わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

次亜塩素酸ナトリウムによる接触皮膚炎/化学熱傷

次亜塩素酸ナトリウムによる接触皮膚炎/化学熱傷

763px-Hypochlorous-acid-3D-vdW

次亜塩素酸ですね。

 

今日、ホームセンターに行ったらまだ販売されていたようなので、記事にします。

 

次亜塩素酸というと、ピンと来ないかもしれませんが、

プールの底に沈んでいる白い塊がアレです。

小学生の頃に、(え、幼稚園?)「プールの底の白い塊には触れてはいけません」という

注意を聞いたこともあるかと思います。まあ、昔は気にせずに触っていましたけどね。

アレは次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、

水に溶けたら徐々に塩酸となり、塩素を供給するものです。

その塩素でもって殺菌するわけですね。

 

それを応用して(誰が考えたのかしりませんが)

「次亜塩素酸の錠剤を作って、首から下げれば、インフルエンザの予防になるんじゃね?」

と作られたのが、いわゆる空間除菌剤と呼ばれるものです。

でも、これ、

使わないでください。(そこまでいかなくても、私は絶対に他人には薦めません)

 

塩素が出るのはいいんですが、(いや、本当はあまり良くないんですよ。)

その塩素が高い濃度で皮膚や洋服に張り付く訳です。

あとは、抱っこしている赤ちゃんとか。

その塩素は皮膚や洋服に対して非常に強い反応を示します。

(洋服についた塩素は脱色し、繊維をボロボロにするだけですが、)

皮膚につくと大変なことになります。

私達が「化学熱傷」と呼んでいるものですが、

強いかぶれの反応が起きます。

あたかも、やけどをして、皮膚がべろりと剥けるような。

 

当然、そのような強い反応が起きたら皮膚にキズが残る可能性があります。

場合によっては一生残ってしまうかもしれません。

 

実際に、そのような事例の報告があり(消費者庁HP)、ある商品については厚生省は回収命令を出しています

消費者庁のHPには実際に起こった症状が掲載されています。

 

これだけのリスクを冒してまで得られるメリットですが、どうもはっきりとしたものはないようです。

少なくとも有名ドコロの医療機関で採用したという話はありませんので、

感染予防効果は少ないと考えて良いのではないでしょうか。

 

まあ、新しいものを出すのはいいんですが、

きちんと検証しましょうよ。という話でした。

« »

コメント

  • 青野友子 より:

    孫ですが 保育園に通い
    先日まで 肺炎みたいな症状で
    喘息みたいな呼吸で 勿論 病院にも行き 吸入器も自宅でしてます
    同時に身体も湿疹があり
    二歳なんで 口では言えなグズグズ!
    呼吸は治りましたが 湿疹には
    何が効果ありますか?
    薬品消毒剤を 保育園で使用してはるみたいです

  • 山田雅子 より:

    毎日ジムで泳ぎます。今回は新しい年なので年間計画をたて今月4万㎞泳いでいます。昨年から右の親指の変形に気がつきました。先週から指先全体が傷みはじめました。皮膚科でケラチナミンクリームをいただいて使用していますがまだ傷みと変形が戻りません。泳ぐのはやめた方がいいのか?考えております。

  • 大坂 朝香 より:

    職場でジアノックを使う事があります。
    ジアノックは、鍵がかかる場所に置く事になっていますが、別の職員が、食器洗いの洗剤を置いてある場所に置いたままにしてしまった為、私は、間違って、ジアノックを手にかけてしまいました。(洗剤の容器とジアノックの入れ物は同じ物を使用している。)
    ジアノックがかかった皮膚が黒っぽく変色してしまい、変色がとれるのか不安な日々を送っています。どうしたら、変色はなくなりますか?教えて下さい。

    • wakaba-hifuka より:

      あらら。災難でしたね。
      一般的に色調が濃くなることが接触皮膚炎後には起こることがあります。
      症状にもよるので一律には言えませんが、数ヶ月のうちには消えてくると思います。
      もしも心配でしたら近くの皮膚科で診察してもらってもよろしいかと思います。

  • 心配 より:

    あと残りの成分について少しだけ気になるので、お分かりの
    範囲内で、お返事いただければ嬉しいです。
    使用していた、薬剤の成分ですが、液体塩素系アルカリ性洗浄剤(軽金属対応、シリカ非配合)というものでした。
    成分は、次亜塩素酸塩以外に、水酸化カリウム、カルボン酸塩、可溶化剤、界面活性剤というものでした。
    上記の成分の中で、次亜塩素酸以外は、危険な成分はないですか?
    お返事いただき、安心できました。ありがとうございます。

  • 心配 より:

    ありがとうございます。

  • 心配 より:

    以前仕事で、強アルカリ性の液体洗浄剤(工業用)を使用し
    手にその、液体がついていた事に気がつかず、しばらくしてから、手を洗いましたが、良く、手に炎症がおこり、数日後に消えて、またしばらくすると炎症が出たりします。
    これは、体に害がないか心配です。(内臓などに害はないか。)
    皮膚科で見てもらい、炎症を緩和する塗り薬はもらいましたが、完全には、治らないようです。
    ちなみに、この洗浄剤は、次亜塩素酸ナトリウムが入っており、水にうすめて使用するもので、プールなどに使用する、塩素と同じような臭いがありました。
    皮膚科の意思によると、塩素は、皮膚からは、ほとんど体内に吸収される事はないそうですが、心配なので、ご存知の範囲で、お答えお願いできますでしょうか?
    あと、炎症は、今度、ずっと残りそうですか?
    この液体の注意情報としては、皮膚についた場合、水で5分以上洗い流すと記載されており、皮膚付着した、場合、難治性潰瘍になる場合があると記載されていました。
    炎症は、手で押さえると、痛みがありますが、3日ほどすると、消えていき、また出るの繰り返しです。

    • wakaba-hifuka より:

      こんにちは。
      手の湿疹、大変でしたね。
      心中お察しいたします。

      製品の内容について、次亜塩素酸が含まれていたとのことでしたが、
      それ以外の薬剤についてはいかがでしょうか。
      残念ながら皮膚科医でもすべての化学物質による皮膚の障害について
      把握しているわけではありません。
      商品の名称がわかるようでしたら、
      その商品の製造メーカーさんに問い合わせて、過去に同じような報告がないかどうか
      確認を取ってみてはいかがでしょうか。
      また、心配なようでしたら日本中毒情報センターに問い合わせをしてはいかがでしょうか。
      http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf

      次亜塩素酸についてはその皮膚科の先生の話の通り、少量でしたら皮膚表面から皮下のタンパク質により
      活性はなくなり、血液内に吸収されることは無いようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です