わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ブログ
わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

医療の事、病気のことだけではなく、子どもに関する話や
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2017/3/14
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2021/3/1
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2023/1/3
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2023/1/3
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中秋の名月

fullmoon

昨日は満月でした。

中秋とは、秋の真ん中の日のことで旧暦の8月15日限定だそうです。
ちなみに、仲秋と書くと、秋の3ヶ月のうち、真ん中の1ヶ月になるので、期間はぐっと長くなります。

なぜ、中秋と仲秋を比べたかというと、
どうも今年は本物の中秋の名月にあたったようです。

なんでも次は8年後とか。

おお、オリンピックの後になってしまうんですね。

皆様は昨日のお月様、見ましたか?

月見団子がメインの人も多かったかとは思いますが・・・

よく見る「おでき」 粉瘤の診断と治療 その2治療編

さて、今回は粉瘤の治療についてのお話です。

前回の話からの流れでススメましょう。

1)通常時

2)炎症時

2)’破裂時

3)慢性化時

です。具体的な症状については前回を参照してくださいね。

 

まず、2)からお話しましょう。

2)炎症時

炎症が起きているときは、まず炎症を抑えることが大事です。

細菌による二次感染が合併している可能性があるので、抗生剤を飲んだほうが良いでしょう。

まず、炎症を抑えることが大事です。大事なことなので二回言いました。

その後、治療をゆっくりと考えましょう。

 

2)’破裂時

こちらはまず、内容物をすべて除去したほうが良いのです。

物理的に圧迫して、内容物を押し出しますが、時には穴を大きくして(円形の穴を開けて)中身を出すこともあります。

これは粉瘤の大きさや破裂状況、時間的な余裕(仕事している人は早くとった方が良いですよね)によって決まります。

そして、中の物を出したら後は2)に準じた治療を行います。

 

1)通常時

粉瘤の根本的な治療法は1)の通常時に行ったほうが良いと考えられます。

これは腫瘍の大きさは1)<<2)であることや、

炎症が起きている時に処置で手を加えると、更に病態が複雑になる可能性があるからです。

根本的な治療は粉瘤の袋そのものをとってしまうことです。

小さく取る(袋を内側から取る)か、大きく取るか(袋の外を大きく取る)かは状況次第です。

ただし、3)慢性化時にが大きく取らなければいけません。

周りの皮膚の中に断片が沢山残ってしまうからです。

 

袋を取る手術自体はそんなに難しいものではありません。痛み止めの注射をして、30分くらいで

完了することが多いです。(まあ、大きさにもよりますが)

ただし、3)慢性化時には再発する可能性は少し高いです。

 

粉瘤とは一般的な疾患ですが、治療の方針は少し複雑になります。

状態をみて、治療法を決める必用があるのです。

もしも粉瘤で心配な方が居りましたら一度受診してみてくださいね。

 

JTC801に期待すること 予習編 フィラグリンとアトピー性皮膚炎の関係について

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さて、今回は昨日から様々なメディアで話題になっている、京都大学皮膚科学教室による、アトピー性皮膚炎に対する内服薬(候補)

JTC801について、皮膚科医の立場から解説をしていこうと言う、(ある意味無謀な)試みです。

 

プレスリリースはこちら.

ニュースの記事だけでは非常にわかりにくいです。

多分、新聞記者の方もあまりよく理解していないのかもしれません。

そもそも・・・がわかっていないのではないでしょうか。

 

そもそも、皮膚の一番大事な役目は、皮膚の外と中を区分けすることです。

外界の成分が生体内に入ると、アレルギーの反応を起こします。

また、人間の構成成分が外に出ることも、問題となります。

特に問題になるのは水分です。

陸に上がった動物はいかに体内の水分を外に出さない様にするかが、きっと進化の大きな問題になったでしょう。

その大切な皮膚のバリア機能が破綻すると、湿疹が起こります。

 

特にアトピー性皮膚炎の病気の一部は皮膚のバリア機能の障害によるものということがわかってきました。

(もちろん、アレルギーも大きな原因になります。どちらが主で従かはまだわかっていないことも多いのですが。)

子どもにアトピー性皮膚炎が多いのも、皮膚のバリア機能が未熟だからと考えるとつじつまが合います。

しかし、その一部に、フィラグリンと呼ばれるタンパクの遺伝子異常を持っている人が入ることがわかってきました。

概ね、患者さんの1/3から1/2位の人がそうだと言われています。

 

なぜ、フィラグリンタンパクの異常がアトピー性皮膚炎を引き起こすのか?

これはフィラグリンが皮膚のバリア機能に重要な役目を持っているからです。

もともと、フィラグリンは皮膚の細胞の中で作られます。

細胞の中の骨の成分、ケラチンとともに皮膚のバリア機能を作り、

最終的には分解されて、天然保湿因子となります。これも皮膚のバリア機能の補助となるのです。

 

つまり、遺伝的な問題がありフィラグリンの作成量が減ると、皮膚のバリア機能が悪くなり、結果的に

アトピー性皮膚炎になりやすくなってしまいます。

 

・・・さて、ここまでの話で皮膚バリア機能障害の解決策は出てきたのではないでしょうか。

なんとかして、このフィラグリンのタンパクを増やしてあげれば、皮膚バリア機能の改善につながり、

ひいてはアトピー性皮膚炎の予防につながるということになるわけです。

今回の発表はある化学物質がこのフィラグリンの産生を進めるということなのです。

 

後日、論文を読んでみて、どのようにしてこの研究が進められたかを見ていきたいと思います。

9月18日の勉強会は中止になりました。

参加者が規定の人数になりませんでしたので、

9月18日の勉強会は中止となりました。

今後も同テーマは継続して勉強会を行う予定です。

 

・・・残念です。

あまり診察で話題になることは少ないのですが、

[あざ]も専門分野だったりするのです。

レーザー治療も行っていたので、診断と治療について網羅的にお話はできるかと思ったのですが、

残念です。

 

いずれ、あざの話もブログでしていきたいですね。