わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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医師

医師に月給制はなじむのか?

今回も前回のお話の続きです。

 

「俺はやりたくてその仕事をしているんだい!」

という医師がいっぱいいることもも良く知っています。

趣味:論文を読むこと

という先生も居ました。

「死んだらタップリ眠れるんだから、生きているうちには寝ないで仕事をする」

という先生も居ました。

 

でも、その先生方に存分に働いてもらうにはどうしたらいいんでしょうね。

というお話です。

 

医師の仕事とはどんなものでしょうか?

サラリーマン?職人?学者研究者?管理職?教育者?

様々ですね。

いろいろな仕事が渾然一体として、これ。と決めることができませんが、

概ね上記の用に分けることができるでしょう。

 

この人達を一律に月給制・定時制という方法で縛ることが果たして良いのか?

どうもそうでもなさそうに思えます。

 

学者研究者にとっては時間を決められ、場所を決められることは

あまりメリットはなさそうに思えます。

なぜなら、彼らの仕事は実績を出してナンボだからです。

考えることはどこでもできる。つまり、時間と場所に制約はありません。

実験を行うのであれば場所に制約は生まれるかもしれませんが、時間に制約はありませんし、

資源の有効利用という意味では時間を縛ることは逆効果かもしれません。

そう考えると、この時間に勤務しなさいという考え方はあまり馴染みませんね。

月給制については問題ないかもしれませんが、インセンティブには乏しいかもしれません。

 

管理職については場所ば決まっていることが多いですよね。

時間も、一般の勤務者の時間に合わせたほうが管理しやすいですね。

まあ現状の方法でも良いかと思います。

 

教育者についてはどうでしょうか?

教えられる人は時間が決まっていますので、それに時間を合わせることになりますが、

概ね日中の時間帯ですね。

教える場所も決まっていますから、ここも固定。

現状で問題なさそうです。

(仕事量が多いのが一番の問題になりそうですが)

 

職人さんはどうでしょうか?

時間は相手によりますよね。特に医師は患者さん相手の商売ですから、

時間はその時間によります。でも、概ねお昼の時間帯ですね。

場所ですが、制限がある場合と無い場合があります。

器材が必要なものは場所に制限されますが、身一つで行えるものであれば

場所の制限はありません。

 

 

いろいろ考えてきましたが、

月給制、定時制に馴染む働き方、なじまない働き方があるようです。

 

だからね、職人系の医師、研究者系の医師には

別の方法で給与を渡して、ある程度自由にやってもらったほうが

良い結果が出るのではないかと思ったりもするわけです。

 

あとは、サラリーマン医師の問題点ももう一つ有るのですが、

これについては次回。

医師の時間外労働は無制限でいいの?

開業医は自営業者ですので、時間外労働はあまり関係ないですね・・・

というか、どこまでが仕事かどこからがプライベートかはっきりとわからない生活を

していますし・・・

 

さて、世間で話題の残業時間の上限制ですが、

医師に関しては除外されるようなお話が出てきているようです。

ソースはこちら

 

ああ、そうなんですね。

でもね、これ、本当にいいことなの?

医師自身の幸せにつながりますか?そして患者さんの幸せにつながりますか?

病院に入院した時に、過労でフラフラの医師に診てもらいたいですか?

 

・・・イヤです。

実際に月60時間以上残業で働いていたこともありますが、

結構キツイ生活でした。

まず、プライベートはなくなります。

本も読めないゲームもできない。デートも当然ダメですね。

次に仕事以外のことを考えることができなくなります。

そして、最後には燃え尽きるわけですね。

燃え尽きたことはありませんが、仕事したくないモードになることがあります。

まさに、忙しいと「心が亡くなる」んです。

当然ミスも増えますし、そのミスのリカバリーに時間が取られます。

結果、悪循環。

寝ていない自慢なんて、なんの役に立つこともありません。

 

その結果どうなるか?

優秀な先生、真面目な先生から先に戦場を離脱していくことになります。

周りにもいました。

カンファレンスから帰る途中に倒れてそれっきり病院に来れなくなった先生とかね。

仕事をすることで命を落としているんです。

これって、将来その先生が診察することができて、救うことができる患者さんが

どれくらいいるかを考えると、大きな損失ですし、

当然、亡くなった医師の家族や親族、友人たちもいっぱいいるわけです。

その人達はどうなるの?ということでもあるんです。

世界にとっては、過労死は減らしていった方が幸せな人が

増えるのは当たり前ですよね?

 

したがって医師の残業時間制限は当然行ったほうが良いと考えるのです。

 

現状どうなのか?

こんな感じですって。

約35%。

この数字は多いと見るか、当然と見るべきか・・・

 

でも、この割合は減らしたほうがいいでしょうね。きっと。

 

 

 

・・・というお話をしたらこんな反論が返ってきました。

「若いときは寝る間も惜しんで知識と経験を習得することが大事なんだ」

まあ、たしかに一理あります。

 

でもね、その知識をより短時間で効率よく上手に伝授するにはどうするか?

という方策を考えてみてもいいと思うんです。

医者なんて自分の専門以外の分野にはテンで疎いものなので、

その方法を真面目に考えている人はどのくらいいるのでしょうかねえ。

 

少なくとも、私は寝不足の医師には診察をされたいと思いませんし、

寝不足のまま診察をしたいとは思いません。

なので、寝ている時には起こさないでね。

「週刊ダイヤモンド2013/8/31 人気医療の罠」

週刊 ダイヤモンド 2013年 8/31号 [雑誌]

 

本屋さんでタイトルを見た瞬間につかみとり、レジに持って行きました。

 

乾燥は一言で言うと、

「よく言った!」

です。

 

医療保険の効かない治療法は正直、玉石混交です。

医療情報の非対称性(患者さんとお医者さんが持っている情報の量と質があまりにもちがう)が

この問題を難しくしています。

また、インターネットで更に混乱に拍車がかかりました。

 

一般に「効いた」体験談はたくさんあります。しかし、「効かなかった」体験談はそれよりも

目立ちません。だって、当たり前ですよね。嬉しくないですし。

また、インターネットでは華のない情報はあまり書かれることはありませんので、

実際の効果よりも、ネットの方が華々しく見えてしまうのです。

(インターネットの宣伝の問題もありますが、これはまた別の時に。)

また、反証がされていても、それが目立たなかったり、よくわからなかったりするので、

霞んでしまうわけですね。

 

今回の特集では、医療者側、医者側の事情に踏み込んで、

解説がなされています。

自費の治療はたくさんありますが、受ける前に一度熟読することをおすすめします。

 

この話については、いろいろと書きたいこともあるので、今後、詳しく話をしたいと思います。

 

 

最後にいま流行りのTPPについても一つ。

混合診療という言葉があります。

健康保険の効く治療と効かない治療を同じ病気に対して、同一日に、同じ医療機関で行うことが出来る方法です。

 

もしも、混合診療が許可されたらどうなるのか?

自費診療の中には質の悪いものもたくさんあります。

健康保険の代わりにそのような自費診療をすすめることになると、どうなるでしょう?

患者さんは高いお金を支払い、(相対的に)効果のない治療法を行うことになるかもしれません。

儲かるのは、(その効果のない治療法を進めた)医師と関連会社のみということになりませんか?

・・・このようなことを考えると、単純に混合診療に賛成することが出来ないのです。