わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

プロトピック

まぶたの虫さされにどのように対処すべきか

ちょうどタイムリーな質問が当院に問い合わせがありましたので、

ブログでお答えさせていただきます。

 

質問の内容ですが簡単にまとめてみます。

・まぶたをブヨに噛まれた。

・目が半開きの状態まで腫れた

・皮膚科受診したら皮膚科の先生からプロトピック軟膏を薦められた。

・リンデロンVGを希望したところ、最終的にリンデロンVGが処方された。

・インターネットを見たら危険だと書いてあり、心配になった。

箇条書きにしてみましたが、それについてお答えしたいと思います。

 

>虫さされでまぶたが腫れた時には?

もともとまぶたは腫れやすい部分です。

虫に刺された後に、ものすごく腫れ、極端な場合には目も開けられなくなることは

結構起こりえます。

最初の対応はとにかく冷やすこと。

保冷剤や氷嚢などを使用して、物理的に温度を下げてください。

冷えピタシートはあまり良くないですね。時に塗っている成分でかぶれる可能性もあります。

まず、とにもかくにも冷やすこと。

 

>虫さされの時に選択される薬剤はナニ?

私の場合はまずステロイドを使用します。

副作用については後述。

プロトピックを最初から使用することは無いですね。

というのも、荒れている皮膚にプロトピックをいきなり使用するとしみることがあるからです。

また、目の周りにはプロトピックは公式には塗らないように言われていますので。

ステロイドですが、虫さされの場合には一般的に使用するものよりも強いものを使うことが多いです。

一般的にはネオメドロールEEやプレドニンなどが使用されますね。

顔にはロコイドやアルメタ、キンダベートといったところが通常使用されるものですが、

虫刺されについてはそれよりも一つ強いリンデロンV(あるいは VG)や、時にはアンテベート

マイザーといった2段階強いものを使用することもあります。

どのステロイドを使用するかは、症状の強さによります。

副作用が心配?それも後述しましょう。

 

>ステロイドは危険なのか?

もちろん、使いかたを間違えれば危険です。

でも、皮膚科医に言われたことを守っていればまず問題は起きにくいものです。

ステロイドの副作用の出来方は、

薬の強さ×塗っている期間で決まります。

また、皮膚が薄ければその分だけで安いことになります。

実は今回の虫さされについてはほとんどの場合は数日である程度落ち着くことが多いのです。

ですので、逆に強めのステロイドを使用しても短期間であれば問題にならない。

ということなのです。

 

最後に気をつけることは何か?

実は、きちんと受診することなんですね。

先に述べたように、短期間であれば強めの薬を使っても問題になる可能性は少ないのです。

また、虫さされは短期間で症状が変わるものです。

当院では最初は週2回のペースで受診してもらっています。

長くても1週間以上間を開けないようにお願いしていますが、

その理由は上記2によるものです。

 

虫さされは短期間で症状が変わっていきますので、

それに併せてキメの細かい治療を進めていくものです。

早めに受診。こまめに受診。

この2つを心がけたいものですね。

目の周りの荒れた皮膚にプロトピックを塗ってもいいかもしれない。

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さて、久しぶりの顔の湿疹の話をしましょう。

ちょうどスギ花粉もピークを迎えていますしね。

 

前回のお話では、顔にステロイド軟膏を塗ることはあまりおすすめできないとお話しました。

限定的に使用するのであればOKなのですが、そう考えるとあまり使いたくないものです。

 

でも、最近はステロイドではないアレルギー反応を抑える薬が出てくれました。

それが、プロトピックです。

 

この薬は約10年前に販売を開始されました。

適応はアトピー性皮膚炎となっていますが、実はそれ以外の湿疹の反応も抑えることができます。

 

このプロトピックというお薬はステロイドではありません。

したがって、ステロイドを長期使用した時に発生する

皮膚が薄くなる。皮膚の下の毛細血管は広がって見える。

などの副作用もありません。

 

また、効果も上々。

特に顔で気になる赤み、痒みを非常によく取ってくれる薬なのです。

更に、興味深いことに、

湿疹や弱くなれば自然に薬の吸収率が下がってくれるのです。

そのためにトラブルが起きる確率も自然に減ってくれるのです。

 

といいことづくめの用にきこえるこのプロトピックですが、問題点が一つあります。

最初、えらくしみるのです。

しみる、火照る、ぽっぽする、かっかする

など、人によりさまざまな表現ですが、一言で言うならば

「唐辛子の粉をまぶされたような」刺激感を感じるのです。

 

でも、ご安心ください。この副作用、時間とともに改善します。

1ヶ月以上その症状を引張る人は殆ど居ません。

でも、たまに我慢ができなく、塗り続けることが出来ない人もいるのですが・・・

 

また、もう一つの問題点は、

「目の周りに塗ってはいけないこと」

とくすりの説明書に書いてあることなのです。

 

実際に今まで多くの方に使ってもらいましたが、

目の周りにぬってトラブルになったことはありません。

また、この成分が含有されている目薬もしっかりと販売されているのです。

なのに目の周りに塗っていけないって、どうしてなんでしょうね。

 

実際に薬局でプロトピックを目の周りに塗らないように指導されて、

戸惑って相談に来た患者さんもいるのです。

 

なんか、バランスが取れていないと思うのは私だけでしょうか。

塗っても問題ないんだし、あまり意味のない制限かと思うんですけどね・・・

ブヨ刺され・結節性痒疹の治療法その1 まずは薬をしっかりと塗りましょう

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さて、昨日のお話でブヨ刺され・結節性痒疹のお話をしました。

本日はその治療のお話を進めていきましょう。

 

結節性痒疹の特徴は非常に炎症が強いことです。

それに伴い、痒みも非常に強いものがあります。

ですので治療法もその強い炎症に合わせて行う必要があります。

 

1)ステロイドの塗り薬

治療の最初はステロイドの塗り薬です。

薬の選択ですが、小さな子にも、非常に強いものを使うことがあります

というか、使わざるを得ないのです。(ステロイド外用薬の強さ

まずはしっかりと痒みと炎症を取ることが大事です。

時には多毛などの副作用が出ることがありますが、

ある程度の副作用は出ることを承知の上で使うこともあります。

なお、副作用は塗るのをお休みすると落ち着いてきますので、

早く治すことはすれだけトラブルの可能性を減らすことにもなるのです。

 

2)プロトピック軟膏

プロトピック軟膏とは、ステロイドと違う成分の、炎症を抑える薬です。

一般にはアトピー性皮膚炎に使われますが、それ以外のさまざまな皮膚の病気にも使われています。

副作用は、塗り始めの1,2週間にひりひり感や火照る感じがするくらいです。

また、ステロイドの塗り薬と違って、長期使用に伴う副作用が少ないことが特徴です。

(もちろん、免疫を抑える薬ですので、真菌やウイルス、細菌による感染症を起こしやすくなりますが)

効果はステロイドに比べ、痒みを抑える傾向が強いです。

(一般的に湿疹の部分には皮膚直下まで神経が伸び、痒みに敏感になっているのですが、

プロトピックはその伸びた神経を縮める作用があるようです。)

そのために、プロトピックとステロイドの塗り薬を併用することもあります。

 

3)ステロイド内服

本当に症状が強い時に短期間に限り飲んでもらうことがあります。

当院では使って2週間程度です。

少量を長期飲むという選択もありますが、

小さい子の場合、将来成長に問題が起きる可能性があるので、当院では行っておりません。

 

4)抗ヒスタミン剤内服

いわゆる一般的な痒み止めの薬も飲んでもらうことがあります。

時に眠くなるので、要注意。

 

 

当院で治療に使う薬は上記にあげた薬で、一般的なものです。

あとは、使い方ですが、

乾燥肌がある子にはまず、全身に保湿剤をしっかりと塗ってもらいます。

意外にこれを忘れると乾燥により引っ掻いてしまうことが有るのです。

同時に結節性痒疹の部分を引っ掻いてしまい、落ち着かなくなる原因にもなります。

その後、結節性痒疹の場所にステロイド(+プロトピック)を塗ってもらいます。

 

この時の注意。

ひとつ、少し広い範囲に塗ること

ふたつ、少しでもしこりやかさかさを感じたらためらわないこと

みっつ、ほてった時には塗らないこと

よっつ、こすったり、擦り込んだりしないこと

結構大事なことですよ。

 

あとは、忘れていけないかさぶたのケア。

私はかさぶたにも薬を塗るようにお話をしています。

かさぶたの部分からの薬の吸収についてはわかっていないことも多いのですが、

少なくともかさぶたが痒くなることは防げるようです。

ですので、しっかりと塗ることにより、かさぶたをむしらずに自然に落ちるのを待つことが出来るのです。

 

まずは薬をしっかりと使うこと。

次はそれでも治療が難しい場合のお話です。

プロトピックのお引越し

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今回の記事は薬剤の販売、製造についてのお話です。

実際にお薬が荷物を抱えてえっさこらする話では無いです。

 

今日の新聞記事にアステラス製薬が皮膚外用剤部門を売却する可能性についての報道がありました。

(ソースはこちら

プロトピックの販売はすでにマルホに移っているので、完全に手を引いてしまうということでしょう。

 

注:まだアステラス製薬からの公式な説明はありませんので、ガゼネタかもしれませんが。

 

製造が他の会社に移っても患者さんには直接影響はないのですが、

処方する側からすると、なんとなくもやもやが生じてしまいます。

 

特に心配なのがトラブルが起きた時のお話。

まあ、10年以上使っている薬なので、頻度の高い問題についてはクリニック内で対応可能なのですが、

稀なトラブルや他の要因も混ざっている場合、問題解決のためにどうしても製薬会社に確認を取らねばならないことがあります。

今まではマルホさんに聞いて、それでもわからなければアステラスさんに直接確認していました。

本当はあまり良くないのですが、少なくともアステラスさんの中にはプロトピックのことをしっかりと理解している人がいると考えてのことです。

 

でも、これが他の会社に移ってしまったらどうでしょうか。

はたして、新たに権利を取得した会社の人間が質問に答えられるのか?

そもそもプロトピックについて詳しい人間がそのまま新しい会社に移動して(しまって)いるのか?

それともアステラスに残って(しまって)いるのか?

その部分について不明ですと、以前と同じレベルで対応してくれるのかどうか不安になってしまいます。

 

私達だって引越しする時には、どこに行ったかわからない荷物が出ることがあるわけです。

必要な時にそれが見つからずに苦労する。そのようなお話には事欠きません。

これが笑い話で済めば良いのですが・・・・・・

薬剤については、患者さんの生命やQOLにかかってくることもあります。

権利や財産のお引越しだけでなく、特に情報やノウハウのお引越しもしっかりと考えて欲しいものです。