わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

夏の病気

とひびのいない夏休み(2022年9月)

もう夏もおしまいでしょうかねえ。

今年は秋が来るのは早い印象を受けます。

なんか夏らしい夏は短かった印象を受けますが、

それはずっと屋内でお仕事をしていたせいなのでしょうか?

 

それにしても今年の夏はとびひの患者さんの数が少なかったようです。

例年の半分くらいでしょうか?

 

不思議ですねえとも思うのですが、ある程度納得するお話でもあったりします。

 

そもそも、とひびは皮膚の感染症ですが、みていると汗で悪化する傾向があります。

そのために汗をかかない環境にいることが予防でもあり、治療でもあるのですが、

今年の夏の特徴として

・気温があまり上がらなかった

・外出頻度が少なかった

というのがどうもありそうなのです。

 

気温があまり上がらなかったというのはまあ、太陽と地球の話になるので、

たまたまといえばたまたまなのでしょう。

外出については新型コロナウイルス感染症の拡大の影響はありそうにも見えます。

子どもたちの感染を恐れて、外出しなかったこと。

それがとびひの発生にも影響を及ぼしている可能性がありそうです。

 

そういうわけで、今年の夏の感染症は少なかったなあというのが印象です。

秋以降、子供同士の接触により発生する、

みずいぼ、しらみについても確認をしていく必要がありそうです。

朝のシャワーと、帰宅後のシャワーと

できれば流して汗を取ってあげたほうがいいですよね?

というお話です。

 

夏になりました。と言ってもいいくらいの気温の上がりっぷりです。

夏の時期にはアトピー性皮膚炎の悪化要因は汗が一番に思えます。

肘・膝・首などの擦れて汗がたまる部分に湿疹の悪化をみるのが毎年のパターンです。

もちろん薬を使って湿疹を抑えていくのは必要なことですが、その前の予防のスキンケアとして、シャワーをしっかりと使っていきましょうね。

 

朝起きたときには、夜間の寝汗を落とすシャワー。

外から帰ったときには外出時の汗を落とすシャワー。

2回は追加でシャワーしてもいいかもしれません。

 

よく聞かれる質問ですが、石鹸は無理に使用する必要はありません。

一般的に汗は水に溶けますので、石鹸を使って皮膚を乾燥させる必要はないと考えています。

 

ただし、土や砂などでドロドロになってしまった場合には使用もやむなしかと思います。

また、一度水洗いしてもベタベタした汗が残っている場合にはその部分に石鹸を追加して見てください。

(思春期以降のニキビを伴うベタベタした脂分に対しては石鹸は使用しても問題はありません。)

 

しっかりと洗って皮膚に刺激分を残さないようにすること。

湿疹の予防の上では大事なポイントとなりますよ?

只今水いぼ治療中です!

ということを周りの方にしっかりと知っていただくためにあらたにカードを作りました。

 

水いぼの治療中での問題の一つがプール問題。

治療の前には感染の問題のためにプールに入れてくれ無いというのはまだわかるんです。

でも、治療を行っているつまり水いぼのウイルスの量が減っているのにプールに入れてくれないのはいくらなんでも問題ありませんか?

というのは以前より考えていたのです。

 

そこで今年新しく水いぼの治療を行っている方にはカードをお渡しすることにしました。

題して「水いぼ治療中カード」です。そのままですね・・・

 

内容は至ってシンプルです。

治療しているから(学校・プール管理者は)配慮してね。

ということ。

つまり、その子の感染リスクを考えた上で個別に対処してね。

という問い掛けをするためのカードです。

 

なお、現在水いぼを治療中の方でこのカードがほしい方はスタッフに言っていただければ用意しますので、声をかけてください。

 

え、プール行きたくない?

そういう子はカードを学校に渡さないでプールはお休みしても良いのではないかとー

 

必要なのは選択肢を用意することであり、なにかを理由にして一律に行動を決めることではないと思うのですよ。というのが当院のコンセプトでもあります。

ワキ汗の治療薬の選択肢が増えました:ラピフォートワイプ新登場

今週からワキの多汗症治療の薬の選択肢が増えました。

ラピフォートワイプの登場です。

 

現在当院で処方できる治療薬は2種類あります。

・塩化アルミニウム

・エクロックゲル

 

ここに3種類目が登場したわけですね。

 

今回の薬は不織布に染み込ませた形の剤型となります。

珍しいですよね。

しかしその形から想像できるように使用方法は簡単。

中に入っている布を取り出して腋の下を拭い、

そのままゴミ箱にポイ。

すればいいだけです。

 

なんて簡単なんでしょう!?

 

ただし注意点もいくつかあります。

目が眩しくなる、しみる。口が渇くなどの副作用があります。

特に塗った後に手を洗わないでいるとその手で顔を触った後には

その副作用が強く出るかもしれません。

また、手や足の多汗症には今のところ使用はできません。

新薬ですので、1回の診察で2週間分しか処方ができません。

 

ただ何よりも簡便なのはありがたいところです。

 

これからの季節に気になるワキの汗ですが、

一度受診されてみてはいかがでしょうか?

あせもに対するスキンケア

夏ですねえ・・・あせもの季節になってきました。

今回はそのあせもに対するスキンケアのお話をしていきたいと思います。

 

あせものスキンケアの鉄則は洗うこと、流すことに尽きます。

話を聞いていると拭いていますという方も多いのですが、どうもそれでは

あせもを抑え込むことはできないようですね。

 

とにかくシャワーで洗うことが一番の鉄則になります。

温度についてはお任せですが、ベタベタしたあせもについては少し高めの温度の方が

良さそうです。

ただしあまりにも暑すぎるとシャワーのあとに汗をかいてしまいますので、

最後には少し低めの温度で流してあげるなど一工夫してあげるといいかもしれません。

 

石鹸についてですが、普通は使わなくても大丈夫です。

しかしベタベタあせもについては使ってあげたほうがベタベタはよく取れるようです。

まあ、なくても大丈夫かと思います。

 

その後はしっかりと水分を拭き取ってしばらくは裸のまま(もしくはおむつだけをして)

涼しい室内で数分待機しましょう。

その間にシャワーのときに出た汗も引いてくると思います。

汗が引いたら最終的に洗濯が終わった清潔な洋服を着せてあげてください。

 

シャワーの回数については特に制限はありません。

朝起きたあとは必須としても

外出後やお昼寝の後など汗をかいた後は必ずシャワーをしてあげても良いくらいです。

何回もシャワーが面倒くさい?

でしたら湯船にぬるま湯をいれて、お風呂でずっと水遊びさせてしまうのも一つの方法ですね。

 

よかったらお試しください!

 

0才児の赤ちゃんには日焼け止めは必要ありません

意外でしたか?

実はそうでもないんです。

ポイントはビタミンです。

 

人間が生きていくのに必須なビタミンですが、

一部は食事から入手することができます。

ではそれ以外に生成する方法はないのか?

実は日光にあたることで作られるビタミンもあるのです。

それがビタミンDです。

 

離乳食の赤ちゃんはまだ食事では十分なビタミンDが入手できません。

そのためにある程度は日に当たる必要があるのです。

 

但し気をつけるべきことは、過剰な日光は必要ないということ。

日陰を選ぶこと、日差しの強い時間帯は外出しないこと

など、ある程度の量でコントロールしてください。

真っ赤になるまでの紫外線は必要ありません。

日陰で反射して入ってくるレベルでの紫外線量で十分です。

 

逆に日焼け止めをガンガンに塗った赤ちゃんでビタミンD不足になるという話も出ていますので、

まあ、塗るにしても程々に。

塗らなくても大丈夫ですよという考え方で良いのではないでしょうか。

 

焦らず騒がず、のんびりと子育てをしていくくらいの気持ちで十分ではないでしょうか?

夏だから?耳が荒れることがあります(2019年8月)

ここ数週間、耳の湿疹を訴える患者さんが増えてきました。

夏特有の現象なのでしょうか?

少し考えてみることにします。

 

まず、耳切れはなぜ発生するのか?という話は以前したことがあるかと思います。

原因は汚れです。

汗だったり、ホコリだったり、小さな子では涙だったり。

その汚れがずっと付着する環境にあるときに湿疹ができます。

つまり、洗いが不十分であること。

 

結局のところ、耳切れの原因は

汚れ と スキンケアの不徹底

であるわけです。

 

では、夏になぜ耳切れが悪化するのか?

これはもうおわかりでしょうか。

汗です。

 

夏になり、汗が増える。

そうするとそれだけで耳切れが悪化します。

また、耳切れの子の殆どが耳の中を洗っていない。

洗えていない状況になっています。

 

だからこの時期耳の湿疹が増えるんですねえ。

 

治療については逆に考えることにしましょう。

湿疹についてはまずステロイドの塗り薬を短期間、必要最小限に使用して

抑え込む。

そして、予防のためにしっかりと毎日石鹸を使用して耳を洗う。

そして流す。

 

それが一番の治療法であり、予防法にもなるのです。

 

夏の耳切れ。

しっかりと治療と予防を行うことにしましょうね。

夏だから頬の「はたけ」が目立つんだ(2019年8月)

夏にも関わらず、湿疹のために頬部の一部の色素が抜ける、

単純性粃糠疹、いわゆる「はたけ」の患者さんが目立つようになりました。

 

そもそも、はたけの好発時期は冬です。

冬になり、ほっぺたに湿疹ができる。

湿疹部分には色素の新生が落ちるために結果として周囲の皮膚との

色の差が目立ち、症状として見えてくる。

というのがはたけです。

そもそも最初の湿疹は乾燥からの湿疹なので、冬によくできるのですが、

ここ数日はたけの患者さんを見るようになりました。

なぜでしょうか?

 

原因は日焼けです。

先程述べたようにはたけの原因は湿疹部とその周辺皮膚との色素の差です。

冬のはたけは湿疹部の皮膚の色が白くなるためにより目立つのですが、

どうも夏のはたけは周りの正常な皮膚が日焼けのためにより黒くなり、

色の差が目立ってくるということがあるようです。

 

ではどうするのか?

当然湿疹があることが望ましいことでは有りませんので、

湿疹はさっさと治すに限ります。

あとは周囲の色素が増えないようにすること。つまり日焼け止めですね。

しっかりと日焼けしないようにブロックしてあげればこれ以上の悪化は食い止められます。

 

そして、時間が経過すれば、湿疹部分の皮膚には色素の新生が進み、

周辺部の日焼けは引いてくるので、相対的な色の差は軽減する。

ということが期待できるのです。

 

夏のはたけは日焼け止めが一番の対処法なんですね。

汗疹とシャワーとの関係について

さて、今回も汗疹のお話をしてきましょう。

今回はシャワーとの関係についてです。

どのようなタイミングで行うべきか、石鹸をどうすべきか

一つずつ見ていくことにしましょう。

 

まず、シャワーについての共通点から上げていきましょう。

・温度はぬるま湯から温水くらい。

お湯ではあたたかすぎます。シャワーのあとに汗をかいては本末転倒ですから

ぬるま湯から温水くらいの涼しい温度で構いません。

本人が大丈夫なら水でも大丈夫です。

・あたまからしっかりと水をかけること

頭部や顔面前額部には意外にも汗疹の発生地帯でもあります。

したがってしっかりと水で流してあげることは有効です。

・石鹸は1日から2日に1回程度は使用すること。

石鹸について細かな話は後ほど行いますが、

一般的な注意事項として全く石鹸を使用しないのはNGです。

1日1回もしくは隔日1回位は石鹸を使用してください。

 

ではそれぞれのタイプ別のシャワーの方法です。

 

1)赤ちゃんの痒くない汗疹

最初は赤ちゃんの汗疹です。

こちら、痒くないので、基本的に洗い流すだけで十分です。

とにかく流すのがベストの対応と言えるでしょう。

 

2)子どもの痒い汗疹

こちらは少し複雑になります。

汗疹の原因にも絡んでくるのですが、皮膚の表面に

目に見えないレベルのベタベタが汗と皮膚の表面に住んでいる細菌により出現し、

それが刺激となり湿疹を形成するのがこの汗疹の原因となります。

このベタベタは厄介なことに水洗いでは落とすことができません。

石鹸が必要となります。

つまり、痒い汗疹ができている、そして、ベタベタしている状況では

石鹸を使用したほうが良いということになるのです。

水だけではなかなか改善しないのには実はそのような理由があったのです。

 

3)子どもの痒くない汗疹

こちらは枯れた汗疹の状態になります。

基本的に痒みはありませんので、水で洗うだけで十分です。

白いぶつぶつができているときには石鹸を使ったほうが気持ち早く治る印象がありますが、

最終的には時間とともに消えてなくなりますので、

石鹸は使う義務があるわけではないのです。

 

 

汗疹は千差万別と前回お話しましたが

スキンケアも実はそれぞれの状況によって変化して行く必要があるのです。

 

それぞれの症状を確認して最適なスキンケアを行うことにしましょう。