わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

ブログ

手足口病、爪の変化が出てきました(2024年8月)

今回も手足口病のお話です。

 

先月にも簡単に説明しましたが、手足口病の今年の流行は爪に影響が出るパターンのようです。

実際に外来でもそのようなケースに遭遇してきました。

 

手足口病はいくつかの種類のウイルスが原因となり発生します。

その中でもコクサッキーA6型を原因とする手足口病は、発生してしばらく立った後に

爪に影響が出ることが以前から知られていました。

またコクサッキーA6型手足口病はその他にもいくつかの特徴が知られています。

 

そして、今年の手足口病はどうもこのコクサッキーA6が原因ではないかと症状から考えられてきました。

そうすると一つのポイントとして爪の脱落が起きるのかということになります。

この反応は感染してからしばらく立って、概ね1ヶ月ぐらい経過して出現するのですが、

最近の外来でこのような変化が出た方が出現してきましたよ。というお話です。

 

つまり、予想の通りのウイルスの感染が原因となるわけです。

 

 

ではこの爪の変化はどのようなことが起きるのか?

まず、爪の一部が浮いてきます。爪の中途から丸い形の白く濁った爪が出てきます。

実はこれは爪が皮膚にくっつかずに浮いている様子を反映しているんですね。

また、爪の根元が同様に白く濁って浮いてくることもみられます。

こちらは同じ反応が爪の根元で起こっている様子。

そして、それが爪の伸びと伴い、かぱかぱ浮いてきます。

途中で浮いた爪は側面まで浮いている状態が拡大し、どちらかの端だけで爪がくっついているようになりますし、

根本が浮いた爪は、先端部だけでくっついているように見えます。

そして最後に爪を何処かに引っ掛けた拍子にポロリと落ちる。

という流れで症状が出てきます。

 

その後は、何事もなかったかのように新しい爪が生えてくることがほとんどなので心配はいらないのですが、

爪がポロッと行ったらそりゃあびっくりしますよねえ。

 

 

対応は…残念ながらありません。

一度浮いた爪がもとに戻ることはありません。なので、剥がれるのを待つ形になります。

なので、どれだけ良い状況で剥がれるかという状況になります。

浮いている爪を引っ掛けて剥がして出血するというのが一番良くないパターンですので、

引っかからないようにあらかじめ爪を切って整形して引っ掛けないようにすることもよくあります。

あとは段差をジェルネイルで埋めるとかですかねえ…

 

コクサッキーA6型の手足口病はこのように終わってからしばらく立ってから爪の症状が出てくるので

いやらしいんですよねえ…

今年は注意が必要ですね。

という話でした

 

手足のウイルス性発疹。まだ続いています(2017年1月-3月)

昨年秋にも記事にしたかな?

乳児から幼児期の手足のウイルス性発疹ですが、

まだぼちぼち続いています。

受診者も週に1名くらいはまだ居ますね。

 

症状は、手のひら、足の裏、耳の赤みとむくみ。

3箇所全部に症状が出ることもあれば、12箇所のみのこともあります。

症状も痒かったり痒くなかったり。

 

まず赤い点で出てきます。

それが数を増やし、繋がって赤い面になります。

その時にはパンパンに皮膚もむくむことが多い様子。

その後1週間程度経過してから、徐々に皮が一枚剥がれてきます。

更に1週間経過するとしわしわの皮膚になり、

徐々になくなっていく。経過としては概ね1ヶ月位ですかねえ。

 

近くの先生では診断が付かず受診される方も居ます。

 

この原因はウイルス。でも感染はしません。

というのも、感染していたのは多分23週間前だからです。

半分くらいかな?胃腸炎や風邪を引いていたというお話がありました。

たぶんそのウイルスの「かけら」が悪さをしていると考えられます。

 

かゆみがでる子には結構なかゆみのこともありますが、

ステロイドの塗り薬を使うことによって、

ある程度症状を抑えることができますし、

みんな時間とともに引いてきますので、心配しないでくださいね。

手足に発疹ができる子が増えています。何で?(2020年3月28日)

先週ぽつりぽつりと受診されました。

今週は明らかに増えています。

なんででしょう?

 

手足の発疹を呈する子が増えてきました。

 

症状は今までに何度も書いたとおり、

手のひらや足の裏がむくんで全体的に赤くなる子、

手足の指の間にぶつぶつができる子、

スネや腕にぶつぶつができる子。

などです。

 

一般的に今までの話だとウイルス感染症で起きるものですと話をしているのですが、

今回のこの手洗いしまくり、消毒しまくりの状況で、

一般的なウイルス感染症が激減しているのがわかっています。

 

なぜでしょうか?

感染症以外の要因はあるのでしょうか?

全くわかりませんが、とりあえず増えているみたいですので、

患者さんの数がどのように変化していくのかを確認したいと思います。

うーん、不思議だ。

 

 

追記

過去の同様の記事の閲覧数を見ると、年始頃からなんとなく閲覧数が増えているみたいです。

しばらく前からのことなのかなあ。

手足に無いのに手足口病 流行っています(2016年10月)

vzv%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%b9

ここ数日ですが、手足口病で受診される患者さんが一気に増えてきた印象があります。

 

特徴的なのは、手のひら・足の裏に症状は無い人がいること。

口の中にも無いという、手足口病の概念に挑戦するような発疹で出る子もいます。

 

なんでそれで診断できるのかって?

実は手足口病にはそれ以外の部分にも発疹ができることが有るのです。

 

で、今回の病気は、手足口以外の発疹が非常によく似ているんです。

 

だから手足口になくても手足口病。

と診断することができるのです。

 

 

そう言えば、数年前にもそんな手足口病が流行しましたね。

そのときには数週間してから爪が取れる人が何人も出来ました。

今回も同様の事が起きるかもしれません。

 

もしも不思議な発疹が出てきたら

一度見てもらったほうが良いですね。

 

 

手足が赤くなる、ウイルス性発疹が流行しています(2018年9月)

ここ最近のお話ですが、

どうも手足が赤くなるウイルス性発疹症が流行しているようです。

 

今回のウイルスのパターンは赤みです。

手のひら、足の裏が全体的に真っ赤っ赤になり、全体的にむくんだ形になります。

耳たぶも左右同様に赤みとむくみが出てきます。

 

経過は過去の例をもとに考えると概ね3週間から1ヶ月位です。

1週目:赤くなり、腫れた状態になる

2週目:赤みは改善。腫れも改善する。

3週目:赤みは消失するは皮膚がガサガサ、しわしわになる。

4週目:しわしわも消失する。

という流れを取ることが多いようです。

 

今回もそんな形でのウイルス性発疹性が出ているようです。

皮膚に対しては大きな影響はありませんが、風邪そのものが気になる方は

小児科をしっかりと受信するようにしてください。

手荒れを治すにはまず乾燥のコントロールからです。

a1550_000050

だいぶ水も冷たくなりました。

洗い物をする時に水からお湯に変えた方も多いかと思います。

そして、手荒れが悪くなった方も多いのではないでしょうか。

 

最近、手荒れの患者さんが来院することが多くなりました。

当然、時期ですから当たり前です。

中には以前に他の病院を受診された方もいらっしゃいます。

その時に気になることが一つあります。

意外に皆さん、保湿剤を処方されていないんですね。

また、意外に皆さん保湿剤を使っていないんです。

 

手荒れの対策はまずは保湿です。

ついで、湿疹に対する治療を行います。

この優先順位を間違えては行けないのです。

 

手荒れから湿疹になる理由ですが、

まず、乾燥により、皮膚に小さなキズが出来ます。

そのキズから様々な成分が体内に入り、アレルギーとしての反応を起こし、

湿疹を作るのです。

大雑把に考えると、かぶれの一種なのです。

それに、乾燥による皮膚の割れが加わった状態です。

 

ですので、対処はまず、皮膚をしっかりと作ることです。

ステロイドを処方されることが非常に多いのですが、

この薬はあくまでも炎症を抑えるだけ。

皮膚をしっかりと作るには自然にできるのを待つしかないのです。

ステロイドはその部分には効果ありません。

ですので、皮膚がしっかりと作られるまで保湿剤を使い、皮膚を守る必要があります。

 

なので、まず、保湿。

これをいかにしっかりと行うかがとにかく大切になるのです。

大事、大事。

手荒れは職場で治す

a0002_010904

あるいは、「職場が」治すでしょうか。

 

昔むかしの話です。

手荒れの美容師の患者さんを治療したことがありました。

その美容院は店長の方針により、スタッフは手袋着用禁止。

もちろん、その患者さんも手袋はできませんでした。

湿疹が悪くなるのを承知の上で仕事をせざるを得ない状態をそのままにし、

放置しているそのお店の店長に怒りを覚えたことがあります。

「手荒れごときで働けなくなるようなスタッフなら辞めてしまえ(替えはすぐにきくから)」

とその店長に言われているような気がして、その美容院にはゼッタイ行かない。

と思った記憶があります。

 

手荒れで受診する患者さんのかなりのかたは何らかの仕事を持っています。

話を聞くと、美容師さんや床屋さん。飲食店関連の仕事をしている方が多いようです。

職場での手荒れへの対応を聞いてみると、まちまちです。

しっかりと対応してくれるところもあれば、逆にほったらかしのところもあります。

 

いつも仕事での対応について上司と相談するようにお話するのですが、

あまり芳しい返事も持ってきてくれる人は少ないようです。

 

水や何らかの化粧品・薬品を使うときには防水の手袋をする。可能なら綿の手袋をする。

時には保湿剤を塗る時間を数分作ってあげる。

 

これだけでも随分と手荒れや手の湿疹は良くなるのです。

このちょっとしたことをどれだけ気を使ってあげられるかは

人の上に立つ者の度量が問われることでは無いでしょうか。

もう少し、このようなことまで気を配ってあげたらいかがですか?

店長さん??

手荒れの悪化にご注意を

a0001_000798

秋です。夏はもう遥か彼方です。

水も冷たくなってきましたね。

というわけで、手湿疹の話です。

 

手湿疹の悪化する原因はたくさんあります。

その中でも大きなものが「お湯」なんです。

水を使うよりもお湯を使うほうが手荒れは悪くなりやすいんです。

お湯の方が油が良く落ちてしまうからなんです。

 

というわけで、寒くなって、洗い物が水からお湯に変わると、湿疹は悪化することが多いのです。

割れて痛く・痒くなるまえにしっかりと治療をすることが大事です。

保湿剤ももちろん大切ですから、暇を見て、しっかりと保湿してくださいね。

 

手荒れの悪化が予想されます(2022年10月)

秋も深くなってきました。

子供の乾燥肌やアトピーが悪くなってきたのは診察室でよく目にしますが、

つまりそれは大人の手荒れの悪化もしてくる季節になったということでしょうね。

 

手荒れの原因は色々ありますが、乾燥は大きな要因の一つとなります。

空気が乾燥するのでそれに伴い皮膚も乾燥する。

というわけですね。

また気温が下がるとお湯を使うようになりますが、

そのことも皮膚の脂分を除き湿疹を悪化させる要因となります。

 

悪化が予想されるのであればまずは先手を打って予防を進めることも大切です。

ちょうど寒くなってきたので、普段から綿の手袋をしてみるのも一つでしょう。

それだけでまずは乾燥を防ぐことができます。

また色々なものを直接指先で触ることもなくなりますので、

その分の刺激が減少することにもなります。

そのために湿疹の悪化も防げるということになるわけですね。

そして可能であれば水仕事をするときもゴム手袋をしてから

行うのも悪化を防ぐためには重要になります。

 

今からしっかりと準備を行い、今後の湿疹の悪化を予防していく。

そしてそれを習慣化させて気持ちの面から手袋をすることを当たり前と

考えるようにしていく。

結構大切なことなので早めに予防を進めていきたいものです。

 

最後に、手荒れの悪化の前に早めに皮膚科の受診をおすすめしています。

保湿剤や湿疹を抑えるおくすり、色々と使えるようになってきたので、

以前よりも安全に治療できるようになりました。

皮膚科受診もご検討くださいね。

手荒れの季節到来のお知らせ

洗い物をしているときに水が冷たく感じられる季節がやってきました。

我が家でもそろそろ洗い物をお湯で行うようになってきました。

 

ということは手荒れの季節の到来でもあります。

お湯よりも水の方が手の油分を保持してくれますので、

お湯に変わるこの時期から徐々に手指の乾燥は悪化してくるのです。

 

ということで特に家事仕事をしているみなさん。

手荒れ対策の準備を始めていきましょう。

今年は例年以上にしっかりとしていきましょうね。

消毒剤の使用も増えていることですし、がっちりと洗い、

ガッチリとケアをしていく。

そんなNewNormalの生活が必要となります。

 

準備はいいですか?