わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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毛嚢炎

新生児の皮膚の表面では陣取り合戦が行われています

新生児

さて、今回は赤ちゃんのお肌のお話をしていきましょう。

お話の内容は皮膚常在菌の話です。

 

新生児、生まれて数日の間は皮膚にいくつかの赤いぶつぶつができることはよくあることです。

この赤いぶつぶつは何もしないでいると数日でなくなってしまいますが、一体これは何でしょう。

 

実はこの赤いぶつぶつは毛嚢炎なのです。

簡単に云うと、毛穴にバイキンが入った状態のこと。

 

実は新生児の皮膚の表面では陣取り合戦が行われていて、

その影響が赤いぶつぶつとしてあらわれるのです。

 

赤ちゃんは胎児の時には羊水の中に浮かんでいました。

羊水にはバイキンはいませんので無菌状態にあります。

しかし、誕生とともにこの世の中のバイキンの洗礼を受けることになります。

つまり、

無菌状態の皮膚の上に様々なバイキンがつき始めるのです。

丁度椅子取りゲームのような状態でしょうか。

そして、数日のうちに皮膚の表面にはバイキンたちが一定のバランスを取りながら

住み着くようになるのです。

これを皮膚の常在菌と呼びます。英語でいうと、フローラ。臭いそうですね・・・

 

その常在菌が定着する過程で、バランスが一時的に崩れ、悪玉菌が皮膚で増え、毛嚢炎を作ることがあるのです。

 

え、こんなお話聞いたことがないって?

いやいや、CMでよくやっているではありませんか。

まあ、あれば腸内のお話ですがね。

・・・ピント来た方もいるでしょうか。お腹の中でも同じような事が行われているのです。

皮膚の表面は自然につくのですが、お腹の中は食品やその表面に付いているものから決まるという違いはあるのですがね。

 

なお、皮膚表面については、善玉菌や悪玉菌と言ったもの、およびその量と病気の発生原因との間には

はっきりとしたことはわかっていません。

あまりにも複雑過ぎるお話ですからね・・・

ただ、ひとつわかること。それは皮膚表面にも一つの世界が出来上がってるということなのです

垢すりタオルと皮ふの不適切なカンケイ

ハンドブック消費者〈2010〉

垢すりタオルってありますよね。

ナイロンでざらざらしているタオルです。

 

あれ、あまり良くないんですよ。皮膚科的には。

ナイロンタオル皮膚炎もしくはナイロンタオル黒皮症という病名を聞いたことがあるでしょうか。

 

原因はナイロンタオルです。

ナイロンタオルのザラザラした感触は一見皮膚にいいように見えます。

また、ナイロンタオルで皮膚をこすっていると、垢がぼろぼろとれるので、なんとなくキレイになった印象を受けます。

 

でも、そのザラザラは皮膚には良くないのです。

ちょうど皮膚をおろし金でこすっているように、皮膚の表面には小さな目に見えない傷ができます。

また、刺激により目に見えない小さな湿疹が起こります。

また、垢は体を守るバリアの機能もあるので、垢を取り過ぎると皮膚のバリアは弱くなります。

そのため、皮膚に小さな炎症がずっと続くことになります。

 

その炎症が持続すると、黒い色が残ってしまい、その色は何年も続いてしまうことになります。

また、場合にとってはずっと湿疹が出続けることにもなるのです。

 

もう一つ、ナイロンタオルを使っていると皮膚に小さな傷ができます。

ナイロンタオルをずーっと浴室においておくとタオルがなかなか乾燥せず、そこに雑菌が繁殖します。

その雑菌はナイロンタオルに住み着き、皮膚についた小さな傷から皮膚の中に潜り込んで増殖します。

そして、毛穴に炎症を起こし、膿んでしまいます。

 

とまあ、あれやこれやでナイロンタオル(垢すりタオル)による皮膚のトラブルが起きるのです。

積極的に使う必要は無いと思いますよ。

その石けんボトルはいつ変えたの?

おれさま、ばいきんまん!―アンパンマンはじめまして

暑くなって来ました。(最近はこの文面ばっかり書いている気もしますが)

暑くなると細菌による感染症が増えてきます。

とびひは当然のこと、その他の皮膚の感染症も増えるのです。

特に子どもは汗をかきやすいので要注意。

何回もお風呂場に連れて行かねばなりません。

 

でも、そのお風呂場に感染症の原因が潜んでいること、知っていますか?

 

 

ジャグジー毛嚢炎という言葉があります。

優雅な病名ですね。

欧米では24時間ずーっと沸かしているお風呂で感染症が起きることがよくあります。

例えば、レジオネラ菌という名前を聞いたことがあるかもしれませんね。

これが、レジオネラ菌の嚢子が、熱に耐性を持つために感染を起こす病気です。

そのため、日本では循環式の浴場などでは塩素消毒をするように規定されています。

 

話が横にそれました。

ジャグジー毛嚢炎の原因の一つは緑膿菌です。

緑膿菌とは膿が時に緑色に見えることからついた名前ですが、白い膿からも検出されることがあるので、要注意。

 

この緑膿菌は結構消毒剤に耐性を持っています。石けんなどの界面活性剤にも抵抗するようです。

そのため、シャンプーや石けんのボトルの中に潜んでいることがあります。

緑膿菌が中で繁殖している石けんのボトルを使うことで、

皮膚の表面に石けんと一緒に緑膿菌が移植され、毛嚢炎を起こすようです。

 

では、対策はあるのか?

これは簡単。こまめにボトルを変えること。

また、ボトルが空になったらしっかりと乾かすこと。

これだけで防ぐことができます。

 

また、その緑膿菌は風呂場の中においてあるタオルの中でも繁殖するので要注意です。

ではタオルの話はまた今度しましょうか。