わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ブログ

最近手足が赤くなるウイルス性発疹が増えているのか?(2019年12月)

ここのところ忙しくてブログの更新が滞っています。

ウェブサイトの表紙を見ているとわかるんですが、

毎日の人気ページがランキングで掲載される設定になっています。

大体いつも同じような様子なのですがここ数日あるページがランク上位にきていることに気が付きました。

 

そのページは手足の赤みとウイルス性発疹についてのページです

このページはやはり流行り廃りがあるのですが最近PVが特に増えてっきたように見えます。

こんな感じで急増しています。

確かに先週に外来にそういった患者さんが来たなあと思い返せば思い当たるフシがあったり。

流行っているようですのでご注意あれ。

 

最近、乳児幼児の手足が真っ赤になる病気が流行しているようです

いや、これは昨年末くらいから少しずつ受診される方が居たんですけどね。

ここ数日一気に増えてきた印象があります。

1周間で10人弱来院しているので、もう流行していると考えても良いかと思うのですが。

 

まず年齢

赤ちゃんから乳児、保育園児が多いです

幼稚園児もいますが、少ない印象。

小学生以上にはほとんどいません。

 

症状

痒みはあったりなかったり。

手のひらと足の裏に赤い発疹が出てきます。

数日のタイムラグが有るかないか。1週間以上はあきません。

手と足の両方に出るのが特徴。

そして、左右は同じように出てくるのが特徴です。

場所は手のひら、足の裏は必須。

そして、肘や膝、手の甲や足の甲にも広がったり出てくることもあります。

時には耳に出るようです。

 

経過

大体1ヶ月で引くようです。

まず。赤みが出てきます。最初は点状。

それが融合して手の平足の裏全体に広がっていきます。

そして、パンパンにむくんでしまいます。

大体症状が出始めて1から2週間。

その後は徐々に引いてきます。

一部から皮が剥け、それが全体に拡大し、

シワシワになりますが、最終的には引いてしまいます。

これで1ヶ月位。

 

どうもみなさん同じような経過を取るのは不思議といえば不思議ですが。

逆に考えると原因が想定されます。

 

 

原因は多分ウイルス。

どうもお話を聞いていると直前に体調を崩して

下痢をしている子も結構いる様子。

なので、ウイルスに対するアレルギーの反応を強く考えるわけです。

 

あとは、左右対称であること。

これ、外からの原因ではありえませんよね。

虫刺されが左右対称?ありえません。

 

ということを考えると、ウイルスからの発疹だろうと思われるわけですが

正直はっきりとはわかりません。

 

でも、症状から疑うことは簡単ですので、

もしも心配でしたら一度受診してみてはいかがでしょうか?

 

最低気温が10度以下になったらしもやけに注意を

しましょう。

 

今年の冬もしもやけの子が受診してきました。

まだ数は少ないですけどね。

 

しもやけの原因は寒さです。

しかし、気をつけてほしいのは寒くなりすぎると逆に発生は減ります。

実は最も多いのは気温0度から10度位までの時なんです。

 

理由については色々と言われていますが、多分血管に問題があるのでしょうと考えられています。

寒くなったら縮まなければいけない血管がそのままのサイズである。

そのために余計な血流が流れるためにしもやけができる。

と考えられています。

逆に気温が0度以下になってしまうと、今度は水が氷になってしまい、いわゆる凍傷になって血流が途絶えてしまいますんので、

赤くなるどころの騒ぎではなくなってしまうんですね。

 

なので、これからがしもやけの季節になります。

靴はきちんと冬用の通気性の弱いものに変えていますか?

書評:子どもを伸ばす「生まれ順」子育て法 著:高濱正伸

子どもを伸ばす「生まれ順」子育て法 (朝日新書)

子どもを伸ばす「生まれ順」子育て法

著:高濱正伸

 

子どもをお持ちのお母さんであれば、ほとんどみんな知っている、

花まる学習会の主宰者です。

彼の今までの経験から気づいてきた、子ども達の育て方についての本です。

 

過去の学説その他の余計な情報は出てきません。

多くのお母さんの話を聞いて感じたことをまとめた書籍です。

一般に、様々なデータを持ち出すと説得力は増すのかもしれませんが、

論点はボケてしまいますが、この本ではそのようなことは有りません。

独断であり、問題も有るのかもしれませんが、著者の圧倒的な経験値は

その疑問に対する答えでも有るのでしょう。

 

長男長女、次男次女、末っ子、双子、一人っ子・・・

兄と弟、兄と妹、姉と弟、姉と妹・・・

兄弟の関係性は生まれた時にある程度決まっているものです。

そして家族の中での役割を「担わされていく」、人間関係を「作らされている」なかで、

それぞれの傾向が出てくるのはある意味当たり前のことです。

その傾向を見抜き、対策を考えることは経験を積んだ専門家しか出来ません。

学者には出来ないのです。

 

それぞれの傾向を読んでいると、全くもって然り。

確かに診察室のなかでも現れている印象を受けます。

 

上手に物事を進める基本は、最初に良質な知識を仕入れることです。

子育て中のお母さんは必見の書ですね。

おすすめします。

 

 

また、実はこの本の珠玉は最終章と言っても過言では有りません。

お母さん自身が上の子か、下の子かで、当然お母さんの性格の傾向が決まります。

ということは、子育ての傾向もこれで決まってくるんですね。

母親として、自分の子育てのクセが当然出てくるので、

それを認識しつつ子育て・親育てすることも大事なことなのでしょう。

 

子育てに悩むお母さんも、そのお母さんに心を痛めているお父さんも

必読です!!

書評:おやすみ、ロジャー 

おやすみ、ロジャー  魔法のぐっすり絵本

「おやすみ、ロジャー」

 

なになに、10分で寝かしつけが出来る?

という帯に釣られて購入。

よし、やったろうじゃないと思って、早速やってみましたよ。

1歳半の娘と、8歳の娘です。

 

確かに、眠れる絵本としては優秀かもしれません。

「眠る」と言うキーワードを軸に、

ゆっくり、のんびり、頭を空っぽにさせるワードが散りばめられています。

ところによっては、実際によく眠れるようになる、アドバイスまでついています。

心理学を少しだけかじった人であればわかると思いますが、

自己暗示(子どもに聴かせるので、他者暗示?)の内容にしてはいいのかもしれません。

 

お話の内容はあまりないようです。

というか、ワクワクドキドキハラハラするシナリオだと、子どもは起きてしまいますから、

平坦な内容。行って戻ってくる内容で良いのかもしれません。

当然といえば当然ですが。

 

と、まあ、心理学的な要因やら、文学的な要素やらを深読みしながら、

のんびりよ読んでいくと。あらまあ、上の娘はあっという間に眠ってしまいました。

10分かかっていませんよ。せいぜい5分と言ったところでしょうか?

 

対して、下の娘はというと・・・

遊んでいます。読み終わったのに・・・30分読んだのに・・・・

でも、まあ、少し眠そうにしているのかな?

というくらいなのですが、そのレベルは通常の寝かしつけと

あまり変わるものでは有りません。

その後、電気を消しても15分位は起きていました。

 

とまあ、ある意味当たり前の話なのですが、この本はある程度

言葉の意味がわかり、理解できる年齢になっていないと

効き目は無いように思えます。

印象としては3歳4歳位以上でしょうか?

それよりも小さな子だと、むしろ理解が出来ないように思えます。

アマゾンの評価をいろいろと読んでみましたが、

効果があるのはやはり、

・ある程度の年齢であること。(大体4歳以降かな?)

・兄弟がいないか、離れていること(退屈なので、お互いに遊んでしまうと意味が無い)

といったことでしょうか。

大人にも効果ありますね。読み聞かせて

 

あとは、毎日読み聞かせてあげて、眠ってくれるかですね。

これに関しては、いちどでもこの本で寝てくれた子であれば、しっかりと眠ってくれそうです。

というのも、この本を読んで眠った。

というポジティブな印象をこの本に対して持ってくれれば、次回以降も

同様に印象は良くなり、眠れるようになる可能性は十分にあります。

 

まあ、催眠というよりも自己暗示に近いレベルのものかとは思いますが、

独特なアプローチで作られた本としては面白いかなと思います。

ある程度お話の解る幼稚園児以上の子で、寝てくれなくて悩んでいるような方は

いちど試してみてはいかがでしょうか。

 

今後、連日読み聞かせてあげてどのようになったのか、実際にやってみたいと思います。

 

書評:「下流老人」 著:藤田孝典(朝日新書)

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)週刊東洋経済 2015年 8/29号[雑誌]

「下流老人」 著:藤田孝典(朝日新書)

 

先日NHKスペシャルでも放送されていました。

また、週刊誌でもありましたので、気になっている方は多いかと思います。

 

下流老人

非常にインパクトのあるタイトルです。

「下流」ナニナニと言うのはいぜんより使用される言葉ですが、

ついに高齢者の世界まで入ったかと、当初は簡単に考えていました。

でも、実際に本を読んでみると衝撃以外の何物でも有りません。

テレビでは語りきれなかった、問題がこれでもかと提示されます。

 

高齢者は病気になりやすいのは自明の理ですが、

その結果どうなるかという結末一歩手前の状態が書かれています。

 

読まれたからの中には大げさではと思う方も居るかもしれません。

でも、これ、事実ですよ。

 

職業柄高齢者のお宅まで往診してお伺いすることがあります。

さまざまなお家があります。

普通のお家で家族と一緒に暮らしている方も多いのですが、

逆に、この本に書かれているような生活をされている方もいます。

 

いつ行っても部屋のなかが雑然としている。

部屋の中からあまり良くない匂いがする。

食事はいつ行っても同じもの。菓子パンとお弁当だけ。

コップの中には、いつからあったのか分からない謎の黒い液体が入っている。

などということもあります。

(有る特定のお宅では有りません。幾つかのお家の話を合成しています)

また、介護している方も、かなり疲れていたり、

外出していないように見えたりします。

エアコンがそもそも設置されていない、冬なのに薄い布団しか無い。

などという家庭もあります。

また、男性が一人で両親を介護していることもありますし、

子どもが引きこもりになっているような家庭もあります。

隣で見ていてその家庭の今後が心配に成ることもあります。

 

ただ、以上のお家すべてに一致することですが

外からは全く見えません。

多分、隣のお家の人はこの状況を知らないんじゃないかな。

と考えてしまうこともしばしばあります。

 

そのような状況を目に見える形で提示したこの本は

それだけでも非常に価値の有る本です。

 

自分が、両親が、家族が・・・・と考えて、ドキッとした方は

一読してはいかがでしょうか。

難しく、深い(不快?)問題ですので、対処法は一筋縄では行かないでしょう。

でも、まず、知ること。

それだけでも随分と世の中が違って見えてくるのでは無いでしょうか。

書評:「はたらく細胞」 著:清水茜

マンガも読みますよ?

 

本屋さんの店頭で平積みの1巻を見つけて、思わず衝動買いしたのが最初です。

 

ヒロインは赤血球

ええと、血液1μlあたり300万個くらい居ますよね。

ヒーローは好中球。

こちらも血液1μlあたり5000個の50%だから2500個くらい居ますよね。

 

凄いなー。

今まで見た中で一番小さなヒーローとヒロインだー。

と考えてみたり。

まあ、最初はそういったわけで正直イロモノとして見ていたのですが・・・

 

いやいや。

しっかりと書いていますよ。

戦闘シーンは本当なわけがありません。

顕微鏡で見ている感じでは静かなものですから。

こんなに熱血はしていませんよ。

 

でも、生体内でどんな細胞が何を行っているのか。

それについては(医学部学生時代の知識プラスアルファしかありませんが)教科書レベルの記載としては

全く問題なし。

 

なんですよ。意外でしたが。

 

そんなこんなで毎度毎度新刊が出るたびに購入して

今回は4冊目です。

 

血液・血管系だけではネタが持たないんでしょうね。

いろいろなところでの感染症との戦いです。

そういえば3巻ではニキビ居たなあ。

 

一つ言えることは、

これは学習漫画としても、問題は無いのでは無いかと思うんですね。

 

子どもたちの興味を引かせるには良いマンガかと思います。

時にスプラッタですが、中学生高校生向けに読むには良いかもしれません。

生物特に人体の分野が苦手という方も多いかと思います。

でも、こういったマンガをきっかけにして興味の幅を広げていっても良いのではないかと思うんですね。

 

というわけで、(皮膚科医ですが、)オススメします。

 

 

暖房を付ける前にやるべきことはしましたか?

秋です。

徐々に気温も下がってきました。

そして、雨なんかも降った日には・・・

ウヒャあ、寒い。

となりますね。

エアコンをつけて暖房を廻したくなりますが、

その前にやるべきことはきちんと行いましたか?

 

そうです。エアコンの掃除です。

 

エアコンの吸気口や吹き出し口の部分には夏のクーラー稼働中に

たっぷりとホコリが積もっています。

そのホコリ。時間が立つと今度はカビの巣窟になります。

そして、暖房をつけると・・・

ブイーンと空気中にカビとホコリが吹き出されます。

で、人によっては鼻に症状が出たり、目に来たり。

そして、皮膚もつられて悪化することがあります。

乾燥肌も元もと悪化しやすい季節。

更にアレルギーの種を増やす状態になっているのです。

 

どうですか?

早くエアコンの掃除したくなりませんか?

お早めに、掃除を行うことにしましょうか。

暖かくなるから乾燥するんだ(2018年3月)

春になりました。徐々に暖かくなってきましたね。

もう冬もおしまいです。

でも、冬もおしまいなのに乾燥肌になってきた子がたくさんいます。

何故でしょうか?

 

理由ですが、科学の問題を応用することでよく理解できるかと思います。

まず大前提として皮膚の乾燥度合いは湿度に依存することがあります。

はっきりとしたデータはありませんが、季節や環境からは十分に予想されることです。

 

では湿度はどのように計算されるのか?思い出してみましょう。

湿度=(現在の空気中の水分量)/(その気温の飽和水蒸気量)×100

で出しましたよね。

覚えています?

 

そして空気中の飽和水蒸気量は気温によって決まります。

一般的に気温が上がるほど飽和水蒸気量が上がりますよね。

気温0度で4.8g

気温5度で6.8g

気温10度で9.4g

気温15度で12.8gです。

 

さて、いくつか例を出しましょう。

気温5度、湿度50%の空気が温まり、気温15度になりました。

湿度はいくら?

まず空気内の水分量を確認すると、

6.8g×0.5で3.4g

それが気温15度になるので、

3.4g÷12.8gなので、湿度は26.6%まで下がることになります。

これだけ湿度が下がると皮膚も乾燥しますよね。

 

次に雨の日の例を見てみましょう。

気温10度、湿度80%の雨の日の夜に気温が5度まで下がりました。

翌日気温が15度になりました。

文章だけ読むと結構湿度は高そうに見えますが・・・

問題は気温が下がったときです。

最初の水分量は

9.4g×0.8で7.5gです。結構ありますね。

しかし気温が0度に下がると、飽和水蒸気量以上の水分は結露してしまいます。

結果水分量は4.8gまで減少します。

その空気が15度まで上がるので、

4.8g÷12.8ですから37.5%になります。

つまり、雨が降っても夜に気温が下がってしまう以上、

翌日の湿度は全然上がらないんですね。

 

実際はもう少し複雑ですが、このように寒暖差の激しい時期には

気温が上がることが逆に湿度を下げることにつながるので、結果として逆に皮膚の乾燥を

もたらすことになります。

 

いや、でも実際に計算してみると、想像以上のインパクトですね。

確かに乾燥しますよ。これでは。

 

皮膚の乾燥が取れるのはまだ当分先の用です。残念。

 

暖かくなるからアトピーが悪くなる?

春です。随分日も高くなり、温度も上がってきました。

そして、湿疹も悪くなった子も沢山来院されます。

春の季節の変わり目には湿疹が悪くなる。

とよく言われますが、どうしてでしょうか?

 

印象論には成るのですが、どうも温度は関係しているようです。

というのも、気温が一気に上がると、その後しばらくしてから受診する患者さんが増えるのです。

でも、夏の用に温度が上がり汗をかいて悪くしているわけではない。

となると、むしろ温度により変化する何かが悪さをしているように見えます。

 

温度により変化し、乾燥に影響するものといえば、湿度です。

考えてみると、湿度とは温度により、影響を受ける数値です。

気温により変化する飽和水蒸気量に対する、現在の水蒸気量を以って湿度の計算をするわけですから。

つまり、晴れた、水蒸気量そのものが変わらない空気の温度が上がると、

逆に湿度が下がるという状況になるのです。

そのために湿度の下がった空気の影響をうけて皮膚の乾燥も悪くなる。

という考えが成立するのです。

 

暖かくなったら乾燥に注意。

なんとなく違和感を感じますが、それもまた事実です。

まだ、加湿器をしまい込むのは早いかもしれませんよ・・・