わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

薬の話

処方された薬を塗っても湿疹が良くならない時にはどうすれば良いのか?

この話もよく聞かれるお話です。

まず、話を簡単にするために状況ごとに分けてみましょう。

薬を塗っているのに湿疹が良くならない場合は、大きく2種類に分けれれます

・薬のせいでカブレてしまった

・薬が湿疹に合っていない。

この合っていないは更に2種類に分けられます

・そもそも、その薬が効く湿疹ではなかった

・薬は聞いているが、弱いためにあまり良くならない。

という感じですかね。

 

それぞれ、対処法があります。

まず、薬のせいでカブレてしまった可能性。

確率はあまり高くは無いのですが、どんな薬でも塗っている以上その可能性とは無縁ではいられません。

確率が高くなるのは

>混合軟膏

有効成分がたくさんある場合、カブレは起こりやすくなります。

例えばリンデロンVG(ステロイド+抗生剤)、ネオメドロールEE(ステロイド+抗生剤)

などですね。

もう一つは

>基材成分

が挙げられます。つまり、サラリとした成分の薬ほど負ける可能性が高くなります。

数式にすると、

軟膏基剤<クリーム基剤<乳液・ローション

の順番ですね。

 

判断する方法は、別の部分に塗ってみること。

つまり塗布テストを自分で行ってみるんですね。

例えば、肘の内側などの皮膚が薄い部分に塗ってみる。

それで、同様に赤くなるのであれば、それがカブレの原因

とかんがえることが出来ます。

 

 

次に薬が合っていない可能性。

湿疹の薬は湿疹に使うものです(当然ですが)

逆に湿疹の薬を感染症に使った場合は

良くなることが有りません。

外来で目にすることが有るのは、

「とびひ」にステロイドを使った。

水虫、たむしにステロイドを使った。

それで良くならなかった。ということがありました。

方向違いであればどうあっても効果が出るはずは無いのです。

 

もう一つ、薬が弱かった場合。

こちらも、塗っても塗っても改善傾向は無く、落ち着かない状態が続きます。

こちらも外来で目にしますね。特に、

子どもの湿疹に弱いステロイド歯科塗っていないために良くならなかった。

という話は正直、多いです。

 

このような場合はどうするのか?

方向性が間違っている場合はそれぞれ検査を行います。

とびひを始めとする細菌感染症を疑った場合は、培養を行い原因を調べる。

水虫、たむしを始めとする真菌感染症を疑った場合は、皮膚から真菌がいないか検査をする。

ヘルペスなどのウイルス感染症を疑った場合ば、採血を行い、免疫反応の状況を確認する。

また、時に有るのは皮膚ガンに薬を塗っている場合です。

当然こちらも改善することは無いですから、皮膚を生検し、がん細胞の有無を確認する。

など、検討する形になります。

 

薬が弱い場合はどうするか?

この場合は、単純に薬を強くし、症状の変化を確認していくことになります。

 

いずれの場合でも、数日の間に湿疹に対する変化が現れてきます。

(もちろん、カブレはある日発生するので、しばらく時間が経った後に出ることもありますが)

塗っても良くならない場合は、それを塗り続ける必要はあまり無いのです。

数日のうちに(少なくとも1週間以内のうちに)皮膚科を受診し、

薬を変えるか、詳しい検査を行うか、何らかの方法で対処を始めた方が良いと考えます。

待ってもあまり良いことは有りませんからね。

 

日焼け止めと虫除けスプレーはどの順番で塗るべきか?

このお話、結構な頻度で相談されます。

更に、塗り薬を塗っている人はどうするのか?

なんとなく適当に縫っている人も多いかもしれません。

でも、それぞれの成分がどのように効果を示すのか考えると、

ベストの塗り方がわかってきます。

 

まず、答えから。皮膚に近い方から

1)塗り薬

2)日焼け止め

3)虫除けスプレーになります。

 

次いで解説を。

塗り薬は一番下に塗りましょう。

それは、薬は皮膚に入り込んで効果を示すからです。

塗り薬の下に他の成分を塗った場合、

効果が下がる可能性があるからです。

 

次いで日焼け止め。

日焼け止めの効果は、その膜で紫外線を吸収または反射することに有ります。

極端な話、日焼け止めはどの順番に塗ってもいいのです。

でも、その他の塗り物との関連で順番を決めています。

軟膏の上に塗るのは、軟膏に紫外線を当てたくないため。

理論上問題は無いとされていますが、軟膏に紫外線が当たれば

そのエネルギーによって成分が分解される可能性も有りますからね。

虫除けの下に塗るのは虫除けスプレーは効果を発揮する理由に有ります。

 

虫除けスプレーを一番上に塗るべき理由。

それは、揮発しなければ虫除けは効かないからです。

揮発し、空中にある程度の濃度となってはじめて、

虫は近寄らなくなるのです。

なので、しっかりと揮発してもらうように一番外側に塗ること。

 

薬理学的に考えて(一番それぞれの薬が効果を発揮するようには)

一番良いのは

薬-日焼け止め-虫除け

の順に塗るのが良いでしょうね。

 

抗アレルギー薬のシロップを嫌がる子はいません

今回は治療の話をしていきましょう。

抗アレルギー薬のお話です。

小児向けのシロップを何種類か飲んだことがありましたが、

まずい薬は1つも有りませんでした。

まあ、飲み終わった後にわずかに違和感を感じるときはありますが・・・

 

なんでこんなお話をするのか?

もちろん聞かれることが多いからでもありますが、

先日にザイザルシロップを処方されたうちの娘が

そのシロップ(をいれたスポイト)を見ると満面の笑みを浮かべて、

ハイハイしていくのを見たからです。

 

なんだかなあ。

 

赤ちゃんの湿疹には塗り薬を強くするよりも、回数を多く塗るほうが大事

娘に湿疹ができていました。

原因は不明です。

もっとも原因がはっきりしない湿疹など、いくらでもあるので、原因云々は重くは考えません。

左上腕の前面に米粒くらいの湿疹なので、洋服に擦りつけたか、何かの拍子に引っ掻いたのでしょう。

 

でも、この湿疹が数日たっても引く気配が無いので、

薬を塗ってみました。

思うところがあり、通常処方するよりも一段強いステロイドの塗り薬を使いました。

アンテベート軟膏です。

とある日の入浴後に塗りました。

(ちなみに、アンテベートは赤ちゃんに1回2回塗ったくらいでは副作用は出ませんよ)

 

さて、その翌日です。

治っているでしょうか?

・・・・治っていません。

 

たった1回だけ塗ってみて、湿疹を抑えこもうというのはさすがに虫が良すぎたようです。

 

そうなんです、湿疹を治すためには一日1回ではあまり効果が無いのです。

湿疹は中途半端に治っているのですが、完全には退いていません。

ややもすると、引っ掻いてしまうために、悪化することも十分にありえるのです。

その後どうなるか?湿疹は治らず、ステロイドの外用量のみ増えていくことになります。

そして、最期にはステロイドの副作用が・・・

というシナリオになることも十分に起こるのです。

 

なので、湿疹に対してステロイドの塗り薬を塗るときは一日2回3回としっかり塗りましょう。

まあ、薬の強さとの兼ね合いもあるので、お医者さんのいう回数よりも極端に多く塗るのは

やめておいたほうがよいでしょうが。

 

シンプル・イズ・ベスト

KISSの法則って、ご存じですか?

これはある文章の頭文字を取ったものです。

正式には

Keep  it symply. stupid!

というものです。

日本語に直すと、

「単純にしろ、このバカモノが!!」

という風に訳すことが出来ますかね。

皮膚科の塗り薬についても、このKissの法則が当てはまります。

 

他の病院の処方箋やお薬手帳を見ていて、不思議に思うのですが、

同じ患者さんに対して保湿剤が3種類、一つの部分にぬる薬が3種類と出ていることが有ります。

詳しく聞いてみると、「有るときにはAを、またある時にはBを塗る」用に指示されているそうです。

でもね、実際にそのようにできているか聞いてみると、ほとんどの場合が

「出来ていません」と言われます。なぜでしょうか?

 

理由の一つが面倒くさくなること。

種類が多くなるだけでげんなりしてしまいます。

もちろんそうですよね。我が身を振り返っても、たくさん宿題があるとそれだけでイヤになってしまいますよね。

ついで、使い分けがわからないこと。一言で言うと、境界条件の問題です。

こうもり問題と私は呼んでいますが、2種類の薬があるときにどちらを塗るべきかわからなくなってしまう問題です。

 

このように薬の種類が多くれれば、逆にそのための問題も出てきてしまうのが難しいところです。

なので当院では最初はシンプルな塗り方のお話を行っていきます。

一般に同じ部位に塗るべき保湿剤あるいはステロイドは1種類。

部位別の差もあまりつけることはしません。

もちろん、何回も受診されてすでに薬の使いかたもわかっているという方であれば、

少しずつ薬の使い分けに付いてお話をしていきますが、最初からは難しいですね。

 

しかし、単純化にはデメリットも有るのではないか。

と思われる方もいるでしょう。

デメリットとしては効果は不十分もしくは効果が強すぎる

ということが有ります。

でも、この問題はある程度カバーすることは可能です。

それは時間軸。

効果が強い(=副作用が強い)場合でも、短時間であればそのデメリットは見えなくなります。

逆に効果が弱いのであれば、次に来た時に強くしますし。

(よっぽど効果が弱い時は予定日前でも連れてきますし)

 

なので、当院の考え方としては

理論上ベストの治療(でも、実際に行うのは大変)

よりも、一段落ち着かもしれませんが、

シンプルで簡単で、自宅でも無理なく出来る治療

を最初は行います。

そして、しっかりと指示通りのことが出来るようになってから、少しずつ難しい方法に

挑戦していく。

というように進めていったほうが結果的に早く、良く綺麗になると思っています。

 

足元から一歩ずつ治療を進めていきましょうね。

ステロイドの塗り薬は塗った直後から効いてくる

診察中、薬を処方しているときによく聞かれる質問に

「塗り薬はいつから効いてくるのですか?」

というものが有ります。

特にステロイドの外用薬を不安に思っている人は多いのか、

頻度も高い印象を受けます。

また、

「薬が効きすぎてしまった」

ために、塗るのをすぐにやめてしまい、結果として湿疹が良くならないという、

笑うに笑えない状態になることも時に遭遇します。

実際のところ、ステロイドの塗り薬はいつから効果が出てくるのでしょうか?

 

 

 

結論から言えば

「直後から」

が正解です。

まあ、実際のところは5分後くらいには効果の実感が得られるようです。

その前にも効果は出ているのですが、徐々に炎症に伴う痒みが引いてくるのに気がつくのは

意外に難しく、時間がある程度立たないと、はっきりとした差が見られないというのが本当のところですね。

 

ざらつきや赤みについても同じ傾向が有ります。

年齢に依る差もあまり無いようです。

理論的には子どもや赤ちゃんのほうが効果はあると思いますが。

 

ステロイドの塗り薬の効果はすぐに現れます。

びっくりしないでくださいね。

ただし、気をつけるべきは、効果が出た=治ったでは無いことです。

症状が完全に引くまでは気を抜かずにしっかりと塗ってくださいね。

中断することで結果的に治るまでの時間が余計にかかってしまうことも有るのです。

 

自家製軟膏始めました?

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当院の薬です。

皮膚科で出される薬といえば、チューブの軟膏やクリームのイメージがあるのではないでしょうか

ですが、写真からも分かるように、クリームケースに入ったものがたくさんあります。

もちろん、当院でもチューブの薬はたくさん処方されます。

チューブのお薬は、多くの方に合うように作ってあるものなので、それで合う場合はなんら問題はありませんし、製薬会社の工場で作られておりますので、安心して使用できます。

ですが、患者さんの症状は千差万別です。
また、年齢、肌質、塗布部位、生活状況は様々です。
チューブの薬でも大丈夫だけれど、できれば薬を混ぜたものの方が、より良いのだけど・・
という事があります。

そんなとき、状況に応じて、混ぜたものを使うようにしているのです。

チューブの薬が既製品だとしたら、セミオーダーのようなものでしょうか。

ただ、これはすべてのクリニックで出来ることではないかもしれません。

軟膏の在庫をたくさんクリニックに用意し、ドクターの注文に応じて作る必要があるからです。

当院では、薬剤師がおりますので、薬を混ぜたときに分離したり、効果が落ちたりするなどの問題がないかを確認し、安全に使用できる期間内で使いきるよう管理しております。

そして、患者さんの、かゆい・痛いなどの症状を一刻も早く改善することを目指して、診察時に薬を処方するだけでなく、処置として塗るようにしております。

白色ワセリン(プロペト)が合わない時もある

ワセリンHGチューブ 60G

久しぶりの記事になってしまいました。

最近、風邪を引くと治りが悪いです・・・

 

保湿剤、特にワセリンですが、どこでも塗ればいいというものではないようです。

診察をしていると、ワセリンが逆に皮膚にトラブルを呼んでいるところもあるようです。

今回はその場所2についてお話をしていきましょう

 

まず、一つ目は赤ちゃんのおでこです。

ここは湿疹を良く呼び込んでしまうようです。

理由ははっきりとはしませんが、多分汗だと思われます。

また、擦れないこと。

つまり、ほっぺたはいくら塗っても擦れてしまいましが、

おでこがこすれることは相対的に少ないのです。

したがって保湿剤がいつまでも残ってしまいます。

そのために汗疹ができてしまうのです。

 

もう一つは実はお腹と背中。

赤ちゃんの体幹にワセリンを塗ることは汗疹を読んでしまいます。

理由は同じことのようです。

おでこよりもこすれることは少ないですからね。

あとひとつは、抱っこ紐。

お母さんと密着することにより、皮膚の温度があがり、汗をかいてしまうのです。

そのために汗疹を作ってしまうのです。

 

他の場所ではあまり問題になることはありませんが、

おでこと、体幹。ワセリンを塗るときにはきをつけてくださいね。

 

プラス3日

と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?

試験まで後3日ほしいとは、学生の時に良く思っていましたけどね・・・

 

このプラス3日。

実は湿疹の治療のキーとなる言葉です。

 

湿疹とは何か。

難しいお話になるので、これはまた別の機会にしますが、

ひとつ言えることは

「目に見えるものだけが湿疹ではない」

ということです。

 

赤いから湿疹。ザラザラしているから湿疹。

もちろんそうです。でも、

赤くないから湿疹ではない。ザラザラしていないから湿疹ではない。

と言い切ることはできないのです。

つまり、目で見てもわからない湿疹は多数ある。

ということなのです。

 

 

これは何を意味するのかというと、

湿疹というものは目で見えなくても残っていることがある。

ということです。

そして、目で見えなくなってもそこには湿疹が残っていますから、

治療をやめるとすぐにぶり返してしまう。

ということなのです。

 

ここで冒頭の「プラス3日」なのです。

湿疹がなくなった。目で見えなくなった。

そう思ってからプラス3日治療をしてみてください。

それだけで湿疹のぶり返す頻度は一気に少なくなるはずです。

 

この法則がよく効くのが赤ちゃんの湿疹です。

特にお顔の湿疹がすぐにぶり返してしまい、悩んでいる方にとっては、

このプラス3日。

それだけで良くなることもたくさんあるのです。

蕁麻疹の治療は内服時間の設定から

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iPhone5Sの投げ売りが始まってるようですね。そろそろ新機種発表でしょうか。

販売価格を見ると、販売直後が最高値で後継機種の出現直前が底値になりますよね。

実は蕁麻疹も同じことが起こるのです。

・・・まあ、蕁麻疹はお店で買うことはできませんが。

 

他の病院で蕁麻疹の治療の治療をされている患者さんが来院されることがあります。

私は最初は薬剤の種類を変えたり、量の変更を試みることは殆どありません。

まずやること。それは蕁麻疹がよく出る時間を確認し、

その時に血液内の薬の濃度が最大になるように飲む時間を変更してもらうことです。

それだけでだいぶ症状の出方が変わってくることが多いのです。

 

蕁麻疹の治療は飲み薬で行います。

飲み薬の血液内の濃さにより治療は決まります。

飲み薬は飲んだ1時間後くらいが最大になります。

ということはその時間が蕁麻疹に対する治療効果が最大になり、

その後少しずつ落ちていくのです。

 

したがって、蕁麻疹の治療効果を最大にするためには

蕁麻疹のよく出来る時間帯を確認し、その時間帯に薬剤の濃度が最高になるように

少し前に薬を飲む。

 

結構効果ありますよ。蕁麻疹にお悩みの方は試してくださいね。