い研究方法です。

この論文ではオランダの3つの小学校を1年から1年半観察し、イボ保有率と、その悪化原因を観察しています。

対象者数は約1000人です。

 

さて、結果ですが、

イボの保有率は約30%です。結構高いですねえ。

この論文では、色々な因子により、イボの保有率がどのように変わるのかを観察しています。

 

ざらっと紹介しますと、イボにあらたにかかる可能性は、

男の子では1.1倍(95%の可能性で0.8-1.3倍←人数があまり多くないので、95%の可能性でこの範囲内に入るということを意味します)

白人では1.9倍(1.4-2.7倍)

過去にイボにかかっていると1.5倍(1.2-1.9倍)

となっています。

なぜ白人のみがこんなに可能性が高いのでしょうか?

遺伝?生活習慣?謎です。

 

さて、生活習慣とイボのかかりやすさですが、

個人との親密度から幾つかグループに分けてみると、

<家族>

家族にイボ持ちがいると2.1倍(1.5-2.9倍)

<教室>

そのクラスのイボ保有率が40%を超えていると1.5倍(1.2-1.9倍)

→イボ保有率が10%増えることに1.2倍(1.1-1.3倍)

親友がイボ保有者だと0.9倍(0.7-1.2倍)←その子は本当に親友ですか そんなことは言っちゃ行けません。

<社会・公共>

公共のプールを使っていると1.4倍(1.0-2.0倍)

裸足のスポーツをしていると1.1倍(0.9-1.6倍)

公共のシャワーを使っていると1.0倍(0.7-1.4倍)

となります。

 

当然密接に関係する人間のイボ保有率がダイレクトに影響しているわけですね。

しかし、プールであまり上がらないというのも正直意外でした。

最も、プールに入っている時間や期間については詳しい調査がされていないので、

その部分がはっきりしないと関連性も言えないとおもいますが。

 

ただし、ここからわかることは

家族にイボがいると移りやすい

ということでしょう。当然といえば、当然ですが、家族に移さないこともしっかり考えないといけませんね。

 

最後に、私が簡単にまとめた図です。

確かに、接触の強さとリスクが揃っていますね。

イボ

「シートン動物記」

オオカミ王ロボ/ぎざ耳坊やの冒険/ほか4編 シートン動物記 (1) (シートン動物記)

子どもの読み聞かせのために購入しました。

昔読んだことがあると思っていたのですが、完全に内容は忘れてしまい、

新鮮に読むことができます。

 

1900年頃の動物の毎日が活き活きと描かれ、楽しめます。

人間が狡猾なこと、狡猾なこと………

人間と動物の知恵くらべがまだいたるところで見られた時代の名残ですね。

 

子どもに読んであげながら、ゆっくりと楽しみたいと思います。

 

水いぼの子はプールに入れますか?

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水いぼの治療をしているとよく聞かれるのは上記の質問です。

 

もともと、水いぼはプールで伝染ることが多いものです。

世間では感染源はビート板などとも言われていますが、それだけではありません。

当然、ビート板の共用はあまり良くはありませんが、

子どものプール教室を見ていると、じゃれあっていますよね。

あれだけくっついていれば水いぼのウイルスは直接移ってしまいます。

 

そこで問題になってくるのは水いぼの子はプールに入れるのかどうか?

明確なルールはありませんが、学会では指針を出しています。

その指針では「問題なし」です。(日本小児皮膚科学会

でも、実際にプールに入れるかどうかを判断するのはそれぞれの施設なので

最終的にはその判断に任せなければなりません。

 

ということで………

当クリニックのスタッフに手伝ってもらい、吉祥寺の周辺の水泳教室に

電話で聞いて見ることにしました。

結果は・・・

様々です。

あまりルールとして決まっているところは少ないようでした。

しかし、ルールとして、「水いぼがなくなるまでは教室には参加出来ません」というところもいくつかありました。

また、「医師の判断による」とするところもいくつかあるようです。

意外だったのは、電話をしたその時に即答してもらえないことです。

たらい回しもいくつかありました…………

 

結構その辺はルーズなようですね。

 

 

2013/5/23追記

もしも心配な方はプールに相談してみて下さい。

OKな場合もありますし、治療していればOKなこともあります。

まったくダメなところは数は少ないですよ。

 

あと、一つ。

友達に感染させてトラブルになることが心配な方は

物理的に取るのが一番かと思います。

今は痛みを少なくする方法もありますので、

皮膚科医に相談してみてはいかがでしょうか。

 

2013/5/29追記

水いぼの治療方針についての記事を掲載しました。興味のある方は参照下さい。