わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

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2017/3/14
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活弁!シネマートライブに行ってきました。

http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/topics/

 

先日お話した、活動弁士さんの上映会に行ってきました。

今回はそのお話です。

 

3月の活弁!シネマートライブのお題は

キートン。

 

・・・キートンというと、最初に「マスター」が出てきてしまうくらい、

映画は詳しくないのです・・・

MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス)

 

これですね。

でも、マスターキートンの名前のモデルが、バスター・キートンであることくらいは

知っていますよ!

キートン将軍 CCP-264 [DVD]

 

今回はキートン将軍こと、キートンの大列車強盗です。

 

私も初めて。しかも、子ども向けと銘打っているのですが、

またシブイタイトル。

と、一抹の不安を感じながら、小学生の娘と二人で新宿に行ってきました。

 

 

新宿三丁目の伊勢丹から道を挟んだ反対側に

シネマート新宿があります。

その上のフロアの上映室にはいってみると、

あまり大きくない映写室。そうか、声が届かないといけないんですね。

お客さんはあまり多くは有りません。まあ、午前中の回でしたから。

昔子どもだった人が多いなー。と思いながら上映開始です。

 

弁士の佐々木さんは私の高校時代の先輩です。

学生時代には直接の面識は有りませんでしたが、

高校のイベントが東京であり、その時に初めてお目にかかりました。

いやあ、いろいろな声色が出せるんですね。画面を見ずに声を聞くだけで

誰のセリフなのかしっかりと分かるのです。すごい。

 

音楽もその場で演奏されるので、臨場感はたっぷりです。

なんとなく、聞いたことの有る音楽をアレンジして、雰囲気を盛り立てます。

 

シナリオについて話をすることは割愛しますが、非常に楽しい時間を過ごすことが出来ました。

昔のコメディ。しかも、無声ですから、あまり多くの情報を絵に載せることは出来ませんし、

多分、理解が追いつきません。

話の筋をじっくりと見て、ちょっとした仕草について笑う。

最近の映画やテレビではなかなか目にすることの出来ないタイプの映画であり、

興味深く見せてもらいました。

娘に聞くと、とてもおもしろかった。

とのことです。

海外のしかも南北戦争という、(アメリカ的にはメジャーな出来事ですが、)日本では

マイナーなテーマ。

しかも、昔のお話ということで楽しんでくれるか心配だったのですが、

どうも杞憂だったようです。

まあ、SLのシーンが多く出てくることもあるのでしょうが。

 

と、映画そのものを見てきたのですが、上演は「渋い」ですね。

でも、おじいちゃんと孫。とか、通なお父さんと子ども

などで見に行くには面白いかもしれません。

娘もまた見たがっていましたからね。

お母さんには少しハードルが高いのかもしれませんが

(そもそも興味を持ちませんし・・・)

 

4月も同じような会が有ります。

まあ、今回は小津安二郎と溝口健二という、渋い選択ですが、

夏休みにはきっとまた子供向けの上映をしてくれると信じています。

フライヤーは院内待合室においてありますので、ご希望の方がおりましたら

ご自由にお持ち帰り下さい。

三寒3枚、四温は1枚

暖かい日と寒い日が交互に続きます。

三寒四温は本来冬の言葉なのですが、春のこの時期にこそふさわしいような気がします。

 

気温の変化によるアトピーや乾燥肌の悪化が目立つようになりました。

でも、大体悪くなるのは、低温→高温になったとき。

逆に高温→低温になった時にはあまり悪くはならないようです。

なぜでしょう?

 

原因は多分汗。

さらに、その原因は洋服の枚数に有ると考えます。

 

汗をかくと悪くなる。これはほとんどの子に当てはまります。

正確には汗をかいた状態を放おっておくと。ですが。

では汗をかくのはなぜか?

厚着をしているから。

なのです。

 

特に低温→高温になった時に症状が悪くなるのはそのためです。

温度が下がった時に厚着をして、

温度が上がったにもかかわらず、厚着のままでいる。

これが汗をかき、湿疹を悪化させる要因となっているのです。

 

対策は簡単です。

まず。洋服の枚数を「ダイナミックに」変えること。

天気予報を見ながら、大胆に調節するとよいでしょう。

3枚来た翌日に半袖1枚でも構いません。

また、一日の中でも温度の変化が大きくなっていますので、

朝、昼、夕のそれぞれ、枚数を変えて下さい。

朝の厚着のままお昼の温かい時間を迎えるのも問題ありです。

 

もう一つ、シャワーをすること。

日中に外出すると、多くの場合は汗をかいてしまいます。

帰宅したらすぐにシャワーを浴びて下さい。

 

それだけでずいぶん楽になるはずです。

 

もう一つ、暖かくなったら脱ぐことも対策の一つなのですが、

なぜか、特に男の子は洋服を脱いだりしたがらないんですよね、

不思議だ・・・

じんましんが流行しています

ここ数日の間ですがじんましんが流行っているようです。

 

もちろんじんましんはウイルスや細菌などの感染性微生物が直接関与するものではありませんので

例えばエボラ出血熱のような感染の流行とは話が違いますが、

どうも、この時期に多くの子に出現するような要因が幾つかあるようです。

 

その1

風邪が流行っている。

溶連菌を思わせる風邪も多いですし、ウイルスによる風邪も多いようです。

時期的なものでしょうね。

先ほど、じんましんは微生物が直接関与するものではないと書きました。

でも、間接的な関与をしていることは結構多いのです。

以前にも書きましたが、子どものじんましんの誘因で一番多いのは

風邪を始めとする感染症です。

大きな誘因となるのです。

 

その2

気温、環境の変化が大きかった。

次の項目ともかかってくるのですが、気温の変化がここ数日、非常に大きなものになっています。

まさか、4月に雪が降るなんて。ねえ。

ぽかぽか陽気の数日後の話ですから、たまったものではありませんね。

 

その3

新年度が始まり、ストレスがかかっている。

家族全員が忙しくなると、当然子どもにもその影響が出てきます。

旅行やお出かけ、学校の準備などで慌ただしくなると、

寝る時間が影響を受けます。また、バタバタするだけでもストレスになっていきます。

このストレスもじんましんの大きな誘因となるのです。

 

そのような理由もあり、今、じんましんが出ている子が沢山受診するのでしょう。

この現象は、もうしばらく続きそうですね。

さめはだととりはだ2 とりはだの話

さて、次は鳥肌のお話です。

 

鮫肌と鳥肌。似ていますが、少し違います。

この鳥肌、アトピーや乾燥肌の子によく出てきます。

毛穴のぶつぶつは鮫肌に似ていますが、

部分は全身のどこにでも出来る可能性があるものです。

鮫肌は一部ですから、ここに大きな違いが有ります。

 

鳥肌の原因は軽度の湿疹。毛穴の周りに軽い湿疹が起きているのです。

鮫肌には湿疹性の変化は有りませんので、ここが大きな違いになります。

当然湿疹である鳥肌は痒みが有ります。

鮫肌はかゆくないので、ここも大きな違いです。

 

治療についても同様です。

鮫肌は何もしなくて大丈夫ですが、

鳥肌は放おっておくと湿疹になってしまいます。

なので、症状をみて、落ち着か無さそうであればステロイドの薬を塗って

抑えこむ必要があるのです。

 

鮫肌は体質ですが、鳥肌は湿疹。

似ているけど、異なる2つ。しっかりと対処していきたいものですね。

 

さめはだととりはだ1 さめはだの話

今回のお話は鮫肌についてです。

鮫肌は遺伝ですよ。というお話です。

 

鮫肌はどこに出来るのか。

多くは腕、足の外側です。

より細かく言うと、上腕の外側、大腿の伸側。

また、頬部にもできることが有りますね。

 

正式な症状名は「毛孔性苔癬」。もうこうせいたいせん。と呼びます。

毛孔とは毛穴のこと。

苔癬とは難しい言葉ですね。分解しましょう。苔はコケ。ブツブツしているからでしょうか。

癬とはセンと呼びます。皮膚のトラブルはみんな癬です。

例えば水虫は白癬。奈美悦子さんがかかったのは関節症性乾癬ですね。

皮膚に何かあれば癬なのです。

 

病名は皮膚の症状を表しています。

なので、鮫肌のぶつぶつは毛穴に一致してブツブツができることです。

これは湿疹では無いので、自体が痒くなることはありません。

ただ、ブツブツしているだけなのです。

 

問題なのは発症年齢。

この毛孔性苔癬は中年まで見られます。

特に思春期までに強く出ることが有ります。

そして、中年になるとだんだん引いていくのです。

 

そして、この毛孔性苔癬は遺伝します。

特に優性遺伝と言われる形式なので、

子どもにその症状が伝わる確率は1/2となります。

 

 

以上の特徴があるので、診察の時に何が起きているのか。

診察した時、子どもには毛孔性苔癬が有るのですが、

親にはなくなっていることが結構有るのです。

両親一緒に来ていれば概ね判断するのは簡単ですが、

来院していない方の親にあったりするとはっきりしないんですよね。

また、その人も年齢的に消えていることもあるので、余計わかりにくいんです。

 

以上、さめはだのお話でした。

 

 

追記。

幸いなことでこのさめはだを巡って、診察室内で夫婦喧嘩が始まったことは有りません。

ふう。