わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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「マンガでわかる 生化学」

マンガでわかる生化学

 

マンガでわかる生化学

武村政春 著

 

エビデンスレベル:総論・概論

 

マンガも馬鹿にしたものではありません。

最初の感想は「大学1年生の時に読んでいれば・・・」でした。

医学生も、生化学を知る最初の取っ掛かりには非常に最適です。

この本の内容を理解した上で難しい本に進んでいけば、より良く生化学を理解できるのでは無いでしょうか。

 

生化学とは、聞きなれない学問ですが、

主に、糖、タンパク質、脂質それに核酸といった生体内に必要とされる物質に特化した化学です。

人間を対象とする職業の人は必ず知っておかなければいけません。

また、作内でも触れられていましたが、「ダイエット」や「美容」についても非常に重要な学問です。

先に生体内と書きましたが、これは誰にでも当てはまる話なのです。

つまり、人間は全員当てはまる話。病気のない人もね。

自分の体の中でどのような反応が今起きているのかを知ることは自分を知ることにつながります。

 

また、現在のダイエット、美容についての情報量の多さについては目を瞠るものがありますが、

その質についてはどうでしょう?

それぞれの項目についてはしっかりとしたものはありますが、結局のところ、それは各論にとどまります。

このタンパク質が……この脂質が……このビタミンが……この物質が……この……

これは一つの風潮なので仕方ない所もありますが、それでは全体はどうなっているの?

という総論に当たる部分の知識がすっぽりと抜け落ちているところも否定出来ません。

 

現在、ダイエット、美容についての溢れる情報をより詳しく知るためにも、

人間の体のなかでどのような化学反応が起きているのかを知る。その総論、入門編としては

非常に役に立つのではないでしょうか。

また、昔習ったよ。という人にも復習や再確認という意味でも有用ではないでしょうか。

 

ちなみに、私達が医学部一年生になった時に読んだテキストです。

RPGで言うところのいきなりラスボスのようなものでした・・・

細胞の分子生物学

 

私が読んだのは第3版ですが、読み応えあります。

少なくとも子の本をすべて知っていれば、分子生物学はだいぶ理解出来ます。

「人見知り」は怖さ半分、興味半分

人見知り。

このような仕事をしているとよく見られるものです。

印象としては大体生後半年からはじまるようです、

診察室に入ってベットに横になって、じーっと目があって、

その後、「ふえっ」とされたら要注意。

ふえーんと泣かれてしまいます。

でも、その間にはじーっとこちらを見ているんですよね。

 

でも、何回か診察されて慣れてくるのか、大きくなってしまうのか。

そのうちに人見知りがなくなってきて、ハイタッチをしながら帰っていくようになるのです。

 

その人見知りに対する面白い研究結果が発表されました

赤ちゃんのキャラクターを幾つかに分類し、その行動を分析すると、

人見知りの強い赤ちゃんほど怖がり。

だけど、人見知りの極端に強い子は逆に人に寄りたがる。

(人見知りのない子も人に寄る傾向がありましたが、これはまあ、そうでしょうね)

という傾向があったようです。

つまり、気になるけど、怖い。この心理が人見知りという形で現れるようです。

 

また、赤ちゃんが相手の顔のどこを見ているかも特徴があるようです。

人見知りの子はそうでない子に比べ相手の目を見ている時間が長く、

よそ見をしている顔をよく見る傾向があるようです。

「目は口ほどにものを言う」をまさに地で言っているわけですが、

直接相手の目が見られない。その辺りにも心理的な葛藤がありそうです。

 

逆に赤ちゃんに接するときには(特に人見知りの子には)、直接ジロジロ見ないほうがいいのかもしれませんが、

その辺りは実際に診察室で検証してみましょうかねえ。

赤ちゃんの爪を切った後にやるべきこと

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ちいさなちいさな赤ちゃんの、ちいさなちいさなおてて。

その先っぽには更に小さな爪がちょこんと見えています。

この小さな爪がトラブルを引き起こすので、お母さんは大変なのです。

 

さて、赤ちゃんの爪ですが、とても良く物が切れます。

まず、お母さんのほっぺた。良く切られることがありますね。

うちも看板娘に両親共に切られたことがあります。

また、自分自身のほっぺや体も切ってしまうのです。

引っ掻いた時にかさぶたになるのもそのためです。

なぜでしょうか?

 

爪にも年齢とともに様々な変化が見られます。

例えば、加齢とともに爪の水分量が減少し、乾いてきます。

年を取ると爪が割れやすくなるというのはよく聞く話です。

 

そして、赤ちゃんや子供の爪の特徴は伸びるのが早いことがあります。

成長とともに爪の大きさも変わりますので、単純に伸びる速さでは比較できませんので、

生え変わる日数をみてみると、

子供では(残念ながら赤ちゃんの資料はありませんでした)親指で約90日ですが、

20歳では120日になります。

更に年齢が上がると伸びはより遅くなりますので、生え変わるのにもっと時間がかかります。

もう一つの特徴は爪が薄いこと。

これが、すぱすぱと本人や周りの人の皮膚を切ってしまうのです。

具体的な数字で見ると。0歳時の親指の爪が0.22mm(男児)0.12mm(女児)

これが7歳になるとそれぞれ0.44mmと0.39mmになります。

倍以上になってしまうのですね。

ちなみに成人では0.8mmですから、子供の、特に赤ちゃんの爪が

どれほど薄いかが、わかります。

 

参考までにカッターナイフの刃の厚さは一般のもので0.38mm、

カミソリは0.12-0.15mmですから、赤ちゃんの爪はカッターナイフと言うよりも

むしろカミソリに近い厚さです。

すぱすぱ切れるのも仕方ないですね。

 

 

と、関心ばかりしていても仕方ありません。

すぱすぱの原因は薄さだけではありません。

どんなに薄い包丁も使っているうちに切れ味が鈍くなるように、

鋭さも一つの要因になります。

赤ちゃんの爪の厚さについては時間が解決するのを待つしかありませんが、

鋭さは対処できそうです。

 

つまち、爪を鈍らせればいいのです。

ということは、爪やすりで磨くことが、赤ちゃんの爪によるすぱすぱ予防になるのです。

特に、お母さんが使っているネイル用のヤスリを使って、優しく磨いて下さい。

それだけで、スパスパはきっと減りますよ。

 

爪関連で一つおまけの話。

私は赤ちゃんの爪切りの頻度は2週間に3回くらいがちょうどいいと考えています。

経験上ですが、それぐらいが伸びすぎず、尖りすぎず、ちょうどいいと考えます。

 

 

参考文献。

皮膚科医必携の書です。爪のすべてが記されています。

でも、普通の人は、使わないかな?参考までに。

爪―基礎から臨床まで

わかば式、夏の夜のエアコン利用術

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梅雨に入り、蒸し暑い日が続くようになりました。

みなさんはどのように毎日をお過ごしでしょうか。

 

今回は特に小さな子のいる家庭での、夏の夜のエアコンの話をしたいと思います。

結論から述べると、積極的に使うべきでしょう。

 

問題は使い方です。

必要なら使う、必要なければ使わない。

そのメリハリをしっかりとするべきかと思います。

 

エアコンを使わないデメリットは何か?

まず、汗をたくさんかくこと。特に小さな子はアセモができやすいです。

また、寝てくれない。また睡眠の質が落ちること。

良く眠れないと、起きている時の質も悪くなってしまいます。

湿疹がある子の場合は特に痒みが強くなってしまい、湿疹が悪くなってしまいます。

逆にエアコンを使わないメリットは何か?

まあ、電気代は減りますね。でも、メリットはそのくらいでしょうか。

 

次に、エアコンの上手な使い方です。

基本は、除湿⇒冷房。間欠的⇒連続的。

の2つです。

除湿のみで落ち着くなら、それのみで済ませる。

間欠的につける状態で落ち着くなら、それのみで済ませる。

のが良いでしょう。

 

特に、ずーとつけなくても大丈夫そうならば、

まず、寝入る時に1時間だけタイマーでつける。

または寝る前(お風呂に入っている時にでも)キンキンに冷やしておく。

ことで、寝入りばなの寝苦しさを抑えることが出来るでしょう。

途中で暑く感じたら、そこで1時間だけスイッチを入れる。

というように連続してつける必要は無いことも多いです。

 

最後に子供の様子を見てあげて下さい。

寝付きが悪い、途中で何度も起きてくる

という時には部屋の温度が高いことが考えられます。

まず、寝間着の厚さや枚数を調節する

布団の厚さや枚数を調節する

ことを考えて下さい。それでも難しいならエアコンも仕方ないと思います。

 

でも、子供って、よくわかっているのです。

部屋の中で一番涼しいところを。

変な所で寝ていたら、多分そこが部屋の中で一番涼しいところです。

この勘の良さは親も見習いたいものですね。

 

プリント配布中

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クリニック入り口の北側、掲示板の中に自由に持っていける

病気のお話のプリントを設置致しました。

現時点では

・いぼ(尋常性疣贅)

・水いぼ(伝染性軟属腫)

・とびひ(伝染性膿痂疹)

の3種類のプリントを用意しております。

また、院内にはスペースその他の関係で置けなかった

プリントやパンフレット、リーフレットが各種置いてあります。

 

もしも興味がありましたらプリントだけもらいに来てもらっても構いません。

常識的な範囲内でしたらお友達の分もご一緒にどうぞ。

病気の話だけではなく、生活のアドバイスなども載せています。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

朝シャワーのススメ。こども編

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ゴールデンウイークも終わり、だいぶ暑い日が増えて来ました。

北海道、東北では2週間前に雪が降っていたのに、今は真夏日ですか……

体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて、暖かかくなり、皮膚科医の間ではアトピーがみんな悪くなってきたという

話が増えています。

その原因は色いろあるでしょう。

しかし、その中の一つとして汗があることはご存知でしょうか。

 

アトピー性皮膚炎が悪くなるきっかけを聞いてみると、

「乾燥」と「汗」が最大の原因でした。

しかし年齢により、どちらが悪いかがわかれます。

大雑把に言うと、幼児園児くらいまでは「乾燥」

それ以上になると「汗」が悪さをする印象があります。

 

乾燥に保湿剤という対策があるように

汗にもシャワーという対応策があります。

 

朝、5分だけ早く起きて(起こして)シャワーを毎日浴びてください。

石けんは実はあまり必要ありません。アセモの部分に使うくらいで構いません。

毎日、シャワーをしてあげるだけで、随分アトピーの症状の出方は変わりますよ。

 

また、シャワーにはもう一つ利点があります。

シャワーをすれば、必ず裸になりますよね。

つまり、朝の塗り薬をつけやすくなるのです。

 

もともと子どもは汗をかきやすいもの。

朝のうちから、汗をかいた頭がすえた匂いをしているのもイヤですからね。

(我が家では「頭が発酵している」と言っていますが。)

 

暑くなり、子どもがおへそをだして寝るようになったら、朝シャワー、ぜひ試してください。

 

追記。

先のエントリー。大人は朝シャンですが、子どもは朝シャワーです。

上にも書きましたが石けんはアセモの部分を除いてあまり積極的に使う必要はありませんが、

匂いが強いところにはしっかりと使ってくださいね。

 

2013/5/23更に追記

シャンプーや石けんですが、全身に1日2回使うと乾燥が強くなる印象があります。

アトピーや乾燥肌の子は症状が悪くなることがありますので、気をつけて下さいね。

日本の(高分子)化学力は世界一のようです

ドイツの科学力は世界一ィィィィィ

といったのは、ジョジョの中の誰でしたっけ………

 

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おむつの話の続きですが、

日本から海外に赴任したママさんが悩むのは

おむつと石鹸・洗剤でした。

保湿剤や化粧品なども合わないことが結構あったようです。

海外でもこれらの日本製品は売っているようですが、

一般のスーパーでは同じブランドでも質があまりにも違って困ってしまうそうです。

かと言って日本人剥けスーパーでは金額が結構貼りますし………

ということで、日本の家族からせっせと仕送りをしてもらっている人もいました。

 

確かに、娘をつれて海外に行った時にもおむつはがさがさで困りました。

繊維や高分子化学製品、特に民生品については日本のものが一番のようですね。

海外のお友達に日本からおみやげを持って行く時には

このようなものを持っていくと喜ばれることも多いですよ。

ちょっとしたtipsでした。

二重らせんを目でみれば

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顕微鏡もここまで細かく見ることができるようになったんですね。

アブストラクトはこちらです。

 

NHKスペシャルかな?初めて見た時にはただただ関心しているだけでした。

まあ、見えないしねえ。

と思っていたのですが、最先端の技術でそれすらも見えるようにしてしまったようです。

 

分子や原子の世界になると、どうしても原子の配列でしか物を考えることが

できなくなっているので、その分子が実際にはどのように見えるのかを

この目で確認できるというのはすごいことに思えてきます。

 

もっと細かい所までわかるようになる日が来るのでしょうか?

【専門家】2月23日講演会の参考文献

注:このエントリーは専門家の方を対象にしております。

 

 

講演会に参加された皆様、お疲れ様でした。

私の拙い講演を聞いていただきありがとうございます。

 

今回の講演会の参考文献を挙げさせて頂きます。

今後の診療の参考になればと思います。

 

もともと皮膚科医が対象とする子は成長・発達が正常な子が多いです。

そのため、「正常な」発達を理解する必要があると考えます。

特に小児の発達の専門家ではありませんので、多い写真と簡便な説明が

なされている書籍を紹介いたします。

 

「正常発達」

正常発達―脳性まひ治療への応用

脳性まひの子の治療を行うためには正常の発達を知る必要があります。

長期療養中の脳性麻痺の子を診察する機会がある方にはぜひ読んで貰いたいです。

なぜ、彼らはあのような反応をするのか?その一端が理解できると思います。

 

「小児生理学」

新版 小児生理学

実は、大学時代は生理学はあまり得意ではありませんでした。

今回、勉強のために買ってみましたが、学生時代に比べ、はるかに面白く読めました。

多分学生時代には生理学は早すぎたのでしょうね。

基礎的な部分も理解することで今後の診療の役に立てると思います。

成長発達の項以外でも、栄養・感覚・外分泌の項は参考になると思います。

 

「写真で見る乳児の運動発達」

写真でみる乳児の運動発達―生後10日から12カ月まで

豊富な写真と詳しい説明がそれぞれの月齢ごとに記載されています。

ベッドサイドでの赤ちゃんの観察を再度体系的に確認するには調度良い一冊だと思います。

ぜひ日本人版も作ってほしいものです。

 

以上3冊、参考にさせていただいた書籍です。

皮膚科の書籍は省略させて頂きました。

 

赤ちゃんの診察になれるためには数多く行うことが必要です。

その中で見えてくるコツのようなものがありますから。

しかし、時に系統だった質のよい資料に当たることにより、

その理解が更に深まると考えています。

 

今回の講演で間違い等ご指摘のある方はメールをいただけると嬉しいです。

間違いの一切は私、野崎誠の責任です。

また、こんなよい本ありました。など情報ありましたらコメントやメールをいただけると嬉しいです。

 

今後もよろしくお願い致します。