わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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きょうのかゆみは何点ですか?

というような質問を最近はさせていただいております。

 

乾燥肌やアトピー性皮膚炎の問題の一つにかゆみの程度がこちらからはわからないことがあります。

実際にどの程度に感じているのか、なんとなくしかわからないんですね。

感覚なので仕方がないのですが、同じかゆみの強さがあったと仮定しても

それを強く感じる人、弱く感じる人がどうしても出てきてしまうのです。

当然ながらかゆみについては湿疹の悪化要因となります。

引っ掻いてしまいますのでね。したがってかゆみを止めることも大事になるのですね。

だた、問題はいままでかゆみの強さを直接的に測ることができなかった。

あくまでも湿疹の強さから間接的に推測することしかできませんでした。

 

ずっと悩んでいた問題なのですが、昨年からNRSという方法で解決できるか実際に行っています。

NRSとはNumerical Rating Scaleの略語ですね。

かんたんに説明するとかゆみの強さを0から10までの数字で示して貰う方法です。

痛みについて同様のことがなされているのを見たことがある方もいるかも知れませんね。

「海外ドラマで見たー!」

などど言われることもあります。

 

毎回外来でお伺いしますので、該当された方は予め考えていてくださいね。

なお、こちらの評価ですが、先に記載したように(兄弟であったとしても)感じ方の個人差は大きいものです。

なので、他の方との比較にはあまり意味はありません。

過去の自分のデータと比較しての評価とお考えください。

同様に高いから悪い、低いから良いと一律に評価するものではないということ、

現状にそぐわない数字を言うことによるメリットはまったくないということにも

注意が必要ですね。

 

「今日のかゆみは何点ですが?」

と聞かれたら何点と答えますか?

診察に来る道のりの中でちょっと考えてみてくださいね。

 

ガンの治療前にまず考えること

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まず、すべてのガンでなくなった方のご冥福をお祈りいたします。

 

最近のニュース記事を眺めながら、気になった事が一つあります。

ガンの治療についてです。

 

治療は「何をすべきか」考える前に、一つ注意すべきことがあります。

もちろんガンに限らずすべての病気について同じことが言えるのですが、

特にガンについては非常に重要な注意点になります。

 

それは、「治療を待てるのか?」です。

治療を待つことが出来るのか?もしくは待つ余裕がないのか?

これは非常に大きな問題になります。

待つ余裕の無いものであれば治療法の選択に時間をかける余裕は有りません。

逆に急がなくても良ければじっくりと治療法を検討できるのです。

 

ガンにかぎらず、治療法をどうするのかは大きな問題となります。

選択肢が多ければそれだけ難しい問題になります。

今、すぐに出来る治療法の他にも、どこかにより良い治療法があるのかもしれない。

ひょっとしたらベストな治療が受けられるのかもしれない。

と考えたくなるのは当然のことでしょう。

でも、ここに時間という考えを忘れると大きな落とし穴に嵌ってしまいます。

 

どういうことか?

治療法を探し、検討しているうちに時間切れになってしまう可能性があるのです。

 

治療法と治療効果だけを考えたら

何もしなかった場合<すぐに出来る治療法<どこかに有る治療法

ですよね。

でも、待てない病気だったらどうなるでしょうか?時間軸を追加して考えた場合は

すぐに出来る治療法>何もしなかった場合=どこかに有るかもしれないけれど探せなかった治療法

つまり、治療をしなかった場合と、見つけられなかった場合はイコールになってしまいます。

つまり、最悪の結果が待っているのです。

この場合の最善の方法は、すぐに出来る治療法を今すぐ始める場合になるんですね。

 

この時間軸についての考えかたは医療者の側からすると、あまりにも当たり前の事になります。

逆に当たり前すぎて患者さんにその考え方が伝わらないことも多いのです。

この、待てるのか待てないのかについては難しい問題です。

待てるにしても、どのレベルで待てるのかも異なります。

数週?数ヶ月?数年?

と、また話は変わってくるでしょう。

 

ただ、治療法をどうするか考える際にはどのくらい待てる。言い換えれば悩むことが出来るのかは

今後を左右する上で重大な問題になりますので、

もしもわからない場合は、主治医の先生に確認してみたほうがいいでしょうね。

 

難しい問題ですが・・・

ガンにはそれぞれ「クセ」がある

そのような話を聞いたことがあります。

研修医の時だったかな?学生の時だったかな?

ということを思い出しました。

もちろん皮膚科の領域のガンにもそれぞれクセがありますよ。

 

さて、今日のニュースで出ていました、ガンの生存率について。

ニュースではさらっとだけでしたので、実際にデータを覗いてみました。

こちらです

それぞれのクセが良く出ていますね。

 

一般的には生存率の曲線というものは最初は急激に下がり、

ある程度のところでフラットになっていく特徴があります。

というのも一般的に転移再発が起きるリスクというのは時間の経過とともに

低くなるからなんですね。

細胞の異常で無軌道な増殖がガンですから、増殖率が高い細胞が残っていれば

短時間で再発すし、低い細胞であれば再発までの期間が長くなります。

ただ、増殖率の低いガンというものは言葉遊びみたいなもので、

それだったら寿命の方が先に来る=ガンでなくなることがない。

ということになりますよね。

したがって、最初は再発率の高いガンでも時間が経過するにしたがって再発しなくなるわけです。

 

でも、見ていると、一つだけ、その傾向から外れるガンがあります。

乳ガンです。

いつまでたっても生存率の傾きが低くならず、同じペースで下がっているのが見えます。

他の臓器とは全くちがう傾向があります。

 

そういえば、学生の時にもそのように習った気がします。

乳がんは20年たっても再発する。

と。今でも理由はわかっていないのでしょうかねえ。

 

カレンダーうさぎ

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カレンダーうさぎと言われて、あのことか。

とわかった方はかなりの常連さんです。

 

クリニックの診察室にはカレンダーが飾ってあります。

その中に小さなウサギが住んでいます。

 

住み家は本日の日付です。

同様に3日後にはゾウ、4日後にはネズミ

1周間後にはクマ、2週間後にはカエル、4週間後にはチョウが住んでいます。

 

気が付きました?

 

カルテのルールは石鹸で?

さて、今回は昨日の記事の解説をしていきましょう。

 

今回は石鹸の話です。

正確にはSOAPについてですね。

 

カルテの記載方法にはいろいろな方法があります。

その中でもスタンダードな記載方法がSOAPですね。

それぞれ意味がありまして

S:Subject 主観所見
O:Object 客観所見
A:Assesment 評価
P:Plan 方針

となっています。

 

まず、Sですが、主観的な所見となります。

これは概ね患者さん(今回は赤ちゃんなので、そのお母さん)のお話が中心となります。

もっとも、お話をそのまま記載するわけではなく、その中から必要な情報を選んで記載していきます。

また、こちらの質問に対する答えも記載していきます。

当然間にはその人の思考が入りますので、正確ではありません。

また、正確である必要もないのです。

言われたことをありのままに、簡潔に書いていくことが大事です。

 

Oは客観的な所見です。

診察をした時の症状など、こちらがみたままのデータを記入していきます。

内科では体温や血圧などの数字、場合によってはレントゲンやCT写真なども含まれます。

本来であれば、誰が見ても同じに書けるのですが、これも難しいのです

いずれそのお話も出来るでしょうか。

 

Aは評価です。

今まで記載してきた、SやOの情報から何が考えられるのかを分析し、

どのような診断をすることが出来るのかを考える必要があります。

前回の記事は非常に単純ですので、単純に診断をつけましたが、

複雑な病気や診断をする情報が少ない場合、疑わしい病名がいくつも出ることになります。

これも、多すぎてはいけませんし、少なすぎてもいけません。

 

Pは方針です。

今後、どういった薬を使うのか。どのような検査をするのか。

生活指導は何をするのか。

といったお話を進めていきます。

 

現在、大きな病院のカルテではそれぞれ別の欄を設けていることが多いのですが、

そのようなカルテではなくても、多くの医師はこのような書き方をしていることが多いです。

紙に記載するのと違い、電子カルテでは、挿入や追加が簡単にできますからね。

わかりやすく、見やすいということは事故を防ぐ上でも重要なポイントとなるのです。

カネボウ狂”騒”曲 第2章

カネボウ株式会社のロドデノールのお話は前回で最期にしようと思っていました。

理由は、患者さんとしては来る可能性があるけれど、少なくとも我が家では使用していないからです。

・・・そう思っていた時期もありました。しかし、我が家も巻き込まれていたようです。とほほ。

 

始まりは一通の封筒からでした。その封筒は「RMK」からのもので、”重要なお知らせ”と書いてありました。

当然、自分あてではないので、机の上に置きっぱなしにしていたのですが、該当者(というか、事務長ですが。)が

封筒を開けて、中を確認して、一言。

「コレ、うちにもあるんじゃない?」

 

おやおやと思っているうちに、事務長が洗面所に行って、その品を持ってきたら、どんぴしゃり、該当製品でした。

とりあえず、今は返品用の宛名を書いています。

 

さて、なぜ、こんなことが起きたのでしょうか。不思議に思ったので考えてみました。

まず、ロドデノール製品を開発したのは、カネボウです。

そのカネボウの子会社のエキップがRMKというブランドを展開していたわけです。

 

我が家では

夫:RMKのブランドは知っている。買っていたのも知っている。

エキップの製品が返品対象になっているのも知っている。

でも、RMKがエキップのブランドであることは知らなかった。

妻:RMKはよく知っている。当然買っている。

カネボウの製品が返品になったのも知っている。

でも、エキップがカネボウの子会社であり、回収対象になっていることは知らなかった。

ため、傍目にはお間抜けな事態になってしまったわけです。

 

では、どうすれば良いのか。

まず、製品が回収されたという話を聞いた時にはメーカーのHPを家族全員で確認する。

テレビの言うことは鵜呑みにはしない。

(上記には語弊があるかもしれませんが、テレビでは放送時間に制約がある以上、

「カネボウ」としか言わない可能性が十分にあるわけです。

実際は、「カネボウ」の”ブランシールスペリア””suisai””トワニー””インプレス””アクアリーフ”

「リサージ」の”リサージ”、「エキップ」の”RMK””SUQQU”とそれぞれ対象商品がありますが、

ここまできちんとしゃべることは出来ないでしょうからね)

その時くらいは新聞を読む

など、色々と行動しなければいけないのでしょう。

 

でも、ここまで普通はしませんよねえ。

メーカー名とブランド名を別にすることにより、様々な問題が出てくる

ということを思い知った一件でした。

 

追記。

ここまで書いた所、「RMKって、免税店で売っていたわよねぇ。」という事務長の言葉。

これも大きな問題を孕んでいるわけですが、これはまた別稿で。

かいさーん

いえいえ、選挙のお話ではありません。

 

傘が壊れました。

今の東京には傘の修理屋さんがいないので、

(昔、地元にはいたんですよ。

小学校の時にちゃんばらで壊した傘をよく修理してもらっていましたが。)

仕方ないのでゴミに出そうかと思いました。

 

しかし、ウチの奥様曰く、

傘は分解しないとゴミにしてくれない。

ということなので、先日奥様が傘を分解していました。

 

これは布の部分ですね。

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きれいな八角形をしています。

中心部分は少し盛り上がっているので分かりにくいのですが、

丸く穴があいています。

その部分には1枚あて布がしてあり、更に傘の先端部分でネジ止めをしているために

中心部分から水が漏れることが無いのです。

 

普段使っているものが壊れた時で十分なので、

一度分解してみると面白いかもしれませんね。

特に日常で使っているものがどのように作られているのかがわかれば、

少しは楽しくなるかと思います。

 

お風呂に入らないことは湿疹が出来る大きな要因になる

ということをまざまざと思い知らされました。

 

先日、所要があり、家族全員で外出しました。

帰宅が遅くなり、その日は子どもたちは入浴せずにそのまま寝ることにしました。

すると、翌日の朝のことです。

赤ちゃんのほっぺたにガサガサが出てきました・・・

 

入浴をしないことは湿疹が出来る大きな要因となります。

原因は様々ありますが、一つには汗。もう一つは涎です。

拭けば大丈夫かとおもいきや、どうもそれだけではたり無さそう。

やっぱり、シャワーで大量の水流を使って洗い流す必要がありそうです。

 

これから暖かくなり、汗も沢山かくようになります。

まず、しっかりと洗ってしっかりと流す。

それが、湿疹予防で大事なことになります。

 

お薬手帳の是非を考えてみる 皮膚科医の立場から その2

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今回は昨日の続きです。

 

前回はお薬手帳が無いと困るお話をしていきました。

でも、よく考えると、別に薬局からもらうお薬手帳でなくても良いのです。

自分の手持ちの手帳にしっかりと書き付けていてもいいのです。

但し、医療関係者が見てもわかるように一覧になっているものがいいですね。

 

また、外来ではこんなことも有りました。

お薬手帳を持ってきたお母さん。いくつかのページには薬局のシールが張ってありますが、

いくつかのページには手書きで記載がされています。

・・素晴らしい!

 

実は私達が知りたいのはお薬手帳ではありません。

いつから、どんな薬を、どのような飲み方をしているのか。

だけです。

したがって、手書きのメモでも、その情報がしっかりと記載されていることが大事なのです。

 

最初の質問に戻しましょう。

お薬手帳は必要なのか?

答え。

自分が飲んでいる薬を完全に把握出来ている。記載出来るのであれば必要ではありません。

でも、それが出来ない場合はお薬手帳があれば、便利ですよ。

ということになります。

お薬手帳の是非を考えてみる 皮膚科医の立場から おまけ

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昨日までお薬手帳のお話をしてきました。

今回はそのおまけ。番外編です。

 

情報は薬だけほしいのか。

実はそれだけではありません。

薬疹とは言いますが、その原因として市販薬や健康食品やサプリメントも有るのです。

できればお薬手帳には市販薬や健康食品やサプリメントについても記載してください。

 

どのような情報がほしいのか?

まず、薬の種類が大事です。正式な名前をフルネームで書いてください。

最近はジェネリック医薬品が増えていますが、その場合は面倒くさくても会社名まで書いてください。

というのも、会社によって本来の成分以外の添加剤が異なることも有り、

可能性は低いのですが、その添加剤に対してアレルギーを起こすことも有るのです。

そのためジェネリックA社でアレルギーが出てもB社では出ないということがあります。

市販薬も正式な名称をフルネームで書く必要があります。

特に市販薬では同じブランドネームでも使われている成分がぜんぜん違うために

コレを違えると、原因不明となってしまうことまで有るのです。

 

一例をあげましょう。誰もが知っているバファリンですが、

バファリンプレミアムでは有効成分はイブプロフェンとアセトアミノフェン。

バファリンAはアスピリン(アセチルサリチル酸)。

でも。小児用バファリンでは有効成分がアセトアミノフェンです。

一文字書き忘れるだけで、全然違ったものになってしまうのです。

コレ、怖いんです。診察する側にしてみると。

 

最後に、容量も書いておいてください。(何mgというものですね。)

次に大切なのが、飲み薬を開始した日。既に飲み終えた薬では飲み終えた日も記載してください。

飲み薬に対するアレルギー反応はその化学成分が血液の中からなくなれば弱くなります。

症状の強弱と飲み始め、飲み終わりに関係があれば、その薬が犯人の可能性がグッと高くなります。

 

最低限これだけの情報があれば対処しやすくなるんですね。

また、可能であれば病名と処方した先生の名前も確認しておきたいところです。

必要があれば直接電話して連絡を取ることもできますので。

 

 

最後に私はどうしているかですが、

サプリメントや健康食品は一切飲まず、市販薬も時にバファリンを飲むのみです。

処方薬も沢山飲むわけではないので、クスリ手帳は持っていません。

でも、自分で何を飲んでいるか言えるので問題は無いのです。

でも、コレ、あまり参考にはならないですよね・・・