わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

次亜塩素酸ナトリウムによる接触皮膚炎/化学熱傷

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次亜塩素酸ですね。

 

今日、ホームセンターに行ったらまだ販売されていたようなので、記事にします。

 

次亜塩素酸というと、ピンと来ないかもしれませんが、

プールの底に沈んでいる白い塊がアレです。

小学生の頃に、(え、幼稚園?)「プールの底の白い塊には触れてはいけません」という

注意を聞いたこともあるかと思います。まあ、昔は気にせずに触っていましたけどね。

アレは次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、

水に溶けたら徐々に塩酸となり、塩素を供給するものです。

その塩素でもって殺菌するわけですね。

 

それを応用して(誰が考えたのかしりませんが)

「次亜塩素酸の錠剤を作って、首から下げれば、インフルエンザの予防になるんじゃね?」

と作られたのが、いわゆる空間除菌剤と呼ばれるものです。

でも、これ、

使わないでください。(そこまでいかなくても、私は絶対に他人には薦めません)

 

塩素が出るのはいいんですが、(いや、本当はあまり良くないんですよ。)

その塩素が高い濃度で皮膚や洋服に張り付く訳です。

あとは、抱っこしている赤ちゃんとか。

その塩素は皮膚や洋服に対して非常に強い反応を示します。

(洋服についた塩素は脱色し、繊維をボロボロにするだけですが、)

皮膚につくと大変なことになります。

私達が「化学熱傷」と呼んでいるものですが、

強いかぶれの反応が起きます。

あたかも、やけどをして、皮膚がべろりと剥けるような。

 

当然、そのような強い反応が起きたら皮膚にキズが残る可能性があります。

場合によっては一生残ってしまうかもしれません。

 

実際に、そのような事例の報告があり(消費者庁HP)、ある商品については厚生省は回収命令を出しています

消費者庁のHPには実際に起こった症状が掲載されています。

 

これだけのリスクを冒してまで得られるメリットですが、どうもはっきりとしたものはないようです。

少なくとも有名ドコロの医療機関で採用したという話はありませんので、

感染予防効果は少ないと考えて良いのではないでしょうか。

 

まあ、新しいものを出すのはいいんですが、

きちんと検証しましょうよ。という話でした。

東京の冬は乾いてる

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寒くなりました。

日は長くなって来ましたが、逆に寒さがこたえます。

 

テレビを見ていると毎日のように出てくるのが乾燥注意報/警報。

まあ、毎年のことですが・・・

と思っていましたが、本当でしょうか?

 

そう思って調べてみました。

データは気象庁の東京気象台のものです。

月別湿度、10年間の平均値を取りました。

結果はこちらです。

東京の湿度JPEG

調べてみて、自分でもびっくりしました。

1月なんて20%も湿度が下がっているじゃないですか。

どうも、原因は平均気温の上昇と考えてよさそうです。

 

でも、外がこれじゃあ、確かにみんな外出後にかさかさになるわけです。

しっかりと保湿しましょうね。

しもやけ注意報発令中

いや、誰も言わないみたいなので、勝手に発令しました。

 

しもやけは凍傷と違って、気温は0℃以上でも出ることがあります。

0℃から10℃くらいの気温で、濡れた足のままだとすぐに出来ます。

遺伝するので、両親のどちらかがしもやけ持ちだと要注意です。気をつけましょう。

 

では、何を気をつけるべきか?

それは冷やさないこと、濡らさないこと。

靴はしっかりと乾燥しているものを履くこと。

帰ってきて靴が濡れていたら、室内に持ってきて暖房に当ててあげましょう。

中には新聞紙をいれて、水分を吸収させるように。乾燥剤も有効です。

 

靴下も可能ならスキー用などの厚手の物で外に出ましょう。

学校に行く時には替えの靴下を持っていったほうがいいでしょう。

なお、学校では、靴は教室の中まで持って行って、乾かすこと。

登校途中に濡れた靴を下駄箱に入れっぱなしにしておいて、

下校時にその靴で帰ると確実にしもやけはひどくなりますよ。

 

症状が出たら薬を塗って、温めること。あくまでも印象ですが、こたつは結構有効です。

 

一般的にしもやけは子供の病気です。

特に幼稚園児から学童期に多く見られます。

たま~に大人もいますけど、あまり数は多くは無いです。

もしも、大人で、いつまでも治らないしもやけがあったら・・・

早く病院に行って、検査しましょう。GWまで残っている人は要注意です。(北海道除く)

 

でも、しもやけの治療法や予防法って、自分が子供だった時とほとんど変わっていないんですよね。

確かに、困ってはいるけど生命に別状のない病気ですし。

たしかに、しもやけで皮膚の検査をしましょうと行ったらみんな嫌がりますもんね。

難しい問題です。むう。