わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

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2017/3/14
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ジベルがきたぞぉー(2017年3月)

ジベル。

なんか、格好のいい名前ですね。

正式名称は

「じべるばらいろひこうしん」

と言います。

念仏?違います。病名です。

 

そのジベル、出ました。

 

ジベルばらいろひこうしん

正式にはジベル薔薇色粃糠疹と書きます。薔薇、書けませんよってば。

 

原因については完全には分かっていませんが、ウイルスだろうと言うことが分かっています。

全身の何らかの感染後、半月から1ヶ月位立って体に少し大きな発疹が出ます。

これをヘラルドパッチと言います。

その後それよりも少し小さな発疹がパラルパラリと出て、徐々に消えていく。

そんな症状の流れがあります。

興味深いのは、その発疹の形。

お腹背中に出ることがほとんどですが、そのかたちは楕円形なんですね。

横長の。

(腕、太ももに出ることもたまにありますが、それはまんまるです。)

普通、発疹のキホンの形はまる。

なのに、これだけ楕円形になる。

という不思議な現象。これをクリスマス・ツリー様と呼ぶこともあります。

 

だから、診断自体は難しいものでは有りません。

では何が問題になるかというと、ウイルス感染後に出るものなので、

周囲にも同様の人がいる可能性があるということ。

いわゆる、はやりすたりが有るんです。

と言うか、一年のうちに数週間だけ流行るんですね。

 

なので、ジベルの人が来たということは周りにも発症するということ。

つまり診断をする上で気をつけてみていかなければ行けないということなんです。

 

だから、ジベルがきたぞー。

という必要があるんですね。

 

 

それにしても、ジベル・ヘラルドパッチ・クリスマスツリー用発疹と

面白いキーワード満載ですね。

そのため、この病気はお医者さんになるための試験問題(医師国家試験)の常連だったりもするんです・・・

 

見なきゃ出せない

正確には「湿疹を」見なきゃ「薬は」出せない。

ですね。

 

いやあ、時々あるんですね。こんなこと。

足の湿疹なのにストッキングを履いているとか。

見ていない部分の薬の塗り方を相談されるとか。

 

・・・わかりませんとしか言えないですよね。

皮膚科なんだから過去に見たこと有るでしょ。

と言われてもそれは見ていないですから。

 

もしもうまく行かなかったり診断を間違っている可能性もあるわけですから、

見ていないものに対して診断を求めるのは如何なものかと思ってしまうのです。

 

そんな平日の午後の診察でした。

 

・・・とりあえず、足の湿疹を見てほしいストッキングの方は、

トイレにチェンジュングボードがありますから、脱いでから診察をすることにしましょうね。

 

 

オテズラの処方を希望される乾癬の患者さんのためのお話

昨日、ブログで記事にしたとおり、当院ではオテズラの処方を開始いたしました。

処方を希望される方もいらっしゃるかもしれませんので、受診の前の注意事項について

確認したいと思います。

 

1.紹介状は持ってきてください

現在の治療を行っている病院/診療所と並行して当院を受診し、

処方を行うことは可能です。

しかし、その場合は現在の治療に対する確認が必要となりますので、

紹介状をご持参ください。

また、紹介元病院内での処方が可能になるまでの限定的な通院も大丈夫です。

くれぐれも現在の主治医とケンカをするようなことはしないでください。

 

2.処方が出せない場合があります。

現在行っている治療法の内容および皮膚科や他科の合併症によっては

オテズラを処方できない可能性があります。

また、いままで全く治療を行っていないような方の場合も処方できない可能性があります。

当然、乾癬に対してのみ保険診療が可能な薬剤ですので、

その他の病気には使用することはできません。

他の原因が疑われる場合、確定診断がしっかりと付いていない場合も同様ですので、

お気をつけください。

 

3.どこの調剤薬局でも扱えるわけでは有りません。

新薬であること、乾癬のみに適応を有する薬剤であることより、

現時点ではどこの調剤薬局でも取り扱っているわけでは有りません。

処方箋を持っていっても数日待たされる可能性もありますし、

ときには「処方できない」と言われるかもしれません。

当院の近隣では取り扱っている調剤薬局が有ることは確認しておりますが、

患者さんの自宅近辺についての確認までは行うことができません。

処方箋交付後にも上記可能性が有ることをご注意ください。

 

4.初期副作用についての対応策がまだ確定しておりません。

このオテズラですが、それなりの頻度で悪心・嘔吐などの副作用が

初期に発生することが分かっています。

現在どのような対応を行うべきかは少しずつ判断できるようになっていますが、

データとしてベストな方法が示されたわけでは有りません。

また、どのような方にその副作用が出るかは分かっていないのが現状です。

リスクを回避されたい方は数カ月から数年の間は内服を控えても良いかもしれません。

 

5.長期副作用についてはまだはっきりしません。

新薬ですので、どうしても数年以上内服を継続した場合のデータの蓄積は有りません。

また、当然長期間内服後に思いもよらない副作用が出る可能性も無いとはいえません。

というか、こればっかりはわかりません。

先項と同じように、リスクを回避されたいからはもうしばらく様子を見ることをお薦めします。

 

今までの治験のデータを見る限り、幾つか難点は有るものの、結構良さそうな内服薬ではあります。

しかし、新薬である以上、上に記載したとおりのリスクも有ることをご理解ください。

また、「薬剤」にともなうリスクだけではなく「処方」について、「治療法」についても

様々な検討事項が有ることをご了承ください。

 

 

それでも処方を希望される方は、主治医と相談の上、紹介状を持って受診してください。

予約は通常通り、電話またはウェブで行うことが可能です。

しっかりと治療を行い、しっかりと押さえ込んでいきたいですね。

 

尋常性乾癬の新薬。「オテズラ」処方を開始しました。(2017年3月)

春です。少しずつ暖かくなってきましたね。

早いところでは桜も咲いてきたようです。

伊豆の桜はきれいでしたよ。

 

さて、尋常性乾癬の治療にも春がきたのでしょうか?

新薬の登場です。

 

新薬?すでにいっぱいあるよねという方。

正解です。

ここ数年、尋常性乾癬の新薬はいくつも登場してきました。

いわゆるバイオ製剤ですね。

 

でも、これは重症の患者さんに対する恩恵です。

というのも、このバイオ、いくつかの問題も有るのです。

 

一つは注射であること。

薬剤によっては数時間かけて点滴を行う必要があるのです。

したがって時間の制約が強い。

休日に数時間病院を開けてくれるところも多くはないので、

お仕事によってはお休みをして。ということになってしまいますよね。

 

もう一つ。

施設が限られていること。

結核など、過去の感染症の再発がリスクとしてありますので、

事前にしっかりとした検査が出来る施設でないと治療ができません。

そのためにどこでも出来るわけではないこと。

また、使用できる施設は学会により審査され、可能施設が登録される形になるので、

どの病院でもOKと言うかたちではないのです。

 

最後の一つは薬の値段です。

かなり高く、1回の治療で数万円かかってしまいます。

つまり、お財布に優しくないんです。

 

そんなこんなで、どこでもいつでも使える治療法ではないという難点がありました。

重症の方が、総合病院や大学病院で行う感じですね。

 

あまり症状の強くない、でも、なかなか抑え込めない乾癬の症状に対しての治療という意味では

今回の薬は久々の新薬と言えるものなのです。

 

メーカーさんの資料を確認する限り、効果は結構あるようです。

気になるお値段も3割負担の方で月1万5千円と、バイオ製剤に対してリーズナブルです。

副作用も、免疫そのものを完全に抑えるわけではないので、

感染症の再発などは有りません。したがって事前検査をガッチリと行う必要もないのがメリットです。

また、処方可能施設の制限も有りません。

 

とまあ、ここまで、良いことをお話してきましたが、難点も当然あります。

値段は今までの飲み薬や塗り薬に比べて高いことは高いですし、

まだ新しいタイプの薬ですので、どのような使い方をすればよいのか?

どんな人に効くのかわからない。などの問題点もあります。

副作用も時間が立ってから出るタイプのものも出るかもしれませんし、

思いもよらない副作用が出る可能性も当然ながらあります。

こればっかりは、わかりません。

 

ということで新しい薬。

最初は、処方する側も飲む側もおっかなびっくりではありますが、

少しずつ処方は増えるのではないかなあ。

などと考えております。

 

 

久しぶりに乾癬の治療をしっかりとしてみようかと考えている方がおりましたら、

使用を検討してみてはいかがでしょう。

なお、当院では処方可能ですが、他の病院ではまだ使えないところも多々あるようですので、

可能でしたら予め電話で問い合わせしたほうがいいですね。

黄色い化粧品を塗るといい?

今回は少し内容を変えて、化粧のお話です。

性格柄というか、専門柄と言うか、いずれにしてもあまり縁のないお話かとは思っていたのですが、

一度詳しくお話を聞いてみてびっくりしたんですね。

 

黄色い化粧品をしたほうがいいい人がいるなんて!

 

黄色!?と思っていたのですが、これは赤い部分に塗るお化粧品です。

つまり、血管腫やアトピーをはじめとする湿疹性病変のある部分に塗るべき薬剤なんですね。

 

どういうことか、イマイチ把握していないのですが、

赤い色の皮膚に黄色い色の化粧品をつけることによって、

赤みは補正されてはっきりしなくなるんだそうです。

 

へー。ほー。はー。

と聞いていたのですが、実演するとあらビックリ。

本当に目立たなくなりました。

 

なので、赤ら顔が気になっている人、赤い皮膚がありなんとかしたいと考えている人は

黄色い化粧品を使ってみてもいいですね。