わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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2017/3/14
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再度、しもやけは遺伝する

今年の冬は寒かったようですね。

2回大雪が降りましたし、今年はしもやけにはなりやすい年だったようです。

 

今年もクリニックにはしもやけの患者さんがたくさん受診されした。

10人以上はいたんじゃないかなあ。

 

ここでしもやけの子を連れてきたお母さんに必ず聞く質問があります。

「両親のどちらか、しもやけになったことがありませんでしたか?」

と確認します。

すると、今年は全員。家族にしもやけになった方がいました。(もちろん、今出ていないのです。大体は子どもの時でしたけどね)

 

しもやけは遺伝するのか?

と言われたらはっきりとは言えないのですが、遺伝すると言えそうです。

 

・・・え、なんでそんなに歯切れが悪いのか?

だって、しもやけにならない人は皮膚科に来ないじゃないですか。

遺伝性の確認って結構面倒くさいんですよ・・・

 

「乳児湿疹」では治せない

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今回は少しショッキングなお話をしていきましょう。

 

乳児湿疹。

赤ちゃんのいるお母さんはよく耳にする言葉だと思います。

一般的にもよく耳にしますね。

 

でも、私はこの病名は大っ嫌いです。

なぜか、「思考停止ワード」だからです。

 

湿疹(皮膚炎)の名前の付け方にはいろいろな物があります。

まず、原因によるもの

接触皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、小児乾燥型湿疹、自家感作性湿疹など

ついで、部位によるもの

手湿疹

あとは、形や症状によるもの

貨幣状湿疹

等があるでしょう。

あとは、特殊な病名の付け方としてアトピー性皮膚炎があります。

しかし、このアトピー性皮膚炎というものは「時とともに湿疹の出ている部位がかわる」湿疹

という意味ですので、これは症状を表した病名ということになります。

 

では、乳児湿疹とは何か。

これは「乳児にできた湿疹」を意味します。

 

乳児にできた湿疹は乳児湿疹。

では幼児湿疹、思春期湿疹、中年湿疹、高齢者湿疹はあるのかと言えば、それに当てはまる言葉はないのです。

 

なぜ乳児湿疹という言葉だけが大手をふっているのか?

それには2つの理由があります。

一つ目は時間が経ってしまえば落ち着いてしまうから。

もう一つは何が起きているのか、医療者の側もよくわからないから。

なのです。

 

つまり、「よくわからないけど、そのうち治るから」という理由で「乳児湿疹」と名づけていることがあまりにも多いのです。

湿疹が起きるには原因があります。しかし、その原因がなにで、一体皮膚表面には何が起きているのか。

そして、それはなぜ悪化したのか。

そこまで考えて初めて治療法が見つかるのです。

また、治療とはタダ単に薬を塗るということではありません。

毎日のスキンケアについての指導を行うことも立派な指導になるのです。

 

しかし、その部分への注意が少ないと、「乳児湿疹」という診断だけ行い、漫然と治療を行う。

ということになってしまうのです。

 

湿疹が起きるのには原因は必ずあります。

(一部、原因そのものの対処ができない物ありますが、それはまた別の問題です)

 

その原因がわからなければ「原因による病名」をつけることができません。

ですので、「乳児湿疹」と名前をつけてお茶を濁すことになるのです。

 

 

最後にもう一度繰り返します。

私は「乳児湿疹」という病名は大っ嫌いです。

原因を探すこともせず、対処もせず、思考停止をしていることがわかってしまう言葉だからです。

「疾病と世界史」

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

 

「疾病と世界史」

著:ウィリアム・H・マクニール

 

高校時代、世界史は私には合いませんでした。

その当時はなんとなくだったのですが、

最近になってその理由がおぼろげながらわかってきました。

つまり、歴史というものは、地理、気象その他の分野のバックグラウンドがわかって初めて理解できるのです。

当然、言語や風習、文化もわからない状態では単語の羅列になってしまいます。

日本史であれば、地理や気象条件は大きく変化することがないと直感的にわかるのですが、世界史ではそうも行かないですよね。

(でも、気象については気象歴史学という、真面目な学問になっています。地理についても条件が変わっていますので、逆に注意が必要ですが)

 

いままで世界史では政治、経済の話を中心に語られることが多い状態でした。

しかし、最近は気象条件も合わさり議論になっているようです。

例えば、飢饉と火山の噴火や太陽光の強さ、寒冷化などは有名でしょうか。

 

この本はさらに「病原微生物」による伝染病という軸を中心に世界史を語っています。

つまり、歴史にたびたび出てくる伝染病がいかにその当時の社会に影響を与えたのか。

という話が中心となります。

 

読んでみて、ひとつ言えること。

それは社会の動乱が伝染病を呼び、伝染病が社会の動乱を呼んできた

という話です。

 

古代ローマ帝国を始めとして幾つもの強大な国家が伝染病のために滅んだ

という非常に興味深い仮説が示されています。

医学に携わる人間として、非常に感銘を受けた一冊でした。

 

日本ではどうだったのでしょうか。今度時間がある時に調べてみましょうかねえ。

「あした死ぬかもよ?」

あした死ぬかもよ?

 

「明日死ぬかもよ?」
著:ひすこたろう

 

衝撃的なタイトルです。

でも真実です。

 

以前、計算したことがあります。

私は20年後に死んでしまう確率はどのくらいだろう。

結果は衝撃的でした。

娘ですら1%

妻は2%

私は3%です。

昔の話なので、今はもっと高いのでしょう。

 

この3%という数字は衝撃的でした。

わかりにくいですかね。簡単に例えてみましょう。

私は昔ゲームでよく遊んでいました。ゲーム機の前の、テーブルの上でサイコロを転がす時代の話です。

さて、サイコロを3個用意しましょう。

転がして、出た目を合計します。

目が3(つまり、1,1,1)の確率は0.5%

目が4以下であれば2%

目が5以下は4。5%

となります。

 

3個サイコロを振って、5以下なんて出るわけが無い?

いえいえそんなことはありません。結構出るのです。しかも、ここぞという時に限って。

一度、サイコロの目で人生の残り時間が決まってしまうと考えてみてください。ちょっとした恐怖ですよ。

 

20年後と言わず、今日元気だった人(もちろん自分かもしれません)が

明日には死んでしまっているかもしれません。

 

さて、このことを頭のなかに入れましょう。

明日死んでしまうかもしれない。

 

では次に質問しましょう。

そしたらあなたはどうしますか?

 

 

今日と同じことをしていますか?

それはやりたいことですか?

やりたくないのにやらされていることですか?

誰かに言われたからですか?

 

でも、きっと、その通りしに生活て人生最後の1日を無駄にした時、

翌日にその「言った人」はどうするでしょうか?

どうもしませんよね。

 

そうですね。いつか人は死ぬんです。自分もいつか死んでしまうんです。

先ほどのサイコロの話で例えましょう。

六面体のサイコロ3個。目の合計が18だったとしても上位0.5%です。

厚労省の統計をみても、上位0.5%で男性は107歳くらいでしょうか。

実はそれしか時間は無いのです。

3個サイコロを振って、全部6の目を出す自信がありますか?

私は少なくとも18が出るなどとは考えることはできません。

 

もしも、明日死ぬとしたら、あなたはどうしますか?

 

 

追記

生命表というものがあります。

この表の意味するのは何人が何歳まで生きているのかというお話です。

赤ちゃんが1万人生まれたときに、その中の何人が何歳まで生きていけるのかという表です。

自分の年齢からスタートし、その前を少しずつ見に行ってください。

あなたは何を感じましたか?

雪道でのタクシーの捕まえ方

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ちょっとしたお話です。

タクシーに乗ったときに運転手さんとお話したこと。まあ、覚書のようなものですね。

参考にしていただければと思います。

 

タクシー会社も当然営利企業ですから利益を上げることは大事なことです。

しかし、タクシーの運転手さんが無事に戻ってくることもそれと同じか、それ以上に大事なことです。

いわゆる、運転手が倒れるまでこき使うようなタクシー会社は大手ではありえません。

 

では、東京が雪の日のタクシーはどうなっているのか。

実は稼働台数は通常よりも減っています。

というのも、運転手さんが休みたがるからなのです。

プロとして当たり前の行動なのですが、運転のリスクは雪道では明らかに高くなります。

自分が問題なくても、向こうから突っ込んでくるリスクも当然跳ね上がります。

安全を重視する運転手さんは雪道では運転しないという選択肢が当然出てきます

では、そのように申し出されたタクシー会社はというと、当然それを認めます。

これ当たり前のことですが、事故を起こして困るのはタクシー会社もです。

したがってリスク管理の観点から、その申し出は受けるのです。

 

というわけでタクシーの稼働台数は減少します。

だったり逆に稼働しているタクシーでは売上は上がるのではないか。

現在のタクシー運転手さんは歩合制ですから給料が上がるので、運転したがるのではないか。

と思い、運転手さんに聞いてみたのですが、回答は予想外のものでした。

つまり、雪の日に運転しても利益はなかなか上がらないのです。

上がるのは客を載せている時間だけ。

というお話でした。

理由は簡単なものです。距離が稼げないから。

道路ものろのろですから、遠くまで走るのに時間がかかってしまうんですね。

また、営業範囲外(客を乗せることができる地域って、決まっているんですよ)に行ってしまうと、帰ってこれなくなってしまう。

そのために収入はなかなか伸びないんだそうです。

 

以外な事実がたくさん出てきました。

 

では、逆に客の立場でタクシーを捕まえるにはどうしたらよいか。

 

一番簡単なのは電話すること。

営業所に電話をしてタクシーを呼ぶのが一番簡単です。

しかし、雪の日は営業所にかかる電話の量が増えるので、つながりにくくなります。

それを承知のうえで、何度も電話をかけ続けるのです。

 

では、実際に街ナカでタクシーを捕まえるにはどうしたら良いのでしょうか。

駅のタクシー乗り場で待っている?

いえいえ、いつまでたってもタクシーは来ません。

といってもタクシーは頑張って駅には行こうとしているのです。

でも途中でお客さんを乗せて行ってしまうのです。

 

なので、駅で待っているくらいであれば、少し歩いて大きな通りを流しているタクシーを待ったほうが良いのです。

 

いやあ、いろいろな人とお話をしていると、新しいことが分かるんですね。