わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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スキンケア

夏のスキンケアの基本はまず洗うこと、そして流すこと(2019年7月)

さて、今回から夏のスキンケアの話をしていきましょう。

スキンケアの中でも最も大事なのは洗うこと、流すことです。

これ、冬場は保湿でしたから冬と夏で全く逆のことが必要になるわけですね。

奥が深いです。

 

年齢が上がると一般的には冬よりも夏の湿疹のコントロールが悪くなるようです。

原因ははっきりしませんが、多分汗かと考えられます。

まあ、汗をかくことはやむを得ないことなのですが、その汗がずっと皮膚に残ること。

それが刺激となり、湿疹を誘発させることになります。

大体年中さんくらいが冬と夏の境目でしょうか。

 

もちろん、もっと小さい子でも汗疹(あせも)は夏場に頻繁に見られます。

これが原因となり、「とびひ」になったり、カビが付いたりと

こちらもトラブルの宝庫と入れる状態。

 

つまり、夏のスキンケアの大きなポイントは「汗」ということになります。

 

ではどのように対処すればよいのでしょうか?

先程も書いたとおり、汗をかくのはむしろ当たり前のことであり、

抑えることを考えるのは難しいようです。

 

とすると、対処ポイントは、皮膚の表面の汗をどのようにして

流していくことができるのか?

ということがポイントになるわけです。

 

対応策の中で一番簡単で効果があるのはシャワーです。

いつでもできるのがありがたいところです。

回数制限もありません。

ただし、設備のあるところでした行えないのが残念なところ。

 

回数制限?ありませんよ。

汗をかいたと思ったら行う。

そんな感じで構いません。

 

一般的な汗の出方やスキンケアの状況を考えると

・朝、起きたあと

・昼、昼食後またはお昼寝後

・外出後随時

行うくらいがコストを考えると現実的でしょうか?

可能でしたら追加しても構いません。

また、お風呂場で水遊びすることもシャワーの代用になるでしょう。

汗さえ流れればいいので。

 

と、ここまで書くといつも聞かれるのが、

「拭くだけでもいいですか?」

というものです。

まあ、全く何もしないよりはいいんでしょうけど、

どうも拭くだけでは洗うよりは効果落ちるようです。

時間がどうしても取れないときにというくらいの意味合いでしょう。

 

 

では、どのようにして洗えばいいのか?

答えは簡単です。

頭のてっぺんから、足の先まで汗を洗い流してあげる。

それだけです。

ここでのポイントは頭も流すこと。

頭部は体表面積に比べて汗の出る量が多い印象があります。

また、意外に頭をひっかく子が多いこと、

おでこの汗疹も多く見られることがあります。

なので、頭の中もしっかりと流す必要があります。

 

また首、脇、肘、膝などの関節部分も汗疹の多発地帯ですので、

予めシャワーで汗を流すといいでしょう。

手足や躯幹も当然ながら流しておきたいところですし、

おむつの中もかなり蒸れますので、流してあげたほうがいいでしょう。

 

最後に石鹸についてのお話です。

石鹸をシャワーのときに使用するべきか?

実はこれは結構難しい問題になっています。

 

石鹸を1日に複数回使用することについてはさまざまな意見があります。

当院では一般的には1日1回で十分とお話していますが、

例外もあります。

とびひの部分は1日3回石鹸を使用することが必要とお話をしています。

皮膚表面にて増殖した細菌を洗い流すことが治療の上では必要ですから。

では汗疹はどうしたほうがいいでしょうか?

この答えですが、「どんな汗疹かによって決まる」と答えるしかなかったりします。

というのも、汗疹を見ているといくつかのパターンに分類することができるからです。

そして、そのパターンごとに原因が異なり、対処法も異なると考えられるのです。

 

ということで今回のお話はここまでです。

次回は汗疹のパターン分類と対処法についてお話をしていきましょう。

夏が来たー!(2019年7月)

ほんっとーうに、長かった。

梅雨がとにかく長かった。

でも、その梅雨ももうおしまいです。

きっと台風が一緒に梅雨を連れ去ってくれることでしょう。

 

ということで、2019年、夏がやってきました。

スキンケア、塗り薬いずれも梅雨を引きずっていましたが、

それもおしまい。

今後は完全に夏モードにして対応を始めることにしましょう。

 

ということで、これからしばらくの間、夏のスキンケアの話を進めることにしましょう。

 

お付き合いくださいませ。

梅雨だから「とびひ」に注意です(2019年7月)

本当に今年の梅雨は雨が多いですねえ。

気温もあまり上がらない毎日です。

昨年の今頃を考えたらまだ過ごしやすいと言えるのでしょうか?

 

さて、こんな気温の上がらない梅雨の毎日ですが、

想定よりも多く受診している病気があります。

それはとびひです。

 

とびひ、正式な名称は伝染性膿痂疹ですが、

こちらは細菌により発生する感染症です。

細菌ということで気温が上がれば発生確率が上がる疾患ではありますが、

もう一つ、湿度という要因があることは知られていません。

尤も、日本の夏は気温と湿度が並行して上がりますからねえ。

 

しかし、今のような気温は低いけど湿度の高い季節も

とびひの発生確率は上がることが知られています。

どうしても汗をかいてしまうこと。

そして油断してシャワーが少なくなることがその要因と考えられます。

 

この時期、少し寒くても朝にしっかりとシャワーをして

皮膚の表面の汗を流すことは皮膚の病気を抑えていく上では

非常に大切なことになっていくのです。

 

シャワーはしっかりとしましょうね。

唇が割れたので加湿器を用意した(2018年10月)

ああ、乾燥の季節が始まってきました。

ということで、当院でも加湿器を用意し、稼働が始まりました。

自宅でも加湿器を出してきましたよ。

 

大人の唇が乾いているときには子供の全身の皮膚もまた乾燥しています。

そのことが加湿器を準備するサインです。

 

皆さん、もう加湿器は準備しましたか?

まだの方は早めの準備が必要です。

加湿器の準備はしましたか?(2018年10月)

前回の記事の続きです。

加湿器の準備はもうお済みですか?

というお話ですね。

 

空気の乾燥から皮膚は乾燥してきます。

なら空気に水分を与えればいいよね。

というのが皮膚科の加湿器に対する考え方。

 

昨年までの経験からすると湿度の目安は50%。

これ、意外に難しかったりします。

また、湿度を上げることで少し肌寒くなってしまうのも

使用を躊躇してしまいますよね。

 

でも、流石にそろそろ用意したほうが良さそうですよ?

 

パンツを履かないで寝るのもアリです

えと、タイトルが刺激的かもしれませんが、

子供の話ですよ?

 

幼稚園児から小学生にかけてですが、

ふとももの付け根から腰・おしりにかけての湿疹を作る子が多くいます。

その原因は何でしょうか?

 

大きく分けて汗と擦れです。

汗は言うまでもなく夜間にも出ています。

その汗がずっと残っていると湿疹になります。

そういう子に聞いてみると、朝パンツを変えないんですよね。

汗の刺激、ホコリの刺激がずっと付着して湿疹になってしまうわけです。

 

もう一つの擦れの原因はパンツ・ズボンです。

布の縫い目の部分が盛り上がってしまい、それが刺激になってしまう。

なので、よく見ると縫い目の部分に沿って線状に湿疹が出ていることがあるんですね。

 

ではどうすれば解決するのか。

洗う、流す、着替えるなどの解決策もありますが、もう一つの解決策があります。

そうです、パンツを履かないことなんです。

パンツを履くと、その布で擦れてしまう。

パンツに汗がたまって刺激になってしまう。

だったら履かない。

というのもアリだったりします。

 

まさか。と思う方も多いかもしれません。

でもね。この方法結構有効ですよ。

実際に効果のある子もいますから。

 

もちろん朝にはパンツ履くように指導していますよ。

流石に学校にノーパンで行けとは言えませんから。

 

このような一見常識はずれのような方法でも

実はスキンケアの一つの形として有効だったりするんですね。

もちろん、ひとは選びますよ。大人に言ったら一歩間違えばセクハラになりますしね・・・

子供のパジャマを切り替えるのはいつからにすべきか?

少しずつ秋も深まっていく毎日ですが、

ときに聞かれるのがこんな質問です。

少し考えてみましょうか。

 

といっても、一律に考えることは難しいので、いくつかのパターンに分けてみましょう

1)自分で洋服の脱ぎ着ができる年齢

2)自分で洋服を着替えることができないが、ある程度自由に動ける年齢

3)まだ自分で動けない年齢

という3つの区分に分けてみましょう。

 

まず1)から。

概ね3-4歳以降といったところでしょう。

まあ、自分で洋服の選択ができるかという判断も必要になるので、大雑把な区分ですが、

結論は

「放っておく」

で十分です。

寒かったら自分で温かいパジャマを選びますからね。

寒そう?自分で選びますから大丈夫。

まあ、毎日布団にくるまっているようでしたら、暖かいのにするように

声をかけてあげても良いかもしれません。

大汗をかいていたり、布団をけとばして寝ているようでしたら

そのままでも全然問題ありません。むしろ厚着の害が出てしまうでしょう。

 

次は2)です。より小さな年齢の子ですね。

概ね1歳くらいからと言うことになります。

この年齢の場合、親の介入がある程度必要になります。

パジャマの選択ですが、まず布団をかけて様子を見てみましょう。

蹴飛ばさないのであれば、少し厚手のパジャマに変えてあげても良いかと思います。

蹴飛ばしているときは少し様子を見てあげましょう。

途中で布団に潜り込むときは厚手に変更。布団を蹴飛ばしたままのときは

そのままのパジャマで問題ありません。

暑いときには布団をけとばす。寒いときには布団に潜り込むという行動を

無意識のうちにしていますので、そんなに心配は要りません。

布団に潜り込む=寒いかもしれない。と考えて大丈夫です。

 

最後に3)のパターンです。大体1歳くらいまでですかね。

実は一番むずかしいのがこの年代です。

暑い寒いの判断が難しいんですね。

一つの基準は少し薄めにするということ。

親と同じ枚数、同じ布団のときには子供は絶対に暑くなっています。

なので、基本マイナス1枚くらいでも十分です。

あとは暑いかどうかの基準はすぐに寝入ってくれるかです。

暑いときはぐずってしまいます。で、なかなか寝てくれません。

暑くなければすぐに寝てくれます。

寝入りばなに子供がぐずっているときにはまず布団を1枚剥がしてください。

それですやすや寝るようでしたら少しパジャマが暑いんですね。

もう少し薄手のものに変えてあげるようにしましょう。

すんなりと寝てくれるときにはパジャマの暑さはそれで十分です。

 

その子の性格や、面倒臭さとの兼ね合いもあるので、この問題は少し複雑になることもありますが、

概ねこのような考え方で良いかと思います。

 

これからの季節のパジャマ問題ですが、こんな形で考えてみてはいかがでしょうか?

冬がはじまるよ(2018年9月)

そういえば、昔そんな歌があったような気がしますが。

 

最近の外来で赤ちゃんの新患さんが増えてきました。

また、少しずつですが乾燥肌で受診される患者さんが増えています。

 

季節的にみて、今年は秋が早い印象があります。

この調子で行くのかイマイチ読みきれませんが、冬の乾燥も早く出てくる可能性があります。

特に今年は8月下旬に一時的に湿度がガクッと下がったので、油断は禁物です。

 

保湿剤、しっかりと塗るようにしてください。

夏は少しサボっていても問題のなかった子が、同様のやり方では冬にはパサパサになっています。

保湿剤をしっかりと頻繁に塗ってあげたほうが良さそうです。

顔のプロペトも同様です。

今まで以上に頻繁に塗ってあげましょう。

常にベタベタしている状態が理想です。

 

これからの冬をしっかりと準備して乗り切りましょう。

あ、準備は早いほうが絶対にいいですからね。

急に寒くなった日に考えるべきスキンケア(2018年9月)

秋雨の季節になりました。

三寒四温とでも言ったら良いのでしょうか。気温が毎日安定しません。

そのようなときにどんなスキンケアを考えればいいのでしょうか?

少し見てみましょう。

 

この時期に問題になるのは急に寒くなったときです。

気温は一気に低下します。

したがって厚着を進めることは大事なんですが、

まだ汗をたくさんかくような体の状態は続いています。

したがって、寒いのに汗をかいているわけですね。

なお、ベッタリしているのは汗の水分が蒸発したためです。

パット見た感じ汗が出てないからと言っても油断は大敵。

その汗の中の成分は接触しているので意外に汗疹になりやすいんです。

だから本当はシャワーはまだしっかりとしてあげたいところです。

特にこんな寒い日には少し暖かめのシャワーの水量を多くして

一気に汗を吹き飛ばしてしまいましょう。

しかし流し過ぎは厳禁です。

暖かくしすぎると深部体温が上がってしまい逆に汗を書いてしまいます。

程々に流して程々に温めてください。

 

次に気をつけるべきは気温と湿度の管理です。

気温は低くなっていますので、しっかりと適温まで上げることを考えるか、

洋服を1枚増やすかを考えてみてください。

エアコンについては単純に暖房の使用を開始しても大丈夫です。

もしも気温が上がりすぎることが心配でしたら

除湿をかけつつ設定温度を高めにすると良いでしょう。

(気温が上がることによる不快感を湿度を下げることで相殺することができます)

湿度についてはそんなに低下することはありませんので、

そのままで良いかと思います。

むしろ少し高くなることが多いので、除湿を少し進めるくらいで良いかと思います。

洋服ですが、子どもたちは寒がっていないこともありますので、

その時はそのままで構いません。しかし寒そうなときは薄手の羽織ものを用意すると

良いでしょう。そして状況に応じて脱ぎ着できるようにすると便利かと思います。

 

これから徐々に秋も深くなってきますが、

スキンケアと環境管理をしっかりとすることである程度は乗り切ることができます。

しっかりとケアをしてあげてくださいね。

続・秋の季節の変わり目になぜ湿疹が悪化するのか?

今回は昨日の話の続きをしていきましょう。

この季節になぜ湿疹が悪化するのかというお話です。

思いもよらないものが影響しているようですよ。

 

3:風邪

毎日気温が大幅に変動するような日だと、消耗します。

そして風邪をひきます。

風邪を引いたらその後湿疹が悪くなることがあるんですね。

 

4:学校と学校行事

9月に入って夏休みから子どもたちはいきなり学校生活に戻されます。

生活習慣、スキンケア全部ぐちゃぐちゃになってしまいます。

それが戻るまでにはどうしても以前のようなケアができるわけではありません。

そのために湿疹が悪化してしまうということもあるのです。

あとは運動会の練習です。ほこりと土汚れにまみれてしますのです。

そのために湿疹が悪化してしまいます。

 

とまあ、秋口には湿疹の悪化要因は満載です。

そのどれかに引っかかってしまうと湿疹が悪化してしまうというわけなんですね。

 

こちらの対処法についてですが

とにかくスキンケアをしっかりと行うこと。

それに尽きます。

 

頑張って洗って、頑張って保湿して、

怪しい兆候があったらすぐに皮膚科を受診するようにしましょうね。