今回のテーマは保湿剤!
今となっては当たり前のようになっている保湿剤の使用ですが、それ、
ここ1世代のことなんですよ?
ということでアトピー性皮膚炎と保湿剤についてのお話を進めていきます。
なぜ必要なのか。
どうして使われるようになったのか。
について簡単に解説を進めていきます。
おまけはこちら。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
今回のテーマは保湿剤!
今となっては当たり前のようになっている保湿剤の使用ですが、それ、
ここ1世代のことなんですよ?
ということでアトピー性皮膚炎と保湿剤についてのお話を進めていきます。
なぜ必要なのか。
どうして使われるようになったのか。
について簡単に解説を進めていきます。
おまけはこちら。
今回は保湿剤のお話です。
保湿剤は一つでいいと思っている方はおりませんか?
成分についてはそれでもかまわないと思うのですが、 基剤については状況によって変えたほうがいいよというお話です。
基剤とは何か?
お薬の成分を何に溶かしてるかというものです。
軟膏/クリーム/ローションの違いといえばいいでしょうかね?
保湿剤に関してはこの基剤の違いが効果の違いに直結するのが興味深い点でもあります。
ではこの基剤はどう選べばいいのか?
実は単純に決めているわけではありません(すくなくともうちでは)
大まかに季節=環境要因、年齢によって細かく変えています。
それにも理由がありまして。
というお話を進めていきます。
最後に2025年5月からの夏期基剤変更が実際にどのような形で行われたのかというデータも提示させていただきます。
参考にしていただければと思います。
今回はおくすりの使用方法についてのお話です。
2024年10月1日から先発医薬品の選定療養費化が始まります。
この制度、簡単に説明すると
・後発医薬品のある製品を
・医師が後発品を指定しているのに
・患者さんが先発品を希望した
というときに実費で誰にでも先発品と後発品の差額を支払う必要がある
という制度です。
こちら、乳幼児0割負担の方にもかかってきますので、ご注意ください。
そのため、今回から後発医薬品の使用方針について明示することにします。
<内服薬>
まず内服薬についてです
こちら、
すべて後発品
でお出しする形になります。
過去には先発品と後発品の製品により治療効果が変わってくるという話もありましたが、
今はもうそうでもなさそうです。
またメーカーごとの細かな違いに影響される疾患というのもクリニックの外来ではそうそうありませんので、
こちらは全部後発品指定という形になります。
<外用薬>
塗り薬目薬その他のおくすりについてですが、こちらは少し複雑になります。
というのも効能効果の問題ですね。
皮膚科の軟膏は「混合」つまり、混ぜるという作業が発生することがあります。
こちらが曲者でして、軟膏の種類によっては分離したり、効果が落ちたりするわけなんですね。
カレーにいれるじゃがいもの種類が変わると、口当たりだったり変わってきますよねえ。
ということが軟膏でも起こってきます。
なので、軟膏については
基本的にはすべて後発品
では有るのですが、
「下地」:保湿剤+抗炎症外用薬の混合剤については先発品と医師指定を行う
という形になります。
流石にアトピーの子の全身にプロアクティブとして使用する薬剤については
安定性のデータを求めていきたいとことです。現時点でそのデータが十分に揃っているのは先発品のヒルドイドだけなのです。
特にコレクチム、モイゼルトといった新規の抗炎症外用剤との混合データはたぶんジェネリックさんは持っていないと思うのです。
(持っているメーカーさんは資料を送りつけていただけると嬉しいです)
ステロイドとの混合データはジェネリックさんは持っていそうですが、逆に今は混合しませんからねえ…
というわけで、下地に関しては先発品指定を継続する方針となります。
また他の混合剤についてですが、
保湿剤+保湿剤の混合剤は以前は「軟膏つぼにするのが目的で」処方していましたが、
つぼタイプの保湿剤も出てきていることもあり、今後は行わない方針とします。
混合の欠点でもある、微生物汚染の問題もありますし、純粋に薬剤交付が遅れる問題もありますので。
もしもつぼタイプが希望の方がおりましたら薬局で(つぼ代は有償でしょうが)詰めてもらうか、
おうちで詰めて行くかのどちらかでお願いします。
またそれ以外の混合材についても単剤化を進めていく方針です。
以上2024年10月現在の方針について簡単に解説させていただきました。
答え、ありません。
時々外来で聞くのですが、海外からもらった/買った万能薬を使っていますというお話です。
いやあ、流石に何にでも効果のある薬というのは無いんですよねえ。残念ながら。
病気の種類た多種多様です。
ただざっくりと分けると、免疫が外部からの侵入に対して
「負けるために起きる病気」と
「勝ちすぎるために起きる病気」に分けることができます。
つまり。真逆なんですよね。
これ、大事なポイントです。
外部からの侵入に負けて発生するのは感染症ですね。
とびひだったり蜂窩織炎だったり、水虫だったり、みずぼうそうだったり。
こちらは自分の免疫力が押し負けているので、それに対抗するためには
外部からの侵入に対して抵抗力を追加する必要があります。
それが細菌に対する抗菌薬だったり、真菌に対する抗真菌薬だったり、
ウイルスに対する抗ウイルス薬だったりします。
それぞれ何に対抗するかによって薬の中身が変わります。
まずこの感染症に対して1種類の薬で対応できるということがありません。
逆に免疫力が強すぎて発生するのがいわゆるアレルギーというものです。
こちらは免疫力を抑える必要があるのですが、当然感染を起こしているわけではないので、
感染症用のおくすりを使っても意味がありません。
ステロイドなどで免疫を抑える必要があります。
ということを考えると、それぞれ全部別のおくすりで対応しなければいけないことがわかります。
ではなぜある1種類の薬が万能薬と言われていたのか?
それは時間軸の観点から説明ができます。
小さな感染症、アレルギーであれば時間が経過すれば自然に良くなるんですよね。
その経過を薬を塗っているから薬のせいと誤認する。
そのために薬が効いたと感じるわけです。
だからもしもそのおくすりを使わなかったとしてもその病気は治ってしまうんですね。
逆にいうと時間の経過で治らない病気は治らないということになるのです。
ただ人間は都合が良い生き物なので、効果が出たときはそのことをしっかりと覚えますが、
効果が出なかったときには簡単にわすれてしまいます。
その認知のゆがみも万能薬を生み出す理由でしょうねえ。
そういった理由でウチは万能薬と言われるとニコニコしてしまうのですよ。
さあ、今まではしっかりと解説をしましたが、ミもフタもないお話を少し
もしも万能薬があったなら?
→製薬会社が黙っていない。研究して処方箋用の医薬品として市販する。
というふうに考えられませんか?
だって何でも治るんですよ?みんな高いお金を出しても欲しがるに決まっているじゃないですか。
もしも万能薬があったなら?
→先天性の病気、遺伝にともなう病気もたちどころに治る
だったら大きな話題になりませんかねえ。
ただそのようなお話は聞こえてこないということは…
つまりはその病気には効果がない。
ということは万能薬ではない。
ですよね?
まああ万能薬と言われて海外のお土産物屋さんでその商品を見かけたときには
ニコニコしてその国のお土産として購入するのはありだとは思いますよ。
ただ他の方に何にでも効果があると言って推奨するのはあまりおすすめはしませんねえ…
今日は抗生剤のお話。
いやあ、夏休み前は大変だったのです。
夏休みが明けたら劇的に状況が良くなるわけではないというのは切ない話なのですが…
現在抗生剤が品薄になっています。
原因は色々あります。
・薬価が必要以上に下げられたこと
・原材料を輸入する必要があること
・メーカーの生産体制が不安定なこと
などですね。
お金がないから物が入らないし、設備投資もできずに劣化し、トラブルになる。
というように認識しています。
こちらは薬学系の資料を見ていただくといいかもしれません。
そのような状況下で何が起きているかというと、端的に言えば薬局への供給不足です。
ある程度は入荷はしているのですが、それが需要に対して足りていないという現状があります。。
特に出荷調整ということで、今まで薬を多く処方している薬局にはその薬を供給し、
使っていない薬局には供給しないという形で傾斜配分がなされております。
そのために現状では薬局ごとに置かれている抗生剤の種類が異なり、
それぞれの薬局ではそれぞれ別々の抗生剤が枯渇しているという状況になっています。
この現状は非常に非効率かつリスキーなものです。
医薬分業により、クリニックでは院内処方はなくなりました。
院外処方ということで処方箋を発行するのですが、患者さんがどこの薬局に行くのかはコントロールできませんし、
してはいけないことになっています。
そのために、いざ薬局に行ってみたらその薬がないという事態が発生します。
薬がなければ、クリニックに電話して薬を変えてもらうか、別の薬局に足を運んで薬をもらうかしかありません。
いずれも手間と時間がかかる状況です。ここで無駄が生じてしまいます。
薬局にとっても必要な薬を渡せないということになりますからこちらも問題です。
幸いにも今までウチでは処方薬の変更を言われることは数えるほどしかありませんでした。
ただ処方している薬はそれが一番効果があるから処方しているわけで、その薬がないから変更しても
同様の効果が期待できるとは限りません。
そこも怖い所です。
ただ薬局に薬がないために一番効果のあるであろう薬とは違う薬を最初から処方するということは
すでに発生しているのです。
診察が順調に回ってるように見えても実は目に見えないところでこのような綱渡りは発生しているのです。
残念なことにこの状況は早急に改善するというものではなさそうで、しばらくはこの状態が持続しそうです。
抗生剤が必要にならないように毎日のスキンケアをしっかりと行うこと。
万が一感染症にかかったときには治療を最後まできちんと行い、ぶり返さないように務めること。
は現時点でも行える対応です。
頑張って夏を乗り越えていきましょう。
2023年もアトピー性皮膚炎の新規治療薬も販売になり、
また、今までの治療薬も適応年齢の拡大がありました。
では2024年がどうなるのか?
治療法の変化について
新規薬剤について
合わせてYouTubeで解説してみました。
興味がありましたらのぞいてみてくださいね。
本当は年末に上げたかったのですが、年始になってしまいました。
昨年新規処方開始された&適応年齢が拡大されたアトピー性皮膚炎の
おくすりのまとめ解説動画です。
デュピクセントが生後6ヶ月以上への適応拡大が進むのですが、現時点でウチが懸念しているのは以下の2点です。
1)そもそもスキンケア、外用が不足しているために悪化した子に注射を打つことの是非について
2)症状が改善した時に注射をどのように止めていくのか以下簡単に説明していきます。…
— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) August 30, 2023
デュピクセントが生後6ヶ月以上への適応拡大が進むのですが、現時点でウチが懸念しているのは以下の2点です。
1)スキンケア、外用が不足しているために悪化した子に注射を打つことの是非について
2)症状が改善した時に注射をどのように止めていくのか
以下簡単に説明していきます。
1)こちらは入口問題となります。
そもそも論ですが、特に乳幼児においてはアトピー性皮膚炎の治療は最初にスキンケア、ついで外用治療です。そして成人よりも更にスキンケアの重要性が強いと個人的には考えています。
心配なのは、全然スキンケアの指導をしないで、外用も適切なものを使用しないで湿疹がこじれたからデュピクセントを使うということが起きないかどうかです。
皮膚科小児科のどちらでも起きているのですが、スキンケアの質と量が足りない、外用が不適切であったがためにうちを受診される子が結構いるということ。そういう子に対してきちんと指導し、外用を行うだけできれいになってしまうということを経験している以上どうしても心配になってしまうのです。
2)は出口問題です。
今までは成人のみにデュピクセントは使用されていました。成人まで持続するアトピー性皮膚炎は遺伝的・体質的な要因が強く、そのために中止がなかなかできないというようにうちでは考えています。
しかし小児の場合は小児特有の皮膚の脆弱性という問題があり、こちらは裏を返せば年齢とともに改善する疾患でもあると言えます。実際に乳児期には酷い症状だった子が幼児学童期にはその面影がないツルっとしたお肌に改善することも往々にして経験します。
つまり、成人と異なり、小児の場合はどのようにデュピクセントを止めていくかという出口の問題がより大きくなると考えられます。また小児のアトピー性皮膚炎の子の中には遺伝的要因が強い子もいますが、こちらは初見ではわかりません。(治療を続けていてもなかなかわからないですが)最終的に治療しても良くならないということを以て成人期に移行する子と判断するのですが、この子達はデュピクセントを中断することは厳しいのです。
したがって、多数の年齢とともに寛解する子と少数の寛解しない子の差をどのように見極め、それぞれにどのように治療を行うべきなのか。こちらは治療を行いながら手探りで判断していくことになるのでしょう。
デュピクセントは今までの経験から成人に対して非常に有効であり、小児に対しても有効であろうと推測することができます。
しかしこのような問題点については一つずつ解決をしていく必要があるかと考えます。
でも、最後に。適応拡大は本当に嬉しいのです!!!
多分今年の夏には使えるようになっているはずの手のひらの多汗症のおくすり、
アポハイドローションについてメーカーの担当さんに色々とお話を伺えました。
今回はその印象についてとなります。
一部医療機関関係者向けの感想も入っていますが、その部分は飛ばしていただいて
構いませんよ。
今年の夏に発売になる、手掌多汗症用のアポハイドローション。気になる点が確認できたので覚書です。
まず対象は成人。治験は12歳以上で施行。まだ正確な対象年齢は決まっていないですが、小児以下はNGです。
塩化アルミの併用はOK?(同時に塗布はやめたほうが良さそう)。ODTは不可。綿手まではOK。— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) April 5, 2023
以前に比べて写真を取るという行為が簡単に行えるようになりました。
なによりもその瞬間に見ることができるのがありがたいです。
フィルムカメラの時代を知っている人間からすると隔世の感がありますね。
#円形脱毛症 の #オルミエント 内服ですが、効果が出ているのですが、自分ではなかなか見えない場所なので効果が実感しにくいです
診察のときに医療者側で写真を撮影して、それを見てもらうことで効果の実感が得られるようです
診察のときに「写真を撮ってください」とスマホを渡すのもありですね— わかばひふ科クリニック公式 (@wakaba_hifuka2) March 2, 2023