わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL0422-22-1232


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

デュピクセント統計(~19年8月)
このページは当院で処方されているデュピクセントについての
統計ページとなります。
 
デュピクセントについて詳細を知りたい方は
こちら(サノフィ公式ページ)をご確認ください。
当ページではデュピクセントそのものについての解説は行っておりません。
質問にも対応できませんのでご注意ください。
 
このページを作成するにあたり利用したデータは
2019年8月31日まで(一部同9月6日まで)のものを利用しております。
許可なく他のWebページ、まとめサイト等での二次利用については
一切禁止とさせていただきます。
医師・薬剤師などの医療関係者・成約関係者が非営利で利用される場合は
あらかじめ当院に連絡してください。
利用目的について確認、許諾を得た上での使用をお願いします。
(悪質な場合は弁護士と相談の上、法的措置を行うこともあります)
申し訳有りませんが、過去にまとめサイト(WELQ)でトラブルを起こされたために
厳正な対応とさせていただいております。

 

目次

 
1)デュピクセント処方量・投与量について
2)デュピクセント使用者について
3)初診時の症状について
4)投与回数について
5)投与間隔について
6)自己注射について
7)まとめ・雑感
 

 

1)デュピクセント処方量・投与量について


当院におけるデュピクセントの投与量のデータです。



棒グラフが右軸、投与者数で、2019年8月末の時点で48名。
線グラフが左軸、投与本数で、2019年8月末の時点で498本となります。
なお、こちらは院内注射のみの情報となります。
ここ数ヶ月投与本数が減少しているのは在宅自己注射の開始に伴うものです。
在宅自己注射についてのデータは後ほどお示しします。

 

2)デュピクセント使用者について


次に当院において、デュピクセントを使用している方についての情報です。



まずは男女比です。
青が男性、赤が女性です。
概ね男性:女性=2:1となります。



次に各年代別の男女割合のデータとなります。
横軸は年齢(10歳ごと)縦軸は人数です。
現在の投与開始年齢は15歳ですので、それ以下の年齢の方はおりません。
若年者については男性の比率がやや高いようですが、
中年期以降は差は殆どなくなります。



次に社会保険の種別となります。
国民保険だから注射できないということは有りませんので、
ご安心ください。
 
ついで、投与されている方の住所分布になりますが、
こちらは個人特定のリスクが有るために大雑把な話のみとさせてください。
当院は武蔵野市にありますが、武蔵野市居住者は全体の10%以下です。
また、杉並、練馬、調布、世田谷、西東京といった近隣在住の方も比較的多いです。
当然中央線沿線や西武新宿線在住の方もいらっしゃいます。
概ね、吉祥寺まで1時間以内の方が来院されているようです。
もちろん、より遠方よりの方もいらっしゃいます。

 

3)初診時の症状について


公式のウェブページをご覧の方でしたら了解済かと思いますが、
デュピクセントはある程度以上の症状の方のみ投与を許可されます。
中等症以上であり、かつEASIスコアという症状を数字化した値が
一定以上必要となります。



色で網掛けしている部分が投与可能な領域となります。
顔面全身いずれも該当される方が多いのですが、
顔が比較的良い方もおりますし、
全身は比較的良好でも顔のみ落ち着かない方もおります。
特に顔の湿疹は非常に悩みのタネとなる方も多い部位ですので、
気になる方はいちどご相談ください。

 

4)投与回数について





丁度いいグラフがなかったので、別件の使い回しですが、
左から6回目、11回目、16回目、21回目をそれぞれ投与した人数となります。
1年少し経過したので、理論的には最大30回程度となるかと思いますが、
当院での最大投与者でも24回です。
理由については後ほど。
回数の少ない人も多いように見えますが、最近開始した方も多いために
このようなグラフとなりました。

 

5)投与間隔について





それぞれの方の投与間隔についてのデータとなります。
横軸は回数、縦軸は投与間隔(日)です。
横線1本が1週間になるように調節しています。
 
投与間隔は最低14日必要ですので、概ね下から3本目の線に沿っての
投与間隔となっています。
全体的に回数を重ねるごとに投与間隔が伸びていく傾向にあります。
当院では症状の改善とともに投与間隔の延長を積極的に提案していますので、
(無理強いはしませんよ。)
このような結果になるようです。
 
一部上に跳ね上がっている方もいますが、長期出張や旅行などの
やむを得ない事情によるもの(当時は自己注射ができない期間でした)
症状改善のために一旦中断したものの、その後再発したために投与再開した
などの理由によるものです。
 
前述したように、投与期間の延長については
症状の改善とともに随時検討を行っています。



4)で使用したグラフはこちらのために作成したグラフです。
それぞれ6,11,16,21回目の患者さんが概ねどのくらいの間隔で
投与を行っているかのグラフとなります。
こちらは実際の人数となります。
一番色が濃いのは2週間ごとの方、色が薄くなるにつれて
3週間くらい、4週間くらい、それ以上となります。
公式では当初3ヶ月間(=6回)は2週間隔を推奨していますので、
それに合わせたグラフとなっています。



このグラフはそれぞれの方の割合を示したグラフとなります。
回数が増えるに従って投与間隔が延長している様子が見て取れます。
では具体的に投与間隔の延長にチャレンジするのは何回目からでしょう。
こちらもデータを用意してみました。



投与間隔をそれぞれ3週間、4週間に延長してみた投与回数です。
前述したように6回までは2週間隔でしたので、その制限を守り、
制限解除とともに投与間隔の延長を図る方が多いようです。
6回目投与者の7割以上が投与延長を希望しました。
アトピーの症状の改善が弱い方の投与延長は基本的に行っていませんので、
それだけ症状の改善がみられたということでしょう。
なお、回数の極端に少ない方がおりますが、その方は当院に転院された方です。
(仕事の都合でなかなか大きな病院には受診できなかったということです)

 

6)自己注射について


2019年5月より自己注射が開始されました。
当院では当初の体制が整わず、自己注射指導開始は同5月下旬、
自己注射開始は6月にずれ込みましたが、現在まで20名の方が
自己注射に移行しております。
半分を少し下回るくらいです。



すでに2回めの処方箋交付を行っている方も数名おります。
自己注射指導については当院スタッフが頑張ってくれました。
指導された方は全員移行できています。



細かな性別年齢のデータです。
男性女性ではあまり移行率に差はありませんでした。
年齢ですが、若い人の移行率が少し悪いようです。
やっぱり注射は怖いのでしょうか?

 

7)まとめ、雑感


ここからはかんたんなまとめと雑感になります。
投与している医師の感想となりますので、興味のない方は読み飛ばしてください。
 
まず最初に釘を指すような話で申し訳ないのですが、
アトピー性皮膚炎を完全に一気に治すような魔法の薬では有りません。
あくまでも症状を1段階、プラスα。改善するだけの薬です。
 
それでも、効果は今までに経験したことのないようなものでした。
顔こそ少し時間はかかりますが、一気に症状の改善を見ることができます。
そして、重篤な副作用や今後の生活の制限が非常に少ないことも特徴です。
免疫抑制剤では効果こそ目を瞠るものはありますが、副作用の問題が有りました。
 
問題は値段。なんですよね。
こればっかりは今はどうにもなりません。
できるだけ早く投与間隔を開けられるように
塗り薬なども上手に使うようにお話を進めているところです。
 
でも、皆さん、嬉しそうに症状が良くなった話をするんですよね。
外来でそのようなお話を聞いているだけでこちらもとてもうれしくなります。
使用する側も実は色々と気を配る必要のある、少し大変な薬剤なのですが、
使用した方の嬉しそうな顔を見るたびに頑張っていこうと思える薬でもあります。
 
デュピクセントの使用を検討しているかた、
実際に使ってみたいけどいろいろなことが不安なかた、
他の人の経験談を知りたいというかた、
そのような方が「使ってみようかな」と思ったときに
そっと背中を押してあげられる、そのような情報を提供できたかなと思います。
 
最後になりましたが、今後も最新の情報をどんどん投入していこうと考えております。
こんな情報がほしい、こんなデータがほしいという方は
こちらの投稿ページ、当院問い合わせよりご質問ください。
デュピクセント治療の今後の参考にしていただければ幸いです。