わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

ブログ
わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

医療の事、病気のことだけではなく、子どもに関する話や
それぞれの趣味の話などを掲載しております。


現在YouTubeでの情報提供も行っております。
https://www.youtube.com/channel/UC34LvaN6ePeTc2Ue4Ie0fJA

2017/3/14
ブログ内文章及び画像について、転載される場合は、予めご連絡をくださいますようお願いいたします。
無断転載につきましては、関係機関と相談のうえ、削除をお願いすることもございます。
ご了承ください。
なお、DeNA社およびDeNA社との資本・人的関係を含む関連諸団体からの転載申し出については、
一切お断りさせていただいております。

2021/3/1
ブログ記事に対する返信は行っておりません
2023/1/3
Twitterはじめました
最新の情報はこちらかもご確認ください。
2023/1/3
Noteはじめました
ブログよりも長くなりそうなお話、まとめたお話はこちらで記事にしております。


ブログ一覧

11月12日は「いいひふ」の日です!(2024年)

はい、繰り返していいます。

11月12日はいいひふの日です。皮膚の日。

ということで今年もイベントが各都道府県で行われます。

興味の有る方は覗いてみてはいいかと思います。

 

東京都はこちら

日本経済新聞社さんとタイアップして、今年は頭の皮膚トラブルをテーマにハイブリッドでの講演が行われるようです。

テーマは頭皮湿疹の一般的なお話、美容系のお話、脱毛症のお話の3本になります。

いずれも皮膚科の外来ではよく見かける病気ですね。

こちらのそれぞれについてのエキスパートの先生方のお話が聞けるのはありがたいのです。

いずれの先生もエネルギッシュにお話くださるので、聞いて楽しいのですよ。

 

一般の方も自由に参加できますので、よろしかったら上のリンクから申し込みをしてみてくださいね。

 

今回はちょっとした宣伝でした。

アトピーの治療薬のせいで汗をかく?

今回はアトピー性皮膚炎のお話です。

 

 

アトピーの全身治療薬を行っている方からときに聞くのですが、

「最近汗の出が強くなったのですが、それは薬の副作用ですか?」

これ、薬のせいではなく、アトピーが良くなった結果として出てくるのです。

 

そもそもアトピー性皮膚炎では汗の出方に異常が出ることが知られています。

量も少なくなりますし、場合によっては質にも影響しているかもしれません。

アトピーが皮膚の炎症である以上、皮膚に存在する汗の管も影響を受けるわけです。

その異常が全身治療薬のために解除されたらどうなるか?

汗の出方は正常に戻るのですが、例えば生まれてからずっとアトピーだった方は

本来の皮膚の汗の出方を経験したことがありません。

そのため、今までよりも全然多くの汗が出るということでびっくりしてしまうわけです。

実際には普通に戻っただけなのですが。

 

まあそれだけ全身治療薬の効果があるということでありがたい話ではありますが、

一気に汗が出る側からするとそれはびっくりしますよねというお話でもあるのです。

新型コロナワクチン予約を一時停止します

今回はご報告

新型コロナワクチンの予防接種枠ですが、

今月分を一時閉鎖します。

10月からインフルエンザ及び新型コロナワクチンの接種が始まりますので、

それに合わせての措置となります。

 

10月から新型コロナのワクチンも代替わりします。

現在の感染状況に併せての種類に変更されます。

なので、今接種するよりも10月以降に接種することを強く推奨します。

これも一時閉鎖の理由ですね。

 

10月の直前には再度予約枠の設定を行いますので、そちらのご確認をお願いできればと思います。

 

よろしくお願いいたします。

 

運動会の練習で湿疹が悪化する季節(2024年9月)

今回は湿疹のお話。

 

 

運動会の練習のお話が聞こえてくると、ああ、湿疹が悪化する季節になるのねというお話です。

 

秋の湿疹の悪化はいろいろな要因があるというお話をしてきましたが、

春秋の湿疹の悪化の要因の一つは運動会の練習もありそうですねえ。

 

運動会をすること自体は良いんじゃないと思うのですが、

練習の量がそれに比べて多すぎるよねというのは個人的な印象です。

 

まずホコリをたくさん浴びる、汗をたくさんかく、

紫外線をずっと浴びる。

これらはいずれも湿疹の悪化要素になります。

裸足で校庭を歩く。こちらはヤケドとイボのリスク。

 

と考えると皮膚科的にはリスクがまとめてやってくる学校行事に見えてくるのです。

現状のこのシステムでの運動会、本当に必要なんでしょうかねえ?

よくわからなくなってきました…

万能薬ってあるんですか?

答え、ありません。

 

 

時々外来で聞くのですが、海外からもらった/買った万能薬を使っていますというお話です。

いやあ、流石に何にでも効果のある薬というのは無いんですよねえ。残念ながら。

 

病気の種類た多種多様です。

ただざっくりと分けると、免疫が外部からの侵入に対して

「負けるために起きる病気」と

「勝ちすぎるために起きる病気」に分けることができます。

つまり。真逆なんですよね。

これ、大事なポイントです。

 

外部からの侵入に負けて発生するのは感染症ですね。

とびひだったり蜂窩織炎だったり、水虫だったり、みずぼうそうだったり。

こちらは自分の免疫力が押し負けているので、それに対抗するためには

外部からの侵入に対して抵抗力を追加する必要があります。

それが細菌に対する抗菌薬だったり、真菌に対する抗真菌薬だったり、

ウイルスに対する抗ウイルス薬だったりします。

それぞれ何に対抗するかによって薬の中身が変わります。

まずこの感染症に対して1種類の薬で対応できるということがありません。

 

逆に免疫力が強すぎて発生するのがいわゆるアレルギーというものです。

こちらは免疫力を抑える必要があるのですが、当然感染を起こしているわけではないので、

感染症用のおくすりを使っても意味がありません。

ステロイドなどで免疫を抑える必要があります。

 

ということを考えると、それぞれ全部別のおくすりで対応しなければいけないことがわかります。

 

ではなぜある1種類の薬が万能薬と言われていたのか?

それは時間軸の観点から説明ができます。

小さな感染症、アレルギーであれば時間が経過すれば自然に良くなるんですよね。

その経過を薬を塗っているから薬のせいと誤認する。

そのために薬が効いたと感じるわけです。

だからもしもそのおくすりを使わなかったとしてもその病気は治ってしまうんですね。

逆にいうと時間の経過で治らない病気は治らないということになるのです。

 

ただ人間は都合が良い生き物なので、効果が出たときはそのことをしっかりと覚えますが、

効果が出なかったときには簡単にわすれてしまいます。

その認知のゆがみも万能薬を生み出す理由でしょうねえ。

 

そういった理由でウチは万能薬と言われるとニコニコしてしまうのですよ。

 

 

 

さあ、今まではしっかりと解説をしましたが、ミもフタもないお話を少し

もしも万能薬があったなら?

→製薬会社が黙っていない。研究して処方箋用の医薬品として市販する。

というふうに考えられませんか?

だって何でも治るんですよ?みんな高いお金を出しても欲しがるに決まっているじゃないですか。

 

もしも万能薬があったなら?

→先天性の病気、遺伝にともなう病気もたちどころに治る

だったら大きな話題になりませんかねえ。

ただそのようなお話は聞こえてこないということは…

つまりはその病気には効果がない。

ということは万能薬ではない。

ですよね?

 

まああ万能薬と言われて海外のお土産物屋さんでその商品を見かけたときには

ニコニコしてその国のお土産として購入するのはありだとは思いますよ。

ただ他の方に何にでも効果があると言って推奨するのはあまりおすすめはしませんねえ…