わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

デュピクセント

アトピー性皮膚炎の注射について、診診連携という考え方をしてみる

アトピー性皮膚炎の診診連携、徐々に患者さんが増えてきました。

ウチでは注射のみ扱い、いつものところでは外用と内服を継続する。
という仕組みですね。

全身療法の開始に伴い、湿疹は改善します。
それに伴い外用の変更が必要になるのですが、
そのやり方がウチと前医とで異なると患者さんが戸惑ってしまう。
そして、そもそものスキンケアの指導が異なり混乱してしまう。

というトラブルが発生する可能性がありますので、
前医とウチとで分担をするという考え方になります。

お互いに慣れていることを相互に分担しましょう。という考え方の治療です。

現在の治療だけでは足りないけど、今の先生は注射してくれないし。
という方は診診連携の考え方を参考にして、
主治医の先生に相談してみてくださいね。

アトピー性皮膚炎全身療法の患者さんの、災害時での治療継続計画について

なんかタイトルが小難しいお話になっていますが、簡単にまとめると

「なにか災害が発生したときに治療を継続できるようにしておきましょう」

というお話です。

 

今年のお盆休みは宮崎県の地震に始まり、台風に終わるといったところでしょうか。

神奈川の地震もありましたね。

ということで災害時の備えについてきちんと考えなければと思った方もいるかも知れません。

今回のお話はアトピー性皮膚炎の災害時の対策についてです。

ウチでのお話が主体となりますので、参考に留めていただき、

それぞれの主治医の先生に相談してくださいね。

 

アトピー性皮膚炎で災害時に問題になるのは全身療法との関連でしょうか。

定期的に注射を打つ必要がある、そして打たないと湿疹が一気に悪化する

という状況に被災すると追い込まれる可能性があります。

そして、こちらは災害時だけの問題ではなくて、治療提供者側についての問題も提起します。

実際に昨年起こった事例ですが、全身療法を処方している皮膚科の先生がお亡くなりになった。

そのために全身療法を継続できずに困ってしまった。

というケースも起こりました。

今だと、そういった突然死のような状況だけではなく、新型コロナの後遺症。などということも考える必要があるでしょう。

 

では全身療法のリスクはどこに有るか?

それは在庫管理にあります。

内服にしても注射にしても、手許にどれだけの薬を用意しているか?

がポイントになりますね。

つまり、手許がゼロなら次の注射時期までしかリミットはありませんが、

残っていればその本数だけリミットは伸びます。

 

つまり、一番脆弱なのは、

「院内に定期的に受診し、注射を行っている患者さん」

ということになるわけですねえ。

 

今回のお盆のあれやこれやを見て、今までは対応を取っていなかったこのリスクについては

(どうするかはずっと考えていましたが)

今後積極的に対応を取っていくことにします。

 

処方箋で薬をもらっている方はできればお早めに受診していただくこと。

こちらは今まで通りになります。

※なお、最大3ヶ月分までの処方であることはあらかじめご了承ください

内服についても同様、1ヶ月毎に受診をしていただく形になります。

最長で手許には1ヶ月分の薬剤が用意できる形になります。

変更するのは当院で注射を打っている患者さんです。

こちらについても注射薬を3ヶ月分処方させていただきます。

そして、毎回通院時にどこまで自己注射ができるか確認をし、

自分で出来るとことまで進めていく形に変更させていただきます。

もちろんそれで自己注射が出来るようになればそのまま自宅で注射していただいて構いません。

 

また、3ヶ月分まとめて処方することにより、以下のメリットが生じます

・予約変更の電話をしなくても済む

・発注ミスで受診時に注射薬が届いていない可能性はなくなる

・まとめて処方することで高額療養費の対象となる可能性がある

という所がメリットになるかと思われます。

 

日本、東京が災害の大い土地であるというのはもう逃れられない宿命のようなものです。

であるならはそれを真正面から受け止めて、しっかりと対策をしていったほうが良いのではないかと思うのです。

運用の変更についてご理解をいただければ幸いです。

YouTube動画:2023年アトピー性皮膚炎の新規治療薬解説動画

本当は年末に上げたかったのですが、年始になってしまいました。

昨年新規処方開始された&適応年齢が拡大されたアトピー性皮膚炎の

おくすりのまとめ解説動画です。

 

Twitterまとめ:デュピクセント適応拡大の前に気になる点

デュピクセントが生後6ヶ月以上への適応拡大が進むのですが、現時点でウチが懸念しているのは以下の2点です。

1)スキンケア、外用が不足しているために悪化した子に注射を打つことの是非について
2)症状が改善した時に注射をどのように止めていくのか

以下簡単に説明していきます。
1)こちらは入口問題となります。
そもそも論ですが、特に乳幼児においてはアトピー性皮膚炎の治療は最初にスキンケア、ついで外用治療です。そして成人よりも更にスキンケアの重要性が強いと個人的には考えています。
心配なのは、全然スキンケアの指導をしないで、外用も適切なものを使用しないで湿疹がこじれたからデュピクセントを使うということが起きないかどうかです。
皮膚科小児科のどちらでも起きているのですが、スキンケアの質と量が足りない、外用が不適切であったがためにうちを受診される子が結構いるということ。そういう子に対してきちんと指導し、外用を行うだけできれいになってしまうということを経験している以上どうしても心配になってしまうのです。

2)は出口問題です。
今までは成人のみにデュピクセントは使用されていました。成人まで持続するアトピー性皮膚炎は遺伝的・体質的な要因が強く、そのために中止がなかなかできないというようにうちでは考えています。
しかし小児の場合は小児特有の皮膚の脆弱性という問題があり、こちらは裏を返せば年齢とともに改善する疾患でもあると言えます。実際に乳児期には酷い症状だった子が幼児学童期にはその面影がないツルっとしたお肌に改善することも往々にして経験します。
つまり、成人と異なり、小児の場合はどのようにデュピクセントを止めていくかという出口の問題がより大きくなると考えられます。また小児のアトピー性皮膚炎の子の中には遺伝的要因が強い子もいますが、こちらは初見ではわかりません。(治療を続けていてもなかなかわからないですが)最終的に治療しても良くならないということを以て成人期に移行する子と判断するのですが、この子達はデュピクセントを中断することは厳しいのです。
したがって、多数の年齢とともに寛解する子と少数の寛解しない子の差をどのように見極め、それぞれにどのように治療を行うべきなのか。こちらは治療を行いながら手探りで判断していくことになるのでしょう。

デュピクセントは今までの経験から成人に対して非常に有効であり、小児に対しても有効であろうと推測することができます。
しかしこのような問題点については一つずつ解決をしていく必要があるかと考えます。
でも、最後に。適応拡大は本当に嬉しいのです!!!

 

デュピクセントペン型の緊急のおしらせ

デュピクセントのペン型を使用している患者さんへのお知らせです。

昨年末に当院でも発生していたデュピクセントペン型の先端部の押し込み困難例ですが、
メーカーさんによると他にも同様のケースが発生していたようです。
当院のケースでは無理やり打ったとのことですが、事故の可能性があります。

もしも通常の力で押しても薬液が出ない状況のときは使用を中止し、
未使用品をそのまま処方医療機関に提出ください。
あとは医療機関経由でメーカーさんに確認の上、
代替品を無償で提供いただけるとのことです。

無理な使用はお控えください。

アトピー性皮膚炎の全身療法を実行中の方が転院するときに気をつけること

デュピクセントを始めとする次世代型アトピー性皮膚炎の治療が開始されて4年目に入りました。

オルミエント、リンヴォック、サイバインコ、ミチーガと薬の種類も増え、使用中の患者さんも増えてきています。

それに伴い進学転居などの社会的変化に伴い転院されるかたも増えてきました。
その方にはもちろん転居先で治療を継続するようにお話をし、紹介状を記載しています。

紹介状にはいくつか記入が必要な事項もあるのですが、紹介状にそれが抜けていることを経験したために今回記事にします。

いや、だってこれが書いていないとおくすりを処方できないんですもの。

 

アトピー性皮膚炎の治療薬は非常に高価です。窓口で支払う金額でも十分に高価なのですが、それ以外の7割(から9割)の金額は実は保険者から出ています。

そのお金はもとをたどると毎月給与から引かれている保険料および税金となっています。

医療機関は毎月保険者にレセプトという名前の書類を提出し、その金額を請求することになっているのですが、そのレセプトには必ずいくつかの事項を記載しなければなりません。

特にアトピー性皮膚炎の場合には上記の写真にあるIGA、EASI、BSAというデータを記載する必要があり、そのデータがある数字以上でないと処方できないルールになっております。

で、問題になるのが治療中に転院した場合。調子が良くなって転院すると、転院先の病院でとった数字ではクリアできなくなる可能性があるんです。

この数字は患者さんがある時点でクリアしていることが証明できればいいので、一番合理的なのが全身治療を行う前の調子が悪い段階でのデータを使用することなんです。

なので、転院前の病院が持っているそのデータが一番大事なのですが、その数字が書いていない。となると転院先の病院は途方にくれてしまうのです。

もちろん、一番悪いときのデータを見ることでもともとその患者さんがどのくらい重症なアトピーだったのか、ひいてはどれだけしっかりと治療を行うべきなのかを知ることも大事なのですが。

 

なので、転院前の病院にお願いです。このIGA、EASI、BSAのデータはかならず紹介状に記載してください。処方薬のデータは患者さんのお薬手帳を見ればある程度確認できるのですが、この3点だけは紹介状に記載が無いと全く判断ができません。

あとは患者さんも可能であればこの3つの数字は教えてもらってお薬手帳などにメモしておくと良いかもしれません。実際に起こりうる話ですが、洪水で・地震でクリニックのデータが全部なくなってしまうことも理論的にはありますから。しっかりと自己防衛することも大事ですよね。

 

転居するときには紹介状をしっかりと書いてもらいましょうね。

 

 

デュピクセントの適応年齢が下がるかもしれません?(2022年10月)

先日キャッチしたニュースです。

 

アトピー性皮膚炎の治療薬であるデュピクセントですが、メーカーのサノフィさんから生後6ヶ月以降までの適応年齢拡大を申請したようです。

クリックして221026.pdfにアクセス

まだ、日程については確認できていませんが、もしもこれが通るとなると日本のアトピー性皮膚炎治療が一変するかもしれません。

今までは大人になって、長い湿疹の履歴のある人が対象となっていました。つまり、過去の積み重ねがあったということです。

しかし今回は湿疹が出てから魔もない小さなお子さんということでもあり、治療の効果が今までよりもより早く、高いことが期待できます。

まあ、まだ投与量や投与間隔などの情報が出ていませんので、今後情報を収集していく予定です。

 

当院でもデュピクセントの適応年齢が拡大したらば積極的に治療を行いたいと考えておりますので、院内の体制も順次整えていきたいと思います。

まずは現状できる治療をしっかりと進めて、湿疹を悪化させないようにしていかないとですね。

アトピー性皮膚炎内服治療薬の比較(2022年8月版)

アトピー性皮膚炎内服・注射薬の比較2022年8月版

アトピー性皮膚炎内服・注射薬の比較2022年8月版

 

先のブログに記載のとおり、8月から新規アトピー性皮膚炎の注射剤が開始になりました。

種類も増え、それぞれの特徴も出てきましたので簡単にまとめてみました。

院内で患者さんに配布用の資料ですので、一部文面を省略している部分もあります。

興味のある方はそれぞれのメーカーのWebを見て情報を入手してみてください。

また、当院では外来にて随時相談を行っております。

治療を希望される方は一度外来を受診の上、治療法を検討してみてはいかがでしょうか?

停電時にデュピクセントの自己注射を行う場合の注意事項

地震、結構激しかったですね。11年前を思い出しました。

 

現在東北関東地方を中心に停電が発生しております。

中にはデュピクセントの自己注射を予定している方もおられるかと思います。

 

停電当日、翌日程度であれが常温で保存いただき注射を行うことは可能です。

ご心配なさらないでください。

 

ただし、その次以降の(つまり2週間以降ですね)注射製剤については

処方時に渡された資料よりサノフィさんの問い合わせ窓口を確認し、

そちらに連絡を取ってください。

もしくは処方した薬局にご相談ください。

 

繰り返しになりますが

今日17日の注射については全く問題ありません。

予定通り自己注射頂いて大丈夫です。

“デュピクセント”と”オルミエント”の比較をしてみました

前回の記事でアトピー性皮膚炎の新薬の処方開始のお話をしました。

アトピー性皮膚炎の治療として数年前より”デュピクセント”が使用されておりますが、

それとの関係が気になる方も多いかと思います。

 

私も少し気になっておりましたので、比べてみました。

というのが今回の記事の内容です。

 

オルミエント内服の話2

 

↑リンクを貼っておりますので、印刷か別タブに置いて眺めながら話を聞いていただければと思います。

 

まず基礎的な事項として”デュピクセント”は注射、”オルミエント”は内服という違いがあります。

注射いやだー!という人はオルミエントの方がいいでしょうね。

 

効果ですが、”デュピクセント”と”オルミエント”の通常内服量でしたら大きな差はないと

考えて良さそうです。

ただし、オルミエント減量の場合は効果は少し落ちてしまうでしょうね。

1日おきでしたらもっと落ちる可能性があります(が正式なデータはないのであくまでも推察です)

逆にオルミエントは増量減量が比較的簡単に行なえますので、そちらはメリットかも知れません。

 

副作用です。”デュピクセント”は免疫抑制はありませんが”オルミエント”はあります。

ただし、デュピクセントは眼の周り・中の炎症がかなりの確率で出現すること、

オルミエントの免疫抑制は減量に伴い減らすことができることは特徴でしょうね。

 

使用制限はいずれも中等度から重症のアトピー性皮膚炎と限られています。

こちらは使用希望時に全身のチェックを行い、使用可能か検討を行った上で

投与判断を行います。

症状が軽いときはダメかもしれません・・・ご了承ください。

 

事前検査ですが、影に隠れている感染症が”オルミエント”内服開始で現れることがあるので、

オルミエントの場合は内科での血液検査/胸部レントゲンが必須です。

そちらで問題ないことを確認しない限り処方はできませんからご注意ください。

 

治療期間ですが、どちらの薬も中断は難しいかなと考えたほうが良さそうです。

やっぱりアトピーは手強いのです。

調子が良くなったときは”デュピクセント”でが注射感覚の延長、”オルミエント”では

内服量の減量という手段は取れますが、ゼロにするのは難しいかな・・・

 

受診間隔ですが、”デュピクセント”自己注射に限り3ヶ月に1回でOKです。

院内注射の場合は当然注射間隔ごとに受診必要ですし、

”オルミエント”は現時点では最長で4週間とさせてください

(なお十分なデータが当院で集まった場合には延長する可能性があります)

 

最後にある意味いちばん大事な金額のお話です。

”デュピクセント”と”オルミエント”通常内服の場合は金額はほぼ一緒とお考えください。

なお、オルミエントは減量、投与間隔の延長も柔軟に行なえますので、金額はその分

少なくてすむ可能性もあります。

・・・が、いちばん大事なのは病気がコントロールできることですからね。

調子が良くないのに減量することはあまりおすすめできませんからね。

 

 

ということで簡単に比較してみました。

なんにせよ選択肢が増えるのは良いことです!

治療方法を決める一つの参考資料にしてくださいね。