わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL0422-22-1232


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

スキンケア

乾燥肌が徐々に増えてきた印象があります

直接データを取っているわけではありませんが。

 

ここ1週間から2週間ほど、乾燥肌の受診が増えています。

定期的に受診されている方でも悪化したとの訴えが増えてきました。

 

時期的にちょうど湿度の低下が徐々に進み乾燥の悪化が見られる時期です。

また気温の低下傾向もあり、シャワーなどのスキンケアの低下があること、

風邪を引いてしまい全身の体調が悪化したこと

 

などから湿疹が悪化する要因が揃ってきた印象があります。

 

ひっかきが強くなってから治療開始するよりも乾燥だけが見える段階で

治療開始したほうが必要な薬の量もコントロールの状態も

全然変わってきますので、乾燥肌の段階で受診して治療を開始したほうが

よろしいかと思います。

 

というお話でした。

 

もうとびひの時期がやってきました(2020年3月)

え?もう?と思われるかもしれません。

私もそう思っているのですが、どうもとびひの時期がやってきたようです。

 

春のとびひの一番の原因と考えられるのは実は洋服。なのです。

日毎に暖かくはなってきているのですが、その内実は毎日暖かい日と寒い日の繰り返しです。

本当に交互にやってくるかのような印象があります。

 

問題になるのは当然暖かい日。

先日の冷たい日と同じ洋服を着たまま、その翌日に温かい日に同じような洋服で

行動すると、体温が高くなり、汗を沢山かいてしまいます。

そのためにとびひができるのです。

 

対応はシンプルにまず外に出てその日の気温を確認すること。

そして天気予報を確認することです。

その日の気温に応じてこまめに洋服を脱ぎきさせることが、

一番の対応にもなるのです。

 

あと、余裕があれば帰宅後にシャワーをしてあげるといいかもしれません。

一緒に花粉も取れますからね。

 

洋服の枚数調整とシャワーが予防になります。

毎日、気温を確認する習慣をつけるといいかもしれませんね。

夏が冬に変わる年(2019年10月)

今年の秋は一体どこに行ったのでしょうか?

 

まだ暑いです。30度に近い日が連日続くとげんなりしてしまいます。

だって10月ですよ?!

 

そして、もう一気に冬がやってきそうな気配があります。

湿度を見ているとしっかりと下がってきましたね。

 

もういい加減にあせもも終わるかと思えばまだぼちぼちの発生がみられますし、

とびひもまだまだ出てきます。

しかしスネのあたりを見ていると皮膚の乾燥も少しずつ進んできました。

 

ということで秋ののんびりとした気配はなく、夏が冬に一気に変わってくる

印象があります。

 

もう日本も夏と冬しかなくなってしまうのでしょうか?

そんな予感がする今日このごろです。

 

まだシャワーはしたほうが良さそうですが、

そのとなりで加湿器の準備も始めたほうが良さそうです。

 

そんな10月の始まりになりました。

 

 

季節ボーナスがなくなる日(2019年9月)

季節ボーナス?何じゃそりゃという方もいるかと思います。

当院におけるそれは「湿度による湿疹の改善」のこととなります。

 

最近の外来で赤ちゃんや子どもたちを見ていて思うこと。

それは口の周りの乾燥が悪化してきたということです。

その理由として最も簡単なのが湿度が下がってきたことです。

これは季節的な理由なので仕方ないのですが、

秋になってきて、湿度が下がってきて、乾燥が悪化したことを

「季節ボーナスがなくなってきた」

と称しているんですね。

 

つまり、夏は湿度が高かったので、そのために湿疹の悪化は防げていました。

しかし、秋になり、湿度が徐々に下がってきたので、湿疹の悪化作用は徐々に薄れ、

乾燥するようになってきたのです。

 

ボーナスがなくなった。

皆さんドキッとしませんか?

でもまだ少しだけボーナスは残っているようです。

今のうちにしっかりと保湿の習慣を思い出していきましょう。

 

そろそろ乾燥の対処を始めましょう(2019年9月)

一気に朝夕が涼しくなってきました。

秋の到来です。

それとともに空気の乾燥も出てきたようですね。

 

外来で診察していて気がついたのですが、

皮膚の乾燥が徐々に出てきたようです。

特に年少の子に多く出てきたようです。

場所で言えば顔、口の周り、頬部を中心に出ているようです。

 

アラマと思って気象データを確認してみると、

随分湿度が下がっているようですね。

 

なので、汗の対処よりもそろそろ乾燥の対処が必要になってくるようです。

 

はやめ、早めの保湿ケアが必要な季節になってきました。

特に口の周りのプロペトの回数をしっかりと行っていったほうがよさそうです。

夏は少しサボっていても良かったのですが、

これからはしっかりと保湿習慣をつけていくようにしたほうが良さそうです。

夏の最終日(2019年9月)

はきっと今日明日なのかもしれません。

 

最高気温が下がってきました。

猛暑日はもう来る可能性は非常に低いでしょう。

最低気温もだいぶ下がってきました。

 

そろそろ夏のスキンケアはおしまいでしょう。

気温を見ながらシャワーは随時継続したほうが良いかと思われます。

 

これからは秋冬のスキンケアを始めていく必要がありそうです。

特に保湿剤ですね。

その中でも顔面頬部の保湿を意識して使い始めたほうが良さそうです。

 

もう秋になってきます。

スキンケアも秋のケアに変えていきましょう。

 

新学期、でもシャワーはきちんとしていますか?(2019年9月)

さあ、9月になりました。

世の中的には学生さんの新学期が始まりました。

クリニックの前を元気に登校する小学生もたくさん目にします。

 

では、皆さん、夏休みのスキンケアを学校が始まっても継続して行っていますか?

とういう質問にYes!と胸を張って言える人はどのくらいいるでしょうか。

少ないでしょうねえ。きっと。

 

どうしても学校が始まると時間の使い方が変わってしまい、犠牲になるのがスキンケアの時間です。

特に朝のシャワーは難しいようですね。

 

しかし、ここ数日はスキンケアの不足によると思われる湿疹の悪化が増えています。

・・・みんなそんなに宿題が終わらなかったのか。

特に関節部分の湿疹の悪化ですので、朝のシャワーだけでも随分改善が見込めるんです。

 

なので、まだ朝のシャワーはしっかりと行ってくださいね。

「やらないと決める」ことが湿疹をつくる(2019年8月)

さて、いよいよ季節の変わり目がやってきました。

夏から秋への季節の移動が始まります。

 

ここで湿疹の悪化する原因を考えると、意外にも汗が一番に挙げられます。

どのような状況で湿疹が悪化するのか?

それは夏の戻りです。

 

一時気温が下がり秋めいてきた時期のあとに一時的に気温が上がり夏が戻ってくる。

このタイミングで湿疹が悪化するパターンが多いのです。

 

つまり、夏の戻りによって大汗をかいてしまう。

しかしスキンケアは秋のスキンケアになっているために汗の刺激を除去できずに

結果的に湿疹を作る。

というシナリオです。

 

どうしても気温が下がってくると夏のスキンケアは不適当なように感じるようになります。

夏のスキンケアはとにかく洗うこと、流すことに主眼が置かれていますから

一面では止むを得ない面もあるのですけどね。

気温が下がるとその洗うスキンケアは減少することになっていきます。

当然ですよね。

でも、一時的な夏の戻りのときにスキンケアが足りないので、

湿疹ができるのが問題になるのです。

 

なので、この時期のスキンケアは「決める」ことはなしにしたほうがいいでしょう。

決めるとは決めつけること。この時期だからという思い込みはなしにすることです。

 

この時期の厄介なところは日によって大きくスキンケアを変える必要があります。

夏のスキンケア、秋のスキンケアいずれも対応できるようにしつつ、

その日の状況や皮膚の状況を見ながら夏と秋のスキンケアをどのような割合で

行うのかを決断していくというのがベストのような気がします。

 

まあ、はっきりしない季節なので、スキンケアもあえてはっきりさせないで

進めていってもいいのかなと思います。

なので、一番良くないのはこうだと決めること。

ということになるのでしょうか。

 

はっきりしません?まあ、そういう季節なのでしょう、きっと。

汗疹とシャワーとの関係について

さて、今回も汗疹のお話をしてきましょう。

今回はシャワーとの関係についてです。

どのようなタイミングで行うべきか、石鹸をどうすべきか

一つずつ見ていくことにしましょう。

 

まず、シャワーについての共通点から上げていきましょう。

・温度はぬるま湯から温水くらい。

お湯ではあたたかすぎます。シャワーのあとに汗をかいては本末転倒ですから

ぬるま湯から温水くらいの涼しい温度で構いません。

本人が大丈夫なら水でも大丈夫です。

・あたまからしっかりと水をかけること

頭部や顔面前額部には意外にも汗疹の発生地帯でもあります。

したがってしっかりと水で流してあげることは有効です。

・石鹸は1日から2日に1回程度は使用すること。

石鹸について細かな話は後ほど行いますが、

一般的な注意事項として全く石鹸を使用しないのはNGです。

1日1回もしくは隔日1回位は石鹸を使用してください。

 

ではそれぞれのタイプ別のシャワーの方法です。

 

1)赤ちゃんの痒くない汗疹

最初は赤ちゃんの汗疹です。

こちら、痒くないので、基本的に洗い流すだけで十分です。

とにかく流すのがベストの対応と言えるでしょう。

 

2)子どもの痒い汗疹

こちらは少し複雑になります。

汗疹の原因にも絡んでくるのですが、皮膚の表面に

目に見えないレベルのベタベタが汗と皮膚の表面に住んでいる細菌により出現し、

それが刺激となり湿疹を形成するのがこの汗疹の原因となります。

このベタベタは厄介なことに水洗いでは落とすことができません。

石鹸が必要となります。

つまり、痒い汗疹ができている、そして、ベタベタしている状況では

石鹸を使用したほうが良いということになるのです。

水だけではなかなか改善しないのには実はそのような理由があったのです。

 

3)子どもの痒くない汗疹

こちらは枯れた汗疹の状態になります。

基本的に痒みはありませんので、水で洗うだけで十分です。

白いぶつぶつができているときには石鹸を使ったほうが気持ち早く治る印象がありますが、

最終的には時間とともに消えてなくなりますので、

石鹸は使う義務があるわけではないのです。

 

 

汗疹は千差万別と前回お話しましたが

スキンケアも実はそれぞれの状況によって変化して行く必要があるのです。

 

それぞれの症状を確認して最適なスキンケアを行うことにしましょう。

汗疹(あせも)のタイプ別分類と対処法

今回は前回のお話の続きです。

予告のとおり、汗疹のタイプ別分類とそれぞれの対処法についてお話をしていきましょう。

 

まずは注意事項です。

こちらのタイプ別分類は正式に専門家の間で認定されたものではありません。

わかばひふ科クリニックでの患者さんの症状から大雑把に分けたものになります。

ご注意ください。

 

ではタイプ分けを始めてみましょう。

 

汗疹のタイプですが、大きく分けて3つに分けることができます

1)赤ちゃんの汗疹

2)子どものかゆい汗疹

3)子どもの痒くない汗疹

です。

 

分け方が大雑把ですか?

年齢で分けられないか?

いえいえ、それは難しいものがあります。

乳児期、幼児期のそれぞれの汗疹はそれぞれオーバーラップしますので、

くっきりきっちりと分けることができないのです。

なので、大雑把な傾向として見ていただけると良いかと思います。

 

1)赤ちゃんの汗疹

まず赤ちゃんの汗疹についてお話をしていきましょう。

赤ちゃんの汗疹の特徴はその発生時期と発生部位です。

まず発生時期。実は年中、いつでもでます。

真冬に出ることもあります。意外に多いですよ。

もちろん夏にも多くできます。

次に発生部位。

他のタイプの汗疹とは異なり、関節部分にはできることが少ないです。

一番多いのは胸部腹部、ついで腰背部、陰部など。

躯幹のほうが四肢よりも多く出現する傾向があります。

また最大の特徴ですが、すぐできるがすぐに引っ込む。

痒みが無いというのは症状の特徴になります。

ちょうど蕁麻疹のようにも見えることがありますね。

 

上記のような特徴をもちますので対処方法もそれに合わせてとなります。

基本的にはかゆみ止めやステロイドは積極的に使用する必要はありません。

洗い、流し、乾かして冷やす。

それだけで十分に抑えることが可能なのが特徴です。

(ステロイドを塗っても抑えるのは可能なので、無用とまでは言いませんが)

引っ掻いてこじらせることもありませんので、悪化もあまりありません。

びっくりはされるのですが、治療として怖い病気ではないのが特徴です。

 

 

2)子どものかゆい汗疹

汗疹の中で最も厄介であり、こじらせる可能性があるのが

子どものかゆい汗疹です。

一般的には2,3歳位から出るかと思います。赤ちゃんにはなぜかありません。

発生部位は一般的に汗疹としてみなされる関節の内側部分。

特に頸部、肘、膝の3箇所が最多です。

それ以外にも脇の下、鼠径部、おむつの中などに出現します。

また発生は夏場がほとんどです。

前項との大きな違いは発生部位にもありますが、とにかくかゆいこと。

引っ掻いてしまい、汗疹を悪化させることもありますし、

ときにとびひになったり、ヘルペスの二次感染を起こしたりと

手こずることがときにあります。

また症状が引くまでには数日が必要になることも赤ちゃんの汗疹との

大きな違いです。

言ってしまえば赤ちゃんの汗疹が蕁麻疹に近いのに対して、

子どもの汗疹は湿疹に近い状態と考えられます。

 

治療についてですが、痒くなる以上積極的に行うべきでしょう。

特に二次的なトラブルの発生率を下げる目的もあります。

ステロイドなどのかゆみ止めの塗り薬を積極的に使用しますし、

必要があればかゆみ止めの飲み薬を併用することもあります。

ガッチリと治療を行い一気に症状を抑え込むことを推奨します。

 

 

3)子どもの痒くない汗疹

こちらの汗疹もときに目にすることがあります。

しかし当初から痒くない汗疹として出現するわけではなく、

汗疹が痒くない状況に変化していくと考えたほうが良さそうです。

したがって、発生部位はかゆい汗疹と同じような状況になります。

 

症状は帯状に存在しているかさぶた、もしくは白い発疹です。

当然痒くありませんので、引っ掻いたりいじったりしている様子はありません。

治療方法は逆に厄介です。

基本的には痒くない汗疹については、放置を推奨しています。

もとは痒い汗疹でしたが、痒いときと同様の治療は却って治りを遅くします。

したがって、ステロイドなどの塗り薬は禁止となります。

乾燥し、枯れて剥がれていくのを待つのが一番の治療法です。

 

では痒くない汗疹とは一体どのような状況なのか?

実はこれは感染症に近い状況です。

ちょうど、とびひのかさぶた、マラセチア毛包炎の白いぶつぶつに近いものと

考えても良いいかもしれません。

なので、ステロイドを塗ることにより却って悪化してしまうと考えられます。

だから何もしないのが一番だったりするのです。

 

 

似たような発疹。しかしそれぞれの形は全部異なります。

したがって全てに万能な治療法というものはありません。

それぞれの汗疹の形を見て、どのような治療法が有効なのかを推測しながら

治療法を組み立てていく必要があるのです。

 

たかが汗疹、されど汗疹。意外に奥が深いのが汗疹だったりするのです。