わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

スマホのタッチパネルが反応しなくなったら保湿剤を指に塗ろう

先日携帯ショップの前を通りかかったらiPhone 5sの特価販売がなされていました。

新製品の発売も間近ですね。

 

今回はこれからの時期によくある、スマホの画面に指で触っても反応しなくなった場合の

お話をしていきましょう。

というか、すでに私の左の人差指では症状が出ています・・・

 

この原因はいくつかあります。

まあ、機械的な問題もあるかもしれませんが、今回はそちらには触れません。

もっとも一般的なものは指先の乾燥によるもの。

特に指先がガサガサになり、割れているような人の反応はとても悪くなります。

 

タッチパネルの駆動方式はいくつかあります。

超音波や赤外線を使用するもの、圧迫することによる変化を利用するものなどもありますが、

スマホで一般的に使用されているものは電流の変化を使用するものです。

つまり、指先が近づくと、指先に電流が流れる。その反応を確認しているというわけですね。

 

でも、乾燥している指は抵抗が高くなります。

(逆にぬれていると電気抵抗が低くなるといったほうがよいでしょうか。

「塗れた手でコンセントを触らないこと」と聞いたこともあるでしょう)

したがって乾燥した指を近づけても機械の電流の変化は小さくなってしまう。

そのために機械の反応が悪くなってしまう。

 

というわけで乾燥した指はタッチパネルの反応が悪くなってしまうのです。

 

対策は理論上は簡単です。

乾燥した指に対してしっかりと保湿してあげることが大事なのです。

ただし、保湿剤を塗った直後の指でスマホをいじると画面がべたべたになりますので、

ご注意ください。

赤ちゃんの湿疹は1日でできる

今日は家族みんなで晩御飯でした。

久しぶりです。

 

まあ、赤ちゃんはまだご飯を食べられないので、その脇で遊んでいたのですが。

今回はその時のお話です。

 

午後7時まえにご飯を食べはじめました。

その時には赤ちゃんはバウンサーの上にいます。

足元には蹴飛ばすと音のでるおもちゃがあり、

時々蹴飛ばして遊んでいるようでした。

少しずっこけているのかな?

ガード用の布が丁度顎の真ん中にあたっていました。

そして、生後2ヶ月ですからよだれがついています。

まあ、よくあることですね。

 

午後8時、上の娘をお風呂に入れました。

大体30分位でしょうか。

ついで、お母さんと下の娘がお風呂に入ります。

これも30分過ぎでしょうか。

 

そして、午後9時。

顎の真ん中に湿疹ができていました。

 

まあ、湿疹と言っても少し赤くなっているくらいです。

当然ジクジクはしていませんし、ザラザラもありません。

しかし、湿疹の最初の最初の状態になっていました。

 

たったの2時間、よだれがその間しばらくついていただけで湿疹ができたということです。

(もちろん夕方に湿疹が無いことは確認しています。

抱っこもしていますからね)

 

赤ちゃんのお肌のよだれ負けですが、この短時間で出来てしまうのですね。

あっという間です。

 

もちろん湿疹を見つけたら直ちに薬を塗って押さえ込みましたが、

治療せずに、湿疹に気が付かず、そのままにしてしまえば・・・

翌日にははっきりとした湿疹になってしまうことも充分に考えられます。

痒くて引っ掻いてこじれてしまえば、数ヶ月以上続く湿疹になることも有り得るのです。

 

赤ちゃんのお肌は大人に比べて明らかに弱いのです。

あっという間に湿疹になってしまうので、要注意ですね。

洗えていない!

今日は久しぶりの休日でした。

のんびりとお家で晩御飯を食べ、お風呂の時間です。

 

お風呂にはいるとき、上の娘が自信満々に

「自分で体洗えるよ(背中、頭を除く)」というので、

お手並み拝見とばかりに隣で体を洗う様子を見ていました。

 

・・・ちょっとまったー。

 

洗えていません!

 

いや、顔の真ん中の部分は洗っているんですよ。

ほっぺたの部分までは大丈夫です。

鼻も大丈夫。顎の真ん中も大丈夫。

目の周りは・・・少し怪しいけど大丈夫。

 

でも、顔の辺縁部分が全然洗えていません。

おでこの上の端、こめかみ部分、もみあげの部分から耳たぶ、

耳の穴の周辺部は全く洗っていませんでした。

 

実はこの部分は結構湿疹ができやすい部分です。

洗い方の弱い部分と湿疹のできやすい部分が一致しているということは、

洗い方が弱いから湿疹ができやすい。

という可能性は充分にあるのです。

 

このあたりの問題については今後色々と調べて見たいと思いますが

まずできることは一つ。

しっかりとした洗い方を教えること。

ですね。

 

しかし、その前には・・・

子どもが洗っている様子をじっくりと見て上げてくださいね。

そこから見えてくることもあるかと思います。

 

お風呂に上手に入ることが充分に湿疹の予防になりますよ。

お化粧とって皮膚科に来てね

雨です。夏なのに涼しいです。

いいことのような悪いことのような。体調を崩さないように注意が必要ですね。

 

さて、今回は皮膚科受診の時のお話です。

特に顔のお話。

化粧はしないでね。

 

というのも、皮膚科は診てナンボの職業です。

顔の湿疹やニキビなど、病変のある部分の皮膚を診なければ治療は始まりません。

 

顔のニキビを診てほしいと言って受診した患者さんの顔を診てみたら思いっきり化粧されていた。

ほっぺたの湿疹を見てほしいと言って受診した患者さんの顔を見ていたら、ファンデーションがべったり。

 

診断できませーん。

と叫びたくなることもたまにあります。

 

普段日常で使っている言葉は、病名と完全に1対1で対応しているわけではありません。

例えば「ニキビ」と言って受診する患者さんの中には、

尋常性ざ瘡(アクネによる炎症。狭い意味でのニキビ)の他にも

マラセチア毛包炎(カビによる炎症。大人ニキビなどと呼ばれる場合もあります)や

その他の雑菌による毛包炎など、様々です。

 

で、これらは発疹を細かくみて、初めてなんとなく分かるものです。

また、湿疹もいろいろな原因でできることがあり、これまた細かく診ないとわかりません。

 

でもね、化粧されていると、この「細かく」が見えないんですね。

全体的にぼんやりとしてしまい、細かなディテールがわからなくなってしまいます。

 

じゃあ、化粧をその場で落とせばいいなじゃい。

と言われるかもしれません。

しかし、それくらいでは化粧なんて落ちないんです。

 

したがって、化粧をして受診しても診断の精度は上がりません。

診察室で「うーん」となってしまうわけです。

 

もちろん、治療もピンぼけになる確率が高くなります。

結果なかなか治らず、通院回数も増えてしまうのです。

それって、不幸なことですよね。

 

言いたいことは唯一つ。

顔の病変を皮膚科に見せに行く時には、化粧しないで受診すること。

です。

おねがいします。

 

とびひは暑いから出るわけではない

というのが、今年の診察をしての結論です。

 

とびひは夏の病気です。

というと、いかにも夏の暑い気候が悪さをしているような気になりますが、

どうもそうでもなさそうです。

 

暑い日がとひびを引き起こすのであれば、比較的涼しい時間が持続する

今年はそんなに多くはないということですよね。

 

でも、今年も結構とびひは多いです。

 

どうも、影響しているのは湿度のようですね。

それを反映するのが、とびひの患者さんが一気に増えるのは台風の後だからです。

 

つまり、湿度がとびひを作る。

 

ということは涼しくなっても雨が続く9月までとびひには注意したほうが良いということです。

 

お気をつけ下さいね。

 

夏もはたけは目立ちます

本格的にお盆に入りました。

当院も今週末までお休みです。

 

さて、夏になって目立ってきたのが、顔の湿疹です。

正確には湿疹に伴うほっぺたの部分的な色抜けです。

ほっぺたの一部に白く色が抜けた部分があり、特に日に焼けた子では、

とても目立つ状況になっています。

同様に背中や胸などにも色の抜けが出ている子もいるようです。

 

では、この色の抜けはなぜ出てきたのでしょうか。

 

この色のぬけは「単純性粃糠疹」と呼ばれるものです。

ちょうど米の糠のような小さなかさかさは皮膚にこびりついているので、

このような病名で呼ばれます。

俗称は「はたけ」

なぜ、このように呼ばれるのかはわかりません。

 

湿疹の部分というのは色が抜けたり、色がついたりと、

皮膚の色調に変化が出てくることがあります。

この単純性粃糠疹も同様の理由で色が抜けると考えられます。

 

最初は粃糠疹の部分はでこぼこしているので、光が乱反射し、結果として白っぽく見えると考えていたのですが、

どうもそんなに単純な話ではなく、

粃糠疹部分の色素のでき方そのものが周囲と異なるために出現すると今は考えられているようです。

 

では、対処法はどうするのか?

先にお話しした通り、粃糠疹とは軽い湿疹の状態ですから、湿疹を直すことが治療になります。

保湿剤でも十分抑えることが可能ですし、症状が強いようであれば

弱めのステロイドを塗ることで湿疹を抑えることができます。

でも、この色のムラを直すのは正直難しいです。

そもそも色ムラは湿疹の結果の色素のでき方の違いが原因ですから、

湿疹を直しても色素がすぐに出るわけではありませんし、そもそも皮膚の色は

何か月もかけてできた皮膚の色素の量で決まります。

したがって、湿疹を直したからと言ってすぐに色のむらがなくなるわけではありません。

 

でも、心配はいりません。

時間はかかりますが、きちんと湿疹を治してさえいれば、色のムラは徐々に目立たなくなります。

冬には目立たなくなりますので、ご心配なく。

もしも、ムラが目立つのはイヤというのであれば、

ファンデーション機能付きの日焼け止めを使えば目立たなくなります。

色が気になるようでしたら、試してみてくださいね。

引っ越しをすると虫刺されはわるくなる。

夏になり、虫刺されの患者さんがたくさん受診されるようになりました。

多くの患者さんを診察していて気になることが一つありました。

概ね虫さされの症状は刺された回数により決まります。

したがって、同じくらいの年齢の患者さんでは、みな症状の強さは似通ってくるのですが、

一部の人では年齢に比べて非常に強い症状を示す方がいました。

 

どんな人がそのような反応を示すのだろうか。

 

と考えて観察していると、ある一つの傾向が見えてきました。

 

どうも、このような人は引っ越しをしているんですね。

しかも、引っ越しをしてからの年数と症状の強さが関係しているみたいです。

 

不思議な話でしょ。なぜでしょうか?

 

どうも、刺す虫に対するアレルギーの強さが違うのではないか。

と考えられます。

 

虫さされのアレルギーの強さは虫の種類ごとに異なります。

つまり、

イエカのアレルギーの強さと、ヤブカのアレルギーの強さは全く別個のものなのです。

 

それをもっと考えてみると、

関東のイエカのアレルギーのつよさと東北のイエカのアレルギーの強さ、

九州のイエカのアレルギーの強さは全く別個のものかもしれません。

 

いままで、イエカはイエカ。アレルギーの強さは一律でしょ。

と考えていたのですが、ひょっとすると地域によりイエカはイエカでも微妙に違い、

刺された時に体内に入ってくる成分も微妙に違い、

アレルギー反応も微妙に違う。

ということがあるのかもしれませんね。

 

なので、引っ越しをした後には虫さされの反応が非常に強くなってしまう。

ということもあるかもしれません。

 

 

では、どこからどこに引っ越ししたら反応が強くなるのか?

これはまだよくわかりません。

どうも別の地方(例えば東北から関東)レベルでは強くなるようです。

もちろん隣町レベルでは強くなりません。

そのあいだのどこかにあるんでしょうね。

これは今後の課題としましょうか。

妊婦さんが飲める薬、飲めない薬

前のお話で、妊婦さんと薬の話を長々とさせていただきました。

問題問題といっているけど、じゃあどうすればいいのさ。

という声があがるもの尤もですので、今回は対策についてお話をしていきましょう。

 

妊婦さんがその薬を飲めるのか否か。

実は薬の説明書だけを鵜呑みにするわけには行きません。

というのも、先日の記事に記載した通りあくまでもこれは公式なものに過ぎず、

製薬会社が試験を行っていなければ何も記載できないのです。

(まとめたサイトはこちら。PMDA

まあ、家電やパソコンなどの説明書とお考えください。

 

しかし、あくまでもこれは日本国内のお話です。

アメリカなど、他の国では妊婦さんに対する使用が許可されているものもたくさんあります。

というのも、日本の薬は日本人を対象に試験を行わなければいけないからなんですね。

 

また、実際の問題として妊婦さんに飲んでもらったことがある。

という薬ももっとたくさんあるのです。

先日ドラマで放送されていましたが、妊婦さんが乳がんになり、抗癌剤の投与をしなければいけない。

しかし赤ちゃんへの影響がわからない・・・

というお話も海外での使用報告を確認することにより、飲めるか否かの判断をできるのです。

 

では、実際に妊婦さんが飲んでも大丈夫という海外からの報告をまとめたページは無いのかというと、

実はあるのです。

私が以前に勤務していた国立成育医療研究センターでは「妊娠と薬情報センター」として

このような情報をまとめ、一覧にして配布をしています。

ページはこちらです。

 

但しあくまでもこのページはダイジェストであり、正式なものではありません。

正式な物を確認したいというのであれば専門家向けですがこんな本があります。

薬物治療コンサルテーション妊娠と授乳

専門家向けの本ですが、もしも心配な方でしたら、

読んでみてもいいかもしれませんね。

 

もうちょっと簡単な本もあるようです。まだ読んでいませんが・・・

妊娠・授乳と薬の知識―飲んで大丈夫?やめて大丈夫?

 

成育医療研究センターは子供だけのための病院ではありません

今回は、私が以前に務めていた成育医療研究センターのお話をしていきましょう。

まあ、昔話と思ってお付き合いください。

 

成育と私はいつも略して読んでいますが、正式名称は

独立行政法人 国立成育医療研究センター

です。

 

成育と言うのは聞き慣れない単語ですよね。

この意味を病院ホームページから拾ってきました。わかりやすい図があったので貼っておきます。

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とまあ、このように、子供が大人になって、その子を産んでいく。

その円環を医療の面からお手伝いするのが成育医療というわけです。

 

いままでの小児医療と異なるのは、小児のみならず、妊娠・出産というイベントも含めているところに特徴があります。

時には不妊、不育(妊娠するも出産できない)にも関与するわけですね。

 

つまり、成育医療研究センターでは小児だけでなく、妊娠・出産にも力を入れているんですね。

コレ、意外に誤解されがちです。

 

スタッフもそれに合わせて多種多様な専門家が揃っています。

小児科はもちろん、麻酔科、救急。

また妊婦さんを相手にしますので、産科。婦人科も少しあります。

また、不妊。不育科などど言うものも有りますね。

 

もう一つ、スタッフは妊婦さんに対しても治療を行えるように教育されています。

小児科の先生はまあ、関係ありませんが、

マイナー科と呼ばれる、眼科、耳鼻科、整形外科も妊婦さんに対応することができます。

当然私達皮膚科でも妊婦さんの対応を行うことがあります。

 

実は、成育、妊婦さんの治療も得意なんですよ。

私も結構得意だったりします。

 

この話はまた後日にしていきましょう。

 

虫刺されの症状がひどくなる場所

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さて昨日に続き虫刺されのはなしです。

 

時に聞かれるのですが、虫刺されの症状がひどくなるのはどこでしょうか?

 

まず考えられるのは、皮膚の柔らかいところです。

柔らかいとは読んで字のごとく。ぐにょーんと伸びやすいところです。

専門的に言えば。皮下の繊維の少ないところです。

 

目立つのは顔面でしょう。耳タブも結構柔らかいですよね。

手足で言えば、外側よりも内側の方が柔らかいですよね。

 

これ全部正解。

この場所は虫に刺された時には激しく腫れる場所です。

その中でも最も激しいのはまぶた。うわまぶたです。

ここを刺されると目が開かないくらい腫れてしまいますもんね。

 

 

他には無いかなーと思って診察していたら、思いもかけない場所が腫れている子がいました。

ちなみに男子限定です。

さて、どこでしょうか。

 

 

・・・おちんちん?まあ、ここも腫れますが、そもそも虫に刺されませんね。

意外や意外、男の子の足はおもいっきり腫れるのです。

あれ、さっきの原則とは違うではないか?と思った方は鋭いですね。

では、なぜこの部位が激しくなるのか?なぜ男の子だけなのか?

正解は運動でしょう。きっと。

 

虫刺されの反応は、虫によって体内に入った毒や唾液の成分に対する

アレルギーの反応と、毒そのものの化学反応です。

体を動かせはその毒は広がっていきます。

そのため、アレルギーの反応もそれに応じて広がっていきます。

そのため、足の症状は悪くなってしまうのです。

特に男の子は虫刺されなんぞ気にせずに走り回っていますので、

余計に虫刺されの症状が悪化してしまうのです。

 

ということで男の子限定ですが、虫に刺された後には足も症状は激しくなりますよ。

というお話でした。