わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

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アレルギー性鼻炎

花粉症の舌下免疫療法の開始は年末までですよ~

最近、ぽちぽち問い合わせがあります、花粉症の舌下免疫療法。

新聞でも記事になったので、読まれた方もいらっしゃいますかね。

 

この治療法ですが、花粉症の時期には開始できないという特徴があります。

そうですよね。既にアレルギーの反応が出ているのに、抑えるも何も無いですから。

というわけで治療開始は年末までとさせていただきます。

 

年始からは花粉症の予防内服の開始となりますので、

もしも舌下免疫療法をご希望の方がおりましたら、お早めに受診下さいね。

年末をすぎると次はGW明けになりますので、ご注意下さいませ。

そして、そのときには小児向けもどうも開始できるようです。

タブレットになり、治療もより簡単になりますので、ぜひご検討下さいませ。

花粉症にワセリンを使うのは、予防には良い方法かもしれない

最近のTwitterなどで流れているようですが、

花粉症にワセリンを使用することの是非について、

耳鼻科医では有りませんが、ある程度アレルギーの知識のある医者として考えてみました。

なにより、皮膚科医が一番ワセリンを処方していますからね。

 

ワセリンとは何か?

物質的な云々を除いて、体に塗ることを目的として考えた場合、

その目的は皮膚の保護です。

実際に何に処方しているかというと、一番多いのは赤ちゃんの顔。

いわゆるよだれカブレ防止のための保護膜としての作用です。

逆に保湿剤としての作用はあまり期待しては処方しません。

 

今回、花粉症にワセリンをいう考え方の基本となるのは、

皮膚及び粘膜の保護が一番でしょう。

つまり、花粉が直接皮膚や粘膜に接触しないようにワセリンを塗るということ。

そのために粘膜の刺激が起きず、炎症が起きない。

というのが使用の目的になります。

 

もう一つの目的としては炎症の抑制及び乾燥やひりつき感の軽減が考えられます。

表面を覆うことにより、刺激が多少なりとも減少しますから

炎症はある程度は抑制できるでしょう。

また、特に皮膚では炎症やそれに伴う掻破行動のために皮膚の表面が荒れ、

それが更に炎症を悪化させるという悪循環になっています。

また皮膚の表面が露出していると神経が刺激され、皮膚のひりつきが多くなりますので、

予防としてワセリンを使用することも大事でしょう。

 

 

と考えてみると、意外や意外。ワセリンを使うというのはあまり悪い選択では無さそうです。

少なくともリスクとメリットの割合は良さそうですね。

 

ただし、気をつけることがいくつかあります。

まず、この方法はあくまでも予防ですから、症状が出る前に行ったほうが効果は高いでしょう。

症状が出現し、炎症が出てしまうと、その炎症自体を取り除かないかぎりなかなか落ち着きません。

ですので、炎症出現後の効果は出現前に使用するよりも低くなると考えられます。

次に、きちんとしたものを使用すること。

具体的には精製された、純度の高いものを使用することです。

病院ではプロペトという名前で純度の高いワセリンを処方することができます。

また、市販品ではサンホワイトが純度の高いワセリンを使用しています。これですね。

サンホワイト P1

なぜ純度の高いものを使用すべきか?それはカブレのリスクです。

純度の低いものはかぶれやすい。

また、いろいろなものが入っていればそれだけ、かぶれるリスクが高くなります。

特に荒れた皮膚や粘膜の場合は更にリスクが高くなりますので、

純度の高い製品を使用したほうが良いでしょうね。

次に、保護剤の性質上、剥がれたら効果は無くなってしまいます。

そのために頻回に使用すること。

顔を拭いた、鼻をはんだ、目を拭ったら効果がなくなるので、

そのたびに塗ること。

が大事になります。一回あたりの厚さよりも回数を重視して塗ったほうが良いでしょう。

最後に、マスクやメガネその他の保護具も併用することです。

それぞれの器具で少しずつ花粉をストップしていくことが大事ですので、

後2ヶ月、しっかりと花粉をブロックしていきましょうね。

 

ネオメドロールEE軟膏は嫌いです

今回も目の周りに塗る軟膏のお話です。

 

いくつか、目の周りの湿疹に対して使われる眼軟膏というものがあります。

今回はその中でもネオメドロールEEという軟膏のお話です。

 

この軟膏、眼科の先生の中には多用される先生もいるようです。

なぜか?この薬には抗炎症作用を持つステロイドと抗生剤の双方の成分が入っているからです。

どちらにも効くので、処方する。

という先生も多いようです。

 

でも、逆に問題もあります。

湿疹だった場合は抗生剤は不要ですし、感染だった場合、ステロイドは治療を遅らせます。

つまり、どっちつかずということが一つ。

皮膚科のひとりとして見ると、湿疹と感染症の区別も付けられないの?ということになるのです。

もう一つは薬の種類の問題です。

この抗生剤がクセモノです。

抗生剤の成分はフラジオマイシンというのですが、

この成分でかぶれることがあるのです。

 

一般に塗り薬でかぶれた場合は判断することは比較的簡単です。

塗った部分が赤くなり、痒くじくじくしてきますからね。

シップ負けを想像してもらえばよいでしょうか。

しかし、このネオメドロールEEのフラジオマイシンで負けている場合には

一緒に入っているステロイドにより、かぶれの症状が隠されてしまいます。

でも、完全にかぶれを抑えることができないので、なんとなく落ち着かない赤みとかゆみがずっと続くのです。

 

とまあ、2つの成分がお互いに影響し合い、ワケのわからない症状を作ることになってしまうのです。

なので、私はネオメドロールEEは嫌いなのです。原則、処方しないのはこういったわけです。

 

simple is bestなのです。

花粉症の時の目の周りに塗る薬の話

さて、今回は塗り薬のお話をしていきましょう。

 

塗り薬ですが、多くの種類の塗り薬は

「目の周りには塗らないように」

と記載されていることが多いです。

実際に薬剤師さんからそのように指導されたという方もたくさんいるのではないでしょうか。

 

しかし、ここには問題が一つあります。

目の周りにぬってよいお薬にはあまり種類がないのです。

いわゆる眼軟膏と呼ばれるものが処方されることが多いのですが、

特にステロイドの塗り薬では弱いものが多いのです。

結果として、なかなか湿疹が治らず、逆に薬の使用量が多くなってしまうなどの問題が出てしまいます。

 

当院ではそのような問題もあるために、顔に塗る用に使用されるステロイドの塗り薬を

目の周りにも塗るように指導しています。

ただし、これには条件が幾つかあります。無条件に使っているわけではありません。

一つ。毎週受診し、症状の変化を確認すること。

一つ。言われていない薬剤を塗らないこと。

一つ。目薬や飲み薬も合わせた治療を一緒に行うこと。

この3点はしっかりと守ってもらいます。

 

というのも、目の周りのステロイドと言うのはどうしてもトラブルに成ることがあるのです。

したがって、頻繁に受診してもらい、副作用が出ていないことを確認しながら短期間で治療を行う必要があります。

 

もしも、目の周りの痒みで悩んでいる方がおりましたら一度ご相談ください。

なにかアドバイスができるかもしれません。

 

花粉症予報が出てきました

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年が明けると、もう花粉症の季節です。

つらい時期がやって来ましたよ・・・

まあ、今年は昨年よりは花粉の数が少ないみたいなので、ありがたいのですが。

 

さて、今年も花粉症予報の時期がやって来ました。

まだYahooなどのポータルサイトでは見られませんが、

製薬会社などのサイトでは確認することが出来ます。

協和発酵キリン株式会社:http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/

ウエザーニュース:http://weathernews.jp/pollen/

 

そろそろ内服を開始したほうが良さそうですね。

内服は継続して飲んで数日しないと効果は出てきません。

また、症状が出てから飲むよりも出る前の予防的に飲んだほうがより効果的ですから、

早めに飲み始めましょう。

 

当院でも、通院中の方でしたら、花粉症の内服も一緒に処方することも出来ます。

また、花粉の検査も行えますので、ご相談くださいませ。

 

年が明けたら花粉症の治療を開始しましょう

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早速来年の花粉情報が開示されました。(リンクはこちら

 

幸いなことに、来年は「裏年」らしく、今年の半分くらい、いつもよりも少なめです。

しかし、気をつけるべきことですが、スギの花粉の飛散開始は2月上旬なのですが、

花粉の断片(でも抗原性はあります)はその前から飛んできます。

 

では、1月下旬から対策すればいいのか?

というと、これもまた違います。

 

花粉症の飲み薬ですが、(本当はどんな薬もそうなのですが)

飲んでその日から効くということは無いのです。

血液の中に十分な量が持続して現れるには数日かかるのです。

ですので、飲み薬は早めに飲み始めること。

これが大事です。

 

したがって、お正月が終わったら飲み始める。

結構違いますよ。

 

・・・まあ、私は毎年飲み忘れてしまい、痒くなってからあわてて飲み始めるんですけどね。