わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL0422-22-1232


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

流行の病気

今年の手足口病も爪の皮が剥がれるタイプです(2019年8月)

さて、この春からの手足口病の大流行も大分落ち着きを見せてきました。

まだぽつりぽつりと来院される患者さんもおりますので、収束とは

言えないところが難しいですが。

そして、完治してしばらく時間が経過した手足口病の患者さんも

受診することもが多くなってきました。

 

そして、手指や足指の爪が剥がれてきたという話も結構耳にするようになりました。

 

出方はパターン化されています。

感染後4週間から6週間後に出現します。

いくつかの指(これはどの指にできるかは予言できません)の爪の根元部分から

少し白く濁った浮き上がりができ、その面積が拡大。

最終的には古い爪がぽろりと剥がれ落ちるという経過をたどります。

 

なお、この変化は手足口病の症状と考えられます。

発症時に実は爪の根元でも(皮膚の下に沈み込んでいるので、普段は目に見えませんが)

水ぶくれができていたんですね。

それで爪の断絶が起きる。

その後目で見えるようになるまでしばらくのタイムラグがあったというわけです。

 

なので、爪が剥がれてきても大慌てしないでください。

いままで同様の例を数年前からときに経験していましたが、

爪が生えなくなったと言われたことは有りません。

そのような事態に陥る可能性は非常に低いと思われますので、

ご安心くださいね。

 

手足口病が流行しています(2019年7月)

今年の春から九州で流行していた手足口病ですが、

関東でも一気に流行の様相を呈してきました。

当院でもここ23週間は、毎週20名以上の患者さんが来院されています。

 

今年の手足口病ですが、実はかなり注意が必要な症状を表しています。

というのも典型的な症状が少ないのです。

手足口病なのですが、他の医療機関ではその他の病気の診断をされた患者さんも

多く受診されました。

ヘルペスからのカポジ水痘様発疹症

細菌感染である伝染性膿痂疹(とびひ)

他のウイルス感染であるジアノッティ病(もしくはジアノッティ症候群)

このような疾患と誤認されることがあるようです。

 

典型的な手足口病の症状は

手のひら

足のうら

口のなか

が主体なのですが、今年はいずれも少ない。

ほんの1個2個しか出ないこともあります。

特に口の中にはほとんど症状が出ません。

まあ、手足口病は時には水も飲めないほど症状が強く出るので、

入院にならない分それはそれでありがたいのですが。

 

では典型的な場所ではなくどこにできるのか?

四肢及び臀部にできます。

また珍しいことに躯幹・体幹にも出ているように見える子がいます。

 

と、発生部位が例年とは大きく異なる今年の手足口病ですが、

症状の移り変わりや治り方は例年通りです。

赤い発疹が水ぶくれになり、かさぶたになって剥がれていく。

という治り方は例年通りですので、ご安心ください。

治るまでの期間も例年通りですので、ご心配なく。

 

あ、最後に1点だけアドバイスです。

今年の手足口病は直った後に1ヶ月くらいして、手や足の爪が剥がれ落ちる

ケースが有るようです。

でもご心配なく、殆どの場合はきれいにまた爪が生えてきますので。

今秋の手足口病は少し変わっているようだ?(2018年10月)

今年は珍しく秋に手足口病が流行しています。

でも、少し変なやつなんです。例年と比べて

 

手足口病なので、当然口の中、手のひら、足の裏に症状が出ます。

また、膝、肘、お尻にも症状が結構見られます。

ここまでは例年通り。

 

少し違うのが

足の甲やスネ、腕の外側といったようにいつもよりも体の中心側に

発生しているようなんですね。

 

治療の経過は例年と大きく変わることはありません。

 

そして、逆に爪の脱落はなさそうなんですね。

 

例年と少し違った手足口病、なんとなく流行しています。

お気をつけあれ。

秋なのに手足口病が流行しています(2018年10月)

珍しいパターンですけどね。

秋なのに手足口病が流行しているみたいです。

 

症状については過去の記事を参照してみてください。

 

珍しいのはこの時期に流行しているということ。

一般的には春から初夏なのですが、珍しい。

初夏に熱波が来たからかもしれませんけどね。

外出が減ったからその時期の感染が減少したものの

その分が秋に来たと考えると辻褄が合う・・・のかな?

秋のとびひが増えています(2018年9月)

どうもここのところとびひの患者さんが増えているような印象があります。

秋なのに・・・

と思っていたのですが、よくよく考えるとまだとびひの季節なんですね。

 

例年と異なり、今年のこの季節は雨が多いのが特徴です。

なんとなくいつもジメジメしている。

そうです、その環境こそがとびひを呼んでいるのです。

 

とびひは細菌による感染症です。

つまり、高温・多湿の環境で爆発的に増殖します。

 

ではこの高温環境とはどのくらいの温度か?

概ね最高気温で25度以上です。今までの経験からするとこれ以上で

一気にとびひの患者さんが増えてきます。

実はまだ気温の条件はとびひにとって「高温」な環境だったりするのです。

では多湿とは?雨の降っている日の湿度は十分に多湿環境になっています。

 

そして、もう一つ。スキンケアの問題があります。

「秋になったので」シャワーを止めてしまう子が多いのがこの季節の特徴です。

シャワーは細菌の増殖を抑える効果がありますので、

シャワーをやめることで結果的に細菌を増殖させる手助けをしてしまうのです。

 

そのため、この季節にかえってとびひの患者さんが増えてしまうという

不思議なことになるのです。

 

まだまだとびひには注意が必要な日が続きますね。

手足が赤くなる、ウイルス性発疹が流行しています(2018年9月)

ここ最近のお話ですが、

どうも手足が赤くなるウイルス性発疹症が流行しているようです。

 

今回のウイルスのパターンは赤みです。

手のひら、足の裏が全体的に真っ赤っ赤になり、全体的にむくんだ形になります。

耳たぶも左右同様に赤みとむくみが出てきます。

 

経過は過去の例をもとに考えると概ね3週間から1ヶ月位です。

1週目:赤くなり、腫れた状態になる

2週目:赤みは改善。腫れも改善する。

3週目:赤みは消失するは皮膚がガサガサ、しわしわになる。

4週目:しわしわも消失する。

という流れを取ることが多いようです。

 

今回もそんな形でのウイルス性発疹性が出ているようです。

皮膚に対しては大きな影響はありませんが、風邪そのものが気になる方は

小児科をしっかりと受信するようにしてください。

今年の手足口病も爪が剥がれる(2017年8月)

初夏から始まった手足口病ですが、

お盆のお休みを経て、少し落ち着いてくれるといいですね。

と思っています。

(まだお盆休み明けなので、落ち着いているかなんとも言えないんです)

 

そして、以前に手足口病を発症した患者さんもぼちぼち受診されるようになりました。

 

すでに数名出ていますが、今年の手足口病も、手足の爪が剥がれ落ちるパターンのようです。

 

過去にも書きましたが、その経過はみな同じです。

手足口病の感染後6週間経過して、手と足の爪の数本が同時に剥けてきます。

ぽとりと落ちるのではなく、クレバスのような隙間が空いて、それが徐々に先端部に移っていきます。

途中で剥がれる人もいますし、最後までクレバスの割れ目が残っている人もいます。

 

そもそも手足口病のウイルスは数種類あり、その中の一部のウイルスのみが爪に影響を与えます。

つまり、手足口病でも爪が剥がれるウイルスとそうでないものがいるんです。

で、今年は剥がれるタイプもいますよ。

 

というお話でした。

爪が剥がれてもびっくりしないでくださいね。

水痘の乾癬確率は3週間でゼロになる

先日、外来で起きたお話です。

水疱瘡の診断の子。

お母さんに詳しく話を聞いて見ると、以前に幼稚園から患者出現のお知らせが合ったとのこと。

聞いたら。結構前ですと。

ん?

そうかな?

と思い、いつのことか再度確認すると、2週間前と。

 

おかあさーん。それ、まだ水痘感染警戒期間ですよー。

 

「結構前」という言葉がいつくらい前かという話は置いておいて、

感染症の伝播がないかを確認すべき期間は、「いつまで」としっかりと言わないといけませんね。

 

水痘に関して言えば、感染の潜伏期は2週間から3週間。

逆に言えば、3週間待ってみて、感染がなければもう感染することはない。

ということができます。

 

これを知っていれば、いつから安心すればいいかわかりますが、

「いつまで気をつけるのか?」の情報がない、感染注意の情報はただの不安のもとになるだけですよね。

 

ということを考えながら、診察をしてみたりして。

毛虫と水痘の区別は結構難しいのです(2017年6月)

いや、結構わかりにくいんですね。

難しい。

だから、受診した時に先生が悩んでいても、温かい目で見守って下さい。

 

この時期の毛虫は結構厄介です。

そろそろ成虫になる毛虫は主に単独行動。

なので、毛虫の毛が飛んで来るときも、その本数は少なく、数本から十数本だけということもあります。

逆に小さな毛虫は集団行動しますので、毛が刺さる時は大量に刺さります。

 

この、本数の少ない虫刺されが、水疱瘡に非常に似ているんですね。症状は。

 

痒いか否か。

水痘は痒くは有りません。

でも、毛虫も痒いとは限らないのが厄介な所。

 

大きさは?

虫の種類が違えば、虫刺されのサイズも違うので見分けることが出来るのですが、

毛虫の毛が刺さった部分は全部同じサイズ。

これ、水痘の発疹のサイズと結構にています。

なので、判断材料にはならない。

 

周りにいたか?

水痘であれば、多くの場合は、幼稚園や保育園、友達仲間の間で、

流行の話はあります。

でもね、街のチャイルドスペースや休憩所で感染することも有るので、

わからないこともよくあります。

毛虫もいっぱい入れば見えます。周囲から噂で聞こえることも有るでしょう。

でもね、1回だけ通ったところの傍の生け垣の葉っぱの裏にひそんでいることもあります。

そんな時は絶対に毛虫がいるなんてわかりませんから。

 

分布?

水疱瘡なら原則として全身に均一な分布をします。

毛虫なら一部に集まっていることが多いです。

という、典型的な症状ならば診断は簡単。

でも、毛虫の虫刺されが全身にバラバラに出ることも有るんです。

例えば、洗濯物に毛虫が付いた時。

毛虫の毛が一度体に刺さって、もう一度転がり、別の所に刺さったとき。

こんな時は全身にぱらぱらと毛虫の反応が起こります。

結果、判断不能になると。

 

ああ、こうやって考えると、結構区別をつけるのは難しいこと、わかります?

特に今年の場合は更にここに手足口病が加わるので、

難しい。

 

ああ、悩ましい。悩ましい。