わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

雑記

お正月に塗り薬は足りそうですか?(2022年12月)

師走らしいといえば師走らしいお話です。

 

塗り薬ですが、お正月の休診期間足りそうですか?

 

飲み薬と比べて残薬量がはっきりとわからないのが塗り薬の欠点ですね。

 

可能であれば毎日の使用量を秤で計測して消費量を把握しておくのも一つですし、

新しいチューブやツボを開けたときに開封日を記載しておき、

消費量を日数で計算しておくのも一つの方法かと思います。

 

特にお正月に不足すると大変ですから、予め把握しておくか

もしくは心配であれば早めに受診してお正月明けぶんまでしっかりと確保しておくのも

一つの方法かとおもいます。

 

どうしてもお正月休み直前の受診は混雑しますので、

早めに動き始めることをご検討ください。

日展に行ってきました(2022年11月)

日展に行ってきました

日展をご存知でしょうか。
1907年から1世紀以上に渡り開催されてきた、日本最大の総合美術展覧会です。

毎年秋に、六本木の国立新美術館で開催され、現在は「日本画」「洋画」「彫刻」「工芸美術」「書」の5部門で公募された作品の中から、入選した作品が展示されています。

招待券を頂いたので、仕事休みの平日に行ってきました。
券を下さった方の書の作品をまずは鑑賞。
解説のお手紙を頂戴していましたので、それを頼りに、じっくり見ました。
芯のしっかりした、でもしなやかなとても素敵な作品でした。

書は、様々な字体や形式の作品が並んでおり、ほとんどが解読不能・・
ただ、作品全体を見て好きか嫌いか、絵のように感じれば良いとのことだったので、次々作品を鑑賞。
たくさん見ていると、自分の好みが分かってきました。
漢字より仮名文字が好きだなぁ、なんて考えながら、会場を一周しました。

会場を出ると下の階に洋画の会場があり、こちらもたくさんの人が来場していました。
受付の方に書のチケット(?)を持っているのですが、絵画も見られるのか聞いたところ、
『日展すべてをご覧いただけます』とのこと!
せっかくなので、すべて見て行くことにしました。

絵画や美術工芸に明るいわけではないので、書と同じように好みで鑑賞。
たくさん見ていると、絵のモチーフに多く選ばれているものに気づいたり、
逆になぜコレを題材に選んだのか?という疑問を持ったり、様々な気づきがありました。

鑑賞する人も様々で、絵の構図についてアレコレ議論しているおばさま2人組がいたり、
ご夫婦で迫力ある裸婦画を眺めていたり。
お一人でゆっくり鑑賞している方は、年配の男性が多い印象でした。

今まで美術館で見てきたのは、プロの画家や作家の作品でしたが、今回はいわゆる市井の人々の作品。
絵画でいえば、写真のような絵から抽象画まで様々で、質感にこだわっている作品もあれば、
力強さに重きを置いているものもあり、それらすべてが、
それぞれの制作者の想いや意図を纏っていることに思いを馳せながら、
たくさん見せていただきました。

とても印象深かったのは、盲目の祖母が赤ちゃんを抱いている絵でした。
おそらく、作者のお身内のおばあさまだと思われますが、目の見えない方の表情、視線、
そして大事そうに抱える幼子の迫力ある絵を見ながら、
モデルになった方はこの絵を見ることはないのだなぁ、と切なくなりました。

たくさんの書、絵画、彫刻、工芸作品がありましたが、テーマも作風も技術も様々。
でも、すべて審査員によって選ばれた作品だということで、
ある意味認められた作品であることに間違いないのでしょう。
様々な作品を見ていたら、そのままで、あるがままでいいのだと、自然に思えてきました。
うまく表現できませんが、『みんな違ってみんないい』だなぁ、と思った一日でした。

芸術の秋、行かれてみてはいかがでしょうか。
東京会場の会期は27日までです。

車が故障したときに症状名で検索してはいけない

車が故障しました・・・

なんとなくゴム臭かったのです。

 

ディーラーさんに持っていって現在修理中なのですが。

ネットで症状を調べて検索したら「ひぃっ」ってなりました。

いやこれは怖いです。

 

結局のところ原因はネットに記載されているのとは全く違うものでした。

まあ予想はしていたのですが検索結果はあまり当てにならなかったです。

ネットの記事についてですが、どうしても重症な方にうつりがちになるようです。

まあそうですよね。故障が重症だったら困りますし。

あとは買い替え修理についてのいい入り口になりますからね。

 

ただ、そこに記載されていない事項があります。

頻度です。

多分車種によってもメーカーによってもことなるのですが、

その頻度が全く書かれていない。

症状の原因がよく見られるのか、稀な事象なのか。

それすらも書かれていないのです。

これっておかしいですよね?

 

世の中でなにか起きたときには頻繁に起きることから検討されるべきなんですよ。

だって稀なことを心配しても仕方ないじゃないですか。エネルギーのムダになるじゃないですか。

なので、重症か否かと合わせて頻度が多いか否かについても考えていかなけれな行けないじゃないですか。

重症なのもはきちんと否定するのは大事なんですが、同時に頻度の高いものから合致していくかを確認する。

というのは身につけた知恵ですよね。

財布をなくしたときはいつもおいてある場所をまず探す。

と言われたら確かにと思いますよね?

 

頻度を考えずに重症度だけを記載する。

それは片手落ちじゃないのでしょうか?

その情報にはどれだけの価値があるのでしょうか?

とPCの前で首をかしげながら検索するとある日の午後なのでした。

古くなったお化粧品はどうしましょう?

コロナ第6波が終了し、心配していたGW後の波もどうやら小なさそうな状況です。

感染対策についての再検討も始まり、人のいない屋外のマスクについても検討がなされています。

その際に問題になるのはお化粧品ですよね。

コロナ前に購入したお化粧品の再活躍はアリなのでしょうか?

 

まずお化粧品の有効期限について。

特に記載はされていないことも多いかと思います。

記載されていたらその指示に従っていただく必要があるのですが、

記載がない場合の考え方は「3年」です。

法律上、3年以下である場合は有効期限の明記が必要になるわけですね。

 

ただし、この期間は「開封前」である状況においてのみ有効です。

蓋を開けたらダメですよ?

また保管がしっかりされていることが前提条件となります。

直射日光の当たらない冷暗所で安静保存されていることが条件です。

洗面所に置きっぱなしは残念ながらNGです。

冷蔵庫も実はNG。温度の変化にさらされますので、実はあまり良くないです。

 

 

では開封後の期限はどうなのか?

一般的に毎日使用して使い切るまではOKと考えてよいでしょう。

しかしそれ以上の期間についてはあまり想定はされていないと考えた方が良いでしょう。

開封前に比べ、温度変化、酸化、湿気など、状況は化粧品に取って更に過酷になります。

そのために期限は短くなると考えてください。

 

同様のシチュエーションの塗り薬については一般的に3ヶ月くらいと考えられます。

したがって化粧品でも医薬品と同レベルを考えるのであれば3ヶ月。

もう少し余裕を見ても6ヶ月といったところでしょうか?

1年以上は確実にアウトですね。

実際の診察現場でも1年経過した化粧品でかぶれるケースを目にします。

 

なので、「コロナ禍前に購入した化粧品を使っていいか?」という質問に対しては

未開封かつ期限の記載の無い製品であればギリギリかな?

未開封で期限の記載のある製品についてであればその期限に従ってください。

開封品であればすべてNG。

となります。

また、いつ購入したか覚えていない開封品はやっぱりダメでしょうねえ・・・

 

 

あとはコットンなどの付属品になりますが、こちらもコロナ禍前に使用中のものは

もう何も考えずに捨ててしまったほうが良いでしょうね。

化粧品もそうなのですが、表面や内部で雑菌やカビなどが繁殖している可能性があります。

なので、消耗品についてはもったいないのですが、新品を購入の上での使用をおすすめします。

自分の体を健康に保つための製品でトラブルを起こすリスクは最低限にしたいところです。

8年間誰にも気付かれず

本日始めて指摘されました。

 

とびひの患者さんに渡すプリント、ひとつだけ「とひび」になっていました。

気付きませんでした・・・

 

もしもとびひのプリントをお持ちの方がおりましたら探してみてくださいね。

意外に気が付かないものですね。

冬の自由工作

冬休みということもあり、下の娘が折り紙で工作をしていました。

何でも、毎月の雑誌に少しずつ掲載されていたシリーズ物を一気に作成したのだとか。

 

おせち料理の折り紙です。

まあ、一部は切ったり貼ったりで折り紙じゃない。とママさんが憤慨していましたが、

きれいな見た目のお重が完成しました。

頑張りました。

「アナと雪の女王2」を見に行ってきました

ステマではありませんよ。念の為に。

 

本日、子どもたちを連れてアナと雪の女王2を見に行ってきました。

前作は残念ながら映画館では見ることが叶いませんでしたが、

今回はなんとか時間を作って行くことができました。

だれも風邪を引くことがなくてよかった・・・

 

 

さて、感想だったり、技術的なお話などはいろいろなところで公開されていると思うので、今回はそれと違うポイントに付いてお話をしてみたいと思います。

それはソバカス。

 

アナにはそれなりに、エルサとクリストフにはごく僅かに、ソバカスがあるのが見えました。

そのソバカスなんですが、実に自然に見えるんですね。

結構ソバカスを自然に見せるのは難しいように思えます。

なんとなくランダムに存在しているようでそれでいて分布領域はある程度確定していて。

という分布の形。

そして、ソバカス1個1個の中の色調の分布であったり、1個の形であったり。

それがすごく自然に見えてました。

 

あまりアニメーション映画は見ることがありませんが、ソバカスまで丹念に描かれているのはあまり目にしたことはありません。

まったくないか、思いっきり目立っているかのどちらかですし。

 

そしてもう一点自然に見えるのは、ソバカスの位置はシーンが変わっても全く同じ位置に存在しているということ。

 

これは3Dアニメの特性としてセルアニメよりも簡単なのかもしれませんが、逆にいうと、キャラクターの造形を考えるときにソバカスの位置まで細かに設定を作り、モデルを作成したということになるのでしょうねえ。

 

技術の進歩はこんな細かな部分にまで現れているのかもしれません。

 

・・・なんてことを家に帰って奥様にお話したら、普通に引かれてしまいました。

職業病ですかね・・・

 

太ったので舌下免疫療法をしようと心に誓う

のっけからなんの話ですか・・・・

ということなのですが、実はこれには深いわけがあります。

 

以前記事にしたかもしれませんが、私は花粉症を持っています。

上京してからなので、十年以上経過しているのかもしれません。

対症療法については毎年いろいろとやってみました。

鼻腔粘膜のレーザー焼灼も行ったことがあります。

翌日から1週間位、鼻血と鼻腔内痂皮がすごかったので、今回はしませんでした。

そして、昨年は結構悪化したので、ステロイドの内服も積極的に行ってみました。

今年は・・・

とにかくマスクをすることで、対応してみたのです。

一番シンプルな方法ですね。

 

その結果はどうだったかというと・・・

以外に調子は良かったです。

とにかくマスクをして花粉症を遮断すること。

このシンプルな方法ですが、非常に効果ありました。

ステロイドの内服は昨年の10分の1以下になっています。

 

でも、ステロイドの内服が減少したのにはもう一つ理由がありまして・・・

 

昨年までは春先にも自転車で通勤をしていました。

しかし今年が予防を徹底的に行うという考えのもとに

自動車通勤に切り替えました。

その結果としての花粉症の症状抑制に成功したわけなんですが、

その副作用も出てしまいした。

 

その結果が体重の増量です・・・

半年前に比べて、乳児一人分の体重増加みに見舞われました。

まあ、仕事が忙しくなったので(診察以外の仕事が舞い込んだので)

そのストレスを解消するために食べていたということもあるのですが、

明らかに増えすぎました・・・

 

 

ということで、昨年は中途半端に終ってしまった舌下免疫療法を

今年こそはしっかりと行いたいと思います。

ここに宣言します。

 

頑張る!

 

・・・いや、そうしないと体重増加のための睡眠時無呼吸がまた

発症してしまいますので、命の危険を感じるということもあるのですが。

 

ゴールデンウイークが開けたら今年こそ舌下免疫療法を始めます。

みなさんもいかがですか?

治療中の方は実感として効果あるみたいですし、

治療期間に効果は比例しているみたいです。

来年の花粉症を抑えるためにもぜひ舌下免疫療法を試してみては

いかがでしょうか?

iPhoneのバッテリー問題について考える

IT業界も結構古い考え方なんですね。

と思ってしまったり。

 

昨年末から問題になっているiPhoneのバッテリー問題ですが、

なんかややこしいことになっています。

でも、この問題の根本については医療業界からみてみると、

20年前に通った道なんですけどね。

 

まず現在のiPhoneのバッテリー問題ですが、なにが問題になっているのでしょうか?

検討してみましょう。

 

ことの発端は少し古いiPhoneのOSアップデート後に性能の劣化が見られたこと。

OSをアップデートしたら、その数日前に比べて明らかに下がっているということでした。

いくらなんでもおかしいよね。と外部の会社がアップルに問い合わせたところ、

古いiPhoneの性能を意図的に落としていることが発覚した。

というわけですね。(そのように理解しています)

 

アップル社ではバッテリーの劣化に伴うシャットダウン発生を減らすためと

説明しているようですが、うがった見方をすれば、古いスマホの性能をわざと落とし、

新型に積極的に買い換えさせようとしているのではないか。

なんて考えることもできますし、そのように見ている方も多いようです。

アメリカでは集団訴訟などの問題にもなっていますね。

 

買い替えの問題は今回は脇においておきます。

問題は他にもありますよね。

「なんで勝手に性能を落とすような行為を行ったのか」

です。

 

アップル社はよかれと思ってそのような対処をしたのかもしれません。

でもそこにはユーザーが何を考えているかという視点が欠けていました。

結果としてメーカーの対応で起こった人が出てきたわけです。

 

医療業界でも昔同じようなことがおこりました。

いまは随分変わっていますけどね。

それはなにか。

「パターナリズム」と「自己決定権」の問題です。

 

パターナリズムとは何か。

家長主義・父親主義などと呼ばれることもあるかと思います。

つまり、「黙って俺に従っていればいいんだ。いいようにしてやるからさ」

という考え方ですね。

医療業界ではガンの治療で問題になったことがありました。

医療者側が一方的に患者に対して治療方針の押しつけを行い、

治療を勝手に行うなんてこともあったわけです。

治療方針が合理的、効率的なものであればよかったのですが、

そうでない治療方針を一方的に押し付けるなどということもありました、

副作用などのリスクを過小に説明したりすことなどもありました。

そのような事態が多発したために出てきた概念が、

「自己決定権の尊重」であり、「説明による合意、つまり、インフォームド・コンセント」

なんです。

医療者側はいろいろな情報を提供する。しかし最終的に決定権を持つのは患者自身であり、

その決定を医療者側は尊重する。と言うものですね。

 

 

ここまで話しをすればおわかりでしょうか?

今回のアップル社のiPhoneバッテリー問題については、

OS変更に伴う旧型スマホに対する性能の低下という事象について、

全くのインフォームド・コンセントがなされていないということが問題になるわけです。

 

まず最初にアップル社が行うべきことは性能を低下させるという行為に対して

ユーザーに選択肢を与えるということでした。

いきなりシャットダウンする可能性はあるが、性能が劣化しない設定条件と、

性能は少し(?)下がるけど、バッテリーのリスクも下げる設定条件を用意し、

選べるようにすればいまのような事態は起こらなかったのではと考えます。

また、この問題が発覚した後のアップル社の対応も疑問が残るものでした。

バッテリー交換の金額を下げればいいというものではありません。

だいたい、交換を行う時にユーザーが支払うコストはバッテリー代だけではありません。

お店に持っていく時間と手間。中のデータを損傷されてしまうリスクもありますので、

表面的な金額以上にコストがかかってしまうのです。

(穿った見方をすれて、そんなにバッテリーを交換するユーザーがいないとみて、

アップル社はユーザーの足元を見ているのかもしれません)

穿った見方という考え方が出るような対応はあまり良いものではないでしょう。

 

 

今回のiPhoneのバッテリー交換に伴うさまざまなグダグダについては、

結果的に一言で言い表せます。

「ユーザーの自己決定権を尊重せず、アップル社が勝手に物事を決めている」

ということです。

 

今後のアップル社については私は悲観的な味方をしています。

この件はその後もじわじわとボディーブローの用に効いてくるでしょう。

アップル社はそのような会社であるということが知られてしまいましたので、

今後iPhoneを購入しようとする方は少し減る可能性がありますね。

業績にも少しずつ響いてくる可能性があります。

 

なんでそんなことを考えるのか?

医療業界がそうだったからですよ。

全面的に医療者側の都合を押し出してくる人たちは一気にいなくなりました。

訴訟になったりしましたからね。

患者さんもそのようなところからは逃げ出していたのです。

なので、今はだいぶパターナリズムまるだしの医療者はいなくなりました。

 

相手の意志を尊重しない人たちの未来は暗いのです。

2017年11月19日 毎日新聞に記事が載りました

今週の日曜日ですね。

毎日新聞に記事が掲載されました。

 

今回のテーマは赤ちゃんのスキンケア、特に保湿についてです。

 

いつも外来で喋っているような内容です。

 

一般的に言われていることとは異なることを喋っているように見えるかもしれません。

しかし、ある皮膚科医の目から見えた物の見かたです。

診察室で毎日数十人の赤ちゃんを見ている中で気がついたお話をしています。

批判、反論も構いません。返信欄でコメントをお待ちしております。