わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

PM2.5にやられた日の翌日の話

さて、前回のお話の続きです。

翌日にはどうなったかというと・・・

 

鼻が壊れました。

としか言い様のない状態。

朝からくしゃみと鼻水が止まりません。

出勤中(仕事や休みでしたが、外の病院で原タイていたんです)からひどくて、

たまらず途中駅でポケットティッシュを購入するも、

数十分で1束なくなるしまつ。

まるで水のような鼻水が出続けました。

 

出勤前に薬はのみましたが、これはたまらんとおもい、スペロイドの内服も開始。

ようやく夕方になって鼻水は止まってきました。

 

色々と話しを聞いてみると、その前の日から一気に花粉症が悪化する人が続出したようです。

つまり、花粉症はだいぶ引いてきたものが、PM2.5で一気に増幅されてきたということなんでしょう。

きっと。

 

PM2.5の影響は当日よりもむしろ翌日の方が悪化する印象がありましたね。

当日にもっとガッチリと薬を飲んでいればこんな状態にはならなかったと思う教訓の日でした。

少しでもアレルギー出た段階で早めに薬を飲んだほうが良いということですね

PM2.5にやられた日

今日は一日なんとなく調子が悪かったのです。

午前中は目に症状が出ていました。左の結膜がなんとなくゴロゴロ。

午後からは鼻に症状が移りました。

くしゃみや鼻水が出るような状態。

おかしいなと思い、体調を考えてもそんなに悪くはなく、

(風邪の初期症状も結構似ることがあるのです)

抗ヒスタミン剤を飲んで症状を抑えていました。

 

でも、外来をしていると、患者さんの中にも数名、

今日からアレルギー反応が悪くなった人が居ます。

みんな同時に悪くなることには理由がある。

と思い、あれこれ調べてみると、ああ、コレだ。

 

PM2.5ですかね。どうも黄砂が日本に来ていたようなんです。

 

PM2.5とは直径2.5μm以下の小さな微粒子のこと。

そこにいろいろが物質が付着して大陸から飛んで来るわけです。

で、その付着した物質により、アレルギー反応は悪化するわけなんです。

 

だから、悪化したのね。

と思いながら午後の診察をしていました。

スギ花粉もなくなってきて、ホッとしていた所、

思わぬアレルギー反応に巻き込まれた日でした。

おしまい。

 

虫刺されの季節がやってきた

いやあ、暑くなりましたねえ。

暑くなってくると増える病気の一つに虫刺されがあります。

どうも、特に蚊がぼちぼちと出てきたようです。

刺された子が何人か出てきましたよ。

 

蚊の生育については種によって異なりますが、

概ね気温20度以上がその分かれ目である印象があります。

最近の暖かさはその限度を超えたということなのでしょう。

日中は25度を超えることもありますからね。

 

ということはそろそろボウフラに対する注意が必要になった季節であるということ。

ボウフラは淀んだ水のあるところで増殖しますから、

これからの季節はしっかりと水回りを見ていく必要があります。

鉢植えの水受けや使っていないタイヤの中に水が溜まっていることがありませんか?

早めに注意して見てあげたほうが良さそうですね。

 

 

中毒疹にも流行が有る?

今回は病気の流行のお話です。

しかも、大人版。

 

ここ数日、中毒疹が流行している印象があります。

通常はそんなにそんなに出る病気ではありません。

月に1人2人くらいのレベルかな?

しかし、ここ12週間、週に2人くらいのペースで診察をしています。

これは非常に多いペースですね。

 

中毒疹とはそもそも何か?

体に発疹ができるが、原因ははっきりしないもの。

のことを指します。

あくまでも症状が主体ですね。

 

原因はいろいろ言われていますが、大きく分けると、

食物

感染症

の3つがあります。

原因がはっきりしたら別の病名に変わりますね。

 

で、流行しているということはどういうことか?

これは感染症であろう。ということがわかります。

 

感染するなら流行はありますよね。

だって、薬アレルギーは人により、大きくでき方が異なりますし、

症状もいろいろです。

同時期に多発することは考えにくいのです。

また食事についても同様ですね。

ちなみに食中毒の発疹も不思議なものができますが、

こっちは感染症の範疇に入ります。

だから、感染症から来る中毒疹なのかなあ。

とも思ってしまうのです。

 

一つわかっていること。

中毒疹は最近多く受診されています。

ということですね。

 

 

赤ちゃんの顔のひっかきにはどう対処するか

今日は赤ちゃんのお顔のひっかきのお話です。

 

 

まず、なぜ引っ掻いているのか?

原因は幾つか考えられます。

 

1)痒いから、湿疹が有るから。

まずは湿疹のせい。

赤くなってじくじくしている湿疹があるとかゆみを感じることがほとんどです。

なので、気にしていじってしまう。

ただ、気をつけてほしいのは湿疹とは目に見えるものだけでは有りません。

医療従事者はsub-clinicalと呼んでいる状態も有るのです。

subとは***の下。clinicalとは症状の事。

つまり、見た目の症状が出るほどではないけれども、

落ち着かない状態というわけです。

いわゆる予備軍の状態。

ただ、この段階でも既に痒みが出ているので、要注意ですね。

 

2)汚れているから。

汗や涙、その他のもので汚れていても気にして引っ掻いてしまうことがあります。

厳密に言えばいじっている。なのですが、

パット見た感じは引っ掻いているように見えますね。

 

3)暑いから。

1)と2)の複合ですね。

しかし、純粋に温度の上昇が痒みの増強効果があります。

なので、暑いと余計痒さを感じてしまうのが問題です。

 

月齢により、ひっかく場所や動作は異なりますが、

このようにして掻爬をしているのです。

 

 

ではどうすれば抑えられるのか?

解決方法です。

 

1)薬で抑える。

炎症や湿疹が有るからひっかくのでまずは薬を塗って抑えてしまいましょう。

ステロイドの塗り薬は上手に使えばトラブルなく、抑えることができます。

 

2)保湿剤を塗る

乾燥は湿疹の原因になります。なので、保湿剤をしっかりと塗ることが湿疹の予防になりますし、

ちょっとした湿疹であれば保湿剤だけで抑えることができます。

なので、乳液性のサラッとした保湿剤を使うことでひっかきを抑えることも出来るのです。

しかし、湿疹そのものを抑える効果はステロイドよりも弱いので、

かゆみ予防としての使いみちは限定的です。

 

3)保護剤を塗る

先程の保湿剤とは異なり、ベタッとした油性の者です。

保湿剤が皮膚に水分を与える役目が有るのに対し、

保護剤は皮膚の上に膜を貼るのが役目です。

つまり、皮膚の表面に異物が付着しないようにし、

湿疹を作らないようにするのが目的です。

しかし、ベタベタしてしまうので、逆にひっかく原因になることもありますので、

使い方は要注意です。

 

4)洗う、流す。

実は結構大事。

洗う、流すことによって皮膚の表面についた異物を物理的に除去してしまうのです。

ただし、流し方が弱ければ逆に石鹸が残存してしまい、湿疹になりますので、

要注意。

 

5)爪を切る

今までの項目とは少し毛色が違いますが、大事です。

つまり、爪が延びていると傷が余計についてしまい、

それが痒みを呼んでしまう。という悪循環になります。

したがって、爪をしっかりと切って、引っ掻いた時のダメージを減らすことは

ひっかきの予防として大切なことになります。

 

まず、お家で出来ることはやってみても良いかもしれません。

しかし、それでもひっかきが落ち着かないときには湿疹が残っているか

スキンケアにトラブルの種があるかのどちらかですので、

一度診察を受けてみても良いかもしれません。

 

痒いことは本人の生活の質を落としますし、

引っ掻いているのを見るのも周囲の人にとっては辛いことです。

早めに抑えてあげたい所ですね。

 

結婚前に、金属パッチテスト?


考えてみたら、そうだねえ。

といったお話です。今日のお話は。

 

結婚とパッチテスト?

普通は全く結びつかない単語ですが、

指輪という言葉を介するとうまくつながります。

 

結婚指輪や婚約指輪、高いですもんね。

たしかに、金属アレルギーがあったから、高い指輪をつけようとしたら

ダメでした。

というお話は切ないですもんね。

 

今まで全く聞いたことのないお話なので、

最初はびっくりしましたが、考えてみたらちょっとの手間暇とお金をかけて

予めテストしておいたほうが安心ですもんね。

確かにそっちの方は合理的だ。

 

という話でした。

なお、パッチテストは暑い日には積極的に行いたい検査では有りません。

汗だくの季節は向きませんからね。

もしも、ご希望の方が居ましたらお早めにどうぞ。

 

イカリジンに対する期待と不安

さて、今回も虫よけのお話です。

高濃度DEETとともに使用できるようになったイカリジンですが、

期待と心配のが半分半分ですね。

 

というのも、何かよくわからないからなんです。

何が?コレが。(参考資料はこちら

作用機序ははっきりしていないこと。虫のどこに効果あるかはっきりわからないこと。

これは心配面の一つです。

もう一つの心配は長期連用時の毒性についてまだはっきりしていないことですね。

一度に大量に使用した場合の毒性については上記資料に記載ありますが、

長期間の連用時にはどうなっているのかはっきりとわかりません。

そこが少し心配でもあります。

 

しかし、メリットも当然あるわけです。

DEETとは作用機序が異なりますので、併用すれば相乗効果を期待できるかもしれません。

まあ。メーカーさんに聞いてみたときにはその検討はされていないということですので、

どうなのかはやってみないとわからないのですが。

 

また、無臭であることもメリットです。

プラスチックを溶かす心配もありません。

小児に対する使用制限も今のところありませんので、

そういった意味では使用量さえしっかりと守れば

使い勝手の良いものであろうと思うのです。

 

新しい成分の虫よけ剤

ぜひ検討してみてください。

 

水虫の季節が始まりました。

日中はだいぶ暖かくなりましたね。

そうなると気になるのが例のアレ。

今日はその、アレ。水虫の季節が始まりましたよ、

というお話です。

 

今週に入ってから水虫を訴えて受診する患者さんが一気に増えた印象があります。

だいぶ暖かくなってきましたからね。

先週末に夏日になったのも影響しているかもしれません。

靴や靴下がまだ冬仕様なのも影響しているかもしれません。

 

でも、これからは水虫が多く出てくる季節であるのも確かです。

 

足の裏に痒みがある人。

痒みがなくても、足の裏や足の指の間にジクジクぶつぶつがある人。

あとは糖尿病のある人は要注意ですよ。

足にいつもと違うものが出ている人は、必ず受診してください。

 

水虫は根気さえあれば簡単に治すことの出来る病気です。

早めに見つけて、早めに治療を開始しましょうね。

 

ヒルドイドソフト/ヒルドイドローションをヴィーガンに処方する前には相談しましょう

今日も昨日の話の続きのようなものです。

 

ヴィーガンという考え方があります。

ベジタリアン(菜食主義者ですね)を更に強調した考え方でして、

動物由来のものを一切使用しないように使用という考え方です。

毛皮もダメ。脂もダメ。

ときには化粧品もダメと言う人もいます。

 

そうです、ヒルドイドの成分がその部分に関わってくるんですね。

つまり、ダメ。

とは限らないのは難しいところなんですが、

ダメな人もいる。

(ゆるい人もいれば厳しい人もいるのです。詳しくはこちら。)

 

こちらは宗教では無いので、結構幅の有る考え方なのですが、

ダメな人はダメ。

 

なので、この人たちには逐一確認しながら処方を行う必要があります。

まあ、当人もわかっていますから、予め窓口でお話をしてくれると思うのですが。

してくれるといいな・・・

 

問題になる可能性があるのも確かなので、しっかりと確認をしてから処方したいところですね。

 

ヒルドイドソフト/ヒルドイドローションをイスラム教徒に使用してはいけない

今回は国際化のお話です。

特に保湿剤のお話ですね。

 

ヒルドイドソフトあるいはヒルドイドローションですが、

保湿剤としては非常にポピュラーな、良くみかけるお薬ですね。

実はこの薬はブタさん由来なんですね。

ブタアレルギーについてはまあ、問題ありませんので今回は置いておきますが、

ある意味それよりも深刻な問題です。

 

ムスリムのかた、イスラム教徒の方ですが、

使用してはいけません。

絶対に。

 

これは戒律によるものなので、合理的なものではありません。

使用することにより、直ちに影響が起きるようなものではありませんので、

そういった意味では問題ありません。

でも、彼らの心に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

考え方なので、一律に話をすることはできないのですが、

当然避けられるものであれば避けたほうが良いものです。

彼らにとっては避けるべきものだからです。

 

なので医師としては処方はしないほうが良いものであったりします。

該当しそうな方にはあらかじめ確認したほうが良いと思います。

 

今回は注意してね。というお話でした。