わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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夏の病気

質問:2年前の虫刺されの影響は続きますか?

今回も当ブログに寄せられたお話からです。

まず、簡単に話をまとめてみます。

 

 

Q:もともとアトピーっけがある子。

2年前にブヨにいっぱい刺されました。

その後手足にぶつぶつができて、なかなか治りません。

他のところも痒くなってきました。

そんなこと、ありますか?

また、治療している先生には、虫さされから来ていることを言った方がいいですか?

 

 

A:あります。

数年間続くこともあります。

 

さて、詳しく見ていきましょう。

虫刺されの中でもブヨはちと特殊です。

アレルギーの反応は強く、長く出る傾向があるんですね。

数年持続することもあります。

 

しかし、この数年、虫だけでありません。

虫刺されからのアレルギー反応が起きている事自体が

更にアレルギー反応を引き起こすという悪循環になっていることがあります。

もともと。アトピー傾向があるということは、

他の人よりもアレルギーの反応が強めに出る子ということでもあります。

したがって、この反応は悪化しやすい傾向にあります。

このように虫刺されのアレルギー反応は強くなりすぎてしまった状態を

「結節性痒疹」という病名で読んでいますが、

最初は虫さされからこの結節性痒疹が起きることもままあります。

 

こうなると、治療は非常に難しく、いろいろな方法を組み合わせないと、

症状を抑えることが難しくなってしまいます。

だから、まず治療してくれる先生には虫刺されがきっかけであること、

そこから悪化したことをしっかりと話しをした方が、

その症状に併せて治療を行ってくれる一つのきっかけになるのではないかと考えれます。

 

結節性痒疹は何もしないでよくなるのにはとても長い時間がかかりますので、

早めに治療を開始した方が良いでしょうね。

質問:虫に刺されたことが無いのですか、そんなことありますか?

 

こうやってブログを書いていると、時に質問メールが飛び込んでくることがあります。

今回はその質問に答えてみることにしましょう。

 

さて、今回のメールは虫刺されのお話です。

虫に刺されたことが無いのだが、それって有るの?

というお話ですね。

では考えてみましょう。

 

虫に刺されたことがあるかないか?

それを証明することは困難です。

ただ、刺されにくい人がいるのは事実です。

 

どんな人か?

一言で言えば汗をかかない人ですね。

虫は汗に寄ってきます。

正確には汗の中に入っている様々な化学物質に対して

誘引されます。

なので、汗をかきにくい人にはよっていかない可能性は十分に考えられます。

実際に、汗のできにくい尋常性乾癬という病気の方には虫さされが少ないというデータがありますし、

先天的に汗をかかない、無痛無汗症、減汗性外胚葉形成不全症の子と話をしていても、

虫刺されの話を聞く事はありませんね。(統計データとしてはありませんが)

 

 

もう一つの可能性は、アレルギー反応そのものがなくなっている可能性。

これは二つに別れまして、

刺され慣れていない場合と、刺されすぎた場合の二つにわけられます。

最初の刺され慣れていない場合。

これは赤ちゃんですね。生後半年くらいまでの赤ちゃんは虫に刺されても全く反応は有りません。

しかし、年齢とともに大きな反応を起こすようになってくるのですが。

もう一つは高齢者。

何回の刺されると、そのうちに虫刺されではアレルギー反応は起こらなくなってきます。

なので、何も起きない。

 

となるわけです。

 

「虫に刺されたことがない」人はいくつかのパターンに分けることができました。

さて、皆さんの周りにはそんな人、いませんか?

 

男性の日焼け止め、胸にもしっかりと塗って下さい。

むう、ぬかったわぁ。

というわけではありませんが、週末に思いっきり日焼けをしてしまいました。

 

頭部は帽子でカバー。首も帽子から垂れる首覆いでカバーしました。

旧日本兵とバカにされましたが・・・

(Amazonで買えるのね・・・びっくりですが)

ちなみに購入したのはこっちです。

 

いやあ、しっかりと日焼けどめを塗っていたのですが、

胸元は盲点でした。

 

考えてみたら、世の中で出回っている日焼けどめを使うべき部位の絵ですが、

女性対応なんですね。

女性は胸元が大きく開く状態では外には出ませんものね。

 

というわけで、男性の方は胸までしっかりと日焼け止めを塗りましょうね。

 

松山英樹選手、リオ辞退。 虫刺されなら仕方ないのでは? その2:治療編

今回は前回に引き続き、虫刺されのお話です。

治療のお話ですね。

 

さて、虫刺されが強いなら治療をすればいいじゃないか。

というお話になったかと思いますが、

これも一筋縄ではいかないようです。

キーワードはドーピングです。

 

虫刺されの治療ですが、市販薬があるよね。と思った方。

実は市販薬は効果は低いです。

パンパンに腫れた虫刺されにはほとんど効果有りません。

 

病院では虫刺されに使用する薬剤は副腎皮質ステロイドです。

こちらは非常に良く効く薬です。

数日から長くても12週間の治療ですので、副作用の心配も特にありません。

一般の方でしたら。

スポーツマンに使う際もあまり心配のない薬剤とされています。

一般的なスポーツでしたら。

 

ただ、この薬、内服はドーピングに当たるために使用できません。

実際に、外来で処方する際に使わないでと釘を刺されたこともあります。

外用はOKなんです。血液には入らないために。

でも、たとえ外用であったとしても面積が広かったり、強い薬をガンガン使うと、

血液に入る可能性が出てしまいます。

そして、その境界線は読めません。

少量であればOKというのはそういうことなんです。

 

だから、読めない。

だったら、リスクを考えて使わない。

と考えるのもまた当然です。

 

では、ステロイド以外で抑えることができるのか?

正直厳しいです。

 

もう一つの治療法は抗アレルギー薬の内服です。

でも、こちらも問題あり。

 

と言うのは副作用で眠くなったりふらついたりすることも有るのです。

そして、炎症の抑制効果はステロイドの比べると弱いものです。

精密さ、集中を要する作業は多くの抗アレルギー薬では注意が必要と

説明書でも記載されているくらいですから

どうも、プロスポーツとは相性が悪いのです。

 

 

したがって、虫刺されの治療一つでも

プロスポーツの場合は一般的な方とは選択肢が変わってしまうわけなんですね。

 

いやあ、世界を股にかけて活躍するのも大変なんですねえ。

 

松山英樹選手、リオ辞退。 虫刺されなら仕方ないのでは? その1:症状編

すみません。ゴルフはやりません。

でも、今回のニュースに関してはゴルフをやっている人からの記事は沢山有るのですが、

虫刺されという観点からの記事がなかったので、書いてみました。

特にゴルフの知識での間違いについてはコメント欄で指摘していただければ幸いです。

 

簡単にまとめましょう。

ゴルフの松山英樹選手が今年の夏に行われるリオのオリンピックを辞退したとのこと。

理由としてはジカ熱の問題もありますが、もう一つ。

「虫刺されのアレルギーが強く出る」からというのが挙げられているようです。

 

では、皮膚科医の立場から少し見ていきましょう。

 

虫刺されの反応が強く出るとありますが、これにはいくつかの条件があります。

1)年齢

2)刺された虫の種類

3)刺された回数

の3点で決まります。後は体質も有るかもしれませんが、

こちらに付いてははっきりとはしませんのでおいておきましょう。

 

まず年齢です。

松山選手は現在24歳。若いですね。

しかし、若いということはアレルギーの反応が活発であるということでもあります。

勿論、アトピーや喘息などの何らかのアレルギー疾患の既往があれば

更にアレルギー反応が強く有ることも十分に考えられます。

したがって、年齢要因も無視できるものではありません。

 

次に刺された虫の種類です。

こちらは、全て細かく別れることに注意が必要です。

つまり、蚊は「蚊」に刺されたという種類ではなく、

「ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)」か「イエ蚊(アカイエカ)」か?というレベルの違いでもありますし、

どうも、更に地域ごとの微妙な蚊の種類の違いも判断しているみたいなんですね。

つまり関東のヤブ蚊と東北のヤブ蚊の違いも体は別個のものとして判断している印象を受けるのです。

 

最後に回数ですね。

それぞれの種類により、反応が異なることは前項でかいたとおりです。

そして反応の強さは回数によって決まるものなのです。

つまり、初回は強い反応。

そして回数を重ねる毎に反応は弱くなるわけです。

(詳しく書くともう少し異なるのですが。過去の記事を参考にしてください)

 

これらの要因を総合的に考えると

「若い人が、初めて行った外国で虫に刺された場合は、

非常に反応が強く出てしまう」

という問題が発生するわけです。

 

松山選手はアメリカであれば何度も行っているでしょうし、

何回も虫に刺されているでしょう。

でも、南米であればそんなに旅行している回数も多くは無いと考えられます。

大きな大会が有るという話も聞きませんし。(情報求む!)

 

つまり、ブラジルに行った場合、単なる虫刺されでも

大きな問題になてしまう可能性は十分に考えられるのです。

 

え、治療すればいい?

いえいえ、そう簡単にはいかなさそうですよ。

 

次は治療について考えて見ましょう。

 

また蚊に刺されました・・・

下の娘の話ですがね。

また、蚊に刺されました。

ということでまた写真をとってその変化を見てみました。

 

今回は変化早いです。

刺された10分後にはすでに蕁麻疹用の発疹が出始まっています。

IMG_8445

周囲にも少し赤みが出ていますね。

 

そして1時間後。

すでに症状が完成していますね。

IMG_8447

 

いわゆる大人の虫刺されという状態です。

 

虫刺されの症状の出かたはRPGを想像すると良いかもしれません。

刺されるたびに経験値がたまり、ある一定以上になると

レベルが上がるというシステムですね。

 

レベルとその症状は以下の用になります。

レベル1:無反応

レベル2:即時型反応- 遅延型反応+

レベル3:即時型反応+ 遅延型反応+

レベル4:即時型反応+ 遅延型反応-

レベル5:即時型反応- 遅延型反応-

です。

 

経験値はそれぞれの虫により違います。

また、同じ虫でも地域ごとに別途の経験値になるようです。

 

前回のブログの写真では

レベル2

ですが、

今回は

レベル3から4

位ですね。

 

もしかすると前回と今回では刺された虫の種類が違うかもしれません。

 

今回は小さな子が虫に刺された時の症状の出方に違いについてでした。

虫刺されも奥が深いものだったりするのです。

毛虫に注意!

いや、ここ2週間位でしょうか。

ものすごく増えています。

 

公園や生け垣に毛虫は居ませんでした?

庭や学校には?

見つけたら要注意。即刻駆除しましょう。

でないと、刺されます。

 

他の虫さされと異なる点は

毛だけが飛んで来ること。

です。

虫が見えなくても出ることがありますからねえ。

 

刺された後の家での対処はまず冷やすこと、洗い流すこと。

洋服に付いた毛は50度以上の熱湯に浸すことで無効化できるそうです。

洗濯することも有効でしょう。

 

あとはとにかくステロイドを塗って痒みを抑えましょう。

長くても1週間で治すことのできる病気です。

でも、途中は痒いので、なにはともあれ皮膚科を受診してくださいね。

 

生まれて2回めの虫刺され 3日目

前回の続きです。

その翌日の話ですね。

 

まだ触ると温かい感じは見られます。

しかし、刺し口周囲の硬さはなくなってきました。

痒みも全く無いようですね。引っかき傷もありません。

 

こんな感じです。

IMG_7846

赤みの真ん中のすこし硬い感じがなくなったことがわかりますか?

 

ピークは過ぎましたが、まだ薬は塗ったほうが良さそうな状態です。

早く治したいのであればなおさら必要ですね。

 

生まれて2回めの虫刺され 2日目

今回もまた下の娘の話の虫刺されの話です。

 

刺されたのは保育園での一時保育中。

プチ遠足に出て刺されたそうです。

 

当日の午後に痒がっていましたが、

2日目に入ってもう痒みは引いたみたい。

掻破行動もありません。

 

腫れ方は当日午後と同じくらい。

しかし、触った時のしこりは当日より2日目の方が強いようです。

こんな感じ。

IMG_7844

 

流石にあまり放置するのもよろしくないので、

very strongの強めのステロイドの外用を開始しました。

 

治るまでもう少し時間がかかりそうですね・・・

はじめての虫刺され

そろそろ2歳になる下の娘ですが、初めての虫刺されの洗礼を受けました。

散歩している時に刺されたようです。

 

現在の写真がこちら。

IMG_0771

だいぶ落ち着いていますが、まだ残っていますね。

 

刺された日ははっきりせず、翌日には虫刺されになっていました。

興味深いのは痒がっていないこと。

脇で見ている方が痒くなってくるくらいなのですが、

本人は至って平気な顔をしています。

それに油断をしていて、薬をほとんど塗らなかったら数日してこうなりました。

 

見事に色素沈着になっています。

この夏はしばらく黒いシミになってしまうでしょう。

 

早めにガッチリと薬を塗れば、多分ここまで残ることはなかったはず。

痒くはなくても皮膚の下にはしっかりとした炎症が起きています。

そして、そのままでは色が残ってしまいますので、

早め早めに治療を開始したほうが良さそうです。

 

というわけで我が家の虫刺されでした。

ちなみに姉と両親は未だに虫に刺されません。

・・・よっぽど美味しかったんでしょうね。