わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

治療

今年の花粉症はアレサガテープで乗り切ることにしました(2020年3月)

今回は時期にマッチしたお話をしていきましょう。

 

自分の今年の花粉症の治療方法です。

例年と同じレベルの花粉症と感じていますが、

今年はアレサガテープを治療のメインに据えています。

 

理由はいくつかあります。

まず投与がかんたんなこと。

飲むよりもテープを貼るほうが簡単なのです。

入浴後にテープをペタリ。

それで終了です。

貼り忘れもときにあるのですが、なんとなく症状が悪化したときに

テープが無いことに気がついて、貼り足す。

でOK.

 

飲み薬は以外に飲み忘れることもあることは以外に多いのです。

 

あとは管理も簡単です。

シート状なので、場所は取りません。

薬のプラスチックのプレートは不整形なので、思ったよりも場所を取るのですが、

薄型なシートは便利。

 

当然作用面でも十分な効果が期待できます。

飲み薬は飲んだ直後が血中濃度つまり効果=副作用もピークなのですが、

貼り薬はじわりじわりと上がっていきます。

そして飲み薬は次回の内服直前にはほとんど薬はなくなるのですが、

貼り薬は上がったまま。

血中濃度の変化は非常に少ない状況です。

したがって眠気も少ない印象がありますね。

 

ということで、簡単に使用できてしっかりと効果の出てくる

アレサガテープ、使用することを推奨します。

皮膚科でも花粉症の治療は行っていますよ(2020年2月)

実は今までもずっと治療していたんですけどね。

今年は少しおおやけにしようかと考えています。

 

当院でも花粉症の治療は行っております。

まあ、自分が花粉症持ちでいろいろな治療をしてみているという点もあるのですが、

小さなお子さんを持つママさんや、妊婦さんの間で、

小児科や内科、耳鼻科で花粉症の薬をもらうのは嫌だ

という方が結構おられるのです。

つまり、風邪をそこでもらいたくないわけなんですね。

なので、周りに感染症の人が座っているリスクの少ない皮膚科に行って花粉症の薬を貰いに来る。

ということみたいです。

 

もちろん、鼻の中を除くことも、目の中を確認することも皮膚科医はできませんので、

とりあえずの抗ヒスタミン剤の飲み薬を出す、目薬を出す、鼻薬を出す。

くらいのことしかできませんが、それでも構いませんという方は

皮膚科を受診するということも選択肢に入れて見ても良いのではないでしょうか。

流石に、ステロイドの内服やら点眼点鼻やらについてはきちんと耳鼻科・眼科に行ってくださいとなりますが、

まずは最初の治療だけでもという方はご検討ください。

なお、花粉症に対する最も強力な注射剤、ゾレアについても

最低限の治療を行う準備は進めておりますので、ご希望の方はご相談ください。

 

今回は春の花粉症のお話でした。

デュピクセントの「在宅自己注射を推奨」に変更します(2020年2月)

当院のデュピクセント治療についてのスタンスです。

現在デュピクセントは在宅自己注射及び通院注射の双方が可能となっております。

 

今までは注射方法については「希望に応じる」というスタンスでしたが、

今後は注射方法について「在宅自己注射を推奨」という方針に変更することにしました。

通院注射を強く希望されない方は在宅で自己注射を行って頂く形になります。

 

理由は新型コロナウイルス感染症(以下Covid)です。

今後日本では患者数が急増することが予想されます。

普通に市中で感染しうる環境になることも推定されます。

 

そのためにアトピー性皮膚炎の注射を受けに医療機関を受診することですらリスクとなります。

交通機関を使用している中で、待合室の中で、もしかしたら医療関係者から

Covid感染を受けてしまう可能性についても検討を行うべき時期に来ております。

 

そのため、感染リスクを最小限に抑えうる方法としての

在宅自己注射について前向きに考えて頂く必要があると判断いたしました。

 

本当にありがたいことなのですが、デュピクセントは今までの内服治療、

つまり、ステロイド内服、シクロスポリン内服とは異なり、

体内の免疫力を低下させるリスクは少ないとされています。

せっかくそのような画期的な治療法が出てきて使用しているのに、

通院中にCovid感染の追加リスクを背負うことが果たして必要なのかどうか、

検討していただきたいと考えております。

 

そのため、当院では今後当分の間、デュピクセントの投与方法について

「在宅自己注射を推奨する」という方針で治療を行うことにいたしました。

現在通院注射を行ってる方にも上記について説明を行ったうえで

治療法について検討いただくことにいたします。

 

よろしくお願いいたします。

2020年3月のデュピクセント注射日程について

2020年3月のデュピクセント注射の日程についてです。

 

デュピクセントの注射ですが、最低2週間以上を開けるようにとされています。

投与本数は初回2本、2回め1本、3回め以降も1本ずつとなっております。

また、自己負担額は1本辺り2万5千円程度となっており、

多くの人の月別自己負担額の上限は8万円程度となっております。

 

つまり、デュピクセントを月に3回投与できる日程で治療を開始すると、

自己負担額が4本10万円のところ、8万円程度で治療を行うことができるという、

ちょっとした裏技のようなことを行うことができます。

 

そして、2020年3月についてはその有利な日程が出現します。

3月2日月曜日ー16日月曜日ー30日月曜日

です。

翌日の3-17-31日も同様に有利な日程になるのですが、あいにく当院はお休みなので、

3月は上記1日程となります。

 

デュピクセントの投与を検討されている方の判断の一助になりましたら幸いです。

 

なお、(当院に限らない話ですが)

デュピクセントをクリニック内に常備してはおりません。

すべての患者さんの投与スケジュールを把握した上で、必要最低限な量のみ

院内にて保管をしております。

したがって初回受診日当日にデュピクセントの投与を行うことは不可能です。

可能であれば1週間以上前。少なくとも3営業日前には受診されますようお願いいたします。

 

皮膚特殊外来の予約時間を拡大します

今回は外来予約枠についてのお知らせです。

 

ありがたいことに皮膚特殊外来の予約も徐々に増加してまいりました。

当初は幼稚園児から小学生のイボの治療を行うために外来枠を開設しましたが、

より小さな年齢の子や大人など、徐々に対象年齢が拡大を続けている状態です。

また、より小さな年齢の子が感染する水イボについても治療の対象を拡大いたしました。

そのため、今まで外来から診療時間枠の拡大を求める意見を頂いております。

 

皆様から様々なご意見をいただき、今後診療時間の拡大を図ることにいたしました。

今までの予約枠の時間帯は

平日 14時から17時半

土曜 9時から9時半

でしたが、今後は

平日 10時から12時(月水金) 13時から17時半 18時から19時(月金)

土曜 9時から9時半

とさせていただきます。

つまり、平日の時間枠を拡大いたしました。

 

注意事項ですが、

イボの治療において、最大4時間という貼付時間は変更ありません。

従って夜間診療の時間帯において処置を行うと貼付時間は午後11時までとなってしまいます。

生活習慣を検討の上、予約を行うようにお願いいたします。

花粉症、始まっています(2020年2月)

今年も春の風物詩の一つでもある、花粉症がやってきました。

 

2月に入りチラホラと目の周りの湿疹の症状や、目そのもの、鼻の症状などを

示す患者さんがやってくるようになりました。

 

そろそろ、飲み薬を開始したほうが良さそうですねえ。

 

ご希望の方はご来院下さいませ。

期待の新薬、コレクチムの製造販売が承認されたようです(2020年1月)

記事のソースはこちらです。

公式なページですので、信頼度は非常に高いと考えられます。

 

今年の期待の新薬(と勝手に期待しています)である、

アトピー性皮膚炎の治療薬、コレクチム。

正式な名前が公開されたようです。今まではコードネームのJT-052と読んでいましたから。

販売開始はこれからのようですが、非常に期待しています。

 

特にステロイドの外用薬に変えることができるのか、

プロトピックとの使い分けをどうしようか。

現時点ですでに方針を検討していかなければありません。

今までに入っている情報では重篤な副作用はなさそうですし、

効果も期待できそうです。

 

ただ、憂慮しなければいけない点が一つだけあります。

投与方法です。

一日2回、1回あたり5gという制約があるようです。

5gとは結構な量に思えますが、もしもこの量で塗るとすると、

1000平方cm程度になるかと思います。(1FTU=0.5g/100平方センチで計算した場合)

つまり、30cm四方ということになり、成人の躯幹などの広い面積に

一気に使用するということは難しいことになるかと思います。

したがって部分的な使用に留めざるを得ないという問題もあります。

以上のことから、現在の使用方法としては

ポイント塗布を行っている強めのステロイドの代替として

使用することが一般的になるだろうと想定されます。

 

今後はその想定方法で湿疹をどの程度コントロールできるのかについて

情報を収集していきたいと思います。

 

当院ではコレクチムについては販売開始後、電子カルテが対応でき次第

処方を開始する予定にしております。

情報については当ブログにて随時公開を進めていきたいと思います。

 

水虫の薬でいちごが消える?

ネットのデータを漁っていたらこんな話はありました。

 

抗真菌剤つまり水虫の薬である、イトリコナゾールの投与でいちご状血管腫が改善する可能性が

あるとのことです。

 

いやいや、そんなと思いましたが、まあ、薬には思いも寄らない効果的なものがあるかもしれませんね。

なにせ高血圧の薬がいちご状血管腫に効果的な事がわかって、内服薬として一般的に使われるようになった世の中ですから。しかもここ10年の出来事ですから驚きはしませんが。

 

ただし、すぐに薬が登場するというわけではなさそうです。

あくまでも細胞レベルでの話であり、人間に投与した場合のお話ではありません。

ましてやいちご状血管腫の患者さんは0才児ですから、なおさら慎重に投与する必要があります。

また、その抗真菌剤自体も肝臓に影響を及ぼすことは往々にしてありますので、

軽々しく投与はできないのは当然のことです。

 

まあ、今すぐにということではありませんので、今後の進捗を見ていきたいところではありますね。

 

参考までに文献について記しておきます。

今後読み込んで見たいところですね。

J Invest Dermatol. 2019 Jul139(7):1574-1582. doi: 10.1016/j.jid.2018.12.028. Epub 2019 Jan 25. PMID: 30690033

花粉症、始まりました?(2020年1月)

いやあ、ここ数日微妙に調子が悪かったんですね。

仕事に影響が出るほどではないのですが、

帰宅後にだるさが残ってしまします。

風邪?かとも思ったのですが、なんか違う。

抗ヒスタミン剤飲んだらだいぶ良くなりました。

ああ、花粉症の時期が始まったんですねえ。

 

花粉症は一般的に花粉の飛散が始まってからという印象があります。

しかし、年始から目の周りの湿疹やアレルギー性結膜炎の症状を示す子が

来るようになりました。

もしかしてと思っていたのですが、どうも花粉症の症状のようですね。

 

花粉症の原因となるのはタンパク質です。通常は花粉を構成するタンパク質ですが、

実は花粉飛散前からタンパク質の飛散が始まっていることがわかっています。

ですので、花粉が飛ぶ前にタンパク質に反応してしまえば、

花粉が飛ぶ前に花粉症の症状が出ることもあり得る。

というわけなのです。

 

2020年、花粉症始まりました。

早めに薬の準備を始めたほうが良さそうですね。

 

デュピクセントに伴う誤解とその回答(2019年12月)

デュピクセントを希望される患者さんが徐々に増えてきたことに伴い、

正解ではない知識を持って来院をされる方もおられます。

今回は投与前に思い込んでしまいがちな点について

投与した上での経験談からお話を進めていきたいと思います。

 

なお、あくまでも当院の見解であり、場合によっては公式の見解と異なる可能性もありますので、

公式の見解も併せて確認ください。

 

Q:デュピクセントを使えばアトピー性皮膚炎は治りますか?

A:残念ながら難しいかと思います。

あくまでもデュピクセントの治療は症状を減らすためのものとお考えください。

治癒はなかなか難しいと言うのが印象です。

実際に改善し投与を中断された方もおりますが、時間がたったあとに湿疹の悪化がありました。

したがって、デュピクセントを一定期間使用すればアトピーがなくなる。

デュピクセントさえ使用していれば他の治療はしなくてもよくなる。

というものではありません。

 

Q:デュピクセントを使えば他の治療はしなくてもいいですか?

A:こちらも難しいかと思います。

前項にも記載しましたが、外用や内服を行った上でのデュピクセント治療となります。

むしろ症状の改善が強い方はしっかりと他の治療を継続している方という印象を受けます。

症状をより減らしていきたい場合はデュピクセント以外の外用内服をしっかりと

行ったほうが経過は良くなるかと思います。

 

Q:症状が良くなったらデュピクセントはやめていいですか?

A:現状では中止はお薦めしておりません。

高額であり、最低限に留めたい気持ちはよく分かるのですが、

現状では中止の目安についてはよくわかっていないのが正直なところです。

2週間に1回を推奨はされていますが、投与間隔の延長は当院ではよく行われています。

症状の安定のためにも間隔の延長はOKですが、中止は推奨していません。

 

Q:調子の悪いときだけデュピクセントの注射をすればいいですか?

A:こちらも公式には推奨されてはいません。

症状の改善にはしばらくかかります。そのために悪化時のみの投与ではなく、

定期的に受信することが推奨されています。

また注射の効果は長くて1ヶ月程度でなくなってしまいますので、

その後掻爬により、湿疹が悪化した場合、前回の投与のメリットが全く

見られなくなってしまいます。

そのために定期的な接種が必要とされます。

 

Q:注射したらすぐに効いてきますか?

A:症状によって改善するまでの時間が変わります。

特に掻痒感、かゆみについては当日から改善したという方が多いようです。

しかし、赤み、かさかさ、皮膚のごわつきの順に改善するまでの時間が必要であり、

症状によっては半年以上経過して初めて改善したことがわかるという場合もあります。

すべての症状は注射直後に改善するわけではなく、さまざまな症状が時間の経過とともに

改善してくるものだとお考えください。

 

Q:感染症の副作用が心配です。

A:デュピクセントについては局所または全身性感染症のリスクはないとされています。

実際に注射している方に感染症が増加したという印象もありません。

ステロイド及びシクロスポリンといった免疫抑制剤の内服と比較し、

感染症のリスクを考慮しなくても良いというのはデュピクセントの特徴になります。

文献によると湿疹の改善により皮膚バリア機能が回復し、感染症のリスクはむしろ低下しています。

心配しなくても良さそうです。

 

Q:治療期間が長期になると効果が減りますか?

A:公的にはそのような情報はありません。

抗体そのものを減弱させる中和抗体は理論的に出現することは予想されますが、

出現率についてはまだはっきりとしたデータはありません。

また中和抗体の出現に伴う効果の低下についてのデータはありません。

したがって現時点では中和抗体の出現に伴う効果減弱はないと考えています。

その他の要因による効果減弱についても指摘はされておりません。

外来で診察をしている限りにおいても効果減弱については感じていません。