わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

いつまでも治らない虫さされ あるいは ブヨに注意

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ブヨ。

皮膚科医に取っては嫌な言葉です。

だって、刺されると手こずるんですよ。しかも治らないんだもの。

 

なぜ、ブヨに噛まれると症状が長引くのか?

実は完全にはわからないのです。

ただひとつ言えるのはブヨは皮膚を「刺す」のではなく皮膚を「噛みちぎる」から。

そのために悪化する可能性があります。

 

ブヨの刺し傷の特徴は今述べたように噛みちぎること。かゆみが強いこと。

そのために皮膚の反応は他の虫さされと異なる様子を見せます。

 

まず、皮膚は一部なくなりますので、それをなおすためにかさぶたを作ります。

また、なくなった部分から血液や組織液(いわゆる「つゆ」)が出てきます。

実は組織液や血液の中には痒みを強く感じさせる成分が含まれていることがわかっています。

また、かさぶたも一般的に痒みを感じることがありますよね。

そのためかもしれませんが、皮膚の下のかゆみを感じる神経が「過敏」になっているようです。

 

そのせいで、ブヨに刺されるととてもかゆくなってしまいます。

結果として皮膚は刺されたところを中心に固く盛り上がってしまい、

治療を続けても全然良くならなくなってしまうのです。

これを「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」と呼んでいます。

 

ここまで進んでしまうと、治療は大変です。

ステロイドの塗り薬を数ヶ月ずっと塗る必要があります。

副作用が出て、毛が生えてくることもありますが、やむを得ません。

(治療をやめれば毛は抜けるので心配しないで下さい)

でも、治療をしないと、数年間も持続してしまいますから、仕方が無いのです。

 

以上、ブヨに刺された時にいかに大変かお話しましたが、

同じようなことはずーっと引っ掻かれた皮膚ではすべて起こりうることなのです。

なので、引っかかないことが大事なのです。

引っかかないほうが早く虫さされは治りますよ。

家での手荒れの治し方

リラックマ ゴム手袋

先日、テレビを見ていたらウエディング雑誌の付録特集をしていました。

一番売れ行きを上げた付録が、なんと、レースでデコレーションしたゴム手袋でした。

びっくりしましたが、逆にもっとデコ手袋が一般的になってくれれば手荒れで悩む人は減ると思うのですが。

 

手荒れにおいて、もっとも大事なことは素肌を晒さないことです。

そもそも、手荒れは毎日の家事仕事でも悪化します。

主婦湿疹とも言われるとおり、手荒れは仕事を指定なくても出来るものですから、

逆に毎日の生活を少しずつ変えていくことが予防と治療になるのです。

 

手荒れで大事なことは手を濡らさないこと、石けんを付けないこと。

ですので、炊事の時、特に皿を洗う、テーブルを拭く時には必ずゴム手袋をかけたほうがいいでしょう。

可能ならば料理をするときにもゴム手袋をつけたほうがよいのですが、ゴム手袋だとゴワゴワしてしまうのが問題です。

本当はその時にも介護用の薄いプラスチックやゴムの手袋をつけて欲しいのですが。

あと、以外にも濡れた洗濯物を干すときにも手は荒れます。

多分、濡れることや、ものを触ること、こすれることが良くないのでしょう。

そのため、洗濯物をホスト機にもゴム手袋をつけたほうが良いのです。

 

以上の2種の家事では、濡れるので、それを予防するために防水の手袋を使う必要があります。

また、それ以外の洗濯物を畳むときや、掃除、片付けの時には綿の手袋をしたほうが良いでしょう。

 

あとは、以外に外出するときにも手荒れの原因は潜んでいます。

特に自転車、あとは車のハンドルを持つ時には、自分の汗で濡れる。グリップで荒れることが起こります。

その時にも本当は手袋をしたほうがいいのです。

タクシーの運転手さんを見て下さい。みんな白い手袋をしていますが、

それによって、手荒れは防止できていると思います。

 

最後に忘れていけないのは寝ているとき。

その時にも必ず手袋を使うことを忘れないようにしてくださいね。

1日の4/1から1/3はみんな寝ていますから。

 

 

手荒れの予防も治療も職場と家庭での対応が一番です。

治療の効果が上がるも下がるも予防が大事。

まず、毎日の生活を見てあげて下さい。

 

手荒れは職場で治す

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あるいは、「職場が」治すでしょうか。

 

昔むかしの話です。

手荒れの美容師の患者さんを治療したことがありました。

その美容院は店長の方針により、スタッフは手袋着用禁止。

もちろん、その患者さんも手袋はできませんでした。

湿疹が悪くなるのを承知の上で仕事をせざるを得ない状態をそのままにし、

放置しているそのお店の店長に怒りを覚えたことがあります。

「手荒れごときで働けなくなるようなスタッフなら辞めてしまえ(替えはすぐにきくから)」

とその店長に言われているような気がして、その美容院にはゼッタイ行かない。

と思った記憶があります。

 

手荒れで受診する患者さんのかなりのかたは何らかの仕事を持っています。

話を聞くと、美容師さんや床屋さん。飲食店関連の仕事をしている方が多いようです。

職場での手荒れへの対応を聞いてみると、まちまちです。

しっかりと対応してくれるところもあれば、逆にほったらかしのところもあります。

 

いつも仕事での対応について上司と相談するようにお話するのですが、

あまり芳しい返事も持ってきてくれる人は少ないようです。

 

水や何らかの化粧品・薬品を使うときには防水の手袋をする。可能なら綿の手袋をする。

時には保湿剤を塗る時間を数分作ってあげる。

 

これだけでも随分と手荒れや手の湿疹は良くなるのです。

このちょっとしたことをどれだけ気を使ってあげられるかは

人の上に立つ者の度量が問われることでは無いでしょうか。

もう少し、このようなことまで気を配ってあげたらいかがですか?

店長さん??

手荒れの体質

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手荒れ体質はあるのだと言ったらみなさんはびっくりするでしょうか。

 

毎日診察をしていると、沢山の手荒れの患者さんがやってきます。

当クリニックでは問診票を書いてもらっています。

その問診票を見ていると、元々アトピー性皮膚炎を持っている人が結構多いんですよね。

まあ、ウチは小さな子どもとそのお母さんが多いので、若年者の比率が多い可能性はあるのですが、

それでも、世の中のアトピー性皮膚炎の患者さんの比率よりもずっと多い印象があります。

 

手の湿疹とアトピー性皮膚炎。

ぱっと見あまり関係がないような2つですが、共通のキーワードでつながります。

そのキーワードは「フィラグリン」です。

 

フィラグリンとは何か。簡単に言うと皮膚のバリアを司るタンパク質です。

フィラグリンが少ない人は、小さい時には尋常性魚鱗癬という症状を発症します。

すねの前の部分にあたかも鱗のような皮膚の割れ目が出来る病気です。

この病気は大きくなるに連れて良くなってくるのですが、

手のひらや足の裏の指紋が深くなることが知られていました。

 

また、このフィラグリンはアトピー性皮膚炎の一部の人でも少ないことが知られています。

大体1/4から1/3くらいのアトピー性皮膚炎の人に異常があることが知られています。

このアトピー性皮膚炎もおとなになると多くの人が良くなることが知られています。

でも、あくまでもはっきりと出なくなっただけであり、大人でも調子が悪くなると、

関節などに湿疹が出来る人もたくさんいます。

 

多分、アトピー性皮膚炎の人の「調子が悪くなったとき」の調子の良くない皮膚が

手のひら、手の指なのでしょう。

なので、体に何も湿疹がなくても、指や手のひらに症状が出るのでしょう。

 

つまり、これがアトピー性皮膚炎と手の湿疹の関連性と考えられます。

では、治療はどうするのか?

これも、アトピーと同じ。まず、生活指導。ついで塗り薬です。

 

治療の話は次回以降にしましょう。

 

虫さされの治療のお話

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以前に虫さされの話をしておいて、治療の話をしていなかったのをすっかりと忘れていました。 m(-_-)mゴメンナサイ

今回は治療の話をして行きましょう。

 

前回の記事のとおり、虫さされの反応、は毒に対する化学的反応とアレルギー反応の混ざったものです。

この反応は、正直無くても構わないものです。

毒と言っても、日常刺される虫からの毒の量はごく微量であり、生命に危険を及ぼすものでは無いこと。

(厳密には注意する虫もいくつかありますが、普通に生活している限り出会うことはまずないでしょう)

また、毒自体は体の中でいずれ中和され無毒化されること。

アレルギー反応も本来必要とされる強さよりも強く出現しすぎていること。

などから、利点よりも欠点の多い反応と考えます。

 

したがって、中途半端に痒いのを我慢するよりは病院で薬を処方して貰った方が良いのでは無いでしょうか。

薬もしっかりとステロイドをもらって構わないと思います。

 

ステロイドの塗り薬は副作用を心配する方も多いのですが、虫さされの治療についてはステロイドの副作用はは殆ど無視出来るものです。

なぜなら、虫さされの反応は数日で引いてしまうので、物理的に大量、長期間使わないからです。

また、同じ所を何度もさされる可能性は少ないですから、同じ皮膚にずーっと塗り続けるないからなのです。

(ステロイドの塗り薬の影響は、薬の強さと塗布量、塗布期間をその場その場の皮膚が反応することによって決まります)

 

では、薬局で購入する薬や市販薬(OTC)はどうか。

私は一時しのぎにはなりますが、根本的な治療にはなかなか結びつかないと考えています。

まず、OTCの炎症を抑える力は処方されるステロイドの塗り薬より弱いです。

では、OTCを塗ることで痒みはなぜ抑えられるのかというと、麻酔薬で神経の反応を抑えているからなのです。

したがって虫さされによる炎症はそのまま残っている状態です。

もちろん、炎症は自然に落ち着いてきますが、その時間はステロイド塗った時よりもとても長くなってしまいます。

したがって、症状が引くのに時間がかかるのです。

 

つまり、虫さされは

アレルギー反応→炎症→痒み

という症状が出るわけですが、

ステロイドはアレルギー反応そのものを抑える。

OTCは痒みを抑えるが、アレルギー反応は残ってしまう。

という違いが、効き目となって現れるのです。

 

もう一点、OTCをあまりおすすめしない理由ですが、

いくつかの商品では、薬を塗るところがギザギザ、トゲトゲしているものがあります。

これは絶対にオススメ出来ません。  乂(´Д`;)

ひっかくという行動は虫さされには絶対に良くないのです。

 

では、ひっかくのはなぜダメなのか。

このお話はまた今度しましょうか。

唇が荒れる子の治し方

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今回は唇のお話です。

 

冬になると唇がかさかさする方も多いかと思いますが、

夏でも唇が荒れる子もたまに受診することがあります。

 

なぜ唇が荒れるのか?これはいくつかの要因が関係しています。

まず、皮膚自体がもともと荒れやすい子。全身の乾燥があれば、当然唇の皮膚も乾いています。

そのために湿疹ができやすいのです。

次に醤油かぶれ。食材に入っている塩分や香辛料その他の成分により、物理的に湿疹が起きることもあります。

また、よだれそのものが湿疹を誘発することもあります。これはよだれの中に含まれている酵素が皮膚を溶かす?

ことや、濡れた皮膚が弱くなること、濡れた皮膚が乾燥した時に割れることなどがあります。

また、こすり過ぎもあります。洋服の袖やティッシュ、タオル等でごしごしこすってしまい荒れてしまう。

最後に精神的・心理的な癖で唇をいじってしまうために湿疹が起きることがあります。

 

ただし、唇が荒れる原因はこれらが関係しあっていることが多いのです。

単一の原因があることはむしろ少なく、湿疹が起きたことをきっかけに他の要因が起き、

そのために更に悪化してしまうこともありますので、何が原因か判断することはとてもむずかしいものです。

 

治療はどうするか?

まず、湿疹を抑えること。

でも、湿疹のみを抑えてもその前に存在する乾燥を抑えない限りすぐにぶり返してしまいます。

なので、同時に乾燥も抑える必要があります。

乾燥と湿疹を同時に抑え、悪化する要素を取り除くこと。

これが治療のスタンダードです。

したがって、ステロイドを塗るだけではダメ。保湿剤だけでも落ち着かないことが結構あります。

うまく使い分けて塗っていくことが必要です。

また、場合によっては心理的な要因も関係していることがありますので、

カウンセリングなどの心理学的なアプローチも必要になることがあります。

状況によっては心療内科受診をおすすめすることもあります。(滅多にはありませんが)

 

もしも、唇の荒れが心配な方は一度相談にいらして下さい。

イボの治療の時に痛い方がすぐに治るのか?

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イボの治療をしている時に、何度も治療をしている間、

回数を重ねるごとに痛みが強くなると言われることがあります。

逆に何回治療をしても痛みがあまり無いと言う子もいます。

どちらが早くイボが治るのでしょうか?

 

はっきりとした統計はないのですが、多分、痛みが強くなってくる子ほど

イボの治りは近い印象があります。

なぜでしょうか?いくつかの要因が考えられます。

 

そもそも、イボが取り付くのは皮膚のどの細胞なのか?これははっきりとした結論は出ていないのですが、

「幹細胞」ではないかと言われています。

幹細胞」とは最近ニュースで聞かれる言葉かもしれませんが、すべての細胞のお母さんのような細胞です。

女王蜂のようなと言っても良いのかもしれません。

つまり、幹細胞は常にそこにとどまって分裂をしています。

分裂した娘細胞が皮膚となって分化(皮膚として成熟)していくのです。

皮膚の幹細胞は皮膚の一番下に存在しています。つまり、イボが取り憑いた細胞も皮膚の一番下に居るのです。

 

まず、これが一つ目のポイント。

 

次のポイントは液体窒素です。

液体窒素がどのようにしてイボに効くかははっきりとはわかっていません。可能性として

1)物理的な温度の変化で細胞が壊される

つまり、冷凍庫から何度も出し入れするうちに食材がシナシナになっていくのと同じですね。

2)細胞を栄養している血管が壊れる

間接的にイボが取り付いている細胞を餓死させるわけですね。

3)炎症を誘発する

凍ったり、解凍されたりを繰り返しているうちに、体が異変に気づき、その部分を排除しようとする機構が働くわけですね。

などが考えられています。このどれが最も効果をはっきりしているかはわかりませんが、

優しい治療(冷やし方が足りない)と、なかなか治らない印象がありますが・・・

 

最後のポイントは神経線維です。

実は皮膚の表面には神経は来ていません。

神経は皮膚の下の真皮の浅い部分までしか届いていません。

うっすらと血が出ない程度に皮膚が切れていても気が付かないのはこのせいですね。

 

 

では、イボの治療をする時に痛みが出るのはなぜかというと、

その神経の先端部分が冷やされるからです。

当然その上の皮膚もよりしっかりと冷やされているわけです。

 

一般的にイボの部分には厚く皮膚は積もっています。

つまり、他の部分に比べてちょっとやそっとでは凍らないように成っています。

液体窒素を当てても他の皮膚に比べて痛みは弱いのです。

 

では回数を重ねるうちに痛みが強くなってくるのはなぜか。

皮膚の厚さが減ってきているからなのです。

つまり、イボの取り憑いた細胞の数が減少しているから。

イボの取り憑いた細胞の増殖を、治療で抑え込めているからです。

幹細胞そのものを殺しているか、殺せないまでも分裂ペースを抑え込めている方なのです。

 

痛みが強くなるのは確かにイヤなことではあります。

しかし、そろそろイボが治ってくれる証明と考えれば、少しは我慢できるかなぁ?

え、ダメ?

 

 

 

最後におまけ。

治療時の痛みはしたがって効果の証明にはなりますが、痛みそのものだけを取り除いても

治療の効果が落ちるわけではありません。

(ただし、痛くないように治療の手を緩めるとかえって治りが遅くなってしまいますが。)

当クリニックでは痛みだけを取り除く治療を患者さんの希望があれば行なっています。

受診のうえ、ご相談いただければと思います。

プロトピックのお引越し

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今回の記事は薬剤の販売、製造についてのお話です。

実際にお薬が荷物を抱えてえっさこらする話では無いです。

 

今日の新聞記事にアステラス製薬が皮膚外用剤部門を売却する可能性についての報道がありました。

(ソースはこちら

プロトピックの販売はすでにマルホに移っているので、完全に手を引いてしまうということでしょう。

 

注:まだアステラス製薬からの公式な説明はありませんので、ガゼネタかもしれませんが。

 

製造が他の会社に移っても患者さんには直接影響はないのですが、

処方する側からすると、なんとなくもやもやが生じてしまいます。

 

特に心配なのがトラブルが起きた時のお話。

まあ、10年以上使っている薬なので、頻度の高い問題についてはクリニック内で対応可能なのですが、

稀なトラブルや他の要因も混ざっている場合、問題解決のためにどうしても製薬会社に確認を取らねばならないことがあります。

今まではマルホさんに聞いて、それでもわからなければアステラスさんに直接確認していました。

本当はあまり良くないのですが、少なくともアステラスさんの中にはプロトピックのことをしっかりと理解している人がいると考えてのことです。

 

でも、これが他の会社に移ってしまったらどうでしょうか。

はたして、新たに権利を取得した会社の人間が質問に答えられるのか?

そもそもプロトピックについて詳しい人間がそのまま新しい会社に移動して(しまって)いるのか?

それともアステラスに残って(しまって)いるのか?

その部分について不明ですと、以前と同じレベルで対応してくれるのかどうか不安になってしまいます。

 

私達だって引越しする時には、どこに行ったかわからない荷物が出ることがあるわけです。

必要な時にそれが見つからずに苦労する。そのようなお話には事欠きません。

これが笑い話で済めば良いのですが・・・・・・

薬剤については、患者さんの生命やQOLにかかってくることもあります。

権利や財産のお引越しだけでなく、特に情報やノウハウのお引越しもしっかりと考えて欲しいものです。

毒蛾皮膚炎(毛虫皮膚炎)は伝染する?

毒蛾皮膚炎(毛虫皮膚炎)ですが、先週末から更に患者さんが増えて来ました。

 

どうもチャドクガの幼虫が老齢となり、単独行動を始めだしたようです。

そろそろ成虫になるので、患者さんの数は減るかと思いますが、まだ注意が必要な状態です。

 

チャドクガの患者さんを診察しているうちに、どうも私にも伝染ったようです。

首に2箇所、左に1箇所湿疹ができました。

いまはだいぶ落ち着きましたが。やはり痒みはかなり強いようです。

 

さて、チャドクガの湿疹はなぜ伝染するのか?それが原因がトゲだからです。

チャドクガの毛にた沢山のトゲ(毒針)が密集しています。

特に、毛虫がびっくりした時には沢山のトゲが体から外に撒き散らされます。

そのトゲが皮膚にささり、トゲの表面のタンパク質に対し抗原抗体反応が生じたために

いわゆる湿疹が出来上がるのです。

 

そのトゲは体に刺さった後も、ちょっとしたきっかけで再度皮膚から外れ、コロコロと転がってしまい、

また別のところに刺さるのです。

また、トゲが他の人にも伝染ることになります。

 

同様に洗濯物にもトゲのみが風で飛んできて、刺さってしまう。

それを着た人に湿疹ができてしまうということもあるのです。

 

別の芋虫のように、死んでしまえば毒がなくなるわけではなく、毛虫の死体のトゲにも

湿疹の反応を起こす力は残っているので、要注意です。

特に毛虫を駆除するときには皮膚を出さないようにくれぐれも注意してくださいね。

・・・・・・防護服?

ハチ用はありますが、毛虫用は見たことないですね・・・・・・

 

おむつをいつ外すべきかは子ども自身が知っています。

暖かくなって来ました。

夜も、そろそろ寝苦しくなるくらい。

大人が寝苦しくなり、朝にシャワーを浴びたくなる頃はおむつを外すには調度良い季節です。

では、子どものおむつを外すべきサインはどのような物があるでしょうか。

皮膚科医編おむつはずしサインの確認の仕方です。

 

当然、子ども自身に聞いてもよくわからないでしょう。

しかし、その子のひふを見ると、「外そうよ」のサインがすでに出ていることがあります。

 

診察をしていると、2歳を過ぎてからは赤ちゃんの時と比べて

おむつトラブルの場所が変わって来ることに気が付きます。

赤ちゃんの時は以前の記事のとおり、外性器から肛門のまわりにかけて最もよく見られます。

しかし、2歳を過ぎると、おしりと(特に腰の)おむつギャザーの部分のトラブルが増えるようです。

また、形態も単純なかぶれと言うよりもアセモに近いような状態になるようです。

 

これは何を意味するのか?

一つ目は動きが活発になってきたためにおむつギャザー部分で皮膚がこすれてしまうのです。

そのため腰やふともものおむつのギャザー部分に痒みが出てしまい、

「手を入れてもぞもぞ」という行動が出てきます。

二つ目は、年齢があがることでおむつの中の体積も増え、同時におむつの吸収体の体積も増えますので、

ちょっとおしっこをしただけでは、おしっこが漏れる事がなくなります。

しかし、おむつの中はおしっこを1回するだけで湿度は100%になってしまい、

その湿度を原因としてアセモのような湿疹を作ってしまいます。

おもに腰のギャザーの部分から殿丘(おしりのほっぺ)部分にできることになります。

 

具体的に検証したわけではありませんが、二歳を過ぎるとこのような湿疹が増えるようです。

そうしたら外そうねのサインだと私は考えます。

しっかりとトイレに生き、おしっこやうんちをすること。

そして、おむつをしっかりと外すこと。

これは親としてのお仕事ですね。

大きくなってもずっとおむつでは居られませんから。