わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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石けん

赤ちゃんのニキビには薬は必要ありません

今回もニキビの話を進めていきましょう。

そして、専門の赤ちゃんのお話をしていきましょう。

 

赤ちゃんには結構な確率でニキビができます。

概ね数週間から23ヶ月くらいまでの間に、鼻の頭を中心に赤ちゃんのほっぺたやおでこにニキビができることがあります。印象としては男の子に多いかな?

このニキビは新生児痤瘡と呼ばれます。大人のニキビとは区別して考える必要があるのです。

 

では、大人のニキビと赤ちゃんのニキビはどう違うのか?

病因についてはよくわかりません。でも、一つ明らかに違うものがあります。皮膚のケアです。

お母さんにお話を聞いてみるとよくわかるのですが、ニキビができている赤ちゃんには、あまり石鹸を使った洗顔がされていませんでした。男の子が多いのは多分その石鹸使用率の違いやスキンケアの違いが影響しているようにも思えます。

 

対処法は簡単。まず洗うこと。そして石鹸をしっかりと流すことが一番です。とにかく汚れを大量の水を使用して洗い流すことが治療にもなるんです。

ただし、ここで注意点。石鹸は石鹸水を単純に塗るのではなく、泡を作って泡をのせるようにして洗う必要があるのです。

 

赤ちゃんのニキビはまずしっかりと洗うこと。

それだけで十分に落ち着けることができるのです。

もちろん、落ち着かない時にはスキンケアの確認をする必要がありますので、心配なようであれば一度受診してみて下さいね。

頭を痒がる子どもへの対処法

新生児

赤ちゃんが頭を痒がる、ひっかくというお話は診察室でもよく聞きます。

今回は頭を引っ掻いている赤ちゃんに何ができるかというお話をしていきましょう。

 

赤ちゃんが頭を引っ掻いているのは多くは乾燥が原因です。

早い子では生後3ヶ月、遅くとも生後半年になると、脂漏性湿疹はなくなります。

(尤も、脂漏性湿疹は痒くなりませんが。)

その後の頭部の湿疹はほとんどが乾燥による湿疹です。

では、なぜ乾くのか?

これはもう年齢、季節によるものといえるでしょう。

 

生後3ヶ月の赤ちゃんの皮膚は一生の中で最も弱い皮膚です。

当然乾燥もし易いものです。

また、冬になると、空気が乾燥しますから、皮膚も乾燥してきます。

そのために頭部の皮膚も乾いてくるのです。

 

もう一つの原因は洗い過ぎです。

石けんで頭を洗っていると、どうしても皮膚の乾燥が強くなってしまいます。

そのために痒くなってしまうのです。

また、体温が上がると痒みは増強されます。

そのために入浴直後は特に痒くなってしまうのです。

 

では、対処法はどうするか?

今までのお話の反対をすればいいのです。

 

年齢・季節は残念ながらコントロールは出来ません。

しかし、洗い過ぎはコントロールできます。

どうするか?頭は頭用のシャンプーを使うのです。

また、乾燥肌・アトピー用のシャンプーを使うのもひとつの方法です。

石けんに比べて洗浄力は弱いのですが、逆に皮膚の保護作用は強いために

乾燥は抑えることができます。

これだけでも頭の痒みが減る子は沢山います。

 

もう一つは暖めないこと。

保冷剤や氷枕を使って頭を冷やす。

また、入浴直後に冷たいタオルで温度を下げる

などの対策を取ることで、痒みを抑えることができます。

 

お風呂から上がったあとに赤ちゃんが頭を引っ掻いて困ります。

という方はぜひ試してくださいね。

キュレル シャンプー ポンプ 420ml

洗えていない!

今日は久しぶりの休日でした。

のんびりとお家で晩御飯を食べ、お風呂の時間です。

 

お風呂にはいるとき、上の娘が自信満々に

「自分で体洗えるよ(背中、頭を除く)」というので、

お手並み拝見とばかりに隣で体を洗う様子を見ていました。

 

・・・ちょっとまったー。

 

洗えていません!

 

いや、顔の真ん中の部分は洗っているんですよ。

ほっぺたの部分までは大丈夫です。

鼻も大丈夫。顎の真ん中も大丈夫。

目の周りは・・・少し怪しいけど大丈夫。

 

でも、顔の辺縁部分が全然洗えていません。

おでこの上の端、こめかみ部分、もみあげの部分から耳たぶ、

耳の穴の周辺部は全く洗っていませんでした。

 

実はこの部分は結構湿疹ができやすい部分です。

洗い方の弱い部分と湿疹のできやすい部分が一致しているということは、

洗い方が弱いから湿疹ができやすい。

という可能性は充分にあるのです。

 

このあたりの問題については今後色々と調べて見たいと思いますが

まずできることは一つ。

しっかりとした洗い方を教えること。

ですね。

 

しかし、その前には・・・

子どもが洗っている様子をじっくりと見て上げてくださいね。

そこから見えてくることもあるかと思います。

 

お風呂に上手に入ることが充分に湿疹の予防になりますよ。

その石けんボトルはいつ変えたの?

おれさま、ばいきんまん!―アンパンマンはじめまして

暑くなって来ました。(最近はこの文面ばっかり書いている気もしますが)

暑くなると細菌による感染症が増えてきます。

とびひは当然のこと、その他の皮膚の感染症も増えるのです。

特に子どもは汗をかきやすいので要注意。

何回もお風呂場に連れて行かねばなりません。

 

でも、そのお風呂場に感染症の原因が潜んでいること、知っていますか?

 

 

ジャグジー毛嚢炎という言葉があります。

優雅な病名ですね。

欧米では24時間ずーっと沸かしているお風呂で感染症が起きることがよくあります。

例えば、レジオネラ菌という名前を聞いたことがあるかもしれませんね。

これが、レジオネラ菌の嚢子が、熱に耐性を持つために感染を起こす病気です。

そのため、日本では循環式の浴場などでは塩素消毒をするように規定されています。

 

話が横にそれました。

ジャグジー毛嚢炎の原因の一つは緑膿菌です。

緑膿菌とは膿が時に緑色に見えることからついた名前ですが、白い膿からも検出されることがあるので、要注意。

 

この緑膿菌は結構消毒剤に耐性を持っています。石けんなどの界面活性剤にも抵抗するようです。

そのため、シャンプーや石けんのボトルの中に潜んでいることがあります。

緑膿菌が中で繁殖している石けんのボトルを使うことで、

皮膚の表面に石けんと一緒に緑膿菌が移植され、毛嚢炎を起こすようです。

 

では、対策はあるのか?

これは簡単。こまめにボトルを変えること。

また、ボトルが空になったらしっかりと乾かすこと。

これだけで防ぐことができます。

 

また、その緑膿菌は風呂場の中においてあるタオルの中でも繁殖するので要注意です。

ではタオルの話はまた今度しましょうか。