わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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夏の病気

手足口病が流行っています

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手足口病が流行っているようです。

東京都の感染症情報センターから、警報が出されました

ニュースにもなっているみたいですね。

 

当クリニックにも先週一人、今週一人患者さんが受診されました。

今年の手足口病の特徴をいくつか上げると・・・

 

1)全身の症状が強いこと

一般に手足口病といえば、その部分にしか症状が出ないという印象があります。

しかし、今年の手足口病の症状は全身にできることが特徴です。

体や手足に血豆みたいな水ぶくれがたくさん出来ます。

そして場合によってはそれが破れてじくじくすることもあります。

特にできやすいのはおしり、膝など。

もともとおしりは一般の手足口病でもできやすい部分ですが、今年のは特に数が多い印象があります。

また、痛みがあったり、痒みを感じることもあります。

逆に、手のひら、足のうらの発疹の数は少なく、症状も弱い印象があります。

手のひらに1個。足の裏に1個しか発疹が出ていないのに、体には100個以上も発疹が出ている。

果たしてこれを手足口病と呼んでいいのだろうか・・・と考えこんでしまいます。

 

2)治った後に爪が剥がれること

手足口病の原因ウイルスはいくつかあります。

今回は、その中でもある種のウイルスだろうと考えられています。

そのウイルスからの手足口病に感染すると、

症状が出てから数週間後に手や足の爪がポロリと剥がれることがあります。

痛みは無いので安心ですが、びっくりしますよね。

でも、この剥がれた爪は新しく再生することがほとんどのようですので、ご安心下さい。

 

 

夏は感染症の季節です。

手足口病の影に隠れていますが、水痘や伝染性紅斑で受診された方もいました。

また、まだ風疹も流行は続いているようです。

毎日、しっかりと石けんでの手洗い、うがいとプールのあとの目洗いもしっかりとしましょうね。

垢すりタオルと皮ふの不適切なカンケイ

ハンドブック消費者〈2010〉

垢すりタオルってありますよね。

ナイロンでざらざらしているタオルです。

 

あれ、あまり良くないんですよ。皮膚科的には。

ナイロンタオル皮膚炎もしくはナイロンタオル黒皮症という病名を聞いたことがあるでしょうか。

 

原因はナイロンタオルです。

ナイロンタオルのザラザラした感触は一見皮膚にいいように見えます。

また、ナイロンタオルで皮膚をこすっていると、垢がぼろぼろとれるので、なんとなくキレイになった印象を受けます。

 

でも、そのザラザラは皮膚には良くないのです。

ちょうど皮膚をおろし金でこすっているように、皮膚の表面には小さな目に見えない傷ができます。

また、刺激により目に見えない小さな湿疹が起こります。

また、垢は体を守るバリアの機能もあるので、垢を取り過ぎると皮膚のバリアは弱くなります。

そのため、皮膚に小さな炎症がずっと続くことになります。

 

その炎症が持続すると、黒い色が残ってしまい、その色は何年も続いてしまうことになります。

また、場合にとってはずっと湿疹が出続けることにもなるのです。

 

もう一つ、ナイロンタオルを使っていると皮膚に小さな傷ができます。

ナイロンタオルをずーっと浴室においておくとタオルがなかなか乾燥せず、そこに雑菌が繁殖します。

その雑菌はナイロンタオルに住み着き、皮膚についた小さな傷から皮膚の中に潜り込んで増殖します。

そして、毛穴に炎症を起こし、膿んでしまいます。

 

とまあ、あれやこれやでナイロンタオル(垢すりタオル)による皮膚のトラブルが起きるのです。

積極的に使う必要は無いと思いますよ。

その石けんボトルはいつ変えたの?

おれさま、ばいきんまん!―アンパンマンはじめまして

暑くなって来ました。(最近はこの文面ばっかり書いている気もしますが)

暑くなると細菌による感染症が増えてきます。

とびひは当然のこと、その他の皮膚の感染症も増えるのです。

特に子どもは汗をかきやすいので要注意。

何回もお風呂場に連れて行かねばなりません。

 

でも、そのお風呂場に感染症の原因が潜んでいること、知っていますか?

 

 

ジャグジー毛嚢炎という言葉があります。

優雅な病名ですね。

欧米では24時間ずーっと沸かしているお風呂で感染症が起きることがよくあります。

例えば、レジオネラ菌という名前を聞いたことがあるかもしれませんね。

これが、レジオネラ菌の嚢子が、熱に耐性を持つために感染を起こす病気です。

そのため、日本では循環式の浴場などでは塩素消毒をするように規定されています。

 

話が横にそれました。

ジャグジー毛嚢炎の原因の一つは緑膿菌です。

緑膿菌とは膿が時に緑色に見えることからついた名前ですが、白い膿からも検出されることがあるので、要注意。

 

この緑膿菌は結構消毒剤に耐性を持っています。石けんなどの界面活性剤にも抵抗するようです。

そのため、シャンプーや石けんのボトルの中に潜んでいることがあります。

緑膿菌が中で繁殖している石けんのボトルを使うことで、

皮膚の表面に石けんと一緒に緑膿菌が移植され、毛嚢炎を起こすようです。

 

では、対策はあるのか?

これは簡単。こまめにボトルを変えること。

また、ボトルが空になったらしっかりと乾かすこと。

これだけで防ぐことができます。

 

また、その緑膿菌は風呂場の中においてあるタオルの中でも繁殖するので要注意です。

ではタオルの話はまた今度しましょうか。

夏の夜の不思議な蕁麻疹

シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)

毎年、ジメジメして厚くなるとこの不思議な蕁麻疹のことが頭をよぎります。

 

一般に、蕁麻疹は風邪などの感染症にともなって出ることが多いのです。

しかし、治療として蕁麻疹を抑える抗ヒスタミン薬を飲めばすぐに落ち着くことが多いのです。

 

しかし、ごく稀に、抗ヒスタミン薬がまったく効かない蕁麻疹が出ることがあります。

蕁麻疹の次の治療はステロイドの内服ですが、これもまた効果なし。

むしろ、全身状態が悪くなり、蕁麻疹は強く出てしまいます。

どんどん治療をしても落ち着かず、更に蕁麻疹が広がってしまう‥‥‥

まさに夏の夜の悪夢です。

最初に子の病気の患者さんを診察したときは半分パニックになりながら病院内を駆けずり回っていた

記憶があります。

 

このような蕁麻疹を起こす人にはある特徴がありました。

熱があること。腹痛や咳などのはっきりとした強い感染症の症状があること。

血液検査をすると、白血球やCRPといった感染症の症状がめちゃくちゃ強いこと。

このような特徴があります。

 

では、蕁麻疹はどうすれば落ち着くのか?

実は抗生剤を飲ませることなのです。

抗生剤を飲んだらすーっと、それこそあっという間に引いてしまうのです。

翌日には蕁麻疹は完全に消えてしまい、けろりとして患者さんは家に帰ってしまいます。

 

この不思議な蕁麻疹。

名前を「感染性蕁麻疹」と言います。

普通の蕁麻疹に比べて感染症が明らかに表に出てます。

一説には病原菌に対するアレルギーが強く出たものだと考えられているようです。

感染症の原因は様々ですが、腹痛、下痢などの消化器感染によるものが多い印象を持ちます。

 

季節も限定しています。

毎年、6月から7月の梅雨の終わりから夏のはじめに見ることがほとんどですが、

たまに9月から10月の秋雨の頃にも見ることがあります。

つまり、忘れた頃にやってくる。

 

「夏の夜の夢」というにはあまり格好のいいものではありません。

おっさんが救急部の中やら病棟の中やら騒ぎまわっているわけですからね‥‥‥

美しくない?まさに、そのとおり。

意外にに知らない「あせも」の話

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梅雨も終わり、夏がやって来ました。

その途端、外来にはあせもの患者さんであふれるようになりました。

 

このあせも。一体何が皮膚の表面で起こっているのでしょうか。

 

実は汗疹の研究はほとんど進んでいません。

何故かはわかりません。

多分、汗疹で命を落とす人がいないからかもしれませんが。

一般的に目にすることの多い、皮膚科の病気の中でここ数十年ほとんど最も研究が進んでいないのが、

この汗疹と、しもやけでしょうねえ。

 

汗疹には2種類あります。

紅色汗疹と、水晶様汗疹です。

紅色汗疹は一般的なあせも。子どもに出来るのはほとんどがこの紅色汗疹です。

水晶様汗疹とは、高熱を出した後に、本当に汗が溜まった水ぶくれが皮膚の表面に出来る状態です。

中に汗の溜まった水疱がきらきらして見えるので、この病名になりました。

 

これに対して紅色汗疹がどうして起きるのかについてははっきりとした説明はほとんどありませんでした。

教科書にもはっきりとしたことは書いてなかったのです。

新しい話しが出てきたのは2006年の事です。

徳島大学とユニ‥チャームの合同研究グループがひとつの事実を発見しました。(メーカーHP

それは、汗疹の出来る所で表皮ブドウ球菌が異常に繁殖していることです。

つまり、紅色汗疹が出来るメカニズムは以下と考えられます。

 

1)局所皮膚の湿潤や温熱により、皮膚常在菌である表皮ブドウ球菌が異常に繁殖する。

2)表皮ブドウ球菌がリポ多糖を分泌する

3)リポ多糖が物理的に汗管を閉塞させる。

3′)リポ多糖に対し、皮膚表面で炎症反応を誘発する

4)そのため、赤いぶつぶつの汗疹が出現する。

 

したがって、汗疹の治療、

1)ステロイド外用剤←炎症反応を抑制する

2)抗生剤←表皮ブドウ球菌を抑制する

3)お酢←リポ多糖を破壊する

などはそれぞれ効果を発揮するのです。

 

ただし、この表皮ブドウ球菌は皮膚の表面に存在する細菌です。

つまり、シャワーで流すことは可能です。

何度もシャワーをあびることも立派な汗疹の予防策であり、治療です。

ぜひ、シャワーを上手に利用してみてくださいね。

いつまでも治らない虫さされ あるいは ブヨに注意

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ブヨ。

皮膚科医に取っては嫌な言葉です。

だって、刺されると手こずるんですよ。しかも治らないんだもの。

 

なぜ、ブヨに噛まれると症状が長引くのか?

実は完全にはわからないのです。

ただひとつ言えるのはブヨは皮膚を「刺す」のではなく皮膚を「噛みちぎる」から。

そのために悪化する可能性があります。

 

ブヨの刺し傷の特徴は今述べたように噛みちぎること。かゆみが強いこと。

そのために皮膚の反応は他の虫さされと異なる様子を見せます。

 

まず、皮膚は一部なくなりますので、それをなおすためにかさぶたを作ります。

また、なくなった部分から血液や組織液(いわゆる「つゆ」)が出てきます。

実は組織液や血液の中には痒みを強く感じさせる成分が含まれていることがわかっています。

また、かさぶたも一般的に痒みを感じることがありますよね。

そのためかもしれませんが、皮膚の下のかゆみを感じる神経が「過敏」になっているようです。

 

そのせいで、ブヨに刺されるととてもかゆくなってしまいます。

結果として皮膚は刺されたところを中心に固く盛り上がってしまい、

治療を続けても全然良くならなくなってしまうのです。

これを「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」と呼んでいます。

 

ここまで進んでしまうと、治療は大変です。

ステロイドの塗り薬を数ヶ月ずっと塗る必要があります。

副作用が出て、毛が生えてくることもありますが、やむを得ません。

(治療をやめれば毛は抜けるので心配しないで下さい)

でも、治療をしないと、数年間も持続してしまいますから、仕方が無いのです。

 

以上、ブヨに刺された時にいかに大変かお話しましたが、

同じようなことはずーっと引っ掻かれた皮膚ではすべて起こりうることなのです。

なので、引っかかないことが大事なのです。

引っかかないほうが早く虫さされは治りますよ。

虫さされの治療のお話

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以前に虫さされの話をしておいて、治療の話をしていなかったのをすっかりと忘れていました。 m(-_-)mゴメンナサイ

今回は治療の話をして行きましょう。

 

前回の記事のとおり、虫さされの反応、は毒に対する化学的反応とアレルギー反応の混ざったものです。

この反応は、正直無くても構わないものです。

毒と言っても、日常刺される虫からの毒の量はごく微量であり、生命に危険を及ぼすものでは無いこと。

(厳密には注意する虫もいくつかありますが、普通に生活している限り出会うことはまずないでしょう)

また、毒自体は体の中でいずれ中和され無毒化されること。

アレルギー反応も本来必要とされる強さよりも強く出現しすぎていること。

などから、利点よりも欠点の多い反応と考えます。

 

したがって、中途半端に痒いのを我慢するよりは病院で薬を処方して貰った方が良いのでは無いでしょうか。

薬もしっかりとステロイドをもらって構わないと思います。

 

ステロイドの塗り薬は副作用を心配する方も多いのですが、虫さされの治療についてはステロイドの副作用はは殆ど無視出来るものです。

なぜなら、虫さされの反応は数日で引いてしまうので、物理的に大量、長期間使わないからです。

また、同じ所を何度もさされる可能性は少ないですから、同じ皮膚にずーっと塗り続けるないからなのです。

(ステロイドの塗り薬の影響は、薬の強さと塗布量、塗布期間をその場その場の皮膚が反応することによって決まります)

 

では、薬局で購入する薬や市販薬(OTC)はどうか。

私は一時しのぎにはなりますが、根本的な治療にはなかなか結びつかないと考えています。

まず、OTCの炎症を抑える力は処方されるステロイドの塗り薬より弱いです。

では、OTCを塗ることで痒みはなぜ抑えられるのかというと、麻酔薬で神経の反応を抑えているからなのです。

したがって虫さされによる炎症はそのまま残っている状態です。

もちろん、炎症は自然に落ち着いてきますが、その時間はステロイド塗った時よりもとても長くなってしまいます。

したがって、症状が引くのに時間がかかるのです。

 

つまり、虫さされは

アレルギー反応→炎症→痒み

という症状が出るわけですが、

ステロイドはアレルギー反応そのものを抑える。

OTCは痒みを抑えるが、アレルギー反応は残ってしまう。

という違いが、効き目となって現れるのです。

 

もう一点、OTCをあまりおすすめしない理由ですが、

いくつかの商品では、薬を塗るところがギザギザ、トゲトゲしているものがあります。

これは絶対にオススメ出来ません。  乂(´Д`;)

ひっかくという行動は虫さされには絶対に良くないのです。

 

では、ひっかくのはなぜダメなのか。

このお話はまた今度しましょうか。

おむつをいつ外すべきかは子ども自身が知っています。

暖かくなって来ました。

夜も、そろそろ寝苦しくなるくらい。

大人が寝苦しくなり、朝にシャワーを浴びたくなる頃はおむつを外すには調度良い季節です。

では、子どものおむつを外すべきサインはどのような物があるでしょうか。

皮膚科医編おむつはずしサインの確認の仕方です。

 

当然、子ども自身に聞いてもよくわからないでしょう。

しかし、その子のひふを見ると、「外そうよ」のサインがすでに出ていることがあります。

 

診察をしていると、2歳を過ぎてからは赤ちゃんの時と比べて

おむつトラブルの場所が変わって来ることに気が付きます。

赤ちゃんの時は以前の記事のとおり、外性器から肛門のまわりにかけて最もよく見られます。

しかし、2歳を過ぎると、おしりと(特に腰の)おむつギャザーの部分のトラブルが増えるようです。

また、形態も単純なかぶれと言うよりもアセモに近いような状態になるようです。

 

これは何を意味するのか?

一つ目は動きが活発になってきたためにおむつギャザー部分で皮膚がこすれてしまうのです。

そのため腰やふともものおむつのギャザー部分に痒みが出てしまい、

「手を入れてもぞもぞ」という行動が出てきます。

二つ目は、年齢があがることでおむつの中の体積も増え、同時におむつの吸収体の体積も増えますので、

ちょっとおしっこをしただけでは、おしっこが漏れる事がなくなります。

しかし、おむつの中はおしっこを1回するだけで湿度は100%になってしまい、

その湿度を原因としてアセモのような湿疹を作ってしまいます。

おもに腰のギャザーの部分から殿丘(おしりのほっぺ)部分にできることになります。

 

具体的に検証したわけではありませんが、二歳を過ぎるとこのような湿疹が増えるようです。

そうしたら外そうねのサインだと私は考えます。

しっかりとトイレに生き、おしっこやうんちをすること。

そして、おむつをしっかりと外すこと。

これは親としてのお仕事ですね。

大きくなってもずっとおむつでは居られませんから。

紫外線が皮膚へ及ぼす影響が目に見える

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元記事はこちら

 

紫外線は皮膚に良くないという話は現在は常識とも言えるでしょう。

でも、具体的に紫外線を浴びた皮膚と浴びない皮膚の違いはどのくらいあるのでしょうか。

人間の部位によって、皮膚の状態には違いがあるので、腕と手、顔と首で比較してもよくわかりませんね。

では、左右のどちらか半分だけ紫外線を浴びるとどうなるのか?

そんな実験は人道的に出来ませんよね。

 

 

写真の人はアメリカ人のトラックの運転手です。

窓の外から光が入ってきたのでしょう。

一部のみシワが深くなっています。紫外線の影響と考えられます。

太陽は人間には優しくなど無いのです。

蚊アレルギーはアレルギーではありません??

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昨日に引き続き、虫さされのお話です。

 

外来で虫さされの診察をしていると聞かれるのが

「蚊アレルギーではありませんか?」という話です。

皆さん、インターネットで調べてくる方も多く、心配そうに聞かれることが時にあるのです。

 

さて、この蚊アレルギーとは一体なんの話でしょうか。

アレルギーでは無いとはどういったことでしょうか?

 

一般の虫さされの反応はアレルギー反応が主体です。

虫が人体をさした時、その虫から注入される唾液成分や

(蚊は刺すときに、血液が固まらなくなるタンパク質を一緒に注入しているのです)

口器のタンパク質に対するアレルギー反応と

注入された化学物質に起因する反応が混在して皮膚に対する反応を形成します。

何度も刺されると反応しなくなることがあるのはまさにアレルギー反応なのです。(減感作と言います。聞いたことありませんか?)

 

対して、蚊アレルギー(正式には蚊刺過敏症)は感染症なのです。

慢性活動性EBウイルス感染症という、ある種のウイルスの感染により、引き起こされる症状です。

EBウイルスが免疫を司る細胞に感染したために、おかしくなってしまい、

蚊に刺された時に激烈な反応を起こしてしまうのです。

ただ、ウイルス感染が原因であることが発見される前に、蚊に対する強いアレルギー反応という皮膚の症状が目立ったために

蚊アレルギーという病名が先に出てきてしまったのです。

 

では、一般の虫刺されと、蚊アレルギーの違いはどこにあるのか?

これは症状の強さで決まってきます。

一般の虫さされは水ぶくれまで。

蚊アレルギーの場合は、皮膚がぼっこりとえぐれるくらい、反応が強くなります。

また、発熱やだるさなどの全身の症状が出てきます。

 

これなら、判断は簡単?

いえいえ。そう簡単には行きません。

ブヨに刺されると、えぐれたように見えることもありますし。

(ブヨは厳密には「刺す」のではなく「かみちぎって」います。また、痒みも強いので、かきむしってえぐってしまうのです)

虫さされに細菌感染を併発すると発熱やだるさが出ることもあります。

また、実はダニに刺されいてその後にツツガムシ病や日本紅斑熱といった病気になることもあり、

診断をするのは非常に難しいのです。

もちろん、迷った時には専門の先生に見てもらいますが。

 

 

99%以上の方は蚊アレルギーでは無い、虫さされです。

しかし、ごく僅かですが、蚊アレルギーの方もいますので、

もしも虫さされの後が心配であれば一度診察を受けてみて下さい。

違うなら違うで安心ですし、

症状に応じて専門の先生に診てもらうことも可能です。

一度ご相談下さい。