わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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夏の病気

デング熱ウイルスはすでに日本にいたのか?

などということを考えてしまうわけです。

 

最初に代々木公園で感染が確認された時には輸入感染症と考えていました。

代々木公園にのみデング熱のウイルスを持つ蚊がいるのだろうと。

新宿中央公園で感染が確認された時も、まあ隣だしね。

という考えでした。

 

その考え方がひっくり返ったのは、千葉で感染の疑いがある症例が出たことでした。

東京にも、海外にも行ったことのない人が発症した。

ウイルスそのものは見つからなかったが、抗体という、感染を強く疑われる反応が確認された。

というニュースを見てしまうと、どうしても以前より日本に存在していたのではと考えてしまうのです。

 

つい先日もそのようなお話があったなあ。と思ったので考えてみたら

SFTSについても同じような話だったんですね。

 

最初は海外でのみ存在すると考えられていたSFTSウイルスが

日本で見つかった。

そして、そのウイルスは海外のものとは違う遺伝子を持っていた。

ということを考えると、今回のデング熱ウイルスについてもひょっとすると日本に以前から存在したものが

今回感染を起こした可能性も否定できませんよね。

 

いずれにしても、今後の調査を待つのみですね。

とびひは暑いから出るわけではない

というのが、今年の診察をしての結論です。

 

とびひは夏の病気です。

というと、いかにも夏の暑い気候が悪さをしているような気になりますが、

どうもそうでもなさそうです。

 

暑い日がとひびを引き起こすのであれば、比較的涼しい時間が持続する

今年はそんなに多くはないということですよね。

 

でも、今年も結構とびひは多いです。

 

どうも、影響しているのは湿度のようですね。

それを反映するのが、とびひの患者さんが一気に増えるのは台風の後だからです。

 

つまり、湿度がとびひを作る。

 

ということは涼しくなっても雨が続く9月までとびひには注意したほうが良いということです。

 

お気をつけ下さいね。

 

夏もはたけは目立ちます

本格的にお盆に入りました。

当院も今週末までお休みです。

 

さて、夏になって目立ってきたのが、顔の湿疹です。

正確には湿疹に伴うほっぺたの部分的な色抜けです。

ほっぺたの一部に白く色が抜けた部分があり、特に日に焼けた子では、

とても目立つ状況になっています。

同様に背中や胸などにも色の抜けが出ている子もいるようです。

 

では、この色の抜けはなぜ出てきたのでしょうか。

 

この色のぬけは「単純性粃糠疹」と呼ばれるものです。

ちょうど米の糠のような小さなかさかさは皮膚にこびりついているので、

このような病名で呼ばれます。

俗称は「はたけ」

なぜ、このように呼ばれるのかはわかりません。

 

湿疹の部分というのは色が抜けたり、色がついたりと、

皮膚の色調に変化が出てくることがあります。

この単純性粃糠疹も同様の理由で色が抜けると考えられます。

 

最初は粃糠疹の部分はでこぼこしているので、光が乱反射し、結果として白っぽく見えると考えていたのですが、

どうもそんなに単純な話ではなく、

粃糠疹部分の色素のでき方そのものが周囲と異なるために出現すると今は考えられているようです。

 

では、対処法はどうするのか?

先にお話しした通り、粃糠疹とは軽い湿疹の状態ですから、湿疹を直すことが治療になります。

保湿剤でも十分抑えることが可能ですし、症状が強いようであれば

弱めのステロイドを塗ることで湿疹を抑えることができます。

でも、この色のムラを直すのは正直難しいです。

そもそも色ムラは湿疹の結果の色素のでき方の違いが原因ですから、

湿疹を直しても色素がすぐに出るわけではありませんし、そもそも皮膚の色は

何か月もかけてできた皮膚の色素の量で決まります。

したがって、湿疹を直したからと言ってすぐに色のむらがなくなるわけではありません。

 

でも、心配はいりません。

時間はかかりますが、きちんと湿疹を治してさえいれば、色のムラは徐々に目立たなくなります。

冬には目立たなくなりますので、ご心配なく。

もしも、ムラが目立つのはイヤというのであれば、

ファンデーション機能付きの日焼け止めを使えば目立たなくなります。

色が気になるようでしたら、試してみてくださいね。

引っ越しをすると虫刺されはわるくなる。

夏になり、虫刺されの患者さんがたくさん受診されるようになりました。

多くの患者さんを診察していて気になることが一つありました。

概ね虫さされの症状は刺された回数により決まります。

したがって、同じくらいの年齢の患者さんでは、みな症状の強さは似通ってくるのですが、

一部の人では年齢に比べて非常に強い症状を示す方がいました。

 

どんな人がそのような反応を示すのだろうか。

 

と考えて観察していると、ある一つの傾向が見えてきました。

 

どうも、このような人は引っ越しをしているんですね。

しかも、引っ越しをしてからの年数と症状の強さが関係しているみたいです。

 

不思議な話でしょ。なぜでしょうか?

 

どうも、刺す虫に対するアレルギーの強さが違うのではないか。

と考えられます。

 

虫さされのアレルギーの強さは虫の種類ごとに異なります。

つまり、

イエカのアレルギーの強さと、ヤブカのアレルギーの強さは全く別個のものなのです。

 

それをもっと考えてみると、

関東のイエカのアレルギーのつよさと東北のイエカのアレルギーの強さ、

九州のイエカのアレルギーの強さは全く別個のものかもしれません。

 

いままで、イエカはイエカ。アレルギーの強さは一律でしょ。

と考えていたのですが、ひょっとすると地域によりイエカはイエカでも微妙に違い、

刺された時に体内に入ってくる成分も微妙に違い、

アレルギー反応も微妙に違う。

ということがあるのかもしれませんね。

 

なので、引っ越しをした後には虫さされの反応が非常に強くなってしまう。

ということもあるかもしれません。

 

 

では、どこからどこに引っ越ししたら反応が強くなるのか?

これはまだよくわかりません。

どうも別の地方(例えば東北から関東)レベルでは強くなるようです。

もちろん隣町レベルでは強くなりません。

そのあいだのどこかにあるんでしょうね。

これは今後の課題としましょうか。

台風が過ぎた後に増えた皮膚の病気

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少し時期を逸したお話ですが、2014年7月に日本を直撃した台風が過ぎた後に

増えた皮膚の病気がいくつかありました。

多分夏の台風が過ぎた後には同じような傾向があるかと思いますので、

この機会にまとめてみたいと思います。

 

今回の台風は幸いな事に関東を通過したのは夜間から深夜にかけてであり

関東では大きな人的な被害はありませんでした。

 

でも、その後患者さんが増えたのは事実ですし、

(まあ、台風のために受診を控えていたということはあるのでしょうが)

いくつかの病気が明らかに台風の影響と考えられる増え方をしていました。

その理由も合わせて考えてみました・

 

>汗疹

特に乳児から幼稚園前の子に増えました。

台風が来ることで室内の湿度がほぼ100%になること、

また、今回の台風が南風を連れてきたために気温が上がったことが原因のようです。

首の前面、おむつをしている子では、腰からおしりにかけてのおむつの中に広い範囲に汗疹を

作る子が多かったです。

痒みはあまりなかったようですね。

 

>とびひ

こちらは保育園、幼稚園児から小学校低学年の子に多く出てきました。

こちらも湿度と温度の関与が考えられます。

ipetigo

 

以前に成育でまとめたスライドですが、もともと夏に多い病気です。

意外に7月に多く出てくる病気なのですが、台風の時は特に多い印象をうけました。

汗疹と同様に汗で悪くなるようです。

 

今回の台風では意外に水虫はいませんでした。

まあ、もともと子どもは水虫にはかかりにくいものなのですが、大人も少なかったのは意外です。

理由ですが、夜間に雨が降り、朝には雨が止んでいたことがあるでしょう。

つまり、濡れた靴で歩来まわる人がいなかった。

そのために水虫になる人は少なかったのかもしれません。

 

台風はさまざまです。雨が多い台風、風が強い台風。

台風が来る時間によっても状況は変わります。日中に来るのか?夜間に来るのか?

一律に考えることは難しいのですが、どうも汗疹ととびひ、水虫は増えると考えて良さそうです。

 

 

対処法はどうでしょう。

まずはエアコンをしっかりと点けること。特に湿度の管理を徹底したほうが良さそうです。

少し温度は低くなりますので、大人は一枚洋服を着るくらいでいいかもしれません。

また、外出後は必ず体を洗い、靴や靴下が濡れているようであればしっかりと乾かしてください。

また生乾きの靴は履かないこと。長靴もしっかりと乾かすようにしましょう。構造上どうしても乾きにくいですからね。

 

でも、これだけやっても、停電になったり、避難するような場合にはどうしようもないんですよね・・・

 

 

去年の日焼け止め、使っていませんか?

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今朝のニュースをなんとなく見ていたところ、日の出の時間が出ていました。

4時台にもうお日さま、登っています・・・

 

さて、診察をしていると、時々顔の湿疹の女性の患者さんが受診されます。

・・・いや、時々という言い方は不適当かもしれません。最近少し多いんです。

症状は左右対称性にほっぺた、おでこを中心とする少し赤い湿疹。

特にこのような症状を起こす場合、化粧品に負けている可能性が高いのですが、

詳しく話を聞いても、そのようなお話は無いとのこと。

 

ふと気がついて、一つ話を聞いてみました。

「日焼け止め、去年買ったものをそのままつかっていませんか?」

えへへー。

 

それだ!

 

日焼け止めでかぶれることもありますよ。

特に昨年購入して、まだ残っているからとそのまま保管していた日やけどめでかぶれること、ありますよ。

 

理由ですが、あくまで推論ですが、多分日焼け止めの成分が時間とともに劣化変質していること。

もちろん、日焼け止めの主成分だけではなく、その他の添加物でも同様の事が起きるかもしれません。

 

対処法はたったの一つ。

去年買った日焼け止めは捨てましょう。

できれば、年末の大掃除の時に捨ててもいいかもしれませんね。

 

虫刺されの症状がひどくなる場所

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さて昨日に続き虫刺されのはなしです。

 

時に聞かれるのですが、虫刺されの症状がひどくなるのはどこでしょうか?

 

まず考えられるのは、皮膚の柔らかいところです。

柔らかいとは読んで字のごとく。ぐにょーんと伸びやすいところです。

専門的に言えば。皮下の繊維の少ないところです。

 

目立つのは顔面でしょう。耳タブも結構柔らかいですよね。

手足で言えば、外側よりも内側の方が柔らかいですよね。

 

これ全部正解。

この場所は虫に刺された時には激しく腫れる場所です。

その中でも最も激しいのはまぶた。うわまぶたです。

ここを刺されると目が開かないくらい腫れてしまいますもんね。

 

 

他には無いかなーと思って診察していたら、思いもかけない場所が腫れている子がいました。

ちなみに男子限定です。

さて、どこでしょうか。

 

 

・・・おちんちん?まあ、ここも腫れますが、そもそも虫に刺されませんね。

意外や意外、男の子の足はおもいっきり腫れるのです。

あれ、さっきの原則とは違うではないか?と思った方は鋭いですね。

では、なぜこの部位が激しくなるのか?なぜ男の子だけなのか?

正解は運動でしょう。きっと。

 

虫刺されの反応は、虫によって体内に入った毒や唾液の成分に対する

アレルギーの反応と、毒そのものの化学反応です。

体を動かせはその毒は広がっていきます。

そのため、アレルギーの反応もそれに応じて広がっていきます。

そのため、足の症状は悪くなってしまうのです。

特に男の子は虫刺されなんぞ気にせずに走り回っていますので、

余計に虫刺されの症状が悪化してしまうのです。

 

ということで男の子限定ですが、虫に刺された後には足も症状は激しくなりますよ。

というお話でした。

虫刺されに性差は有るのだろうか?

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今回は夏らしく虫の話をしていきましょう。

 

虫さされ、男女に差があるのかどうか考えてみましょう。

 

 

まず、家の中の虫です。

ダニとかノミとか、ナンキンムシとかですね。

うーん、これらの虫はあまり男女を区別して刺すことはなさそうです。

むしろ、家族中に発生していることがひとつの目安となるので、

明らかな男女差はないように思えますね。

 

ついで家の外の虫です。

蚊とか毛虫ですね。

これも、来院患者さんの割合を見る限り、男性と女性では差はなさそうですね。

でも、診察をしていて気がついたこと。

それは刺された数です。

明らかに男の子の方が多く、症状も激しいです。

女の子は逆に数は少なめだったりします。

 

つまり、こういうふうに考えられるかもしれません。

外で虫に刺されるのは男の子の方が多い。

しかし、病院に来る確率は女の子の方が多いので、

結果として男女差はない。

しかし、症状は男の子が悪い。

 

とかんがえると、辻褄が合うかなあ。

 

 

とかなんとか考えながら仕事をしています。

考えることはたくさんあり、非常に面白いですよ。

汗疹の治療でしてほしいこと、3つ

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さて、今回は汗疹の対処法のお話です。

原因だけ書いて、対処法について書かないのはアンフェアですもんね。

 

汗疹の治療で3つ、してほしいことがあります。

それは・・・

流して、

冷やして、

乾かして。

の3つです。

それぞれ見て行きましょう。

 

汗疹の原因は汗。また、その汗が出来る原因として高温と多湿の環境があります。

したがって、汗のでる環境をコントロールすること。出た汗をうまく取り除くことが必要となります。

 

まず、流すこと。

流すことで汗そのものを減らしていきます。

また、冷やして流して。つまり冷たい流水を当てることで皮膚表面の温度を下げることができます。

それにより、汗そのものの発生を抑えることが出来るのです。

 

次に冷やすこと。

こちらは皮膚表面の温度を下げることも有りますが、環境の温度を下げることもあります。

つまり、クーラーを上手に使い、室温を下げてみる。

これだけで汗疹の発生をかなり抑えることができます。

(クーラーがイヤという方は除湿/ドライでも同様の効果が期待できます。

体感温度を下げるだけでもずいぶん違いますよ)

 

最後に乾かすこと。

ひとつは汗を服などの方法でとってあげることがあります。

また、ついた水分をそのままにし過ぎると、蒸れて皮膚のトラブルの原因になりますので、

要注意ですね。

 

しっかりと汗疹のケアをしてあげて、暑い夏をしっかりと乗り切っていきましょう。

梅雨入り宣言はトビヒのはじまりでもあるのです。

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梅雨が始まりました。

今年の梅雨の入りは激しいですね。

既に夏が来たかのようです。

また、寒暖の差も激しくなったので、体調管理も大変ですよね。

暑いかと思えば寒くなったり・・・

洋服を考えるのも一大事です。

 

実は、洋服を考えるのは子供も大変。

特に暑い日に厚着している子を見かけることもあります。

暑い日に厚着をして悪くなるものといえばとびひです。

温度が高く、汗をかく環境にあると、一気にとびひが出てきます。

クリニックでも先週から一気に発生頻度がました印象があります。

じくじく、ベタベタした発疹がどんどん広がってきたら要注意。

一度皮膚科で見てもらってもいいかもしれませんね。