わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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アトピー

朝シャワーのススメ。こども編

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ゴールデンウイークも終わり、だいぶ暑い日が増えて来ました。

北海道、東北では2週間前に雪が降っていたのに、今は真夏日ですか……

体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて、暖かかくなり、皮膚科医の間ではアトピーがみんな悪くなってきたという

話が増えています。

その原因は色いろあるでしょう。

しかし、その中の一つとして汗があることはご存知でしょうか。

 

アトピー性皮膚炎が悪くなるきっかけを聞いてみると、

「乾燥」と「汗」が最大の原因でした。

しかし年齢により、どちらが悪いかがわかれます。

大雑把に言うと、幼児園児くらいまでは「乾燥」

それ以上になると「汗」が悪さをする印象があります。

 

乾燥に保湿剤という対策があるように

汗にもシャワーという対応策があります。

 

朝、5分だけ早く起きて(起こして)シャワーを毎日浴びてください。

石けんは実はあまり必要ありません。アセモの部分に使うくらいで構いません。

毎日、シャワーをしてあげるだけで、随分アトピーの症状の出方は変わりますよ。

 

また、シャワーにはもう一つ利点があります。

シャワーをすれば、必ず裸になりますよね。

つまり、朝の塗り薬をつけやすくなるのです。

 

もともと子どもは汗をかきやすいもの。

朝のうちから、汗をかいた頭がすえた匂いをしているのもイヤですからね。

(我が家では「頭が発酵している」と言っていますが。)

 

暑くなり、子どもがおへそをだして寝るようになったら、朝シャワー、ぜひ試してください。

 

追記。

先のエントリー。大人は朝シャンですが、子どもは朝シャワーです。

上にも書きましたが石けんはアセモの部分を除いてあまり積極的に使う必要はありませんが、

匂いが強いところにはしっかりと使ってくださいね。

 

2013/5/23更に追記

シャンプーや石けんですが、全身に1日2回使うと乾燥が強くなる印象があります。

アトピーや乾燥肌の子は症状が悪くなることがありますので、気をつけて下さいね。

アトピー性皮膚炎に対する考え方

「成育医療研究センター語?」のエントリーにあったとおり、

当院のアトピー性皮膚炎に対する治療法はあまり他の病院では見られません。

 

その考え方のキモになるものが

「上塗り」

「下地」

「保湿」

という薬の使い分けです。

 

他の病院の多くは「湿疹」と「保湿」のみ使用しているでしょう。

しかし、アトピー性皮膚炎の”悪い皮膚”は赤い所だけでしょうか?じくじくする所だけでしょうか?

という疑問から始まった治療法です。

 

アトピー性皮膚炎では全身の皮膚に何らかのトラブルがあります。

その中で、特に症状の強いところが痒みを出していると考えてもいいでしょう。

逆に考えると、湿疹のない部分にはまったく何も無いわけではないのです。

したがって、湿疹か正常か、白か黒かという話ではないのだろう考えています。

つまり、

「何もない」のではなく、「症状が弱い湿疹がある」のです。

したがって、保湿では落ち着かない事になってしまうのです。

 

当院の「上塗り」は他の「湿疹」のお薬と一緒です。

当院の「保湿」は他の「保湿」のお薬と一緒です。

では、「下地」は?これは保湿剤に少しだけステロイドを加えたものです。

つまり、何もないように見える部分(先に述べたとおり、弱い湿疹が実はあるのです)

にも少しだけステロイドを塗ることでその部分もしっかりと抑えようという考え方です。

 

でも、何もない皮膚にステロイドを塗り続けるのは心配ですよね。

なので、下地は塗る回数で調整をしていきます。

症状が落ち着いていたら徐々に保湿剤に切り替えていくわけですね。

 

アトピー性皮膚炎の「湿疹がない」皮膚は、実は「ちょっとだけ湿疹がある」のです。

ただ、それが他のひどい部分の影に隠されているだけなのです。

ですので、その「ちょっとだけ」の湿疹に「ちょっとだけ」ステロイドを塗ってあげるのです。

ちょっとだけ (こどものとも絵本)

成育医療研究センター語?

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先日、近隣のお世話になっている小児科さんにうかがって、

先生とお話しする機会がありました。

 

旧国立小児病院時代から成育医療センターへの

歴史的な流れなど様々なお話を聞き、

そのなかで、

『上塗り』『下地』

という用語が、ポンと飛び出しました。

 

皆さん、意味がおわかりになるでしょうか?

 

 

これ、成育医療センター語なんだそうです。

旧国立小児病院時代から、

皮膚科のドクターと患者さんの間で

当たり前のように使われてきたコトバなんだそうです。

 

開院初日、診療補助についていたところ、

院長と顔見知りのアトピーの患者さんとのこんなやりとりがありました。

 

院長  『薬は足りてますか?』

患者さん『下地はまだあるんですけど、上塗りがもうないです。』

院長  『オッケー。じゃ、上塗りだけでいいね〜』

正直、聞いていた私には、何のことやら???

 

薬剤師として病院畑を10年歩いておりましたが、

過去勤務した4つの病院でも聞いたことがありませんでした。

 

今回、小児科の先生にうかがって、納得がいきました。

もちろん、初めての患者さんには、きちんと薬の説明、塗り方、

すべてご説明しますので心配いりません。

 

ですが、院長の口からポンとこのコトバが出たら・・・

ああ、成育語〜!と思って頂ければ幸いです(笑)