わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

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帯状疱疹ワクチンの取り扱いを開始します(2022年11月)

最近テレビの広告でも目にすることが増えてきましたね。

帯状疱疹のワクチンですが、当院でも取り扱いを開始することにいたしました。

 

対象は50歳以上の方です。

使用可能なワクチンは2種類あります。

水痘ワクチンと専用の帯状疱疹ワクチンです。

 

水痘ワクチンはその名の通り子どもたちが水ぼうそう予防に使用するワクチンです。

昔っからあるものですね。

副作用は一般的なインフルエンザワクチンと同レベルとお考えください。

ただ効果は比較すると少し落ちます。

 

専用の帯状疱疹ワクチンですが、こちらは全く逆とお考えください。

効果は十分。しかし副反応は結構強く出ます。

インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの間くらいと考えてもらうといいかもしれません。

あとは金額が高いです。そしてそれを2回接種する必要があります。

 

どちらのワクチンが良いか。これは非常に難しい問題と言えるでしょう。

安全性を重視するのであれな水痘ワクチン。効果を重視するのであれば帯状疱疹ワクチン。

あとは経済性を考えて選択していくという形になります。

 

お値段ですが、

水痘ワクチンは8000円、1回投与。

帯状疱疹ワクチンは1回あたり21000円、こちらを2回、2ヶ月の間隔を開けて接種する形になります。

 

 

新型コロナ感染症及びそのワクチンによって一般的に頻度が増えたと考えられがちな帯状疱疹ですが、実はその前からジワジワと発生頻度は上がっています。

子供たちの水痘ワクチンが義務化し、接種率が上がってきたのがその一つの理由となります。そのために、社会生活を行う中での水痘・帯状疱疹ウイルスとの接触回数が減り、体内で対抗するための免疫が刺激されず結果として帯状疱疹が発生すると考えられています。

今回のワクチンは今まで社会生活を営む中でなんとなく接触していた水痘・帯状疱疹ワクチンに対しての人為的な接触を増やし、免疫を能動的に獲得しようという考えのもとに使用されています。

繰り返しになりますが、適応は50歳以上の成人の方です。個人的にはすべての人にしっかりとワクチンを打って頂いて予防を進めていくべきと考えています。

しもやけの季節がやってきた(2022年11月)

外来でしもやけの患者さんを見ることが増えてきましたね。

冬です。

 

しもやけですが、気温は0度以上のときにも見られる病気です。

意外でした?

皮膚が凍りついて障害を起こすのではなく、寒さにより血流が低下して損傷を起こすためです。

肌感覚として気温5度以下になるとき、もしくは気温10度以下の雨のときに見られる印象を受けますが、とうとう今年もその温度になってきたようです。

 

多くの場合は小学生くらいまでの小さな子に起こるのですが、循環の悪い高齢者でも起こることがあります。特にしもやけのなりやすさは遺伝するので家族や兄弟にしもやけになって事がある人は要注意ですね。

場所は晴れた日であれは耳や手袋をしない指。雨の日だと更に足の指も出てくることが多いようです。つまり末端部分ですね。

予防はまず温めること。そして乾かすこと。

逆に言えば冷えて濡れたときにはその状態から早く抜け出すことも大事になります。

耳あて、手袋、厚手の靴下やしっかりとした靴をはくようにしてください。

 

冬の病気、しもやけ。

しっかりと予防して対処していきましょう。

アトピー性皮膚炎の全身療法を実行中の方が転院するときに気をつけること

デュピクセントを始めとする次世代型アトピー性皮膚炎の治療が開始されて4年目に入りました。

オルミエント、リンヴォック、サイバインコ、ミチーガと薬の種類も増え、使用中の患者さんも増えてきています。

それに伴い進学転居などの社会的変化に伴い転院されるかたも増えてきました。
その方にはもちろん転居先で治療を継続するようにお話をし、紹介状を記載しています。

紹介状にはいくつか記入が必要な事項もあるのですが、紹介状にそれが抜けていることを経験したために今回記事にします。

いや、だってこれが書いていないとおくすりを処方できないんですもの。

 

アトピー性皮膚炎の治療薬は非常に高価です。窓口で支払う金額でも十分に高価なのですが、それ以外の7割(から9割)の金額は実は保険者から出ています。

そのお金はもとをたどると毎月給与から引かれている保険料および税金となっています。

医療機関は毎月保険者にレセプトという名前の書類を提出し、その金額を請求することになっているのですが、そのレセプトには必ずいくつかの事項を記載しなければなりません。

特にアトピー性皮膚炎の場合には上記の写真にあるIGA、EASI、BSAというデータを記載する必要があり、そのデータがある数字以上でないと処方できないルールになっております。

で、問題になるのが治療中に転院した場合。調子が良くなって転院すると、転院先の病院でとった数字ではクリアできなくなる可能性があるんです。

この数字は患者さんがある時点でクリアしていることが証明できればいいので、一番合理的なのが全身治療を行う前の調子が悪い段階でのデータを使用することなんです。

なので、転院前の病院が持っているそのデータが一番大事なのですが、その数字が書いていない。となると転院先の病院は途方にくれてしまうのです。

もちろん、一番悪いときのデータを見ることでもともとその患者さんがどのくらい重症なアトピーだったのか、ひいてはどれだけしっかりと治療を行うべきなのかを知ることも大事なのですが。

 

なので、転院前の病院にお願いです。このIGA、EASI、BSAのデータはかならず紹介状に記載してください。処方薬のデータは患者さんのお薬手帳を見ればある程度確認できるのですが、この3点だけは紹介状に記載が無いと全く判断ができません。

あとは患者さんも可能であればこの3つの数字は教えてもらってお薬手帳などにメモしておくと良いかもしれません。実際に起こりうる話ですが、洪水で・地震でクリニックのデータが全部なくなってしまうことも理論的にはありますから。しっかりと自己防衛することも大事ですよね。

 

転居するときには紹介状をしっかりと書いてもらいましょうね。

 

 

低刺激性綿手袋、取り扱いしております(2022年11月)

冬になってきました。乾燥の季節です。

手荒れの患者さんも多く、悪化再発も良く聞く話となります。

 

以前より取り扱いをしておりましたが、低刺激性の綿製手袋の紹介をしていきましょう。

こちら、タダのコットンではなく、特殊な加工がされたコットン製品です。

刺激感を取り除き、柔らかい肌触りの製品となっております。

商品説明はこちら。

 

手荒れ対策の手袋については随時受け付けに用意しておきますので、

ご希望の方はご相談くださいね。

インフルエンザワクチンの夜間接種を行っています@武蔵野市吉祥寺(2022年11月)

インフルエンザの季節がやってきました。

学級閉鎖などの話もニュースになっているようです。

 

現在当院ではインフルエンザワクチンの夜間接種を行っております。

13歳以上の当院の診察券をお持ちの方でしたらどなたでも大丈夫です。

月曜日から金曜日の午後夜間の診療枠に時間を合わせて受付予約を行っております。

月曜日、金曜日においては夜間午後7時(19時)までの受付となります。

金額は3500円となっております。

なお、65歳以上の方は所定の予診票を持参いただくことで全額公費負担での接種を行えます。

 

学校や仕事の都合で夕方まで受診できないという方はぜひご検討ください。

 

また、ワクチンの接種は原則1回となりますが、2回めの接種も可能です。

感染を特に気をつけなければ行けない方は2回めの接種も検討してみてくださいね。

手のひび割れもでてきましたね(2022年11月)

冬の乾燥の症状がもう一段強くなったようです。

 

手の甲の乾燥とそれによるひび割れのお子さんの受診が目立ってきました。

真っ白に粉を吹いている状態で一目で乾燥とわかります。

 

そうです、冬のカサカサが出てきたのです。

外出時は常に手袋をさせたほうが良い季節になってきたということですね。

 

しっかりと北風をブロックして乾燥の予防に努めましょう。

もちろん保湿剤や湿疹のおくすりを使ってあげたほうが症状の抑え込みにもなりますので、

早めの受診をお願いします。

現在クリニック内がハッカ臭いかもしれません(2022年11月)

色々と思うことがあり、現在ハッカ油を使っていくつかの実験を進めています。

今まで現象面で知られていたことに理論面が追いついてきたのかなと思いまして。

 

なので、現在クリニック内にハッカの香りが漂っております。

スタッフは鼻がなれてしまっているかもしれませんが・・・

 

来院時にいわゆる湿布の香りが漂っているかもしれませんが、

お気になさらず受診ください。

 

一時的なものになるのは上記香るようになるのか、

そして皆さんになにかをお見せできるようになるかはわかりませんが、

色々と試していきたいと思います。

(かゆくて)眠れぬ夜にミチーガを(2022年11月)

今回はかゆみのお話です。

痒いって何でしょうね?と言われて、どこからどのように来て痒みが起きるのかの原因を語ることってまだできないんですよね。と考えることが最近多々あります。

神経が関与しているよね。うん、そこはわかる。ではその中で何が起きているのか?そこがわからないんです。

ただ言えることはかゆみが辛いということ。時には人生を狂わせるということ。

 

湿疹があれば痒くなるのですが、どうもそのレベルには個人個人の差がものすごい大きな印象を受けます。

傍から見て面積がそこまで広くないのにとても強いかゆみを感じる人がいれば、広範囲に湿疹があるのにケロリとしている人もいる。

そしてその違いは外からは見えない。それぞれの人のかゆみは比べてみると湿疹の面積や強さに比例しているのか?もわからない。

なにせ、個人の間隔なので。

というところで全部判断が止まってしまうんですよね。客観的な評価が未だにできないと言い換えてもいいかもしれません。

 

ミチーガというおくすりがあります。こちらはアトピー性皮膚炎に使用可能な注射でかゆみを取ることができるという薬です。

いままで数名の方に使用しておりますが、全員にかゆみの効果がありました。それこそ注射したその日から痒みがゼロになるというレベルのお話です。

もちろん湿疹も徐々に減少していますね。

 

かゆみだけをピンポイントで抑えるおくすりができて初めて疑問に思ったこと。

痒みが先?湿疹が先?

今までは湿疹があるから痒いんだと思っていました。でもそうじゃないのかもしれません。痒いから引っ掻いて湿疹を作っているのではないか?

などということも考えるようになっています。

 

…なんかとっちらかった文章になっていますね。まだ頭の中でもはっきりとした物が出ていないのでそれが文章に出ているんでしょう。

でも、かゆみって何でしょうね?湿疹ってなんでしょうね?

痒くないけど悩みで眠れなくなりそうです。

 

 

円形脱毛症に対するオルミエント内服の印象は?(2022年11月)

面積の広い円形脱毛症に対する内服薬としてオルミエントが使用できるようになり数ヶ月が経過しました。

当院では現時点において、以前より使用可能であったアトピー性皮膚炎の患者さんでたまたま円形脱毛症を合併した方と、以前より存在する広い円形脱毛症の患者さんそれぞれに数名ずつ使用しております。

今回はその印象についてお話をしていきたいと思います。

 

まずアトピー性皮膚炎の患者さんに合併した円形脱毛症について。

これらの患者さんは定期的に通院し、デュピクセントをすでに投与されている方でしたので、治療をオルミエントに切り替える形になります。

なお、デュピクセントと円形脱毛症についてはまだはっきりと関連はわかっておりません。ただ当院では円形脱毛症の悪化により治療を中断した方が以前におりました。

またアトピー性皮膚炎にはそもそも円形脱毛症を合併することが知られています。

今回治療を開始された方はすべて局所型。そして発症早期からの治療でした。

効果は皆さん数日で毛髪の発生開始しています。実際に2週間後に受信してもらった段階ですでに円形脱毛症の広い範囲に毛髪の発生が見られました。

そして全ての患者さんが毛髪の再生あり。満足して治療を終了と言う形になりました。

もちろんアトピー性皮膚炎が合併していますので、そちらに対して治療を継続していますが、なんとなく皆さんオルミエントを継続することも多いようです。

まあ、そうですよね。別の治療に変更してまた円形脱毛症を作りたくありませんよね。ということで内服の治療を継続するパターンが多いです。

 

次に広範囲の円形脱毛に対する治療についてです。

こちらの患者さんは先程のようには行きませんね。と言うのが現時点での感想です。

まず、生えてくるまでの時間が明らかに長いです。少なくとも2週間では出ることはありませんでした。

1ヶ月以上の治療によってはじめて発毛を確認できるというような状況です。

また生えかたのペースは明らかに遅いです。まずは一部分辺縁にわずかにぽちぽち。

産毛のような非常に細い毛がぽつぽつ生えてくるか、毛穴の中に少し黒いのが見えてくるかというくらいです。アトピー合併の患者さんのようにみるみるというペースではありません。

一言でいうと、手強いです。

実際に薬の説明書にも、「効果が出るまで時間がかかることがあります。36週は見てください」という意味の内容が書かれていますが、全くその通りだと思います。

とにかく時間はかかるので長期戦を覚悟する必要がありそうです。

 

結論です。

オルミエントは有効です。ただし、円形脱毛症の強さで効果の程度が変わってくる。

と考えてよいかと思います。

むしろ気にすべきは円形脱毛症の強さなのでしょう。同じ病名に同じ薬剤をつかってみてこれだけ症状の変化に差が出るのは正直予想外でした。

面積が広いほど、そして期間が長くなるほど治療の効果が現れるまでには時間がかかることが予想される結果でした。

この状況を見ると円形脱毛症の強さが逆に目立ちますね。

 

あとは可能であればもうちょっと狭い面積の円形脱毛症にも使えるように制限を緩和してほしいものなのですが・・・

むしろあまり面積の広くない円形脱毛症の患者さんにこそ使って一気に抑えてあげたい気がしますね。

 

 

リップクリームは取れてなくなります(2022年11月)

今朝なんとなくテレビを見ていたらそんなお話がありました。

そうなんです、リップクリームはすぐに取れていなくなってしまうのです。

 

職業柄、赤ちゃんの診察を行っていますが、赤ちゃんのほっぺたと口の周りはだいたい荒れています。

スキンケア指導を行って治療を進めて行くのですが、同時に診察を行いながら問診も行います。

 

一日何回ほっぺたを保湿していますか?

と聞くのですが、荒れている子と落ち着いている子では回数に明らかに差が出ます。

一桁か二桁か?

簡単に言うとそんな感じですね。

回数が多ければそれだけカサカサが予防できるというのが印象です。

 

次に診察を行いますが、口の周りのカサカサについてはどうでしょうか?

乾燥している子に聞いてみます。いつ保湿しましたか?と

こちらもカサカサしている子としっとりしている子では大分答えが異なります。

1時間ではかさかさ。30分未満ではしっとり。

大まかに分けるとそのような違いが見られるようです。

 

つまり、30分以上間を開けないで保湿を行うということは一日10回以上保湿するということであり、

それ以上とそれ以下ではお肌の乾燥状態には大きな違いができる。

ということが見えてきます。

 

こちらの原則は当然大人にも当てはめることができるでしょうね。

大人のお肌は赤ちゃんよりもしっかりとしていますのでそこまで極端な差は出ることはありませんが、

同様の傾向は出てくるでしょう。

 

一日10回とは行かないまでも極力回数を多く保湿することがお肌のコントロールの上では

大事なことでしょうね。

 

赤ちゃんに教えてもらった大事なこと。

顔の保湿は何回も行ったほうが良いでしょう。