わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

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新しい乾癬の薬「ソーティクツ」についてのお話(2022年10月)

新しい乾癬の薬「ソーティクツ」についてのお話(2022年10月)

今回は新薬のお話です。

といってもまだ販売開始前なので、事前情報レベルですが興味のある方もいるかと思いますので、

簡単に説明をしていきましょう。

 

治療対象疾患は尋常性乾癬および膿疱性・紅斑性乾癬など。

TYK阻害薬と言われますが、大きくはJAK/STAT系の阻害薬と考えて良いでしょう。

すでにJAK阻害薬は皮膚科ではアトピー性皮膚炎、それ以外の科では関節リウマチなどに

使用されていますが、今回は皮膚科の乾癬領域の新薬となります。

 

大雑把な考え方として炎症を起こし進めるには最棒の中から炎症を司る物質が

放出されるわけですが、その放出信号を伝える一つの経路にJAK/STAT系というのがあります。

今回はその一部を抑えることにより、乾癬の症状の悪化を抑えるという考え方になります。

全部を抑えると色々と困ったことになるので、一部だけということですね。

その一部に何があるのかでどんな炎症を抑えるのかが決まってくるのでそこが薬の

作り方のキモになるわけです。

 

効果についてはかなり高いような印象を受けます。

現在当院でも処方されているアプレミラストとの比較試験を行っているのですが、

かなり良好な差が出ているようです。

特にアプレミラストがあまり効果出なかった方でも有効であるというのは

かなり嬉しい結果です。

 

しかし問題もあります。

まずはお値段。まだ出ていませんが、アトピー性皮膚炎などのJAK阻害薬を考えると

アプレミラストよりもお高いでしょうねえ・・・

JAK阻害薬系ということもあり、仕方が無いのですが、感染に対しても弱くなります。

同様に体内にすでに感染が成立している肝炎や結核についてはこの薬を飲むと一気に

症状が出て悪くなる可能性があるので、事前の検査が必要になるかと思われます。

また、今後色々と制限事項が出てくるかもしれません。

あ、あとは新薬なので処方はしばらく2週間分しか出せません。

頻繁に通院する必要があるのはデメリットでしょうね・・・

 

しかし、乾癬に有効な新世代の飲み薬がアプレミラストしか無い中で

次の選択肢が出てくることは望ましいことかと思います。

アプレミラストですが、いろいろな理由で内服を継続できない人もいますし、

飲んでいてもなかなか症状が収まらない人もいます。

そのような方にとっては一つの選択肢となるのでしょうね。

期待したいところです。

あとはお値段ですね。お高いんでしょう・・・?ふう・・・

 

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