わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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アトピー性皮膚炎と温泉のお話

年末です。皆様はどこでこの年末をお過ごしでしょうか。

私は相変わらず仕事をしています。統計などをとっているので、時間があれば皆様にお目にかけることもできるかとは思いますが。

 

さて、年末の診察をしていると、よく旅行の話が出てきます。

この中でも、よく聞かれる事は温泉のお話。

特にアトピー性皮膚炎や乾燥肌の子の温泉のお話です。

今回はそんなお話をしていきましょう。

 

だたし、気をつけていただきたいのは小さい子と大人ではだいぶ話が変わるということです。

つまり、成人の場合は、リラックス効果や温度に対する鈍感さがあり、温泉がアトピー性皮膚炎の治療に

有効になることもあるのです。

ですので、あくまでも今回は小さな子の温泉のお話とお考えください。

 

さて、子どもが温泉に行っていいのか?これは別に問題ないでしょう。

ただし、気をつけて欲しいのは、小さな子は温泉に行っても別にリラックスすることはありません。

息抜きして、のんびりするということはあまり期待できないでしょうね。

自分をふりかえってみても、温泉地の旅館でのんびりは退屈だった記憶が有りますし。

 

問題は温泉に入ること。これは条件付きです。

まず、確認すべきは泉質です。これはしっかりと確認して下さい。

まず、硫黄系。これは皮脂をとってしまいます。

「ニキビを、乾燥して、なおしマース」というCMを昔、目にしたかもしれませんが、あれも硫黄系ですね。

このように、硫黄分は皮膚を乾燥させてしまいます。

 

ついでアルカリ系。特に「美人の湯」などと言われているものは注意が必要です。

なぜ、「美人」なのか?これは皮膚の表面がつるつる・ぬるぬるするからなのですが、

このぬるぬるの理由は皮膚の角質が溶けているからです。

つまり、弱くはありますが、ケミカルピーリングをしていると考えてもよいでしょう。

逆にいえば、皮膚のバリアを落とす行為です。

もともと皮膚のバリアが弱い子では更に症状を悪化させる可能性があります。

 

海水系はまだよいかもしれませんが、一般に浸透圧が高いのが特徴です。

したがって、湿疹やかきこわしがあるとしみる可能性があります。

また、塩分をよく取らないと、皮膚に付着した塩分により、湿疹が悪化する可能性もあるでしょう。

大深度地下水は逆にそんなに問題と捉える必要はなさそうです。なにせ井戸水ですからね。
(あ、もちろん海のそばでは海水を汲んでいるところもありますから確認はするべきです)

 

もう一つの問題は湯温です。

一般に温泉の温度は高めです。たまに、入れないこともあるくらいです。

また、子どもは体積は無いためにすぐに体温が上がってしまいます。

これが問題。体内深部の体温が上がると痒みが強くなってしまいます。

また深部体温はなかなか下がってくれません。

なので、いつまでも、「ほっこり」してしまうのです。

大人にとっては「きもちのいい」ほっこりさですが、子どもにとってはかなりつらいものがあります。

そして、引っ掻いてしまうのです。

 

このように子どもを温泉に入れるということはいくつかのリスクが存在しています。

最終的に実際に入ってみて/入れてみて、症状が悪くなるかどうかを見るしか無いでしょう。

ただし、心配でしたらお部屋備え付けのお風呂に入れてあげてください。

 

最後に家族で温泉に行くことが、子どもの乾燥肌の治療になるかということですが、

多くの場合は良い方向に行くと思います。

 

理由はいくつかあります。

まず、アレルゲンの暴露。温泉旅館と自宅ではアレルゲンの質と量が異なります。

特にダニについてはずいぶん異なります。

室内の環境アレルゲンに暴露されることで湿疹が落ち着かないような子は別の土地にいくと

良くなることがあります。転地療法という言葉もあるくらいですからん。

 

ついで、「ゆっくりできること」。これは本人にとっても家族にとっても良いことです。

特に母親は家事から開放されてのんびりと過ごすことができます。ストレスも多くの場合減るでしょう。

スキンケアを行う人のストレスも、病気に結構関係します。

ゆったりとした気持ちで、ゆっくりと薬を塗ってもらうだけでもずいぶん効果は変わってくるでしょう。

もちろん、本人も何かに追われることなく、生活することができますから、これだけでも違います。

自分でスキンケアを行う時間もきっと出来るでしょう

 

ということで「温泉地に行くこと」はアトピー性皮膚炎の子にとっては決して悪いことではありません。

ただし、「温泉」そのものには気をつけて。

 

ということで、今年のお話はこれで最後です。

では、また来年です。

 

ではでは。

アトピー性皮膚炎ですが、水泳教室に通わせてもいいですか?

という質問をときに聞くのですが、

答えは

「まずはやってみましょう。ダメならその時考えましょう」

になります。

なぜか、そこについて解説していきます。

 

アトピー性皮膚炎、別にスポーツをやってダメというわけではありません。

ただ状況によって湿疹が悪化することが有るというだけの話なのです。

悪化要因は人によって異なります。

その悪化要因とスポーツとの相性になってくるんですね。

なので、それを事前に判断することは正直むずかしいのですよ。

 

したがって、結果として

・まずやってみる

それで問題なければ継続する

ダメなら対応を考える。

色々対応してそれでもダメなら中断する

という流れになることが多いですね。

 

ただ今までの経験からするとダメでしたというケースは非常に少ないのです。

だから、本人がなにかしたいというのであれば、まずやらせてみていいと思うんですよね。

 

まあ、走りながら考えましょうの精神で進めていくのが良いんじゃないでしょうかねえ。

大きくなる頃にはアトピーの治療がもっと進歩して問題なくなっている可能性もありますしねえ。

 

というお話でした。

アトピー性皮膚炎が落ち着いてくる気候だった(2019年7月)

先月末から今月にかけて、小さな子のアトピー性皮膚炎は

軒並み改善を見せています。

この現象、昨年までには見たことがありませんでした。

・・・ということは、今年のこのうっとおしい天候が

湿疹を抑え込む要因になっているような印象があります。

 

小さな子のアトピー性皮膚炎は気象に関連する病気です。

その中でも特に湿度に依存する傾向があります。

湿度の下がる冬には明らかに患者さんの数が増え、

症状が強くなる傾向があります。

では、逆に湿度が極端に高くなったら?

そうですね。乾燥が改善するために

アトピー性皮膚炎の症状がよくなってくる。

ということが理論的に考えることができます。

 

実際、ここ数週間の平均湿度は100%近辺をウロウロするという

例年以上に高い傾向がありました。

そのために湿疹もきっと落ち着いてきたのです。

 

ということで非常にいい季節になっていたんだなと。

 

 

残念ながら年長児には改善傾向が少なかったようです。

多分年齢が上がってくると乾燥のために湿疹ができるというよりも

汗やホコリなどの刺激が原因になっているからなのでしょう。

むう。

 

アトピー性皮膚炎 成育式塗り方についてのご案内

塗り薬の使い方

 

当院でアトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹、乾燥肌の治療をされている患者さんも

おかげさまで徐々に増えてきました。

でも、塗り薬の使い方で戸惑われている方も多いようです。

今回は「わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル」の勉強会の中から

塗り薬の使い方について簡単にお話をしていきたいと思います。

もしも詳しいお話を聞いてみたい方は勉強会にご参加くださいね。

 

当院のお薬の塗り方はいわゆる成育方式を取っています。

他の病院とは少し違う塗り方をしています。

その理由についてお話をしていきましょう。

 

まず、そもそものアトピー性皮膚炎についてですが、こちらは体質と周囲の環境が影響します。

つまり、家族にアトピー性皮膚炎の方がいると発症しやすい。

皮膚のバリアを司る遺伝子に問題があれば発症しやすい。

ということもご存知の方は多いでしょう。

また、周囲の環境との関連についても、冬になると乾燥するという話があるのも理解できるのではないでしょうか。

 

遺伝子も全身の皮膚に影響しますし、環境も全身の皮膚に影響するのです。

そして、全身の中で刺激を受けた部分に湿疹ができるのだと考えられます。

 

ということは・・・

何もない皮膚に湿疹ができてくるのではなく、弱い湿疹が出ている皮膚の一部に強い湿疹ができる。

ということになります。

実は乾燥し、粉を吹いている状態で既に顕微鏡では湿疹ができ始めていることが知られています。

 

そうなると、治療方法も変わります。

何もない皮膚に湿疹が出来るのでしたら「保湿剤+ステロイド」で十分でしょう。

しかし、弱い湿疹に強い湿疹ができているわけですから、保湿剤では不十分です。

実際に薬を塗るのをやめると、すぐに湿疹が出来てしまうのもそういうわけです。

つまり、「弱いステロイド+強いステロイド」という形で塗り薬を使っていく必要があるのです。

 

当院ではこの「弱いステロイド+強いステロイド」を「下地+上塗り」と呼んで使っていくのです。

もちろん症状が落ち着いている子には保湿剤も使いますが。

 

次のお話は下地と保湿の使わいわけのお話です。

 

 

アトピーは秋に2回悪化する?

今回はアトピー性皮膚炎のお話。

その中でも学生さん以下の年齢のお話になりますかねえ?

 

秋のアトピー性皮膚炎。

季節の変わり目にはアトピーは悪化しやすいと言うお話はよく耳にするかと思います。

ただ、秋に関しては悪化のポイントは2つ有るのですよ。

簡単に説明をしていきましょう。

 

一つは気候変動によるものです。

大体9月終わりから10月にかけてですが、気温が下がるとともに湿度が徐々に下がります。

そのため乾燥が強くなり、アトピーが悪化します。

一般的に言われる秋のアトピー悪化というのはこのことを指すことが多いです。

対応としてはしっかりと保湿をすること、保湿剤そのものを夏用から冬用に切り替えることでしょうね。

 

ただ、秋の悪化にはもう一つあります。

こちらは先の気象条件とは異なる社会的なものです。

つまり、9月1日。

いわゆる夏休みの終わりですね。

もっとも最近の学校は8月中に2学期が始まるところも多いので、

以前よりは幅が出ますが、夏休みの終わりから学校の始まりにかけては

悪化するパターンが多いようです。

こちらの原因は実は難しく、いろいろな要因が考えられます。

一つはスキンケアの低下。

夏休み中に毎日シャワーをしていた子が2学期になって止めてしまう。

ということも往々にしてあります。

そのために悪化する可能性があります。

あとは、睡眠不足やストレスですね。

夏休みの宿題の仕上げだったり学校の準備だったり。

睡眠時間は短くかつ不規則になる子も多いでしょう。

学校に行くこと自体がストレスになる子もいるでしょうし、

心理的な障壁がなくとも生活習慣が変わりますからそれはストレスになります。

そのために湿疹が悪化するということもあります。

最後、受診できない問題ですね。

忙しく、やることがおおい新学期当初は物理的に時間が取れないとか、

保護者側もバタバタするために受診がなかなかできないということになりがちです。

そのために薬がなくなってもそのままになってしまう。

という問題が発生し、結果的に治療強度が下がるから湿疹が悪化するということになります。

 

そういったわけで、空気の乾燥の時期は要注意ですが、

夏休みの終わりから二学期の始まりは子どもたちのアトピーにも負荷がかかりますので、

要注意ということになるのです。

 

秋も少しずつ顔を出してきた気候ではありますが、しっかりとケアは続けていきたいところです。

アトピーの治療薬のせいで汗をかく?

今回はアトピー性皮膚炎のお話です。

 

 

アトピーの全身治療薬を行っている方からときに聞くのですが、

「最近汗の出が強くなったのですが、それは薬の副作用ですか?」

これ、薬のせいではなく、アトピーが良くなった結果として出てくるのです。

 

そもそもアトピー性皮膚炎では汗の出方に異常が出ることが知られています。

量も少なくなりますし、場合によっては質にも影響しているかもしれません。

アトピーが皮膚の炎症である以上、皮膚に存在する汗の管も影響を受けるわけです。

その異常が全身治療薬のために解除されたらどうなるか?

汗の出方は正常に戻るのですが、例えば生まれてからずっとアトピーだった方は

本来の皮膚の汗の出方を経験したことがありません。

そのため、今までよりも全然多くの汗が出るということでびっくりしてしまうわけです。

実際には普通に戻っただけなのですが。

 

まあそれだけ全身治療薬の効果があるということでありがたい話ではありますが、

一気に汗が出る側からするとそれはびっくりしますよねというお話でもあるのです。

アトピーの全身療法では転院時に必要な情報が有るのです

今回はアトピー性皮膚炎のお話です。

 

アトピー性皮膚炎の全身療法が始まって6年が経過しました。

現在では多くの方が治療を行っていると考えられます。

適応も生後6ヶ月まで広がっているので子どもたちでも治療中の子は多いです。

 

そこで問題になってくるのが引っ越しです。

引っ越しにより、医療機関を変える必要があるというのは仕方が内面では有るのですが、

そのときに、前の医療機関から情報を引き継ぐ必要があるんですね。

 

アトピー性皮膚炎の全身療法を行うにはいくつかの条件が実はついています。

湿疹の面積の広さ、症状の強さを数字にするのですが、それがいくつ以上という形で

条件設定がされています。

ただ、その数字って、調子が良くなると下回ってしまうことがほとんどの例で有るのです。

そうすると引越し先の医療機関で最初に皮膚を見ると該当しない。

という残念な結果になってしまうのです。

そこで大事になるのは前医のデータ。初診時つまり一番悪いときの

数値データが必要になるのです。

そのデータを使用して全身療法を継続することができるのです。

これ、大事なお話です。

 

なお、その数字がなにかに付いては処方している医師は把握していますので、

引っ越しのお話と同時にデータをほしいといえば、

紹介状にして記載してくれると思います。

できれば数日の余裕を持って、一度皮膚科に相談していただくとよいかと思います。

 

 

引っ越しのときの作業は膨大なものでは有るのですが、

アトピー性皮膚炎の紹介状に関しては、全身療法を行っている方は

必ず用意してもらってください。

スムーズな治療を継続するために最初に一手間かけるのが大事です。

アタマジラミを見つけた時はまず家族全員の髪の中をチェックしましょう

アタマジラミの患者さんは相変わらずぽつぽつと受診されます。

スミスリンシャンプーも在庫が少なくなったので、追加で発注しました。

来週には届くでしょう。

 

さて、アタマジラミですが、以前にお話したように、シラミに対するアレルギーが生じるために頭が痒くなります。

痒くなってきて、髪の毛を見て、初めてシラミと気づくこともあるかと思います。

家族の誰かがシラミになっているのに気がついた時にまず行うべきこと。

それは家族全員の頭のチェックです。

痒くない→シラミがいない

ではありません。シラミが頭皮に存在しているにもかかわらず、アレルギー反応は起こっていないために

痒くないということもたくさんあるのです。

診察していると、特に子どもからお母さんに移っている確率が非常に高いです。

 

ですので、まず、家族全員髪の毛のなかまでしっかりとシラミをチェックしましょう。

これ、大事です。

 

 

・・・お父さんにアタマジラミが伝染っている例はほとんどありません。

お父さんは家にあまりいないのでしょうか。また、子どもとあまり遊ぶ時間が無いのでしょうか。

がんばれ、お父さん!

あたまじらみの見つけ方

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アタマジラミの話を続けましょう。

 

アタマジラミを見つけるにはどうするか?

これはまず疑って頭を見るところから始まります。

かゆみはしらみはしばらく血を吸わないと出てきません。

これは、痒みの原因はシラミが血を吸う時に吐き出す唾液の成分に対するアレルギーだからです。

何度も言うように、かゆいのとシラミがいるのはイコールではありません。

シラミがいてもしばらくは痒くないですし、

逆に薬を塗っても同じく痒くなくなります。

 

さて、話がずれました。

シラミの見つけ方ですが、虫そのものは非常に見えにくいです。

たまに虫を捕まえて持ってくる豪の者もいますが・・・

見つけるのは卵です。

 

シラミの卵は半透明です。

正確には中に虫が言えれば茶色っぽく見えますが、

遠目には半透明から銀色にみえます。

また、キラキラして見えることも有ります。

場所は後頭部から側頭部に多いです。

前の方にはあまりいません。何故かはよくわかっていませんが。

 

もう少し近づいてみると、シラミの卵の特徴が見えてきます。

それは、髪の毛の片側にへばりついていることです。

なので、髪の毛と卵とのバランスが悪く見えます。

このことは他の原因と区別する上で非常に重要です。

紛らわしい物にフケとヘアーキャストがあります。

フケはそれこそ、吹けば飛ぶので区別はすぐに付きますが、

ヘアーキャストは吹いても飛びません。

そもそも、ヘアーキャストもフケの一種なのですが、

毛穴1周分のフケがひとかたまりになっているので、髪の毛を輪のように取り囲んでいるのです。

なので、吹いても飛ばないのです。

でも、シラミの卵は髪の毛の片側。ヘアーキャストは髪の毛全周なので、

区別出来るのです。

 

シラミの卵の見分け方の最後は、引っ張ってみることです。

フケもヘアーキャストも引っ張ると抜けてきます。

しかし、シラミの卵は髪の毛にこびりついているので、軽く引っ張ったくらいでは取れません。

なので、最後に引っ張ってみるのです。

 

肉眼であたりをつけたら、次に拡大鏡でチェックします。

虫眼鏡でも構いません。クリニックではダーモスコープを使っています。

すると、卵がしっかりと見えるのです。

本当に区別するときには顕微鏡で確認することも有ります。

 

これで、診断は終了。次はシラミの治療の話をしていきましょう。

最初の写真は何かって?シラミの卵はこんなふうに張り付いていますよという絵なのですが、

わかりにくい?・・・ごめん。

あたまじらみの治し方

さて、最後は治療のお話をしていきましょう。

 

シラミの診断がされました。卵も見つけました。

では、どうするか?

スミスリンと言う薬が有ります。

でも、あくまでも薬は補助療法なのです。

 

なぜか?

最近薬の効かないシラミが増えているからなのです。

ですので、あまり頼りすぎても行けない。

では、どうするのか?

髪の毛を切ってしまいましょう。

極端に言えば、まるこめにすることでしらみは確実にいなくなるのです。

つまり、しらみの成虫は髪の毛の中に隠れます。

卵は髪の毛に植えつけます。

したがって、その髪の毛がなくなってしまえば、シラミの生活する場所も、産卵する場所もなくなってしまうのです。

これって、非常に合理的な治療だと思いません?

 

まあ、でも、外来では男の子はともかく女の子は丸坊主には出来ません。

次に行うことは髪の毛をかき分けかき分け、卵を探すことです。

卵を見つけたらその卵が付いている髪の毛をぱちりと根本から切り取ってください。

切った髪の毛はトイレットペーパーにくるんでトイレにポイしてください。

 

髪の毛についた卵は放置する先生もいますが、

私は取るべきと考えています。

それは、新しく植えつけた卵があるかどうかが治療効果の目安になるからです。

髪の毛についた卵を放置しておくと、それが新たに植え付けられたものか否かを判断できませんので、

治療の効果も判定できません。

なので、中に虫がいるかいないかわからなくても毎日卵が有るか確認し、

必要なら髪の毛を切ってあげたほうが良いでしょう。

 

髪の毛を切りたくない人は目の細かいクシを使って髪の毛を空いてあげてください。

もしもクシの歯に卵が引っかかったら髪の毛をゆっくりとひっぱり、卵を取り除いてください。

じつは、これは昔から有るクシの方が向いています。

最近のクシは目が荒いので、卵をうまく捕まえることが出来ないのです。

スミスリンシャンプーにもクシはついています。可愛くないですが。

 

薬は現在はスミスリンしかありません。

少し前までγBHCという物もありましたが、環境ホルモンに当たるということで

現在は使用が禁止されています。

ワセリンをベッタリと髪の毛につけ、シラミの成虫を呼吸不可能にする方法もあるようですが、

ベタベタしますしね・・・

 

こうしてみると、昔の人の生活にもある面では非常に合理的だという気もします。

子どもは丸坊主。

大人の女の人はクシで髪をすき、

大人の男の人はまげを結う時に沢山の油を使う。

実はこれは合理的なシラミ対策なのでしょう。

 

ボサボサ頭の浪人が頭をぼりぼり引っ掻いている時には

その頭にはシラミがきっと付いているのでしょう。

そのように考えると、時代劇を見るのもなんだか楽しくなってきますよね。

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