わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

石鹸

手荒れがとにかく悪化しています(2020年2月)

消毒回数、手洗い回数が明らかに増えたからでしょうね。きっと。

 

当院でも手荒れの患者さんの数は明らかに増加傾向が見られます。

少なくとも子どもたちについては例年よりもとにかく多い印象を受けます。

 

まあ、COVID対策としての手指消毒や手洗いの回数の増加があるので、

やむを得ない面もあるのですが。

 

ひりひり感くらいまでの自覚症状であれば市販の保湿剤で対応は可能です。

しかし、かゆみが出現する場合、ひっかき動作が出ているような場合は

保湿剤ではもう対応不可能です。

ステロイドを塗り始めたほうが治りは早いので、

早めに皮膚科受診したほうが良いかと思います。

 

とにかく今は感染症の予防をしっかりと行うこと。

その上でその予防による影響を最小限に食い止めていくことが必要です。

早めに対応を始めるようにしてください。

 

今回は手荒れのお話でした。

具体的な対策のお話を確認したい場合はこちらから確認ください。

赤ちゃんのニキビには薬は必要ありません

今回もニキビの話を進めていきましょう。

そして、専門の赤ちゃんのお話をしていきましょう。

 

赤ちゃんには結構な確率でニキビができます。

概ね数週間から23ヶ月くらいまでの間に、鼻の頭を中心に赤ちゃんのほっぺたやおでこにニキビができることがあります。印象としては男の子に多いかな?

このニキビは新生児痤瘡と呼ばれます。大人のニキビとは区別して考える必要があるのです。

 

では、大人のニキビと赤ちゃんのニキビはどう違うのか?

病因についてはよくわかりません。でも、一つ明らかに違うものがあります。皮膚のケアです。

お母さんにお話を聞いてみるとよくわかるのですが、ニキビができている赤ちゃんには、あまり石鹸を使った洗顔がされていませんでした。男の子が多いのは多分その石鹸使用率の違いやスキンケアの違いが影響しているようにも思えます。

 

対処法は簡単。まず洗うこと。そして石鹸をしっかりと流すことが一番です。とにかく汚れを大量の水を使用して洗い流すことが治療にもなるんです。

ただし、ここで注意点。石鹸は石鹸水を単純に塗るのではなく、泡を作って泡をのせるようにして洗う必要があるのです。

 

赤ちゃんのニキビはまずしっかりと洗うこと。

それだけで十分に落ち着けることができるのです。

もちろん、落ち着かない時にはスキンケアの確認をする必要がありますので、心配なようであれば一度受診してみて下さいね。

母乳石鹸のリスク 続編

母乳石鹸について、いろいろ見ていたのですが気になることが一つ有りました。

 

この石鹸、他人に使うのはNGですよ?

 

 

母乳とは何か?

いろいろな考え方がありますが、一番夢も希望も無い考え方をしましょう。

原料は血液です。(体液と言ってもいいですが)

お母さんの血液に含まれている成分から、

母乳を作る腺細胞が乳管の中に分泌する。

それが母乳として、赤ちゃんが口にするわけです。

 

ここで考えなければいけないのは母乳とは血液に類似したものであり、

血液内に病原微生物がいた場合、その微生物を赤ちゃんに移す可能性があるということです。

また、母乳を絞る際に皮膚に存在している病原微生物も移す可能性があるということです。

 

幾つか例を上げましょう。

お母さんの乳房にヘルペスができることが稀ですが有ります。

その時は赤ちゃんに母乳を上げることが禁止されます。

さらに、ヘルペスの症状がないときでも、ヘルペスのウイルスのみが乳房表面に

出現することが有ります。

もしも、その時の母乳から石鹸を作ったら・・・?

また、HTLV-1というウイルスがあります。

このウイルスを持っているお母さんは母乳を介して赤ちゃんにウイルスを伝えてしまいます。

もっとも、出産前にこのウイルスを検査し、ウイルスが存在している場合は、

母乳を与えてはいけないことになっていますが、もしもお母さんが

「石鹸だったら大丈夫」と考え、石鹸を作り、使った場合は・・・?

理論上は、このように病原微生物が伝播する可能性もあるのです。

 

 

母乳石鹸。面白い製品だと感じました。しかし、これは自分で使うのは構わないと思いますが、

さすがに、誰かにあげるのは遠慮したほうが良さそうです。

 

母乳石鹸のリスク

春になりました。

花粉も沢山飛んでいますね。

花粉症は今年はわるくなりそうですね・・・

 

さて、今回のお話は母乳石鹸のお話です。

母乳石鹸。初めて知りました・・・

 

母乳石鹸はどのようにして作っているのか?

詳しく調べてみると、石鹸の素と母乳を混ぜあわせ、必要があれば精油を入れて、

石鹸を固形化して作るみたいですね。

 

この母乳石鹸。過去の化粧品のトラブルを横目で見ていた人間としては少し心配です。

また、新しい接触皮膚炎や食物アレルギーのリスクにならなければ良いのですが。

 

じつは「また」と言ったのは先例があるからです。

それは「茶のしずく石鹸」です。

現在の製品とは成分が違い、過去の製品には「小麦の加水分解産物」が含まれていました。

この成分(正確にはグルパールS19と言います)のために、使用者が小麦アレルギーを発症してしまい、

大きな社会問題になりました。

現在はその成分の入った石鹸は回収対象となっています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/cyanoshizuku/index.html

 

この事件はさまざまな教訓を残しましたが、少なくとも私が感じたものは

「食物由来成分を皮膚に塗っちゃダメ」

というものです。

更に、石鹸という皮膚のバリアを壊す成分と一緒に入れることは、その食品に対する食物アレルギーを

発症するリスクを更に上げる行為とも考えられます。

それ以来、食品由来成分が含有されている化粧品は薦めないようにしていました。

 

 

さて、お話を戻しましょう。

母乳石鹸というくらいですから、成分の中には母乳が入っています。

この母乳ですが、当然のことながらお母さんが摂取した食品由来の成分も含んでいることが

考えられます。

したがって、その食物由来の成分が赤ちゃんのお肌から吸収されることがあれば、

理論上はその成分に対して食物アレルギーを発症する可能性もあるのです。

 

現時点ではそのようなアレルギーを起こす確率は不明としかいうことが出来ません。

しかし、全くゼロとも言い切ることが出来ない以上、

リスクが無いと言い切ることはどうかと思います。

 

あとは、作成される方はこのような可能性も有るということを考えた上で、

決断してほしいものだと思います。

 

 

 

追記

もう一つリスクが有りました。

精油成分です。

精油ももともと人体に存在しない成分であれば、接触皮膚炎を起こすリスクは否定できません。

特に皮膚炎を起こさない濃度を簡単に測定することは難しいために

濃度によっては精油によるリスクも検討すべきでしょう。