わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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乾燥性湿疹

急に寒くなった日に考えるべきスキンケア(2018年9月)

秋雨の季節になりました。

三寒四温とでも言ったら良いのでしょうか。気温が毎日安定しません。

そのようなときにどんなスキンケアを考えればいいのでしょうか?

少し見てみましょう。

 

この時期に問題になるのは急に寒くなったときです。

気温は一気に低下します。

したがって厚着を進めることは大事なんですが、

まだ汗をたくさんかくような体の状態は続いています。

したがって、寒いのに汗をかいているわけですね。

なお、ベッタリしているのは汗の水分が蒸発したためです。

パット見た感じ汗が出てないからと言っても油断は大敵。

その汗の中の成分は接触しているので意外に汗疹になりやすいんです。

だから本当はシャワーはまだしっかりとしてあげたいところです。

特にこんな寒い日には少し暖かめのシャワーの水量を多くして

一気に汗を吹き飛ばしてしまいましょう。

しかし流し過ぎは厳禁です。

暖かくしすぎると深部体温が上がってしまい逆に汗を書いてしまいます。

程々に流して程々に温めてください。

 

次に気をつけるべきは気温と湿度の管理です。

気温は低くなっていますので、しっかりと適温まで上げることを考えるか、

洋服を1枚増やすかを考えてみてください。

エアコンについては単純に暖房の使用を開始しても大丈夫です。

もしも気温が上がりすぎることが心配でしたら

除湿をかけつつ設定温度を高めにすると良いでしょう。

(気温が上がることによる不快感を湿度を下げることで相殺することができます)

湿度についてはそんなに低下することはありませんので、

そのままで良いかと思います。

むしろ少し高くなることが多いので、除湿を少し進めるくらいで良いかと思います。

洋服ですが、子どもたちは寒がっていないこともありますので、

その時はそのままで構いません。しかし寒そうなときは薄手の羽織ものを用意すると

良いでしょう。そして状況に応じて脱ぎ着できるようにすると便利かと思います。

 

これから徐々に秋も深くなってきますが、

スキンケアと環境管理をしっかりとすることである程度は乗り切ることができます。

しっかりとケアをしてあげてくださいね。

秋の季節の変わり目になぜ湿疹が悪化するのか?

多分夏と秋が一緒に動くからなんですよね。

 

最近の外来でよく目にするのが湿疹の悪化です。

いわゆる季節の変わり目というものでしょう。

ではなぜそのようなことになるのか?少し考えてみました。

 

1:まだ汗をかいている

気温が下がったとはいえ、まだまだ暑い時期もあります。

気温の毎日の変化が大きくなるのもこの季節の特徴ですが、

汗で悪化する湿疹の場合、まだ汗が出るために

湿疹が悪化してしまうことが時に見られます。

 

2:乾燥がはじまった

秋に入ると、一気に湿度が下がってきます。

それとともに皮膚の乾燥も進んでいきます。

そのために湿疹が悪化するということが見られます。

どちらかというと冬に悪くなるタイプの子の症状がで始まるのも

ちょうどこの季節からなのです。

 

この2点がまず上げられるでしょう。

汗をかくくらいの気候なら乾燥しないのではという疑問が出てきますが、

汗は気温に伴う症状

乾燥は湿度に伴う症状

と考えると、一緒に考えると逆に間違えてしまうことも分かるでしょうか。

秋は気温が高いけど乾燥している

という中途半端な時期であり、そのために湿疹を悪くしてしまうパターンが多くなります。

 

もちろん気温と湿度は相互に影響していますよ。

湿度が低いので汗が出てもすぐに蒸発してしまい、

汗をかいていないと誤解してしまう。

湿度が低いのでベッタリとした保湿剤を使ってしまい、

逆に汗を閉じ込めてしまい湿疹の原因となってしまう。

という理屈もありますので、影響はある程度はありますが、

まずは気温と湿度という面を考えて対処してあげたほうがいいでしょう。

 

対処法ですが、

1:汗

についてはとにかくシャワーをすること。

それに尽きます。この時期、汗はかいていないように見えるだけですので、

シャワーは非常に効果のある対処法です。

本当は冬になっても始めたいところです。

 

2:乾燥

そろそろ保湿剤の出番です。しかしこの時期はまだ気温も高いので、

冬用のクリームは不向きです。

ローション・化粧水レベルのさらりとした保湿剤を使用して

保湿を保ってください。夏の間は少しサボりがちでOKでしたが、

回数も徐々に増やしていったほうが良いでしょう。

 

その他にこの季節に湿疹が悪化する要因はいくつかありますが、

それについてはまた今度お話をしていきましょう。

暖かくなるから乾燥するんだ(2018年3月)

春になりました。徐々に暖かくなってきましたね。

もう冬もおしまいです。

でも、冬もおしまいなのに乾燥肌になってきた子がたくさんいます。

何故でしょうか?

 

理由ですが、科学の問題を応用することでよく理解できるかと思います。

まず大前提として皮膚の乾燥度合いは湿度に依存することがあります。

はっきりとしたデータはありませんが、季節や環境からは十分に予想されることです。

 

では湿度はどのように計算されるのか?思い出してみましょう。

湿度=(現在の空気中の水分量)/(その気温の飽和水蒸気量)×100

で出しましたよね。

覚えています?

 

そして空気中の飽和水蒸気量は気温によって決まります。

一般的に気温が上がるほど飽和水蒸気量が上がりますよね。

気温0度で4.8g

気温5度で6.8g

気温10度で9.4g

気温15度で12.8gです。

 

さて、いくつか例を出しましょう。

気温5度、湿度50%の空気が温まり、気温15度になりました。

湿度はいくら?

まず空気内の水分量を確認すると、

6.8g×0.5で3.4g

それが気温15度になるので、

3.4g÷12.8gなので、湿度は26.6%まで下がることになります。

これだけ湿度が下がると皮膚も乾燥しますよね。

 

次に雨の日の例を見てみましょう。

気温10度、湿度80%の雨の日の夜に気温が5度まで下がりました。

翌日気温が15度になりました。

文章だけ読むと結構湿度は高そうに見えますが・・・

問題は気温が下がったときです。

最初の水分量は

9.4g×0.8で7.5gです。結構ありますね。

しかし気温が0度に下がると、飽和水蒸気量以上の水分は結露してしまいます。

結果水分量は4.8gまで減少します。

その空気が15度まで上がるので、

4.8g÷12.8ですから37.5%になります。

つまり、雨が降っても夜に気温が下がってしまう以上、

翌日の湿度は全然上がらないんですね。

 

実際はもう少し複雑ですが、このように寒暖差の激しい時期には

気温が上がることが逆に湿度を下げることにつながるので、結果として逆に皮膚の乾燥を

もたらすことになります。

 

いや、でも実際に計算してみると、想像以上のインパクトですね。

確かに乾燥しますよ。これでは。

 

皮膚の乾燥が取れるのはまだ当分先の用です。残念。

 

帰宅したらまず手足と顔に保湿剤を塗ろう

寒くなってきましたね。もう冬ですねえ。

それに伴い、乾燥肌の子が続々と診察を受ける状況になってきました。

だんだん待合室の混雑も強くなってきたようです。

 

冬の乾燥の特徴はその症状の出る場所にあります。

最も多いのは、顔の特にほっぺた部分。

ときには真っ赤なりんごほっぺになっている子もいますね。

 

ついで腕の外側、すねの前側。

この3箇所の乾燥が非常に強くなります。

 

原因は当然、遊び回っているから。

ですね。風邪が吹いてより乾燥が進んでいくのです。

 

ではどうするか。

まず保湿をすること。

でも、学校で乾いてくるのですから、最も効果的なのは学校から帰ってきてから。

ですよね。

 

だから、学校か帰ってきた子を捕まえて、手足と顔に保湿剤を塗る。

そして、また遊びに出ていってもらう。

 

それだけでも随分乾燥肌は良くなるはずです。

洗わなくても大丈夫。拭かなくても大丈夫。

まず塗る。

それだけで楽になりますので、ぜひ試してみて下さい。

 

 

乾燥が強くなってきましたね(2017年10月)

秋も徐々に深くなってきました、

もう、汗疹もいつの間にか見なくなってきましたね。

 

汗疹の減少に対して増加してきたのは乾燥肌です。

夏には調子良かった子どもたちも続々受診をするようになっています。

高齢の方の四肢の乾燥肌も強くなってきました。

 

あとは、手荒れ。

洗い物の時の水がお湯に変わると一気に症状が悪化するパターンが多く見られます。

 

もうそろそろ冬。空気も徐々に冬の空気になってきました。

冬の病気の治療も少しずつ始めていきましょうね。

 

 

唇が乾いてきませんか? (2017年9月)

秋になりましたね・・・

さて、診察室でも湿度が下がり、乾燥の強くなってきた子が続々と受診するようになってきました。

さて、では自分の子どもの皮膚の乾燥をどうやって知ることが出来るのか?

今回はそんなお話をしていきましょう。

 

まず全身の皮膚の中で最も乾燥しやすいところはどこか?

それは粘膜との移行部分になります。

最もわかりやすいのは唇ですね。

もともと薄い顔の皮膚の中でも特に薄い部分の一つになります。

 

なので、大人の唇が乾燥したと思ったときには、

子どもの皮膚の乾燥も出てきている時。

なんですね。

 

唇が乾いてリップクリームを使いたくなったら、

子どもにも保湿剤を塗ってあげるようにすると、

乾燥肌を防ぐことが出来ますよ。

秋に悪くなるアトピー、春に悪くなるアトピー

今回もアトピー性皮膚炎と季節のお話です。

最近、診察をしていると、季節の変わり目に悪くなる人の層が違うように思えてきました。

春と秋ですよ。

 

まず秋。こちらは乾燥です。

多くの子を見ていると、全員乾燥してくるのですが、

湿疹が悪化するのは幼稚園児くらいまでの子が多く、

それ以上の年齢になると、カサカサするものの引っかき傷はあまりできない印象があります。

 

対して春。こちらは汗です。

で、悪化するのは幼稚園児以上の傾向があります。

それ以下の子は汗疹と言うかたちで出ることが多いように見えます。

 

年齢とともに秋に悪化するパターンから春に悪化するパターンに切り替わる。

そんな傾向が見えてくるのです。

 

不思議なお話です。

春先にアトピー性皮膚炎/乾燥性湿疹が悪くなる理由

最近、診察をしていると、湿疹が悪くなる子が増えている印象があります。

その理由はなぜなのか考えてみました。

 

アトピー性皮膚炎やそれ未満である小児乾燥性湿疹は季節の変わり目に悪くなると言われます。

特に冬から春と、夏から秋の2つの季節にはその傾向は強い様に見えます。

そして、いま正にその季節に至りつつあるようです。

で、悪化している。

なぜでしょう?

 

悪くなっている子の話を聞くと、原因の多くは寝汗、

汗で悪化しているようです。

そして、やや年長の子にその傾向があるようです。

 

ではなぜ寝汗をかくか。

それは多分最低気温。

最近気温が上がっています。しかし、細かく見ると、最高気温の差は大きいのですが、

最低気温は一段上がってそのままのようです。

どうも、このあたりに原因がありそうですね。

 

つまり、最低気温が上がっても、寝巻き、布団はそのまんま。

その結果として夜間に大汗をかいてしまい、その汗で湿疹が悪化する。

そのような因子が影響しているように見えます。

 

まあ、他にも影響はあり、風邪もその一つかもしれません。

でもね、寝汗で悪化するパターンは秋から冬には見られないものですので、

きっと原因の一つとしてはありそうなんですね。

 

なので、最低気温を見て、寝巻き、布団、あとはエアコン。

これらは毎日細かく調節したほうが良さそうですね。

 

皮膚科医の娘でも、顔のかぶれの予防は困難です。

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秋も深まってきました。

食欲の秋です。

というわけでもありませんが、実家から柿と洋梨が送られてきました。

下の娘は果物が大好きです。(というよりも食べるの大好き?)

下手をすると7歳上の娘よりも食べていたりなんかして・・・

 

まあ、そういうわけも有るのでしょう。

とうとう口の周りの湿疹が出てきました。

果物食べ過ぎだよ・・・

 

皮膚科医がついていながら。

と思われるかもしれません。

でもね、顔の湿疹。これだけは周りに専門家がついていようが

完全には防げません。

 

乾燥肌、アトピーでも顔の湿疹が落ち着かない子が居ます。

でも、これも原因は多くはかぶれ。

よだれやミルク、食材などが顔面に付着するために出現するものです。

したがって予防は困難なのです。

出来るとすればワセリンを何回も何回も塗ること。

それである程度の予防を行うことができます。

だから、ワセリンを塗る回数が大きればそれだけできないんですよね。

診察をしていると、それが如実にわかります。

ワセリンの塗布回数と症状には関連があるのです。

 

でも、それでも完全には抑えることはできません。

ある程度は出現することがやむを得ないと考えたほうが良いでしょう。

 

だから、顔の湿疹は予防もしっかりとしたほうがいいけれども、

湿疹が完全には抑え込めないものだと考える。

そして、湿疹が出たら早めに見つけて、ステロイドなどの塗り薬を開始する。

 

そのように考えた方が現実的だと思いますよ。

なによりも湿疹を全く作らないという完璧主義に陥ると

できてしまった時にがっくりと来てしまいますからね。

 

出来ることをゆっくりと進めていく。

子供のお肌との付き合いは長くなりますから、

まあ、慌てず騒がずに淡々と進めていくくらいで良いかと思います。

加湿器は3つ、用意しましょう

冬になってきましたねえ。

風邪もだいぶ寒くなってきました。

と、ともに乾燥の患者さんがどんどん増えています。

 

お肌の乾燥は空気の乾燥から。

どうしてもその傾向が出てきています。

 

では空気の乾燥はどうすれば?

いろいろな方法がありますが、一番便利なのは加湿器です。

 

では、加湿器はどこに置きましょう?

とよく聞かれます。

 

家の中ではどこに置くか?

まず最低でも2箇所は用意しておきたいところです。

2箇所とは、普段いる場所と寝室ですね。

 

普段いる場所とは居間になる人も多いでしょう。

ときには子供部屋にも追加かな?

寝るところは言わずもがな寝室です。

 

あと、もう一つ大事なところがあります。

 

それは職場です。

 

職場の自分の机の上に一つ小さな加湿器を用意すると良いでしょう。

大人の方ですので、気化式ではなくても大丈夫。普通の加熱式の物があります。

小物サイズもありますし、最近ではUSBで電源を取ることが出来るものもありますよね。

周りの迷惑にならない程度にアロマを垂らしても良いかもしれません。

 

え、フリースペースになっているので、毎日場所が変わるから持ち運べない?

それならなおさらUSB接続の小さな物を用意したらいかがでしょう?

周りに座った初対面の人との話しきっかけになるかもしれません。

 

加湿器から始まる人間関係。

面白そうですよね。