わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

手のひらと足の裏だけの赤い発疹(2014年3月)(2017年追記あり)

(2018年3月追記)

2017年-2018年にも同様の発疹が流行しています。

こちらのページも参考にしてください。

 

 

 

今年に入ってからでしょうか。

 

手のひらと足の裏だけの発疹が流行っている印象を受けます。

年齢はだいたい2歳から4歳まで。保育園の子が多いかな?

手のひら、足のうらが全体的に真っ赤になり、ぱんぱんにむくんだような感じになっています。

時には手指、足趾の甲まで赤みは出ることがあります。また、点々とした赤みができることもあります。

しかし、不思議なことに足首、手首を超え、体の方に広がってくることはないようです。

 

詳しく話を聞いて見ると、風邪を同時に症状が出ているようです。

風邪の症状はあまり強いものではなりません。発熱、咳、腹痛といった一般的なものです。

でも、全身の症状が引くのと同時に皮膚に症状が出てくることが特徴です。

 

痒みはあまりなさそうです。でも、ときどきこすりつけるくらいの痒さはあるようです。

痛みはありません。

 

症状ですが、1ヶ月位で赤みは徐々に引いてきます。

引いた後には少ししわしわした皮膚になり、皮がめくれたように見えることもあります。

でも、心配は要らなさそう。その皮がめくれたら後は何も残りません。

 

詳細な検査は行えませんが、(なにせ採血させてくれませんからね)

多分ウイルス感染に伴う発疹の一種かと考えています。

皆さん元気ですので、痒み止めの塗り薬(必要があれば飲み薬も)出して経過をみてばみんな落ち着きます。

 

まだぽつりぽつりと出ているようですので、要注意ですかねえ。

もしも心配でしたら皮膚科を受診してください。

近くに住んでいる方でしたら当院でも診察可能です。

 

でも、この症状は武蔵野市だけかなあ。うーん。

 

 

赤ちゃんの顔の湿疹をそのままにしてはいけないという話

最近、食物アレルギーの原因についての話が変わってきています。

 

今までは食物アレルギーはアレルゲンがお腹の中に入って症状は起きるというものでした。

発生するのも口を通してアレルゲンは入るからとされています。

 

しかし、最近では食物アレルギー発生の原因はむしろ皮膚にあるのでは無いかというお話が出てきました。

具体的にはほっぺたの湿疹から食品のアレルゲンが入り、アレルギー反応をきたしてしまうということなのです。

最初にくっつくのは食材でもいいですし、お母さんのミルクに含まれている成分かもしれません。

また湿疹があるのはほっぺたかも知れませんし、指かもしれません。

しかし、大事なのは皮膚からアレルゲンがが入り食物アレルギーを誘発する可能性があるということです。

 

実際のところ診察室でははっきりしたことはわかりません

でも、これだけは言えるでしょう。

赤ちゃんのほっぺたの湿疹やガサガサ、乾燥は放置してはいけない。

ということなのでしょう。

 

赤ちゃんのほっぺたの湿疹やガサガサが心配であれば、一度皮膚科に相談してみてください。

もちろん、当クリニックでも診察していますよ。

また、もしも興味がありましたら勉強会にも参加してみてくださいね。

茶のしずく石鹸による小麦アレルギー発生事故の経過のお話2014 その2

さて、今回のお話は前回に引き続き、茶のしずく石鹸による小麦アレルギーについてのお話です。

今回は診断と治療についてのお話です。

・・・治療と経過については今までデータを入手していなかったので非常にためになりました。

 

なお、本項目は筆者のメモを中心にまとめたものであり、公式見解ではありません。

誤記や勘違いによるデータの間違いが含まれる可能性があります。

正確な情報を知りたい方は正式な文献や研究者に確認を取るようにしてください。

なお、この問題については近い将来にまとめたものについて一般のかたを対象にした発表の機会があるかもしれない

とのことでした。

 

診断のお話ですが、診断するのは比較的難しいものではありません。

というのもしっかりとした診断基準があるからです。

茶のしずく石鹸を使用したことがある。

アレルギー反応が起きたことがある

グルパール19Sによりアレルギー反応が誘発される

この3点です。

茶のしずく石鹸によるアレルギーでは、他の小麦アレルギーにはみられない、

グルパール19Sというはっきりした原因があるために診断は比較的容易なのです。

 

治療ですがこれは時間が解決してくれます。

というのも、グルパール19Sに対する抗体は時間とともに減少するからです。

半年くらいで半分になるとのことでした。

抗体の強さは症状の強さに影響を与えますから

このことは症状も徐々に良くなっていくということを示しています。

多くの人が少しずつですが小麦を食べることができるようになるとのことであり、

一安心できます。

しかし、飲み薬で劇的に症状が出ないように抑えるよいうこともできないようですね。

(症状が出た時には治療で抑えることはもちろん可能です)

 

 

しかし、まだ今後の課題も残されています。

・なぜアレルギー反応が出る人と出ない人がいたのか

・時間が経ってもアレルギー反応が収まらない人にはどうしたらよいのか

などは現在も研究が続いている分野です。

 

そして、化粧品に対する問題もあります

・食品由来の成分を化粧品に入れることについての是非

については今後の検討課題でしょう。

また、同様のケースが起きた場合にはどうすべきか

なども考えておかねばなりません。

 

茶のしずく石鹸の症状については現在少しずつ落ち着きつつあります。

しかし、考えるべきことがたくさんあることを知らされた事故でした。

 

最後に参考サイトを掲載しておきます。

詳しい情報を確認したい方は参照してください。

茶のしずく石鹸等による小麦アレルギー情報サイト

化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会 中間報告

茶のしずく石鹸による小麦アレルギー発生事故の経過のお話2014

今回のお話もその勉強会でのものです。

茶のしずく石鹸により、小麦アレルギーが誘発されてしまうという事故

2010年頃から発生し、翌2011年には茶のしずく石鹸の全面回収という結果に至りました。

 

現在マスコミなどの報道はもっぱら集団訴訟とその展開が中心となっていますが、

アレルギーの診察をする人間としてはその患者さん達についてのまとまった情報を知りたいと思っていました。

今回、医療者側で中心となって調査を行っていた、藤田保健衛生大学皮膚科の松永教授の講演がありましたので、

簡単にまとめてみたいと思います。

 

なお、本項目は筆者のメモを中心にまとめたものであり、公式見解ではありません。

誤記や勘違いによるデータの間違いが含まれる可能性があります。

正確な情報を知りたい方は正式な文献や研究者に確認を取るようにしてください。

なお、この問題については近い将来にまとめたものについて一般のかたを対象にした発表の機会があるかもしれない

とのことでした。

 

最初の患者さんの人数についてです。

今年の冬の時点で患者さんの数は約2000人強。全国に存在します。

多くは成人の女性が中心です。女性の発生が95%以上を占めるとのことです。

しかし、子どもの患者さんも数十名おり、子どもでは男女差が無いとのことでした。

まあ、普通男性は石鹸をわざわざ取り寄せることなどありませんからね。自らを省みてもそう思います。

子どもに関してはお母さんがきっと使ってあげたのでしょう。

まあ、普通子どもは石鹸をわざわざ(以下略)

 

なお、石鹸の販売数は4000万個以上、使用者はメーカーが把握しているだけで400万人以上いるとのことです。

成人女性の10人に1名が使用していると考えてもいいでしょう。

しかし、アレルギー症状が発生したのは使用者2800名に1名程度とのことでした。

大体1万分の4くらいの確率でしょうか。

・・・わかりにくいですね。サイコロを5回振った時に全部1の目が出来る確率よりも少し低いくらいです。

 

ただし、アトピー性皮膚炎では明らかにアレルギー症状が出やすいことがわかっているようです。

 

これはなぜか?

アレルギーの反応が最初に皮膚で起きたと考えられるからです。

石鹸ですから、毎日毎日顔の皮膚に接触します。

もともと顔面あ皮膚が薄いためにアレルゲンの吸収は体に比べて起こりやすいのです。

また、石鹸の界面活性剤で皮脂の減少が起き、皮膚のバリアが傷害される。

アトピー性皮膚炎のように湿疹になっている皮膚からはよりアレルゲンが入りやすくなる。

また、瞼の粘膜は皮膚よりもアレルゲンの吸収が良い。

ということで最初の症状は目のむくみで始まり、ついで顔の皮膚のトラブルとなっていったと考えられます。

 

次になぜ全身に症状が進展するようになったのかのお話です。

今回の茶のしずく石鹸のアレルゲンはグルパール19Sと呼ばれる蛋白質でした。

これは小麦を加水分解する事により出現する蛋白質ですが、

逆に言えば、小麦の中にも必ず含まれていることになります。

このグルパール19Sを顔から吸収し、アレルゲンと認識してしまうと、

お腹から入ってきた小麦に対してアレルギー反応を起こしてしまい、

腹痛や下痢などの腹部症状、ひいてはアナフィラキシーショックを起こしてしまうのです。

 

少し話が長くなったので診断、治療の話は次にしましょうか。

とびひ発生の報告

写真

いやあ、思ったよりも早くの発生となりました。

 

今週前半からトビヒの患者さんの診察を行うことがありました。

話を聞く限り、発生は先週の後半からのようです。

 

最高気温は15度を超えるようになるととびひが出るような印象を受けます。

ひょっとするとまだ冬の厚着のまま外に出て、汗をかいてしまうのもひとつの原因かもしれません。

もう少し暑くなってくると逆に薄着になるのでとびひの患者さんは減るのかもしれませんが・・・

 

トビヒの特徴は数時間で一気にじくじくする湿疹が広がってくることです。

特に鼻の周囲にじくじくする湿疹が出ている時には要注意です。体に広がってくるかもしれません。

かゆみはあってもなくても構いません。

放ったらかしにしておくと湿疹が全身に広がったり、血液の中に細菌が入ってしまうこともあります。

心配なときには一度受診してくださいね。

汗と温度とアトピー性皮膚炎

医者の仕事というのは患者さんの診察をするだけではありません。

時には文献を読んで最近の情報を仕入れたり、学会に行って、同様に最新の情報を仕入れる必要があります。

今回は勉強会に行って聞いてきた情報について簡単にお話をしたいと思います

今回のテーマは汗と温度変化とアトピー性皮膚炎に関するお話です。

 

なお、お話の内容は聞きかじりです。

興味を持たれた方は文献などを直接確認ください。

事実と異なる記載のある場合、責任は全面的に筆者にあります。

文献の著者などにはくれぐれも苦情などはいれないでくださいね。

 

アトピー性皮膚炎という病気は基本的に子どもも病気です。

というのも年齢とともに改善していくからです。

しかし、一部にはおとなになっても症状が出ている人や

一旦症状が消えたにもかかわらず大人になって再度症状が出てくる人がいます。

 

子どもの時に消える人と消えない人、再発する人では何が違うのでしょうか。

 

現在この問題には明確な答えはありません。

しかし、悪くなる原因を考えるとストレスや温度変化、発汗といったものがあるようです。

そのところを深く考えてみましょう。

 

アトピー性皮膚炎のかゆみとは不思議なものです。

多くの人は温めたり冷やしたりすると痒みはなくなります。

しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんの中には温めると痒みが強くなる人がいます

その原因として言われているのが末梢神経のお話です。

湿疹の皮膚では末梢神経の末端のセンサーとも言える部分が普通の人よりも進展し、

皮膚の浅い部分まで存在しています。

そのために痒みを強く感じてしまうのです。

つあり、感覚(知覚)の過敏があるということ。

 

もう一つはアーテミンと呼ばれる物質です。

このアーテミンというものは、皮膚の中の線維芽細胞という、コラーゲンを作る細胞から分泌されます。

どうも、この物質は温度感覚に影響するらしく、温めると非常に痒みを感じるようになるのです。

つまり、熱による過敏性を引き起こすのではないかと考えられます。

 

もう一つのアーテミンの作用は脳に働きかけるということ。

その影響により「湿疹の存在しない周りの皮膚も痒く感じてしまう」事になります。

逆に言えば、湿疹を治すことでその周りの皮膚のかゆみも良くすることができるのです。

 

 

少し話がそれてしまいました。もう一度温度と汗の話に戻しましょう。

汗ですが、一般的に暑くなれば汗をかくわけです。

実はアトピー性皮膚炎では暑さに対する反応性の発汗は悪くなっています。

この悪いというのは、量が少ないこともありますし、出始める時間が遅いというのもあります。

この原因はよくわかりませんが、事実として存在しているようです、

 

つまり、アトピー性皮膚炎の患者さんの場合、自分が思っているほど汗が出ていない可能性があります。

ということは、思っているほど、皮膚の温度は下がらないし、思っているほど皮膚の乾燥は取れない。

汗の中には細菌感染を防止する成分がありますが、それも少ないために感染を起こしやすくなる

ということがどうも起こっているみたいです。

 

では、なぜ汗が出ないのか。

これにはどうもヒスタミンが関与しているみたいです。

ヒスタミンが存在していると汗が出にくくなるみたいです。

 

というお話を聞いてきたのです。

散漫?そうかも知れません。

実際は人間の話もありますが、試験管の中であったり、ネズミさんのお話出会ったりと、

実際に診察室の中に応用できるものだとは限りません。

しかし、汗の方からアトピー性皮膚炎を考えるというのも、非常に興味深いお話だとは思います。

ここからよいお薬ができるといいのですが・・・

 

「乳児湿疹」では治せない

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今回は少しショッキングなお話をしていきましょう。

 

乳児湿疹。

赤ちゃんのいるお母さんはよく耳にする言葉だと思います。

一般的にもよく耳にしますね。

 

でも、私はこの病名は大っ嫌いです。

なぜか、「思考停止ワード」だからです。

 

湿疹(皮膚炎)の名前の付け方にはいろいろな物があります。

まず、原因によるもの

接触皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、小児乾燥型湿疹、自家感作性湿疹など

ついで、部位によるもの

手湿疹

あとは、形や症状によるもの

貨幣状湿疹

等があるでしょう。

あとは、特殊な病名の付け方としてアトピー性皮膚炎があります。

しかし、このアトピー性皮膚炎というものは「時とともに湿疹の出ている部位がかわる」湿疹

という意味ですので、これは症状を表した病名ということになります。

 

では、乳児湿疹とは何か。

これは「乳児にできた湿疹」を意味します。

 

乳児にできた湿疹は乳児湿疹。

では幼児湿疹、思春期湿疹、中年湿疹、高齢者湿疹はあるのかと言えば、それに当てはまる言葉はないのです。

 

なぜ乳児湿疹という言葉だけが大手をふっているのか?

それには2つの理由があります。

一つ目は時間が経ってしまえば落ち着いてしまうから。

もう一つは何が起きているのか、医療者の側もよくわからないから。

なのです。

 

つまり、「よくわからないけど、そのうち治るから」という理由で「乳児湿疹」と名づけていることがあまりにも多いのです。

湿疹が起きるには原因があります。しかし、その原因がなにで、一体皮膚表面には何が起きているのか。

そして、それはなぜ悪化したのか。

そこまで考えて初めて治療法が見つかるのです。

また、治療とはタダ単に薬を塗るということではありません。

毎日のスキンケアについての指導を行うことも立派な指導になるのです。

 

しかし、その部分への注意が少ないと、「乳児湿疹」という診断だけ行い、漫然と治療を行う。

ということになってしまうのです。

 

湿疹が起きるのには原因は必ずあります。

(一部、原因そのものの対処ができない物ありますが、それはまた別の問題です)

 

その原因がわからなければ「原因による病名」をつけることができません。

ですので、「乳児湿疹」と名前をつけてお茶を濁すことになるのです。

 

 

最後にもう一度繰り返します。

私は「乳児湿疹」という病名は大っ嫌いです。

原因を探すこともせず、対処もせず、思考停止をしていることがわかってしまう言葉だからです。

バレンタインとニキビの処方

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明日はバレンタインですね。

我が家も、パパ用、おじいちゃん用、娘のボーイフレンド用、お友達用と、沢山のチョコを準備しました。

お年頃の女性にとっては、私達の頃と同様に、まだ告白イベントとして健在なのでしょうか。

想いを伝えるとき、気になるのがニキビでした。

大切な時に限って、顔の真ん中や鼻のアタマなんかに出来てしまい、憂鬱な思いをしたものです。

当院にも、ニキビのお悩みを抱えた患者さんがいらっしゃいます。
私自身も、顔だけでなく背中にも出来て、イヤな思いをしました。

ニキビ治療も、昔は『青春のシンボルだから!』などと、悩んでいるのにふざけたことを平気で言うドクターもおられましたが、
最近では様々なお薬もあり、治療すべきものとしての認識がされてきたように思います。

ただ、治療法にもいくつもあるため、原因にもよりますし、患者さん自身も大至急治したいのか(まさにバレンタイン前なんて!)、
時間がかかってもしっかり治したいのかにより、お薬が異なるケースも出てきます。

また、春の結婚式シーズンに向け、花嫁さんになる方、お呼ばれ予定のある方。
他にも、就職活動される方、卒業や入学に合わせて治療しておきたい方、
様々なご要望があることでしょう。

最近は、男子も皆さんも美的な意識が高く、気にする方が増えてきているように思います。

私は背中がひどかったため、夏のプールがとてもストレスでした。

できれば、キチンと治療した方が安心だと思いますので、
キレイになっておきたい時期までに余裕を持って受診されることをお勧めいたします。

また、最初はスタンダードな治療をお勧めすると思いますので、
もし、いつまでになるべくキレイにしたい、などのご希望がある場合は、遠慮せずに診察時に伝えてくださいね。

もちろん、ご希望通りになる時ばかりではありませんが、
お話しを伺って対応できるものはしたいと思っておりますので。

では、乙女の皆様、頑張ってくださいね!

花粉症予報が出てきました

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年が明けると、もう花粉症の季節です。

つらい時期がやって来ましたよ・・・

まあ、今年は昨年よりは花粉の数が少ないみたいなので、ありがたいのですが。

 

さて、今年も花粉症予報の時期がやって来ました。

まだYahooなどのポータルサイトでは見られませんが、

製薬会社などのサイトでは確認することが出来ます。

協和発酵キリン株式会社:http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/

ウエザーニュース:http://weathernews.jp/pollen/

 

そろそろ内服を開始したほうが良さそうですね。

内服は継続して飲んで数日しないと効果は出てきません。

また、症状が出てから飲むよりも出る前の予防的に飲んだほうがより効果的ですから、

早めに飲み始めましょう。

 

当院でも、通院中の方でしたら、花粉症の内服も一緒に処方することも出来ます。

また、花粉の検査も行えますので、ご相談くださいませ。

 

未熟児/低出生時体重児のいちご状血管腫へのレーザー治療はどう考えるべきか

今回のお話はどちらかと言うと、専門家向けです。

 

いちご状血管腫は全新生児の約1%に出現すると言われる血管の腫瘍です。

腫瘍といっても良性の腫瘍であり、転移することはありません。

しかし、時に大きくなり、色々なモノを圧迫する事があるので注意が必要です。

 

治療は今はレーザーが標準的です。

今回はレーザーの詳しい話には突っ込みません。

 

また、より難しいのが未熟児あるいは低出生体重児のいちご状血管腫です。

そもそも低出生体重児にはいちご状血管腫はより多く発症することが知られています。

満期産の子の数倍であり、数%という発症率です。

何が問題になるか?病気の進行具合と治療の適応です。

頭を悩ませる医療従事者も多いかもしれません。

ここに私の経験に基づく治療方針について記したいとおもいます。

 

いちご状血管腫の状態について

いちご状血管腫は生後6ヶ月まで大きくなることは知られています。

逆にそれ以降大きくなることはありません。

低出生体重児ではどのような動きをするのか?

それは「出産した日」を基点に考えるべきです。

出産した日から6ヶ月。

これが拡大の目安となります。

(当然色調も大きなヒントになります。色が落ち着いてきたら拡大も落ち着くのはみんな一緒です)

間違っても、「修正週数」を基点に考えては行けません。

治療期間の見極めを間違えることになり、過剰診療を行う可能性があります。

 

レーザー治療の適応について

低出生体重児でもレーザーを行うことは問題ありません。

しかし、気をつけるべきことは皮膚の厚さについて。

低出生体重児では皮膚は薄く、ヤケドなどのトラブルを起こす可能性は通常よりも高いと考えるべきです。

出力、パルス幅の選択する時に気をつけるべきことはその子の「修正週数」です。

修正週数を見て、出力を決めるべきです。
(修正週数=その子は満期産の時には在胎何週なのか?)

つまり、修正40週で一般の新生児と同じ強さ。

それより小さいなら出力は落とす。

それより大きいならは修正週数に応じた月齢の子と一緒の出力で照射する。

間違っても「出産した日」を基点にして出力を決めては行けません。

往々にしてその出力は強く、トラブルを引き起こすことが有ります。

 

病態および治療法の選択に際して、児の年齢は非常に重要な要因です。

なにを基点にして考えるべきか、その参考になればと思います。