わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL0422-22-1232


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

気象

天気を読むということ

皮膚科医ですが、天気を読んでいます。

もちろん天気予報をするわけではありません。

天気予報を確認し、毎日の診療の参考にしているのです。

 

まずわかりやすいのは外来の混雑だと思います。

当然天気が良ければ受診する。

しかし天気が悪ければ面倒ですから受診はしない。

ということになるわけですね。実際雨や雪の日は患者さんが減ります。

減りますからスタッフの出勤状況も勘案し外来の予約枠を調整することもあります。

実はお休みをしたいのだけど勤務に出ているというスタッフもいるかも知れません。

でも外来が少なくて手が空けばより少人数で待ち時間なく診療ができますので、

そういう方はお休みができるかもしれませんよね。

したがって天気を読み外来の混雑状況を読むということはスタッフにとっても患者さんにとっても

ベストのポイントが変わってくるということになります。

 

もう一つは天気により病気の出方が変わるということ。

例えば今週は雪が降りました。東京では珍しいことですね。

その環境ではどのような皮膚の病気ができるかというと、

冷えて悪化する病気、濡れて悪化する病気です。

例えばしもやけなどがありますね。

逆に急に気温が上がるときはどうでしょうか?

気温が上がると病原微生物の活動も活発になります。

汗もかきますよね。

なので、水虫、とびび、虫刺されなど多様な疾患が発生することになります。

また慢性的な病気も環境の変化が誘因で悪化することもあります。

アトピー性皮膚炎は汗をかきすぎると悪化することが知られていますから

急激な温度上昇は悪化の要因になるわけです。

 

このように天気を読むことで色々なものが見えてきます。

そして今後気をつけるポイントも見えてくるわけです。

天気を読むことは先を読むことに繋がるのです。

今年は「秋」が早くやってきた(2017年9月)

早いもので、もう9月です。

秋がやってきました。

というにはいつも早い時期ではあるのですが、今年はまさにその状態です。

というのも、寒い。

だけではありません。

乾燥もかなり強く出ている印象です。

 

湿度は気象予報であまり目にすることはないかもしれません。

しかし皮膚科医としての目は気温よりもむしろ湿度に注目が行くのです。

 

現在の湿度はどのくらいか?

これからどのように変化していくのか?

を見ながら処方を行っています。

 

赤ちゃんや小さな子のお肌は非常に敏感なものです。

だから、周辺環境にも大きく依存するものなのです。

そのため、湿度の低下により皮膚の乾燥が一気に進み、

結果として湿疹の悪化をきたすことも多いのです。

 

印象ですが、その境目は湿度55%程度。

その目で見ると・・・

今年はすでに日中にはその湿度を下回る日が出ています。

最近過ごしやすくなったわけですね。

(湿度は気温の不快感に強く影響しますから)

 

診察をしていても、子供たちのお肌は少しずつ乾燥を増しているように見えます。

例年は9月下旬くらいからその兆候が見えるのですが、

今年はいつにもましてその傾向が強く現れているようです。

 

そろそろ、冬の支度を始めたほうがいいですよ。

保湿剤もあまりきちんと塗っていなかった人は、

しっかりと塗るようにしたほうが良さそうですね。

この冬初めてのしもやけ警戒天気です。

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今日は寒いですね。

寒い冬の朝。そして雨降り。

気温は5度くらいでしょうか?

 

今年はじめてのしもやけに注意すべき天候になりました。

概ね気温が0度から5度まで。

足先が塗れるような環境にいると、しもやけが発生します。

 

実はこの冬のしもやけの患者さんは既に発生しています。

ただ、その患者さんは大人の、薬が原因のしもやけであり、

子供はまだなんですが。

ここ数日のうちに出現することも考えなければいけません。

 

まだ夏用のスニーカー履いていませんか?

長靴やブーツがイヤな男の子の場合、スノトレがおすすめです。

冬用、雪用の運動靴。

東京の靴屋さんの店頭ではあまり見かけませんので、

インターネットなどで通販を利用したほうが良いかもしれませんね。


 

 

 

木枯らし吹けば、お肌も乾く

いやあ、寒くなりました。

そして、今日は風も強いです。

北風がぴいぷうと吹いています。焼き芋でも食べようかな?

 

さて、今朝は流石に寒かったので、エアコンを付けています。

さっき、ふと顔を上げてみると温湿度計が見えました。

その湿度を見てぎょっとしました。

なんと28%。

エアコンを使用していることを考えても、この冬の最低湿度です。

 

それもそのはず、北風は乾燥した風です。

日本海から吹く風は日本中央部の山脈を超える際に湿度を全て雨もしくは雪という形で

落としてしまいます。

そして、関東には湿度の下がった冷たい風が吹いてくるのです。

 

この乾いた冷たい風が関東にやってくると、みんなのお肌が乾燥する。

というわけで、冷たい木枯らしが吹くような日は乾燥肌に注意したほうが良いんですね。

 

風よ、吹くなとは言わないが、せめて吹くなら南から吹いておくれ。

皮膚科医がみんな困ってしまいますよ。

 

乾燥性湿疹は二度悪くなる

今回も秋の乾燥肌のお話です。

外来で診察を行っていると、不思議な光景を目にすることがあります。

今回はその原因について少し考えてみました。

 

秋の乾燥肌についてですが、患者さんの症状出現時期には2回のピークが

有るように思えます。

1回目は徐々に気温が下がってくる時。

2回目は、一度極端に禁が下がってきた時。

です。

 

1回目の気温が下がるときですが、これは屋外の湿度が下がる時に一致します。

つまり周りの空気が乾燥してくるわけです。

そして、皮膚も乾燥してくる。それで乾燥肌が出る。

まあ、これは毎年のことなので、あまり気にするものではありませんでした。

 

2回目の現象は今まで不思議に思っていたものです。

寒波が来て、いったん気温が数日間一気に下る。

その後元の気温に戻るのですがその時に乾燥が悪化した患者さんが沢山やってくるんですね。

この原因は今までわかりませんでした。

ちょっとしたミステリーですね。

 

この原因は未だにはっきりません。

でもなんとなくの仮説が出せるようになりました。

それは、暖房。

 

つまり、今年初めてヒーターを使った時に乾燥が悪くなるのではないか?

と思えるのです。

 

さて、ヒーター。皆さんは何を使って室内を温めていますか?

東京では一番多いのはエアコン。

そうです。そのエアコンが原因なのです。

 

なぜか?

温めると湿度が下がるからですね。

 

言ってしまえばそれだけ。なーんだ。と思われるかもしれませんが、

よくよく考えてみるとそこにははっきりとした理由があるのです。

 

まず、気温が下がること。

つまり、室内に存在している水蒸気の量が減ります。

飽和水蒸気量は気温によって決まる。なんて、中学校でやりましたよね。

つまり、大気中・室内の水蒸気は結露してしまい一気に減少します。

そして、エアコンをつける。

つまり、室内の温度を上げるわけですが、もともと水分の少ない空気を

温めることですから、水蒸気量は少ないまま。

結果として一気に湿度を下げてしまうのです。

・・・外気を取り入れるから大丈夫?

いえいえ。外気の温度も下がっている状態ですから、その中の水蒸気量も少ないまんまです。

したがって外気を取り入れても水分は供給されません。

 

気温が上がったらどうなるのか?

それも簡単です。気温が上がるということは晴れているということ。

つまり、雨として水分の供給はありませんから、湿度は上がりません。

と言うことは湿度が更に下がるわけですね。

 

気温が下がり、エアコンを使い、気温が再度上がる。

その連続により、湿度は一段二段と下がります。

そして、皮膚の乾燥は一気に悪化します。

 

多分それはが寒波の後の乾燥肌の原因と考えられるのです。

本当かどうか。一度気象関係の方とコラボして調べてみたいものですね。