2023年もアトピー性皮膚炎の新規治療薬も販売になり、
また、今までの治療薬も適応年齢の拡大がありました。
では2024年がどうなるのか?
治療法の変化について
新規薬剤について
合わせてYouTubeで解説してみました。
興味がありましたらのぞいてみてくださいね。
TEL0422-22-1232
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
2023年もアトピー性皮膚炎の新規治療薬も販売になり、
また、今までの治療薬も適応年齢の拡大がありました。
では2024年がどうなるのか?
治療法の変化について
新規薬剤について
合わせてYouTubeで解説してみました。
興味がありましたらのぞいてみてくださいね。
本当は年末に上げたかったのですが、年始になってしまいました。
昨年新規処方開始された&適応年齢が拡大されたアトピー性皮膚炎の
おくすりのまとめ解説動画です。
デュピクセントが生後6ヶ月以上への適応拡大が進むのですが、現時点でウチが懸念しているのは以下の2点です。
1)そもそもスキンケア、外用が不足しているために悪化した子に注射を打つことの是非について
2)症状が改善した時に注射をどのように止めていくのか以下簡単に説明していきます。…
— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) August 30, 2023
デュピクセントが生後6ヶ月以上への適応拡大が進むのですが、現時点でウチが懸念しているのは以下の2点です。
1)スキンケア、外用が不足しているために悪化した子に注射を打つことの是非について
2)症状が改善した時に注射をどのように止めていくのか
以下簡単に説明していきます。
1)こちらは入口問題となります。
そもそも論ですが、特に乳幼児においてはアトピー性皮膚炎の治療は最初にスキンケア、ついで外用治療です。そして成人よりも更にスキンケアの重要性が強いと個人的には考えています。
心配なのは、全然スキンケアの指導をしないで、外用も適切なものを使用しないで湿疹がこじれたからデュピクセントを使うということが起きないかどうかです。
皮膚科小児科のどちらでも起きているのですが、スキンケアの質と量が足りない、外用が不適切であったがためにうちを受診される子が結構いるということ。そういう子に対してきちんと指導し、外用を行うだけできれいになってしまうということを経験している以上どうしても心配になってしまうのです。
2)は出口問題です。
今までは成人のみにデュピクセントは使用されていました。成人まで持続するアトピー性皮膚炎は遺伝的・体質的な要因が強く、そのために中止がなかなかできないというようにうちでは考えています。
しかし小児の場合は小児特有の皮膚の脆弱性という問題があり、こちらは裏を返せば年齢とともに改善する疾患でもあると言えます。実際に乳児期には酷い症状だった子が幼児学童期にはその面影がないツルっとしたお肌に改善することも往々にして経験します。
つまり、成人と異なり、小児の場合はどのようにデュピクセントを止めていくかという出口の問題がより大きくなると考えられます。また小児のアトピー性皮膚炎の子の中には遺伝的要因が強い子もいますが、こちらは初見ではわかりません。(治療を続けていてもなかなかわからないですが)最終的に治療しても良くならないということを以て成人期に移行する子と判断するのですが、この子達はデュピクセントを中断することは厳しいのです。
したがって、多数の年齢とともに寛解する子と少数の寛解しない子の差をどのように見極め、それぞれにどのように治療を行うべきなのか。こちらは治療を行いながら手探りで判断していくことになるのでしょう。
デュピクセントは今までの経験から成人に対して非常に有効であり、小児に対しても有効であろうと推測することができます。
しかしこのような問題点については一つずつ解決をしていく必要があるかと考えます。
でも、最後に。適応拡大は本当に嬉しいのです!!!
多分今年の夏には使えるようになっているはずの手のひらの多汗症のおくすり、
アポハイドローションについてメーカーの担当さんに色々とお話を伺えました。
今回はその印象についてとなります。
一部医療機関関係者向けの感想も入っていますが、その部分は飛ばしていただいて
構いませんよ。
今年の夏に発売になる、手掌多汗症用のアポハイドローション。気になる点が確認できたので覚書です。
まず対象は成人。治験は12歳以上で施行。まだ正確な対象年齢は決まっていないですが、小児以下はNGです。
塩化アルミの併用はOK?(同時に塗布はやめたほうが良さそう)。ODTは不可。綿手まではOK。— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) April 5, 2023
以前に比べて写真を取るという行為が簡単に行えるようになりました。
なによりもその瞬間に見ることができるのがありがたいです。
フィルムカメラの時代を知っている人間からすると隔世の感がありますね。
#円形脱毛症 の #オルミエント 内服ですが、効果が出ているのですが、自分ではなかなか見えない場所なので効果が実感しにくいです
診察のときに医療者側で写真を撮影して、それを見てもらうことで効果の実感が得られるようです
診察のときに「写真を撮ってください」とスマホを渡すのもありですね— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) March 2, 2023
デュピクセントのペン型を使用している患者さんへのお知らせです。
昨年末に当院でも発生していたデュピクセントペン型の先端部の押し込み困難例ですが、
メーカーさんによると他にも同様のケースが発生していたようです。
当院のケースでは無理やり打ったとのことですが、事故の可能性があります。
もしも通常の力で押しても薬液が出ない状況のときは使用を中止し、
未使用品をそのまま処方医療機関に提出ください。
あとは医療機関経由でメーカーさんに確認の上、
代替品を無償で提供いただけるとのことです。
無理な使用はお控えください。
2022年12月より、サイバインコの投与制限が解除になります。
今までは新薬ということもあり、2週間の処方制限がありました。
しかし販売開始から1年が経過したとのことで処方制限が解除になります。
当院でも4週間を限度に処方を行うことになります。
(その他のアトピー性皮膚炎内服薬も4週を限度に処方しています)
何度も処方のために病院に通ってもらうのも大変ですからねえ…
それに伴い、当院の全身療法もまた一つ武器が増えることになりました。
今回はその治療法を年齢制限という面から確認したいと思います。
12歳以上
・リンヴォック 15mg(通常量)
・サイバインコ 100mg(通常量)、200mg(倍量) ←New!
13歳以上
・ミチーガ皮下注
15歳以上
・デュピクセント皮下注
・オルミエント 4mg(通常量)
・リンヴォック 30mg(倍量)
となります。
今回の変更に伴い、12歳から常用量で内服しても効果の出ないアトピー性皮膚炎の患者さんには早い段階から倍量投与が可能になりました。
今までは15歳からでしたので治療の幅が一段と広がったものと考えています。
上手に薬を選んでアトピー性皮膚炎をしっかりと抑えていきましょう
最近テレビの広告でも目にすることが増えてきましたね。
帯状疱疹のワクチンですが、当院でも取り扱いを開始することにいたしました。
対象は50歳以上の方です。
使用可能なワクチンは2種類あります。
水痘ワクチンと専用の帯状疱疹ワクチンです。
水痘ワクチンはその名の通り子どもたちが水ぼうそう予防に使用するワクチンです。
昔っからあるものですね。
副作用は一般的なインフルエンザワクチンと同レベルとお考えください。
ただ効果は比較すると少し落ちます。
専用の帯状疱疹ワクチンですが、こちらは全く逆とお考えください。
効果は十分。しかし副反応は結構強く出ます。
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの間くらいと考えてもらうといいかもしれません。
あとは金額が高いです。そしてそれを2回接種する必要があります。
どちらのワクチンが良いか。これは非常に難しい問題と言えるでしょう。
安全性を重視するのであれな水痘ワクチン。効果を重視するのであれば帯状疱疹ワクチン。
あとは経済性を考えて選択していくという形になります。
お値段ですが、
水痘ワクチンは8000円、1回投与。
帯状疱疹ワクチンは1回あたり21000円、こちらを2回、2ヶ月の間隔を開けて接種する形になります。
新型コロナ感染症及びそのワクチンによって一般的に頻度が増えたと考えられがちな帯状疱疹ですが、実はその前からジワジワと発生頻度は上がっています。
子供たちの水痘ワクチンが義務化し、接種率が上がってきたのがその一つの理由となります。そのために、社会生活を行う中での水痘・帯状疱疹ウイルスとの接触回数が減り、体内で対抗するための免疫が刺激されず結果として帯状疱疹が発生すると考えられています。
今回のワクチンは今まで社会生活を営む中でなんとなく接触していた水痘・帯状疱疹ワクチンに対しての人為的な接触を増やし、免疫を能動的に獲得しようという考えのもとに使用されています。
繰り返しになりますが、適応は50歳以上の成人の方です。個人的にはすべての人にしっかりとワクチンを打って頂いて予防を進めていくべきと考えています。
デュピクセントを始めとする次世代型アトピー性皮膚炎の治療が開始されて4年目に入りました。
オルミエント、リンヴォック、サイバインコ、ミチーガと薬の種類も増え、使用中の患者さんも増えてきています。
それに伴い進学転居などの社会的変化に伴い転院されるかたも増えてきました。
その方にはもちろん転居先で治療を継続するようにお話をし、紹介状を記載しています。
紹介状にはいくつか記入が必要な事項もあるのですが、紹介状にそれが抜けていることを経験したために今回記事にします。
いや、だってこれが書いていないとおくすりを処方できないんですもの。
アトピー性皮膚炎の治療薬は非常に高価です。窓口で支払う金額でも十分に高価なのですが、それ以外の7割(から9割)の金額は実は保険者から出ています。
そのお金はもとをたどると毎月給与から引かれている保険料および税金となっています。
医療機関は毎月保険者にレセプトという名前の書類を提出し、その金額を請求することになっているのですが、そのレセプトには必ずいくつかの事項を記載しなければなりません。
特にアトピー性皮膚炎の場合には上記の写真にあるIGA、EASI、BSAというデータを記載する必要があり、そのデータがある数字以上でないと処方できないルールになっております。
で、問題になるのが治療中に転院した場合。調子が良くなって転院すると、転院先の病院でとった数字ではクリアできなくなる可能性があるんです。
この数字は患者さんがある時点でクリアしていることが証明できればいいので、一番合理的なのが全身治療を行う前の調子が悪い段階でのデータを使用することなんです。
なので、転院前の病院が持っているそのデータが一番大事なのですが、その数字が書いていない。となると転院先の病院は途方にくれてしまうのです。
もちろん、一番悪いときのデータを見ることでもともとその患者さんがどのくらい重症なアトピーだったのか、ひいてはどれだけしっかりと治療を行うべきなのかを知ることも大事なのですが。
なので、転院前の病院にお願いです。このIGA、EASI、BSAのデータはかならず紹介状に記載してください。処方薬のデータは患者さんのお薬手帳を見ればある程度確認できるのですが、この3点だけは紹介状に記載が無いと全く判断ができません。
あとは患者さんも可能であればこの3つの数字は教えてもらってお薬手帳などにメモしておくと良いかもしれません。実際に起こりうる話ですが、洪水で・地震でクリニックのデータが全部なくなってしまうことも理論的にはありますから。しっかりと自己防衛することも大事ですよね。
転居するときには紹介状をしっかりと書いてもらいましょうね。
今回はかゆみのお話です。
痒いって何でしょうね?と言われて、どこからどのように来て痒みが起きるのかの原因を語ることってまだできないんですよね。と考えることが最近多々あります。
神経が関与しているよね。うん、そこはわかる。ではその中で何が起きているのか?そこがわからないんです。
ただ言えることはかゆみが辛いということ。時には人生を狂わせるということ。
湿疹があれば痒くなるのですが、どうもそのレベルには個人個人の差がものすごい大きな印象を受けます。
傍から見て面積がそこまで広くないのにとても強いかゆみを感じる人がいれば、広範囲に湿疹があるのにケロリとしている人もいる。
そしてその違いは外からは見えない。それぞれの人のかゆみは比べてみると湿疹の面積や強さに比例しているのか?もわからない。
なにせ、個人の間隔なので。
というところで全部判断が止まってしまうんですよね。客観的な評価が未だにできないと言い換えてもいいかもしれません。
ミチーガというおくすりがあります。こちらはアトピー性皮膚炎に使用可能な注射でかゆみを取ることができるという薬です。
いままで数名の方に使用しておりますが、全員にかゆみの効果がありました。それこそ注射したその日から痒みがゼロになるというレベルのお話です。
もちろん湿疹も徐々に減少していますね。
かゆみだけをピンポイントで抑えるおくすりができて初めて疑問に思ったこと。
痒みが先?湿疹が先?
今までは湿疹があるから痒いんだと思っていました。でもそうじゃないのかもしれません。痒いから引っ掻いて湿疹を作っているのではないか?
などということも考えるようになっています。
…なんかとっちらかった文章になっていますね。まだ頭の中でもはっきりとした物が出ていないのでそれが文章に出ているんでしょう。
でも、かゆみって何でしょうね?湿疹ってなんでしょうね?
痒くないけど悩みで眠れなくなりそうです。