わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

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2017/3/14
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【論文】イボはどこからもらうのか?

たまには真面目に論文の話でもしましょうか。今回はイボのお話です。

タイトルは

Warts Transmitted in Families and Schools:A Prospective Cohort

です。雑誌は(小児科の専門雑誌ですよ)

PEDIATRICS2013;131;928

です。

 

ここで英語の時間です。

Wartは世間一般で使われる用語で「イボ」です。水いぼはWater Wartです。水の付き方は日本と一緒ですね。

Prospective Cohortとは研究の方法です。

ある集団をいちからずっと観察し続ける、非常に手間のかかる方法です。逆に信頼性は高い研究方法です。

この論文ではオランダの3つの小学校を1年から1年半観察し、イボ保有率と、その悪化原因を観察しています。

対象者数は約1000人です。

 

さて、結果ですが、

イボの保有率は約30%です。結構高いですねえ。

この論文では、色々な因子により、イボの保有率がどのように変わるのかを観察しています。

 

ざらっと紹介しますと、イボにあらたにかかる可能性は、

男の子では1.1倍(95%の可能性で0.8-1.3倍←人数があまり多くないので、95%の可能性でこの範囲内に入るということを意味します)

白人では1.9倍(1.4-2.7倍)

過去にイボにかかっていると1.5倍(1.2-1.9倍)

となっています。

なぜ白人のみがこんなに可能性が高いのでしょうか?

遺伝?生活習慣?謎です。

 

さて、生活習慣とイボのかかりやすさですが、

個人との親密度から幾つかグループに分けてみると、

<家族>

家族にイボ持ちがいると2.1倍(1.5-2.9倍)

<教室>

そのクラスのイボ保有率が40%を超えていると1.5倍(1.2-1.9倍)

→イボ保有率が10%増えることに1.2倍(1.1-1.3倍)

親友がイボ保有者だと0.9倍(0.7-1.2倍)←その子は本当に親友ですか そんなことは言っちゃ行けません。

<社会・公共>

公共のプールを使っていると1.4倍(1.0-2.0倍)

裸足のスポーツをしていると1.1倍(0.9-1.6倍)

公共のシャワーを使っていると1.0倍(0.7-1.4倍)

となります。

 

当然密接に関係する人間のイボ保有率がダイレクトに影響しているわけですね。

しかし、プールであまり上がらないというのも正直意外でした。

最も、プールに入っている時間や期間については詳しい調査がされていないので、

その部分がはっきりしないと関連性も言えないとおもいますが。

 

ただし、ここからわかることは

家族にイボがいると移りやすい

ということでしょう。当然といえば、当然ですが、家族に移さないこともしっかり考えないといけませんね。

 

最後に、私が簡単にまとめた図です。

確かに、接触の強さとリスクが揃っていますね。

イボ

朝シャワーのススメ。こども編

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ゴールデンウイークも終わり、だいぶ暑い日が増えて来ました。

北海道、東北では2週間前に雪が降っていたのに、今は真夏日ですか……

体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて、暖かかくなり、皮膚科医の間ではアトピーがみんな悪くなってきたという

話が増えています。

その原因は色いろあるでしょう。

しかし、その中の一つとして汗があることはご存知でしょうか。

 

アトピー性皮膚炎が悪くなるきっかけを聞いてみると、

「乾燥」と「汗」が最大の原因でした。

しかし年齢により、どちらが悪いかがわかれます。

大雑把に言うと、幼児園児くらいまでは「乾燥」

それ以上になると「汗」が悪さをする印象があります。

 

乾燥に保湿剤という対策があるように

汗にもシャワーという対応策があります。

 

朝、5分だけ早く起きて(起こして)シャワーを毎日浴びてください。

石けんは実はあまり必要ありません。アセモの部分に使うくらいで構いません。

毎日、シャワーをしてあげるだけで、随分アトピーの症状の出方は変わりますよ。

 

また、シャワーにはもう一つ利点があります。

シャワーをすれば、必ず裸になりますよね。

つまり、朝の塗り薬をつけやすくなるのです。

 

もともと子どもは汗をかきやすいもの。

朝のうちから、汗をかいた頭がすえた匂いをしているのもイヤですからね。

(我が家では「頭が発酵している」と言っていますが。)

 

暑くなり、子どもがおへそをだして寝るようになったら、朝シャワー、ぜひ試してください。

 

追記。

先のエントリー。大人は朝シャンですが、子どもは朝シャワーです。

上にも書きましたが石けんはアセモの部分を除いてあまり積極的に使う必要はありませんが、

匂いが強いところにはしっかりと使ってくださいね。

 

2013/5/23更に追記

シャンプーや石けんですが、全身に1日2回使うと乾燥が強くなる印象があります。

アトピーや乾燥肌の子は症状が悪くなることがありますので、気をつけて下さいね。

朝シャンのススメ。大人編

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朝シャン、懐かしい言葉です。最近は聞かないですね。

調べてみるとバブル期の言葉です。

そういえば、日本で再び「ティモテ」を販売するようですね。

あのCMソングを聞くと懐かしく思う人もいるかもしれません。

 

私はいつも言っているのですが、夏こそ、成人男性は朝シャンをするべきと

考えています。

 

男性は皮脂分泌量が多く、また、汗も大量にかきます。

その皮脂や汗を皮膚表面に存在している細菌やカビが食べて、それを代謝し、

結果として起きるものが脂漏性湿疹やワキガとなるのです。

また、アセモにつおても同様のことが言われています。

また、汗や皮脂そのものにも種々の化学物質が存在し、それが嫌な匂いの元となります。

細菌や真菌がその原因となるので、それを薬で叩いてしまえば、

脂漏性湿疹やワキガ、アセモや匂いは良くなるのですが、あまりスマートな対応ではありませんよね。

むしろ、朝に一度シャワーをすることによりそれらの症状が匂いを抑えたほうが良いでしょう。

(石けんは頭部、顔面、ワキ、股間部などに使うだけで構いません)

 

実際に自分でも朝にシャワーをすると、その日1日さっぱりとした気分で過ごせます。

また、特別な石けんを使うことで、小鼻の赤みもなくなりました。

コラージュフルフル 液体石鹸 250mlコラージュフルフルネクスト シャンプー すっきりサラサラタイプ 400ml

(この石けんには脂漏性湿疹の原因となるカビを抑える成分が入っています)

 

暖かくなってきた時こそ、いかがでしょうか。

私が湿潤療法を勧めるわけ

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だって、痛いのはイヤでしょ。

というのが一番の理由です。

 

傷の治り方は湿潤療法の方が幾分早い印象がありますが、

従来までの治療法であったとしても適切な方法であれば、子どもの傷は

早く、綺麗に治ります。

 

しかし、違いは痛みです。

特にじくじくした傷では、従来のガーゼでは傷口にくっついてしまい

剥がすときには強い痛みがあります。

また、乾燥している傷でもガーゼがこすれてしまい、体を動かすたびに

痛みが出てしまいます。

結果として、ずーっと痛みを感じてしまうのです。

 

逆に、湿潤療法では、傷をすべてフィルムまたはゲルで覆うために

貼っている傷の痛みは比較的に少なくなります。

また、剥がすときも傷には固く、くっついてはいませんので、痛みはガーゼより弱いです。

これだけでも子どもの傷に湿潤療法を使う十分な理由になります。

もちろん、大人であっても不必要な痛みを加える必要はないと考えています。

 

湿潤療法を進めるもう一つの理由は可動性です。

貼り付ける基材を適切に選ぶことにより、自由に痛みなく動かすことができます。

また、ガーゼがずれて傷口が露出することも防げます。

子どもの運動や活動を、不必要に制限する必要がないということは、

湿潤療法を積極的に選ぶ理由としては十分では無いでしょうか。

湿潤療法のご案内

当クリニックではやけどやスリキズなどの皮膚潰瘍、創傷治療に対して、湿潤療法を行なっています。

 

湿潤療法については「ラップ療法」などとも称されますが、家庭用品を用いての治療はしておりません。

原則として医療用の基材を用いた治療法のみ行なっております。

ポリウレタンフィルムドレッシング、ハイドロコロイド等、傷口の状態に応じた基材を多種用意しております。

 

なお、適応についても検討したうえで、必要があれば従来までのガーゼを用いた治療法を行うこともありますことをご了承ください。