わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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春の病気

「令和」最初の虫刺されには要注意です

いや、まあ、今年に限らずの話なんですけども、

その年、はじめての虫さされは一般的に症状が強くなりますので、

要注意です。

 

いつもは4月の下旬から5月にかけて、その年最初の虫さされの患者さんが

やってきます。

で、その虫さされの反応って結構激しいんですね。

なぜかはよくわかっていませんし、一般的にあまり言われている話ではないのですが、

数年間外来をやっているとそのように思えてきました。

 

まあ、虫さされの経験値のようなものがあって、年が明ける

(というか、虫さされのない期間が長くなるに従って)

その経験値がなくなってくるのかな?とも思ったりもしています。

 

 

で、今年はめでたく改元と相成りましたので、

ちょうどそのタイミングでの新年初=新元号初の虫さされとなりますと、

一気に悪化してきますよ。

というお話でした。

 

ちなみに、症状としての痒みも炎症も結構強く出ることが多いので、

早めに皮膚科を受診するようにしてくださいね。

 

花粉症検査のための「指先採血」はじめました

今年の春も花粉症の患者さんがたくさんやってきます。

アトピー性皮膚炎を合併している子もたくさんやってきます。

見ていて思うのですが、低年齢化進んでいますね・・・

小さな子も目の周りを赤くしているのを見ると、なんとかしたいと思ってしまいます。

 

治療法については近年舌下免疫療法が行えるようになりました。

こちら、現在は小さな子でも問題なく治療可能になってきました。

実際にうちの下の子も今年から始めようかと思っています。

 

で、治療の前の問題として、検査で確定診断を行うことが挙げられます。

一般的な検査は採血となりますが、小さな子供の場合は難しいです。

まず、了解が得られない。

そして動いてしまう、暴れてしまう。

最後に血管が細くて採血できない。

等々の問題があり、なかなか検査できないのが実際です。

 

なんとかならないものかな?と思っていたところ、

新しい検査方法を知ることができたので、早速導入してみました。

通称、「指先採血」です。

 

その他のとおり、血管に針をさすのではなく、指先を刃物でわずかに切って、

数滴の血液を採取する。

そして、その日のうちに検査結果が出るという検査方法です。

 

メリットは、簡単なこと。

指先を刺すだけなので、どんな子にも行うことができます。

まあ、刺すときに少し傷みがあり、それを避けることはできませんが。

そして、その日のうちに結果が出ること。

採血して判定板に血を垂らし、5分後に判定液を投入。

その15分後には結果が出るというすぐれものです。

採血だと結果が出るまで1週間かかりましたからねぇ。

とにかく、簡便に検査することができます。

 

しかし欠点もあります。

まず、検査項目は少ないこと。

花粉系4種、動物系(ダニ含む)4種の合計8種類確定です。

そして、判定基準がある程度曖昧であること。

つまり、帯状に出てくる陽性反応の色の濃さを以て陽性陰性を判定するので、

採血のように数字でしっかりと出るものではありません。

 

まあ、欠点はあるのですが、花粉症があるのかないのか?

レベルの判断は可能なのです。

実際に花粉症だと思っていたのに、検査をしたら

花粉は反応なく、実際はダニだったという例も経験しているので、

本当はしっかりとは花粉症か否かの検査はできたほうがいいんでしょう。

 

ということで、「指先採血」。

小さなお子さんで、花粉症か否かの検査を行いたいという方は

あらかじめご相談くださいね。

 

あ、最後に一点注意点を。

結構人気のある検査方法だったりしますので、花粉症シーズンは

検査キットが品薄になってしまいます。

キットがなかったらごめんなさい。

もしも検査希望の方は予め電話で残数を確認した方は

いいかもしれませんね・・・

 

小児の舌下免疫療法は準備中です!7月使用開始予定です。(2018年5月)

ごめんなさい。発売が遅れているようなんです。

 

今年の春に沢山お問い合わせをいただきました、小児用のスギ舌下免疫療法ですが、

2018年5月現在、使用可能になるのは7月頃を予定しております。

メーカーさんからの販売開始が微妙に遅れているようなんですね・・・

 

なので、夏休み前には治療開始できるのではないかと思います。

当初は小学生以上が対象となります。

もう少しだけ、お待ちくださいませ。

今年もスギ花粉用の舌下免疫療法を開始しました:成人(2018年5月)

やっとスギの花粉のシーズンがおわりました!

 

ということで、今年度のスギ花粉症用の舌下免疫療法の新規開始を開始します。

今年のスギの花粉でお悩みの方はご検討ください。

印象としては半減くらいの効果が見られるようです。

また、舌下免疫療法の性質上、治療期間がながければ効果も発揮するものですので、

来年のスギ花粉のシーズンに最も効果を発揮するのは今の季節から開始することです。

 

スギの花粉がなくなったときがスギ花粉の根治療法の開始のベスト時期です。

受診の際にご相談くださいませ。

家族に多発する毛のう炎を見たときには洗濯槽も確認すること

いやあ、全くの盲点でした。

 

お腹、背中を中心にいくつもできる毛のう炎を見た時にその原因として考えること。

それはまずお風呂関連です。

特にスポンジ、アカスリ、ナイロンタオル。

ついで考えるのは洗浄剤のボトルです。

 

なぜか?

そこに雑菌が住み着いているからなんです。

毎日使用する入浴器材はどうしてもずっと濡れてしまいます。

そして、それを日中だけでは乾燥しきれない。

結果として、ずっと湿った状態になってしまい、中心部から雑菌が繁殖してしまうわけなんですね。

ボトルの中も一緒です。その中の水が混入した場所から雑菌が湧いてくるんです。

 

でも、今回の子に聞いても全くそれは無し。

じゃあ何だ・・・

と悩んでいるうちに兄弟にも出現。

なんかも受診し、何回も問診しているけど改善せず・・・

 

解決は以外なところから出てきました。

お母さんからひと言、

「洗濯槽が汚いんです」

・・・それだ!

 

洗濯槽が汚ければその中に雑菌がたくさんつきます。

それが当然洗濯物につきますね。

その洗濯物ですが、外に干せば紫外線でだいぶ数を減らすことができます。

部屋干しではその紫外線がないので、菌が洋服に沢山残る可能性があります。

(もともと、洋服にはそれなりの数の雑菌は住んでいるので本来は問題になりません)

多分その悪条件が重なったために感染症は出たのかなあ。

 

とストーリーを考えてしまうのです。

 

いやあ、洗濯物は盲点でした。

幼稚園/保育園に水いぼポリシーの確認はしていますか?

春です。入学の季節です。

保育園や幼稚園に新しく入る子も多いかと思います。

そんな子を持つお母さんのために、園に確認して欲しいことが皮膚科からあります。

 

それは水いぼポリシーです。

 

なにそれ?

と思われる方も多いでしょう。これは水いぼの子に対する園の考え方についてです。

 

水いぼはちょうどこのくらいの年齢の子の病気です。

実害はないのですが、感染することも有るのが悩みのたね。

社会的に問題になるんですね。

 

で、この水いぼの子を特にプールの時にどう扱うかは園によってものすごく異なります。

他の子と一切区別しない園から一切裸にさせない園まで非常に広い幅での対応となります。

ぜーんぜん違います。

 

これ、確認したほうがいいですよ。

というのも、治療すべきか否かが変わるからです。

そして、治療をするなら、もう始めないとプールに間に合わないからです。

水いぼの治療は数週間かかります。そして治療終了後数週間確認して、再発しないことを見て、

初めて治癒と証明されます。

なので、時間、かかりますよ。

だから、必要ならば今から水いぼの治療したほうが良いですよ。

 

だから、今から水いぼポリシーを、確認、しませんか?

 

花粉症のアレルギーの波は半日後にもやってくる

なので、しっかりと薬を飲みましょうねというお話です。

 

花粉症に限らず、アレルギーの波はいくつかあります。

最初の波は即時型の波。

直後に出てくる反応です。

外にでていきなりムズムズする反応です。

即時型とか、急性期とか呼ばれます。

 

実は第二波も有るんです。

それが遅延型あるいは慢性期と呼ばれるものです。

そのピークは概ね半日後から一日後。

波の高さは第一波よりも低いのですが、ゼロでは有りません。

今日は花粉が少ないから対処しなくてもいいや。

薬を飲まなくてもいいや。

としてみたその夜や翌日に辛くなる、その反応です。

 

本当は第三波も有るようですが、あまりにも遅く、波も小さいために

次の第一波に隠れてしまうので、まあ、あまり問題にはならないでしょう。

 

とまあ、こんな感じの第二波があり、時にその波に救われてしまうこともありますので、

薬は定期的に飲むこと。マスクなどのケアも外出時には必ずすること。

という当たり前のケアが大事になってきます。

 

だから、ちゃんと治療はしてくださいね。

花粉症の薬をもらいに皮膚科に行くのは合理的かも知れない。

と思ってみたりして。

 

花粉症の薬を貰いに行くならどこ?

多くの人はまず耳鼻科、そして眼科と答えるかも知れません。

あとは内科/小児科でしょうか。

でも、実は皮膚科もちょっとした穴場になっていることを知っていますか?

 

耳鼻科、眼科で薬をもらうのは症状が出ているから。

内科小児科でもらうのはいつも通っているから。

でしょうか。

 

でも、今はこれらの科はかなり混んでいますよね。

特に耳鼻科・内科・小児科では普通の風邪の患者さんもいつから大混雑です。

 

でも、皮膚科は結構今の時期は空いています。

皮膚科にとって最も忙しくなるのはこれからの時期で、今はそこまで混雑はしていません。

実は皮膚科に行くことで待ち時間を一気に減らすことができるのです。

 

そして、もう一つ。

感染のリスクです。病院にいって風邪をもらって帰ってきたら、何のために病院に行ったのかわからないですよね。

さっきの3科ですが、今は風邪の患者さんも結構居ます。もしかしたら隣にインフルエンザの患者さんが居るかも知れません。

というリスクがあります。

逆に皮膚科はあまりそのようなリスクはないわけです。水疱瘡?くらいですかね。まあ、水疱瘡も今は流行の時期ではありませんしね。

つまり、感染のリスクも少ないのです。

 

というふうに考えてみると、皮膚科に受診して花粉症の薬を持って帰るというのは合理的に見えるのですよ。

 

でも、問題点。

点眼薬、点鼻薬についてですが、ステロイド入りのものを定期的に処方するのは流石に皮膚科では状況を確認できないので難しいこともあります。

もっとも、どのレベルの薬まで処方できるかはその先生の考え方になりますので、心配な方は予め電話して聞いてみても良いかも知れません。

ちなみに当院ではステロイドの点眼点鼻薬のみNGです。また、ステロイドの内服は切り替えるかも知れません。

 

皮膚科での花粉症の治療。一度考えてみて下さい。

花粉かぶれにご注意を(2018年3月)

花粉症のシーズンがやってきました。

患者さんの中でも続々と発症の報告がなされています。

早い人は1月中旬からでしたが、増加ペースからみて、完全に花粉症シーズンの到来ですね。

 

それに伴い、いわゆる「花粉かぶれ」の患者さんが沢山受診しています。

特徴は目の周りから頬部にかけての症状。

左右差は無いこともありますが、時に明らかに異なることがあります。

 

なぜそうなるのか?理由はいくつかあります。

まず発生の原因は花粉そのものである可能性。

花粉症は花粉の中に含まれるタンパク質に対するアレルギー。

ということは目や鼻だけでなく、理論的には皮膚に対しても発生する可能性があります。

もう一つはひっかくことによる影響。もしくはこすりつけに対する影響ですね。

掻爬することで皮膚に炎症が発生し、それが更に掻爬するという悪循環に突入します。

それで悪化する

 

左右の差が大きな人はひっかきの影響。

差の少ないひとは花粉そのものに対する反応。

なんて可能性ありますけど、はっきりとはしません。

治療はステロイドなどの抗炎症が目的となります。

同時に花粉症そのものも抑える必要があるんですけどね。

なので、皮膚科から飲み薬や目薬などを処方する場合もあります。

だって治んないんですもの。

 

実は結構眼科、耳鼻科で見過ごされている花粉かぶれ。

また、市販薬でもなかなか抑えることが出来ません。

目の周りが荒れてきてヒリヒリしたり、痒くなるようでしたら

一度皮膚科を受診することも考えて見て下さい。

暖かくなるから乾燥するんだ(2018年3月)

春になりました。徐々に暖かくなってきましたね。

もう冬もおしまいです。

でも、冬もおしまいなのに乾燥肌になってきた子がたくさんいます。

何故でしょうか?

 

理由ですが、科学の問題を応用することでよく理解できるかと思います。

まず大前提として皮膚の乾燥度合いは湿度に依存することがあります。

はっきりとしたデータはありませんが、季節や環境からは十分に予想されることです。

 

では湿度はどのように計算されるのか?思い出してみましょう。

湿度=(現在の空気中の水分量)/(その気温の飽和水蒸気量)×100

で出しましたよね。

覚えています?

 

そして空気中の飽和水蒸気量は気温によって決まります。

一般的に気温が上がるほど飽和水蒸気量が上がりますよね。

気温0度で4.8g

気温5度で6.8g

気温10度で9.4g

気温15度で12.8gです。

 

さて、いくつか例を出しましょう。

気温5度、湿度50%の空気が温まり、気温15度になりました。

湿度はいくら?

まず空気内の水分量を確認すると、

6.8g×0.5で3.4g

それが気温15度になるので、

3.4g÷12.8gなので、湿度は26.6%まで下がることになります。

これだけ湿度が下がると皮膚も乾燥しますよね。

 

次に雨の日の例を見てみましょう。

気温10度、湿度80%の雨の日の夜に気温が5度まで下がりました。

翌日気温が15度になりました。

文章だけ読むと結構湿度は高そうに見えますが・・・

問題は気温が下がったときです。

最初の水分量は

9.4g×0.8で7.5gです。結構ありますね。

しかし気温が0度に下がると、飽和水蒸気量以上の水分は結露してしまいます。

結果水分量は4.8gまで減少します。

その空気が15度まで上がるので、

4.8g÷12.8ですから37.5%になります。

つまり、雨が降っても夜に気温が下がってしまう以上、

翌日の湿度は全然上がらないんですね。

 

実際はもう少し複雑ですが、このように寒暖差の激しい時期には

気温が上がることが逆に湿度を下げることにつながるので、結果として逆に皮膚の乾燥を

もたらすことになります。

 

いや、でも実際に計算してみると、想像以上のインパクトですね。

確かに乾燥しますよ。これでは。

 

皮膚の乾燥が取れるのはまだ当分先の用です。残念。