わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

2014年

とびひは暑いから出るわけではない

というのが、今年の診察をしての結論です。

 

とびひは夏の病気です。

というと、いかにも夏の暑い気候が悪さをしているような気になりますが、

どうもそうでもなさそうです。

 

暑い日がとひびを引き起こすのであれば、比較的涼しい時間が持続する

今年はそんなに多くはないということですよね。

 

でも、今年も結構とびひは多いです。

 

どうも、影響しているのは湿度のようですね。

それを反映するのが、とびひの患者さんが一気に増えるのは台風の後だからです。

 

つまり、湿度がとびひを作る。

 

ということは涼しくなっても雨が続く9月までとびひには注意したほうが良いということです。

 

お気をつけ下さいね。

 

夏もはたけは目立ちます

本格的にお盆に入りました。

当院も今週末までお休みです。

 

さて、夏になって目立ってきたのが、顔の湿疹です。

正確には湿疹に伴うほっぺたの部分的な色抜けです。

ほっぺたの一部に白く色が抜けた部分があり、特に日に焼けた子では、

とても目立つ状況になっています。

同様に背中や胸などにも色の抜けが出ている子もいるようです。

 

では、この色の抜けはなぜ出てきたのでしょうか。

 

この色のぬけは「単純性粃糠疹」と呼ばれるものです。

ちょうど米の糠のような小さなかさかさは皮膚にこびりついているので、

このような病名で呼ばれます。

俗称は「はたけ」

なぜ、このように呼ばれるのかはわかりません。

 

湿疹の部分というのは色が抜けたり、色がついたりと、

皮膚の色調に変化が出てくることがあります。

この単純性粃糠疹も同様の理由で色が抜けると考えられます。

 

最初は粃糠疹の部分はでこぼこしているので、光が乱反射し、結果として白っぽく見えると考えていたのですが、

どうもそんなに単純な話ではなく、

粃糠疹部分の色素のでき方そのものが周囲と異なるために出現すると今は考えられているようです。

 

では、対処法はどうするのか?

先にお話しした通り、粃糠疹とは軽い湿疹の状態ですから、湿疹を直すことが治療になります。

保湿剤でも十分抑えることが可能ですし、症状が強いようであれば

弱めのステロイドを塗ることで湿疹を抑えることができます。

でも、この色のムラを直すのは正直難しいです。

そもそも色ムラは湿疹の結果の色素のでき方の違いが原因ですから、

湿疹を直しても色素がすぐに出るわけではありませんし、そもそも皮膚の色は

何か月もかけてできた皮膚の色素の量で決まります。

したがって、湿疹を直したからと言ってすぐに色のむらがなくなるわけではありません。

 

でも、心配はいりません。

時間はかかりますが、きちんと湿疹を治してさえいれば、色のムラは徐々に目立たなくなります。

冬には目立たなくなりますので、ご心配なく。

もしも、ムラが目立つのはイヤというのであれば、

ファンデーション機能付きの日焼け止めを使えば目立たなくなります。

色が気になるようでしたら、試してみてくださいね。

2014年8月21日 勉強会のご案内

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマを決めて勉強会を行なっております。
皆様のご参加をお待ちしております。

2014年8月21日
虫さされのはなし IB-A-005
誰もが一度は刺される虫さされ
原因から虫の種類、治療法までしっかりと確認しておきましょう

    
2014年8月28日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-011
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2014年9月4日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-009
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2014年9月18日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-012
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2014年10月2日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-010
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2014年10月16日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-013
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

時間
  開場 10:15(10月以降は10:45)
  講義 10:30-11:15(10月以降は11:00-11:45)
  質問の時間 11:15-11:30(10月以降は11:45-12:00)

    
場所
 わかばひふ科クリニック 待合室
  180-0002
  吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
  0422-22-1232

定員
 6名

費用
 無料

講師
 野崎誠
  わかばひふ科クリニック院長

受講時の注意事項
 赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
  他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
  勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
  おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
 駐車場は2台分あります。予約は受け付けておりません。
  駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。
問い合わせは下のサイドメニュー内からの問い合わせフォームをご利用ください。
予約完了時の返送は行っておりません。ご注意ください。

予約時の注意事項
 キャンセルは前日まで、問い合わせフォームよりお願い致します。

個人情報について
 個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
 各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

お申し込みは下のカレンダーの該当する日時をクリックして行ってください。
問い合わせフォームからはお申込み出来ませんのでご注意ください。

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引っ越しをすると虫刺されはわるくなる。

夏になり、虫刺されの患者さんがたくさん受診されるようになりました。

多くの患者さんを診察していて気になることが一つありました。

概ね虫さされの症状は刺された回数により決まります。

したがって、同じくらいの年齢の患者さんでは、みな症状の強さは似通ってくるのですが、

一部の人では年齢に比べて非常に強い症状を示す方がいました。

 

どんな人がそのような反応を示すのだろうか。

 

と考えて観察していると、ある一つの傾向が見えてきました。

 

どうも、このような人は引っ越しをしているんですね。

しかも、引っ越しをしてからの年数と症状の強さが関係しているみたいです。

 

不思議な話でしょ。なぜでしょうか?

 

どうも、刺す虫に対するアレルギーの強さが違うのではないか。

と考えられます。

 

虫さされのアレルギーの強さは虫の種類ごとに異なります。

つまり、

イエカのアレルギーの強さと、ヤブカのアレルギーの強さは全く別個のものなのです。

 

それをもっと考えてみると、

関東のイエカのアレルギーのつよさと東北のイエカのアレルギーの強さ、

九州のイエカのアレルギーの強さは全く別個のものかもしれません。

 

いままで、イエカはイエカ。アレルギーの強さは一律でしょ。

と考えていたのですが、ひょっとすると地域によりイエカはイエカでも微妙に違い、

刺された時に体内に入ってくる成分も微妙に違い、

アレルギー反応も微妙に違う。

ということがあるのかもしれませんね。

 

なので、引っ越しをした後には虫さされの反応が非常に強くなってしまう。

ということもあるかもしれません。

 

 

では、どこからどこに引っ越ししたら反応が強くなるのか?

これはまだよくわかりません。

どうも別の地方(例えば東北から関東)レベルでは強くなるようです。

もちろん隣町レベルでは強くなりません。

そのあいだのどこかにあるんでしょうね。

これは今後の課題としましょうか。

1ヶ月未満の子の湿疹が悪くならないわけ

新生児

1ヶ月未満の赤ちゃんの湿疹が悪くなることはほとんどありません。

 

・・・と言い切ってしまいましたが、これは意外に知られていません。

ではなぜなのでしょか。

 

実はこれには赤ちゃんの発達が関係しています。

具体的には手や腕の動かし方についてです。

 

手や腕の動かし方も年齢とともに段階を踏みながら発達していきます。

1ヶ月未満の子は肘を曲げて腕を動かすということはできません。

腕をバタバタさせることはできるのですが、よくみてみると、上下にブンブンと振り回すような行動しかできません。

そのために、湿疹ができたとしてもひっかくことができないので、

悪化することも長期化することもありません。

 

湿疹というのはどうも引っ掻いて初めて悪くなるようです。

まあ、いずれこのようなお話もしていけるかと思います。

新生児の皮膚の表面では陣取り合戦が行われています

新生児

さて、今回は赤ちゃんのお肌のお話をしていきましょう。

お話の内容は皮膚常在菌の話です。

 

新生児、生まれて数日の間は皮膚にいくつかの赤いぶつぶつができることはよくあることです。

この赤いぶつぶつは何もしないでいると数日でなくなってしまいますが、一体これは何でしょう。

 

実はこの赤いぶつぶつは毛嚢炎なのです。

簡単に云うと、毛穴にバイキンが入った状態のこと。

 

実は新生児の皮膚の表面では陣取り合戦が行われていて、

その影響が赤いぶつぶつとしてあらわれるのです。

 

赤ちゃんは胎児の時には羊水の中に浮かんでいました。

羊水にはバイキンはいませんので無菌状態にあります。

しかし、誕生とともにこの世の中のバイキンの洗礼を受けることになります。

つまり、

無菌状態の皮膚の上に様々なバイキンがつき始めるのです。

丁度椅子取りゲームのような状態でしょうか。

そして、数日のうちに皮膚の表面にはバイキンたちが一定のバランスを取りながら

住み着くようになるのです。

これを皮膚の常在菌と呼びます。英語でいうと、フローラ。臭いそうですね・・・

 

その常在菌が定着する過程で、バランスが一時的に崩れ、悪玉菌が皮膚で増え、毛嚢炎を作ることがあるのです。

 

え、こんなお話聞いたことがないって?

いやいや、CMでよくやっているではありませんか。

まあ、あれば腸内のお話ですがね。

・・・ピント来た方もいるでしょうか。お腹の中でも同じような事が行われているのです。

皮膚の表面は自然につくのですが、お腹の中は食品やその表面に付いているものから決まるという違いはあるのですがね。

 

なお、皮膚表面については、善玉菌や悪玉菌と言ったもの、およびその量と病気の発生原因との間には

はっきりとしたことはわかっていません。

あまりにも複雑過ぎるお話ですからね・・・

ただ、ひとつわかること。それは皮膚表面にも一つの世界が出来上がってるということなのです

台風が過ぎた後に増えた皮膚の病気

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少し時期を逸したお話ですが、2014年7月に日本を直撃した台風が過ぎた後に

増えた皮膚の病気がいくつかありました。

多分夏の台風が過ぎた後には同じような傾向があるかと思いますので、

この機会にまとめてみたいと思います。

 

今回の台風は幸いな事に関東を通過したのは夜間から深夜にかけてであり

関東では大きな人的な被害はありませんでした。

 

でも、その後患者さんが増えたのは事実ですし、

(まあ、台風のために受診を控えていたということはあるのでしょうが)

いくつかの病気が明らかに台風の影響と考えられる増え方をしていました。

その理由も合わせて考えてみました・

 

>汗疹

特に乳児から幼稚園前の子に増えました。

台風が来ることで室内の湿度がほぼ100%になること、

また、今回の台風が南風を連れてきたために気温が上がったことが原因のようです。

首の前面、おむつをしている子では、腰からおしりにかけてのおむつの中に広い範囲に汗疹を

作る子が多かったです。

痒みはあまりなかったようですね。

 

>とびひ

こちらは保育園、幼稚園児から小学校低学年の子に多く出てきました。

こちらも湿度と温度の関与が考えられます。

ipetigo

 

以前に成育でまとめたスライドですが、もともと夏に多い病気です。

意外に7月に多く出てくる病気なのですが、台風の時は特に多い印象をうけました。

汗疹と同様に汗で悪くなるようです。

 

今回の台風では意外に水虫はいませんでした。

まあ、もともと子どもは水虫にはかかりにくいものなのですが、大人も少なかったのは意外です。

理由ですが、夜間に雨が降り、朝には雨が止んでいたことがあるでしょう。

つまり、濡れた靴で歩来まわる人がいなかった。

そのために水虫になる人は少なかったのかもしれません。

 

台風はさまざまです。雨が多い台風、風が強い台風。

台風が来る時間によっても状況は変わります。日中に来るのか?夜間に来るのか?

一律に考えることは難しいのですが、どうも汗疹ととびひ、水虫は増えると考えて良さそうです。

 

 

対処法はどうでしょう。

まずはエアコンをしっかりと点けること。特に湿度の管理を徹底したほうが良さそうです。

少し温度は低くなりますので、大人は一枚洋服を着るくらいでいいかもしれません。

また、外出後は必ず体を洗い、靴や靴下が濡れているようであればしっかりと乾かしてください。

また生乾きの靴は履かないこと。長靴もしっかりと乾かすようにしましょう。構造上どうしても乾きにくいですからね。

 

でも、これだけやっても、停電になったり、避難するような場合にはどうしようもないんですよね・・・

 

 

2014年8月7日 勉強会のご案内

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマを決めて勉強会を行なっております。
皆様のご参加をお待ちしております。

2014年8月7日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-008
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2014年8月21日
虫さされのはなし IB-A-005
誰もが一度は刺される虫さされ
原因から虫の種類、治療法までしっかりと確認しておきましょう

    
2014年8月28日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-011
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2014年9月4日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-009
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2014年9月18日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-012
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

時間
  開場 10:15
  講義 10:30-11:15
  質問の時間 11:15-11:30

    
場所
 わかばひふ科クリニック 待合室
  180-0002
  吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
  0422-22-1232

定員
 6名

費用
 無料

講師
 野崎誠
  わかばひふ科クリニック院長

受講時の注意事項
 赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
  他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
  勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
  おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
 駐車場は2台分あります。予約は受け付けておりません。
  駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。
問い合わせは下のサイドメニュー内からの問い合わせフォームをご利用ください。
予約完了時の返送は行っておりません。ご注意ください。

予約時の注意事項
 キャンセルは前日まで、問い合わせフォームよりお願い致します。

個人情報について
 個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
 各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

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妊婦さんが飲める薬、飲めない薬

前のお話で、妊婦さんと薬の話を長々とさせていただきました。

問題問題といっているけど、じゃあどうすればいいのさ。

という声があがるもの尤もですので、今回は対策についてお話をしていきましょう。

 

妊婦さんがその薬を飲めるのか否か。

実は薬の説明書だけを鵜呑みにするわけには行きません。

というのも、先日の記事に記載した通りあくまでもこれは公式なものに過ぎず、

製薬会社が試験を行っていなければ何も記載できないのです。

(まとめたサイトはこちら。PMDA

まあ、家電やパソコンなどの説明書とお考えください。

 

しかし、あくまでもこれは日本国内のお話です。

アメリカなど、他の国では妊婦さんに対する使用が許可されているものもたくさんあります。

というのも、日本の薬は日本人を対象に試験を行わなければいけないからなんですね。

 

また、実際の問題として妊婦さんに飲んでもらったことがある。

という薬ももっとたくさんあるのです。

先日ドラマで放送されていましたが、妊婦さんが乳がんになり、抗癌剤の投与をしなければいけない。

しかし赤ちゃんへの影響がわからない・・・

というお話も海外での使用報告を確認することにより、飲めるか否かの判断をできるのです。

 

では、実際に妊婦さんが飲んでも大丈夫という海外からの報告をまとめたページは無いのかというと、

実はあるのです。

私が以前に勤務していた国立成育医療研究センターでは「妊娠と薬情報センター」として

このような情報をまとめ、一覧にして配布をしています。

ページはこちらです。

 

但しあくまでもこのページはダイジェストであり、正式なものではありません。

正式な物を確認したいというのであれば専門家向けですがこんな本があります。

薬物治療コンサルテーション妊娠と授乳

専門家向けの本ですが、もしも心配な方でしたら、

読んでみてもいいかもしれませんね。

 

もうちょっと簡単な本もあるようです。まだ読んでいませんが・・・

妊娠・授乳と薬の知識―飲んで大丈夫?やめて大丈夫?