わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

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コロナ禍で増えた病気減った病気 2:減った病気編

コロナ禍で増えた病気減った病気 2:減った病気編

今回は先の記事とは逆に減った病気について考えてみましょう。

 

いくつかの病気が明らかに減少したように思えますね。

 

まずは、とびひ。

正式名称は伝染性膿痂疹といいますが、細菌特に黄色ブドウ球菌の感染により発生します。

今年は8月末まではとにかく少なかったです。

悪化する要因としては汗や湿度などがありますが、今年の夏に関しては

湿度は例年同様か、むしろ初夏の時期は湿度は高かった印象があります。

となると発生が少なかった要因は社会的なものに求めることができます。

特に屋外活動にあるのかもしれません。

まず登校頻度、登校時間が例年に比べ半分から4分の1まで減少しました。

それが多湿空間の滞在時間を減らしたことが考えられます。

次に放課後活動の低下もあるでしょう。学童についても例年以下の活動量でしたし、

7月から8月のピリピリとした社会環境の中の活動も低調だった可能性があります。

そのために感染症も少なくなった可能性があります。

また消毒及び石鹸使用の増加は指先の細菌数を確実に押し下げているでしょうし、

自宅にいる時間が増えたので、シャワーの回数が増えた可能性があります。

 

といろいろと要因を考えてみましたが、季節的な悪化要因よりも

社会的な抑制要因のほうが遥かに強かったためにとびひの発生は明らかに少なかった

印象を受けます。

 

とびひについては逆に8月末から9月にかけて一気に発生しました。

原因は多雨=湿度の上昇。台風9号10号は関東に直撃はしませんでしたが、

大雨をもたらしました。そのために湿度の上昇をもたらしました。

また例年と異なるのは社会状況です。

夏休みは早期に終了し、学校活動が始まりました。

社会的な活動抑制も8月上旬に比べると格段に弱くなり、

例年比ややマイナス程度まで戻ってきました。

それがとびひの増加をきたしたと考えることができます。

 

次にアトピー性皮膚炎です。

アトピーについては6月から7月くらいまで明らかに状況が良かったようです。

コントロールがうまく行っていた印象を受けます。

こちらも社会的なものかと考えることができます。

まず学校つまりスキンケアが最も上手に運べない環境にいる時間が短かった。

逆に自宅にいる時間が伸びたために、薬を塗ることやシャワーを浴びるなどの

スキンケアに時間をとることができた。ということがあるでしょう。

そのためにコントロールが良かった可能性があります。

もう一つの可能性は感染症です。

感染症そのものがアトピー性皮膚炎を悪化させるかははっきりしていませんが、

感染症に伴い汗が増えることやシャワーなどのスキンケアの状況が悪化するために

間接的にアトピーが悪化することはときに見られます。

そしてこの期間、感染症の発生数は非常に低かった。

そのために悪化する人が少なかった可能性も考えられるのです。

まあ、季節的にも春から夏というそもそもアトピーの落ち着く期間であったことも

影響しているのかもしれませんが。

 

今後新型コロナウイルス感染症がどの様に推移していくかはわかりません。

その社会状況がどの様に変化するかも全く読めませんが、

今後もそれに伴い増える病気や減る病気が出てくるのかもしれません。

 

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