わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

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有機化学

ロドデノールのカタチ

ロドデノールの問題は落ち着く様子を見せません。

カネボウの発表によると(7月23日発表、7月19日現在)
(←これより新しい報告は無いのでしょうか)

何らかの症状の訴えがあったのが6800名あまり、
「3個以上」「5cm以上」「顔面の」白斑というより強い症状が出たのは2250名

と多くの方の皮膚にトラブルが発生していることを予想される数字です。

とうとう当院にも可能性の有る方が受診されました。

 

ここまで問題が広がってくると、一つの疑問が出てきます。それは・・・

「そもそも、ロドデノールはどんな形をした分子なの」

ということです。
薬により引き起こされる問題の一部は、その薬の分子を確認することで理解することができます。

しかし、今回のロドデノールについては
日本皮膚科学会その他の情報では

「チロシナーゼ及びチロシナーゼ関連タンパクの働きを抑制する」

としか、記載されていませんでした。
分子の識別番号からCASにとんでも分子式は記載されていないし・・・

 

と思っていたら、有機化学の専門家の方のブログを発見しました。

リンクはこちらです。

分子構造を見ていると、確かにチロシンに良く似ています。
これなら、チロシナーゼにハマり込んで、酵素の活性に影響をあたえることも有るでしょう。

 

 

 

最後に、患者さんを診察してみて気になったこと。(あくまでも疑いですけど)
これ、疑いの人を診察した場合、診療費用はどうなるかと気になっていたのですが、

保険診療で問題ないようです。

はっきりした場合は、カネボウさんと患者さんの間で相談する形になるようですね。

「有機化学美術館へようこそ」

有機化学美術館へようこそ ‾分子の世界の造形とドラマ (知りたい!サイエンス)

 

この本を高校生の時に読んでいれば人生は変わっていたと思います。

多分化学の道に進んでいたかもしれません。

化学はもともと結構好きでした。

こんなに奥が深く、楽しいということを知っていたらいまここでこうしてブログは書いていなかったかもしれません。

それほどまでに楽しませてくれる書籍です。

 

以前より筆者のブログはたまに覗いていました。

最近光合成について勉強している時にたまたまリンクを見つけ、

読んでいたらつい引きこまれてしまいました。

 

いや、こんな分子が世の中に存在するなんて思ったことありませんもの。

nanoputian

 

 

Nanocar2

 

「面白ければいい」というと叱られるかもしれません。

毎日の生活に役に立つのが大事という考え方もあります。

しかし、今は大事では無いように思えることでもいずれ花がさくこともあります。

カーボンナノチューブ、フラーレンなどがいい例ですね。

 

それだけではなく、こんなに面白いものがあるんだよ。

ということを子どもたちが学ぶことも大事だと思います。

子どもはびっくりするくらい好奇心が高く、

脇目もふらずにのめり込んでいきます。

その最初の取っ掛かりとしてこのような本は大事ではないでしょうか。

646px-Types_of_Carbon_Nanotubes

Fullerene-C60

 

この本は難しい化学式はあまり見られません。

CGでカラフルで不思議な図がたくさん載っています。

小学生から中学生くらいでも十分に読むことが可能です。形を眺めるだけでも面白いです。

また、化学をある程度勉強した方であればなおさら。大人が読んでも楽しめます。

たまには自分の専門分野と全く違う本を読んでみてもいいのではないでしょうか。

 

お勧めです。