わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

アトピー性皮膚炎の治療を行う上で最も大事なことは何か?

火曜日の午前中に療育センターで皮膚科の診療を行っています。

そこでも、アトピー性皮膚炎を始めとして湿疹の治療を行っていますが、

湿疹の治療の反応がものすごく別れます。

同じ治療をしているのに、一気に良くなること、全然ダメな子です。

違いはなにか?

見ているうちになんとなくわかってきました。それは

「引っ掻いているか」

たったその一点だけ。

 

湿疹というものは、自然に治ることだってあります。

ではなぜそうならないことがたくさんあるのか?

それは引っ掻いているから。

ということなのでしょう。

 

重症心身障害児にもさまざまな状態の子がいます。

重心などと省略していますが、その定義にはっきりしたものはありません。

一般に精神の発達が一般の人に比べて大きく劣ること。

体の運動能力も大きく劣ること。

の2点があるでしょう。

 

その中にも様々な状態の子がいます。

湿疹がよくなる子と良くならない子の違いはひっかくか否か。です。

良くならない子は引っ掻いている。

 

特に重心の子は自重することができません。

なので、下手をすると一日中引っ掻いていることがあります。

そのために通常の治療、つまり、一般の子ではこのくらいで大丈夫

というレベルの治療では全く良くならないことがあります。

逆に、全く動けない子の場合は何らかの理由で湿疹ができても、

通常の治療をするとあっという間に良くなってしまいます。

それこそ、一般の子よりも治りはすごく良いのです。

 

ということを考えると、湿疹が悪くなるのはどうしてもひっかくから。と考えたくなりますし、

実際にはそうだろうという印象が強くなってしまいます。

 

以上のことを考えると、湿疹の治療のコントロールはまず痒みをどのようにコントロールするか。

ということが一番大切な印象を受けてしまうのです。

もともと痒みは人生の質(QOLと言いますが)を落とすと言われていました。

そのために痒みに対する対処が必要だという考えです。

しかし、そのような消極的な対応ではなく、もっと積極的に痒みをコントロールすることが

湿疹の症状に対する治療になっていくのだろうと考えてしまうのです。

 

湿疹が落ち着かない時は多くの場合では痒みのコントロールがついていないようです。

まず痒みをどのように抑えていくのか?

その中でどのように問題を起こさずに痒みを沈めるのか?

どうもここが皮膚科医の腕の見せどころのようです。

 

すでにpain controlという概念は医療業界では一般的になってきました。

その次にはscratch controlという概念を広めていきたいものです。

アトピー性皮膚炎の本体は湿疹であるということ

以外に忘れがちなんですが。

と言うのも、現在のアトピーの研究がアレルギー的なもの主体になっているということもあるでしょう。

 

アトピー性皮膚炎についてはいろいろな研究があります。

あまりにもたくさんありすぎて、追いかけるのが難しい状態です。

というか、大まかな流れだけを見ながら追いかけているような状態です。

 

現在の研究の流れは大きく2つ。

アレルギーによるもの

皮膚のバリア異常によるのも

の2つでしょう。

そして一般的に有名なものが前者。

というのも、皮膚のバリア異常によるものということがはっきりしてきたのは

そんなに昔の話ではないから。

それに対してアレルギーの話はもっと昔からあったから。

また、マスコミ受けはアレルギーの話はいいから。

そんなところでしょうか。

 

でも、大事なことが一つあります。

あくまでもアトピー性皮膚炎で何が皮膚で起きているかというと、

湿疹の反応であるということです。

だから、湿疹を抑えないかぎりは今の症状は落ち着かないわけです。

バリアの問題やアレルギーの問題は本来はそれと同時かその後に来る話なのです。

その順番はあやふやになっているのが今のアトピーに対する問題かもしれません。

 

今の湿疹を放おっておいて、アレルギーだけに対処しても良くなりません。

皮膚のバリアの問題だけに注力しても良くありません。

 

あくまで、最初は湿疹を抑えることが大事なことになるわけです。

そのうえで、次にどうするのか?ということが大事になるわけです。

その順番。治療をすすめる上で大きな要素となります。

 

なぜ、この考えがあまり表に出ないのか?

・・・・やっぱり、湿疹の話だけでは地味だからでしょうねえ。

暖かくなるからアトピーが悪くなる?

春です。随分日も高くなり、温度も上がってきました。

そして、湿疹も悪くなった子も沢山来院されます。

春の季節の変わり目には湿疹が悪くなる。

とよく言われますが、どうしてでしょうか?

 

印象論には成るのですが、どうも温度は関係しているようです。

というのも、気温が一気に上がると、その後しばらくしてから受診する患者さんが増えるのです。

でも、夏の用に温度が上がり汗をかいて悪くしているわけではない。

となると、むしろ温度により変化する何かが悪さをしているように見えます。

 

温度により変化し、乾燥に影響するものといえば、湿度です。

考えてみると、湿度とは温度により、影響を受ける数値です。

気温により変化する飽和水蒸気量に対する、現在の水蒸気量を以って湿度の計算をするわけですから。

つまり、晴れた、水蒸気量そのものが変わらない空気の温度が上がると、

逆に湿度が下がるという状況になるのです。

そのために湿度の下がった空気の影響をうけて皮膚の乾燥も悪くなる。

という考えが成立するのです。

 

暖かくなったら乾燥に注意。

なんとなく違和感を感じますが、それもまた事実です。

まだ、加湿器をしまい込むのは早いかもしれませんよ・・・

 

今年も花粉カブレの時期がやって来ました

春です。花粉です。

既に私は症状が出まくりなので、毎日マスクをしながら診察をしています。

 

さて、今年も花粉カブレの時期がやって来ました。

多くは中年以上の女性の方です。男性の方はほとんどいません。

もしかすると皮脂がブロックしているのかもしれませんね。

 

症状は上下のまぶたから眉間にかけて、乾燥と赤みとざらつきが出ていること。

非常に痒みも強く、こすっているしぐさがあることです。

 

悪くなる要素としては、気にして触っていること。

ハンカチなどでこすっていること。(どうも押し拭きもあまり良くないようですね)

あとは以外に化粧水が悪いようです。

多分化粧水をつけることでその瞬間は良くなるんですが、その後すぐに乾燥してしまい、

逆にひりひりが悪化するんでしょうね。

 

ということで受診される方が多いという特徴があります。

 

治療は「カブレ」の反応なので、まずはステロイドの塗り薬を使う必要があります。

といっても、花粉がなくなるのはGW過ぎてから。

ということはこれから2ヶ月は塗る必要があります。

そうすると今度は長期使用によるトラブルが問題に成るのですが、

その辺りについてはヒミツの良い方法があったりします。

外来に受診していただいた際にはそのお話も出来るかと思います。

 

花粉の時期に目の周りが赤くなる人。

そして治療を長く続ける時にステロイドを継続するのが心配な方は

いちど相談に来てみませんか?

そろそろ水いぼの治療の時期になりました

みずいぼ1

 

え、もう?と思われる方も多いかもしれません。

でも、逆算するとそろそと始めないと間に合いませんよ?

 

何に?それはプールです。

幼稚園や保育園のプールでは未だに多くの施設で水いぼの子は禁止です。

なので、プール開きになる前に水いぼは全て治しておく必要があるのです。

 

逆算を始めてみましょう。

プールびらきは6月下旬(場合によってはもう少し早いかも)

その時になければいい?

いえいえ、そういうわけでは有りません。

いちど全部取ったように見えても、目に見えない水いぼが残っていることがあります。

その小さな水いぼが大きくなり、それが更に子供を作る前に水いぼを取る必要があるのです。

なので、一旦全部取ってから2-4週間は見ている必要があります。

結構繰り返す子も多いので、その期間が2回くらい必要になる子もいます。

なので、4月から5月には全部取りきれていてその後の経過観察期間に入る必要があります。

 

その前に水いぼを取る必要がありますが、これも難しい。

嫌がる子がほとんどですので、いちどの受診で全部取りきれる子はほとんどいません。

毎日受診して取ることも出来ますが、結構みんないやがりますよね。

また、他に予定がある子も多いので、週1回位の受診になるでしょうか。

多い子だと、最低でも4回位受診する必要がありますので、1ヶ月。

逆算したら治療の開始は3月から4月となるのです。

 

治療の経過、水いぼの特徴を併せて考えると

そろそろ治療を開始しないと、プールの時期には間に合わない子が出てきます。

5月6月になってから治療を開始しても、結局プールに間に合わない子も沢山見ていますから、

少し早めに治療を始めてちょうど良いくらいなんですよ。

まずは、皮膚に怪しいぶつぶつができていないかチェックして、

怪しかったら皮膚科を受診してくださいね。

 

まだシラミはでています

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先日も患者さんがいらっしゃいました。

シラミそのものはしばらく痒みが出てこないこともあります。

そのため、注意喚起を受けていても、「かゆくないから」

とばかりに、頭のチェックをされないことも多く有るようです。

 

そのためにしばらく時間が経過してから、再発が出てくるんですよね。

 

一番いいのは、一斉に専門家が確認をすること。

なんですが、なかなか難しいのでしょうか。

汗疹の患者さんがふえてきました

昨日暖かかったのに、今日はいつもの冬の天気に戻ってしまいました。

しかも、雪の予報って一体何なんでしょう。

 

とびひのリスクについて昨日記事にしましたが、今日の診察時にはまだみられません。

まあ、数日してから受診することが多いですからね。

 

むしろ、赤ちゃんの汗疹が多く出ています。

お腹背中を中心に結構な割合で湿疹が出ているので、要注意ですね。

厚着させすぎです。

でも、今日はいつもの様に厚着させてください。

 

ちょうど季節の変わり目。洋服の枚数も上手に工夫してくださいね。

 

2016年2月14日 とびひに注意しましょう

まさか、2月中旬のしかもバレンタインデーを前にとびひの注意報を出すことになるとは思いませんでした・・・

 

明日の気温は20度を超え、非常に暑くなる(相対的にですよ)ことが予想されます。

通常の気温よりもはるかに温度が高くなるときに注意すべきはとびひ。

 

昨日と同じ洋服を着せて、外に出て遊んでいると、確実に大汗をかいてしまいます。

それが曲者。

 

汗がたまり、そこに雑菌が繁殖し、とびひになるリスクは非常に高くなります。

実際、例年も最高気温が急激に、急速に上がった日のあとにはとびひの患者さんが多く発生しています。

 

外出前にはその時の気温にあわせて洋服の枚数を調節すること。

急激に気温が下がるので、必ず上着を手に持って出かけること。

汗をかいたらすぐにシャワーで洗い流すこと。

 

あとは、怪しい発疹をみかけたらすぐに皮膚科を受診することですね。

 

気をつけて、おでかけください。

 

追記

タグを「冬の病気」につけたのですが、なんかおかしいような・・・

湿疹の判断は「つまんでみる」ことから

今回は症状の見分け方のお話です。

湿疹とはどうやって見分ければよいでしょうか?

 

湿疹というのは何か?難しいお話ですが、

簡単にまとめると、

皮膚表面の炎症

の事を呼びます。皮膚炎とも呼ばれますね。

 

炎症の部位は皮膚の表面です。その0.1-1mmの範囲に起きるトラブルです。

 

では、どのように見て湿疹と判断しているのか?

実は見ていません。触っているんです。

湿疹の時に起きる皮膚の変化ですが、

 

1)ザラザラする。

これは、湿疹の起きた部分の皮膚が厚く、そして剥けてくるから起きる変化です。

 

2)固くなってくる

これは、湿疹に伴い、白血球やリンパ球が皮膚のなかに入ってくるから起きる変化です。

細胞の密度が通常より高くなるので、起きる変化ですね。

また、炎症が起きた部分は水っぽくなりますので、そのせいもあり、固くなります。

 

3)少し盛り上がってくる

これも先ほどと同様の理屈になります。

 

4)熱くなる

炎症が起きた時にはその部分が僅かに熱を持つようになります。

これは炎症の反応として局所の温度をあげるからです。

温度が上がれば、異物を排除する働きが強くなりますからね。

 

5)痛くなる、痒くなる

これも炎症に伴う反応です。

痛みを出すことにより、その部分を動かないようにさせます。

(余談ですが、痛みを感じない子は、安静にできず、湿疹はどんどんわるくなることがあります)

痒くなるのはなんでか?それは皮膚に入り込んだ異物を物理的に排除する役目があるからです。

特にトゲなどが刺さった場合は、痒くて引っ掻いていたら有る瞬間に痒みが薄れることがあります。

というのも、異物が取れてなくなったために湿疹の反応が弱くなったからなんですね。

この痛みやかゆみの反応は皮膚表面には現れません。

でも、痛かったら、その部分を触った時に逃げますよね。

痒かったら引っ掻くので、その部分に引っかき傷が出来ますよね。

そんなわけで、触ればある程度痛みや痒みの程度を把握することができます。

 

一回撫で回すだけで、皮膚科医はどこにどれだけの湿疹の強さがあるのか、

確認することができます。

もちろん、見た目でも判断しますが、どちらかと言うと、目よりも手の情報を重視しますかね。

 

では、医者以外の人でも湿疹かどうか判断できるのか?

それは大丈夫です。なれが必要ですが、乾燥肌の子を持つお母さんの中には

結構上手に湿疹の確認が出来る方もいるんですよ。当然医療の経験などはない人でも可能なんです。

 

わかりにくい?

そうですねえ。1.0mmが湿疹のために1.1mmになってもわかりにくいですよね。

 

では、どうすればわかりやすくなるか?

そこの皮膚をつまむんですね。

隣の荒れていない部分も併せてつまんでみて、その違いを知る。

それにより、湿疹か否かを区別しやすくなります。

1.0mmと1.1mmの0.1mmの差よりも

2.0mmと2.2mmの0.2mmの差の方がわかりやすいですからね。

 

 

2016年1月 りんご病が流行しています?

たまたまでしょうか?

先週から今週にかけて、りんご病の患者さんが何人か受診されました。

いすれも幼稚園から小学校低学年くらいの子です。

りんご病を疑って受診した子はその中の半分くらいです。

 

時期的にりんごほっぺと紛らわしいものではありますが、

りんご病の場合は腕や太ももにも淡い網目状の赤みが出来ることがあります。

怪しいと思った時には皮膚科もしくは小児科を受診してくださいね